◆二十四節気◆令和8年(2026)10月8日「寒露(かんろ)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)10月8日「寒露(かんろ)」です。◆

10月8日15時29分「寒露(かんろ)」です。旧暦8月後半から9月前半、戌(いぬ)の月の正節で、「秋分」から15日目にあたります。天文学的には太陽が黄経195度の点を通過する瞬間をいいます。

「寒露」とは、晩秋から初冬にかけての「露(つゆ)」で、「霜(しも)」になりそうな冷たい露のことをいいます。「暦便覧」では「陰寒の気に合つて露結び凝らんとすれば也」と説明しています。

この頃になると秋も一段と深まり、朝晩は寒気を感じ始めます。山野は晩秋の色どりが濃くなります。菊は満開になり、「櫨の木(はぜのき)」〔※〕の紅葉が美しい頃。「雁(がん)」や「鶫(つぐみ)」などの冬鳥が渡って来ます。

静かなり紅葉の中の松の色 ―― 越智越人
落雁の声のかさなる夜寒かな ―― 森川許六

先人は天気とともに生活していました。雲の形を見て、「すじ雲」「いわし雲」「ひつじ雲」などと名前をつけ、天気の上り坂・下り坂を予期したりしていました。これを「観天望気(かんてんぼうき)」といいます。風や雲の動きやかたちで、これからの天気を予測することです。

観天望気で天気を予想するのは、広い意味で「占い」の一種であり、俗信です。しかし、経験と知識をもとにして、予兆を読んで結果を予測するのは、大きくくくると科学的な態度だといえるのではないでしょうか。

「秋の夕焼け鎌を研げ」という諺は、秋の夕焼けの翌日は天気がいいから収穫が出来るように鎌を研いで用意しようという意味です。「寒露」の頃、五穀の収穫も最盛期に入り、農家では繁忙を極めます。

※櫨の木(はぜのき):ウルシ科ウルシ属の植物。単に「櫨」とも。6月頃に円錐状の黄緑色の小花を咲かせます。雄株には灰色の小果が実り、これから「蝋(ろう)」が採れます。「山漆(やまうるし)」によく似ていて、触るとカブレるので注意。天正年間(1570年頃)に中国から種子で伝わり、「蝋燭の原料」として筑前で栽培され九州一円に広まりました。紅葉は、赤色がモミジより美しく鮮やかです。

◆一雨一度(ひとあめいちど)

この時期、「秋雨前線(あきさめぜんせん)」が南下し、にわか雨がよく降ります。夏から秋、秋からから冬へと空気が入れ替わるなか、短い周期で天気が変わります。「一雨一度」は、読んで字のごとく、雨のたびに一度(=すこし)気温が下がって秋の気配が深まることの喩えです。

◆◆「七十二侯」◆◆

◆初候「鴻雁来(こうがんきたる)」
◇雁が飛来し始める。「鴻雁」は、秋に飛来する渡り鳥のがん。「鴻鴈」とも。「鴻」は大型のがん、「雁」は小型がんのことをいいます。「鴻雁」は大型。
◆次候「菊花開(きくのはなひらく)」
◇菊の花が咲く。
◆末候「蟋蟀在戸(きりぎりすとにあり)」
◇蟋蟀(きりぎりす)が戸の辺りで鳴く。「蟋蟀(きりぎりす、こおろぎ)」は、秋に鳴く虫の総称。『万葉集』には「こおろぎ」とあり、平安時代や中世には「きりぎりす」と呼ばれた。近世以降は「こおろぎ」で、今のコオロギを指す。

◆◆「10月の花」◆◆

「家菊(いえぎく)」キク科キク属 学名「クリサンセマム Chrysanthemum」ラテン語で chrysos(黄金)+ anthemon(花)が語源。開花時期は10月20日~12月20日頃。平安時代に中国から渡来。その後、改良が重ねられ多くの品種が生まれました。春の梅、桜と並んで、秋の代表的な花とされます。

「きく」は「菊」を音読みしたもので、「菊」の字は「散らばった米を1ヶ所に集める」の意で、菊の花弁を「米」に見立てています。冬に芽をとり、春に植え、夏に成長させ、秋に観賞するという菊の栽培は、稲の栽培と似ているため、菊の栽培が盛んになったのではないかという説もあります。「菊」の字は「鞠」とも書き、「究極」「最終」を意味し、一年の終わりに咲く花であることからそう名付けられたといわれています。

中国では「菊」は「不老長寿」の薬効があると信じられ、陰暦9月9日「重陽の節句」には「菊酒」を酌み交わし、長寿を願いました。これが日本に伝わり「重陽の宴」が催されるようになりました。のちに菊は「皇室の紋章」となり、「日本の国花」になりました。

