米国「凶作」+中国「輸入増」で高騰続く穀物価格/価格転嫁は家計圧迫!

穀物バブル再来!大豆、とうもろこしなど過去最高値更新

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米国を襲っている大干ばつの影響で、世界的に穀物の価格が上昇しています。
世界の穀物価格を決めるとされるシカゴ商品取引所(CBOT)の穀物価格は6月から上昇に転じ、7月初旬には大豆は過去最高値となりました。1ブッシェル(約27キロ)16.79ドルと平成20年夏の最高値を上回り、以後も連日高値をさらに更新、とうもろこしも7月19日には最高値を記録。大豆、とうもろこしに比較してやや落ち着いた動きとなっていた小麦も9ドル台となり、一段の高値を伺う展開となっています。
「世界の穀物倉」米国を襲う大干ばつ
穀物相場は平成20年の春から秋にかけて高騰しましたが、小麦を中心に生産が回復したことから下落に転じ、21年から22年秋までは大豆10ドル台、小麦4~5ドル、とうもろこし3~4ドルの展開となっていました。23年秋から春に上昇していますが再び下落し、かつての価格に比較すると高値ではあるものの、6月初旬まで落ち着いた動きと見られていました。
ところが、6月中旬から米国の穀倉地帯とされるイリノイ、オハイオ州などでは記録的な熱波に襲われました。大豆のサヤ付け期でもあるこの時期は雨が必要とされていますが、雨量も極端に少ない日が続いています。現地では8月に入っても乾燥した状態が続くとの予報が立っており、大幅な減産の見通しが広がっているのです。
「輸出国」から「輸入国」に転身の中国/大豆輸入量は1億トン!?
今回の穀物高騰、直接の原因は「世界の穀物倉」とも呼ばれる米国の凶作にあるとされていますが、他の要因も絡み合っているようです。世界的な金融緩和で市場に溢れた投機マネーが穀物市場に流れ込んでいることに加え、中国による大量の穀物輸入も背景にあります。少し前まで穀物輸出国だった中国も現在は輸入国となっています。大豆の輸入量に至っては毎年500万トン程度増加し、今年は1億トンにも及ぶという予測もあります。
大豆ととうもろこしは、生産地域がほぼ同じで価格も相関関係にあるとのこと。中国の輸入増大によって大豆の価格が上昇すると、とうもろこし価格も押し上げられ、それが小麦など他の穀物へも波及すると危惧されています。
価格転嫁に苦しむ食品業界、家計への負担も一段増加!
穀物の値上がりはそのまま、加工食品の価格にも反映されることに。家畜飼料も値上がりしており、牛や豚など肉類の価格上昇も時間の問題です。食用油の値上げも相次いでおり、食用油大手の日清オイリオグループ、J―オイルミルズは7月上旬、相次いで外食向けなど業務用で1缶(16.5キログラム)200円、家庭用で1キログラム当たり10~12円の値上げに踏み切りました。穀物の価格高騰が今後も続けば、更なる値上げも避けられないと見られます。
平成20年の穀物異常高騰の際、畜産農家などの生産者を含めた食品業界の多くは価格に転嫁できず、高騰分を吸収して採算の悪化に苦しむこととなりました。平成24年の家計にとっては、穀物価格の上昇に加え、電気代、消費税の上昇に加えての家計負担増です。家計に業界が吸収できるでしょうか。
コメ離れ進む日本:ピーク時の半分、800万トン割れ予測
世界的な穀物高騰の反面、日本国内では「コメ余り」です。7月31日の農林水産省の発表によると、7月から来年6月までのコメ需要の見通しは798万トンで、初めて800万トンを割ると予測されました。最も需要量の多かった昭和38年のおよそ半分にまで落ち込んでいます。「コメ離れ」の進行に歯止めがかからず、農水省は「需要減退はしばらく続く」との見方ですが、ここで日本産の米穀で世界の歪んだ穀物事情を救う魅力的で画期的な穀物になって欲しいところです。ほんのちょっとの工夫と食文化の輸出が鍵でしょうね。
[2012.8.9]

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