日銀3月の金融政策決定会合で利上げ決定

日銀 マイナス金利解除.png

マイナス金利解除を決定17年ぶり

日銀は、319日の金融政策決定会合で、「マイナス金利政策」を解除し、金利を引き上げることを決めました。

日銀による利上げはおよそ17年ぶりで、世界的にも異例な対応が続いてきた日本の金融政策は正常化に向けて大きく転換することになります。

具体的には、20161月の導入決定以来、大規模な金融緩和策の柱となってきた「マイナス金利政策」を解除します。


円安基調は変わらず、33年ぶりの円安

為替市場で加速する円安。日銀が17年ぶりの利上げに踏み切ったにもかかわらず、327日には1ドル=152円台に迫り、19907月以来、338か月ぶりの円安ドル高水準をつけました。一般的には利上げが行われると、その国の通貨は”高く”なります。しかし今回はなぜ、利上げと同時に円安なのでしょうか。


マイナス金利政策解除は円安対策?

それは現在為替市場が、日銀はマイナス金利政策を解除したものの、政策金利はまだまだ低く「0.0%~0.1%」。一方のアメリカは「5.25%~5.50%」と、その金利差は圧倒的であり、しかも日銀は当面は低金利政策を継続するであろうと判断しているからです。

しかしそれはあくまで為替市場の判断。あるいは思惑と言ってもいいでしょう。

経営者のみなさんは、低金利の継続を安易に鵜呑みにせず、来る追加利上げに備える必要があります。

インフレの兆候発言

斎藤健経済産業相は329日の閣議後記者会見で、電気・ガス価格激変緩和対策事業を5月の使用分をもって終了することを明らかにしました。4月末が期限のガソリンなど燃料油価格の激変緩和措置は一定期間延長する。会見前に発表された全国の物価の先行指標となる3月の東京都区部の消費者物価指数(生鮮食品を除くコアCPI※2)は前年同月比2.4%上昇と前月から小幅に伸びが鈍化しました。

こうした物価対策として行われてきた各種補助金の打ち切りなどの影響で、日本のインフレ率は夏にかけて3%に向け上昇する公算が大きいと言われており、金融政策の正常化に動く日本銀行にとっては追加利上げの検討も視野に入れざるを得なくなるでしょう。

ブル-ムバーグ調査(※1)によると、エコノミストの多くは10月までに追加利上げが行われるとみており、7月の利上げ予想が23%となっています。

 

借り入れ負担増、中小苦境

日銀のマイナス金利政策解除は、企業経営を圧迫しかねません。大規模金融緩和策の修正に伴い、金融機関からの借入金利は既に上昇しているとも言われており、「金利ある世界」の本格到来で負担は一段と増すことになります。とりわけ原材料価格や人件費の上昇などのコスト増を価格転嫁できていない中小企業は一段と資金繰りに窮することになります。

取引先の金融機関から借入れ利息の見直しを告げられてから慌てるのでは遅すぎです。

コロナ借換保証制度の利用、新たな予算により登場してくる各種補助金の利用、また借入れによらない不動産を担保にした資金調達や、最近は大手銀行系の参入などによりよく目にするようになってきたファクタリングの活用など、情報取集を怠らずに早めの対応を心がけましょう。

 

補助金の交付を邪魔するキックバック政倫審

今の円安、インフレ基調、マイナス金利政策解除は、中小企業の経営にはプラスには働きません。更に2024年問題は夏には具現化しはじめ、人手不足は更に深刻になります。こんな時に安倍政権時代のキックバック政倫審のことを議論している場合ではなく、早急に補助金の公開など経済委対策を急いでほしいものです。


※1:ブルームバーグ調査

ブルームバーグは、透明性の高い情報供給で世界をリードする金融テクノロジー企業。 ニューヨーク本社を中心に、世界約176都市のオフィスと約120のニュース支局から膨大な市場データやニュース記事配信している。

 

※2:消費者物価指数(コアCPI

コアCPIは、消費者物価指数に含まれている全ての対象商品によって算出される総合指数から、生鮮食品を抜いて算出した数値のこと。消費者物価指数で算出される総合指数から生鮮食品を抜く理由は、より正確な物価の状況を知るため。

 

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