花言葉は「思慮深い」「真実、元気」「いつも愉快」「私はあなたを愛する」など。

◆◆「秋の七草」◆◆

秋の「花野(はなの)」は、春や夏とはまた異なる趣きの草花が彩ります。「秋の七草」とは、ハギ、ススキ、クズ、ナデシコ、オミナエシ、フジバカマ、キキョウのこと。『万葉集』で「山上憶良(やまのうえのおくら)」が「秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種(ななくさ)の花」「萩の花 尾花葛花(おばなくずはな) なでしこの花 女郎花(をみなへし) また藤袴(ふぢばかま) 朝がほの花」と詠んだ歌が広まって親しまれるようになったといわれています。憶良が「朝顔」と詠んだのは「キキョウ」の花だとされています。

◆参考ページ「秋の七草」:https://kisetsunootayori.com/october/20241008_aki7kusa/

「春の七草」は、1月7日の「七種菜羹(しちしゅさいこう)」(「七草がゆ、七種がゆ」を食べて無病を祈る)という「食」に関する風習ですが、「秋の七草」は「花を楽しむ」風流な行事です。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

秋は台風来襲の季節。台風が秋雨前線を刺激して局地的に大雨を降らすことがあります。天気予報の精度が上がった今でも、被害そのものを減らすことは容易ではありません。通り過ぎるのをじっと待って台風一過、青く高い秋空を見上げたいものです。
朝夕、冷え込みがきつくなってきました。
読者の皆様、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。

9月23日9時05分、「秋分」です。旧暦8月「酉」(とり)の月の中気で、新暦9月22~23日頃。天文学的には、太陽が黄経180度の「秋分点(しゅうぶんてん)」を通過するときをいいます。

「秋分点」とは、黄道と赤道が交わる点のうち、赤道の北から南へ向かって太陽が横切る点のこと。この日、太陽は真東から昇り、真西に沈みます。昼と夜の長さがほぼ等しいといわれていますが、実際には「秋分」のおよそ4日後になります。「暦便覧」では「陰陽の中分(ちゅうぶん)なれば也」と説明しています。

残暑の名残も感じられますが、「秋分」を過ぎると日に日に肌寒くなります。北のほうから「紅葉(こうよう)」の便りが聞こえてくるようになり、「モミジ」が色づき始めます。

例年、北海道中央部の「大雪山(たいせつざん)」(最高峰は「旭岳」標高2,291m)で、「初雪」が観測される時期です。北の地方では、そろそろ「冬篭り(ふゆごもり)」の準備が始まります。

◆◆七十二候◆◆

◆初候「雷乃収声(かみなりすなわちこえをおさむ)」
◇雷鳴がしなくなる。
◆次候「蟄虫坏戸(むしかくれてとをふさぐ)」
◇土に入る虫が、掘った穴をふさぐ。「坏(ハイ、おか)」=盛り土。
◆末候「水始涸(みずはじめてかるる)」
◇(収穫に備えて)水田の水を干し始める。

◆春分点・秋分点

天球上における太陽の道を「黄道(こうどう)」といいます。地球上の赤道を天球に延長させた大円を「天の赤道」といい、恒星や惑星の位置を決める基準となります。地球の公転面の垂線に対して地軸が傾いているため、黄道は赤道に対して23.4度傾いています。

黄道と赤道の交点を「分点」といい、黄道が南から北へ交わる点を「春分点(しゅんぶんてん)」といい、黄道が北から南へ交わる点を「秋分点(しゅうぶんてん)」といいます。秋分点での黄経は180度です。

太陽が秋分点を通過する瞬間を「秋分」、秋分を含む日を「秋分日」といいます。

ちなみに「月の通り道」は「白道(はくどう)」といいます。

◆紅葉前線

「秋分」のころ、北の地域の、標高の高い場所や内陸部から、「紅葉(こうよう)」の見頃が南下してきます。9月半ばごろから、北海道大雪山系の「黒岳(くろだけ)」「旭岳(あさひだけ)」、北アルプス立山連峰の「室堂平(むろどうだいら)」といった山々から、まずは「草紅葉(くさもみじ)」、そして「紅葉」の便りが届きます。紅葉の見頃の推移を「桜前線(さくらぜんせん)」と対比して「紅葉前線(こうようぜんせん)」と呼びます。

秋、植物の葉が紅色に変わることを「紅葉(こうよう)」といいます。葉が赤くなるのは、気温が下がり、日光に当たると、「アントシアニン」という赤い色素ができるためです。また、「カロテノイド」という色素ができると「黄葉(こうよう、おうよう)」して黄色くなり、「タンニン」系の物質が増えると「褐葉(かつよう)」して褐色に変化します。

黃葉や褐葉もふくめて、広く「紅葉(こうよう、もみじ)」といいますが、『伊勢物語(いせものがたり)』には、秋の色に染まった紅葉の様子が繊細に描かれています。

「神無月のつごもりがた、菊の花移ろひさかりなるに、紅葉(もみぢ)のちくさ(千種)に見ゆるをり、親王(みこ)たちおはしまさせて、夜(よ)一夜(ひとよ)酒飲みし遊びて、夜(よ)明けもてゆくほどに」(第八十一段)
(陰暦10月の末のあたり、菊の花が色変わりして美しいさかり、紅葉の色が濃く薄くさまざまに見える折、皇子たちにおいでいただいて、ひと夜の宴を張り管弦を奏して、しだいに夜が明けていく時分に)

◆紅葉狩り

山野に紅葉をたずねて観賞することを「紅葉狩り(もみじがり)」「紅葉見(もみじみ)」といい、当初は、貴族たちの優雅な遊びでした。庶民に広まるのは江戸時代以降です。

『平家物語』には、紅葉にちなんだ「高倉天皇(たかくらてんのう)」の有名な逸話があります。前の晩に吹いた「野分(のわき)」(野の草を吹き分ける強い風、台風)が散らしてしまった紅葉の葉を、小吏が集めて燃やし、酒の燗をしました。そのことが高倉帝の耳に入り、すわ禁獄か流罪かとなったのですが、帝は「林間に酒を煖(あたた)めて紅葉を焼(た)く」という詩の心を一体だれがこの者に教えたのかと咎めるどころか、たいそう感心したという話です。

そもそも、「林間に酒を煖めて紅葉を焼く」(林のなかで焚き火をしながら酒をあたためて酌み交わし、秋の風情を楽しむ)は、唐の漢詩人「白居易(はくきょい)」の詩『王十八の山に帰るを送り仙遊寺に寄題す』のなかの一句で、今では「風流な遊びをすること」の喩えとして使われます。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

「秋分」の日は「彼岸の中日」にあたります。「暑さ寒さも彼岸まで」。寒暑ようやく峠を越して、しのぎやすくなっていきます。街路樹の葉が幾分か色づきはじめ、冬の落葉を予感させます。
均衡を失いがちな現代社会ですが、「昼と夜の長さが等しい」秋分に、陰陽のバランスを取り戻したいものです。
読者の皆様、残暑でも朝晩は冷え込みます。
お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆

9月7日23時41分「白露(はくろ)」です。旧暦8月、酉(とり)の月の正節で、天文学的には太陽が黄経165度の点を通過するときをいいます。新暦9月7日か8日頃。「秋分」前の15日目にあたります。「白露」は「しらつゆ」のこと。

「二十四節気」による「四季」の区分では、秋の中旬「仲秋(ちゅうしゅう)」〔※〕にあたります。「暦便覧」には「陰気やうやく重りて、露こごりて白色となれば也」とあります。「陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)」によると、「秋」は「金(ごん、こん、きん)」の五時で方位は西、色は「白」です。「秋雨(あきさめ)」の時期を表す「露」と五行説での秋色の「白」で「白露」です。

秋は「秋晴れ」の季節でもあり、「秋雨」の季節でもあります。「秋雨」は、8月後半頃から10月頃にかけて降る長雨のこと。「秋の長雨」「秋霖(しゅうりん)」「秋黴雨(あきついり)」とも。秋の長雨をもたらすのが「秋雨前線(あきさめぜんせん)」です。秋雨前線に「台風」からの湿った空気が吹きつけると大雨になることが多いです。

また、特に「秋風(あきかぜ、しゅうふう)」のことを「金風(きんぷう)」と呼びます。五行説で「秋=白」であるため中国では「秋風」を「素風」といったのを、「紀友則(きのとものり)」が「色がない」と表現したことから「色無き風(いろなきかぜ)」という歌語もあります。

吹き来れば身にもしみける秋風を色なきものと思ひけるかな ―― 紀友則『古今和歌六帖』
物おもへば色なき風もなかりけり身にしむ秋の心ならひに ―― 源雅実『新古今和歌集』
石山の石より白し秋の風 ―― 芭蕉『おくのほそ道』

※仲秋(ちゅうしゅう):秋は、暦の上では「立秋(8月8日頃)」に始まり、「立冬(11月7日頃)」の前日に終わります。旧暦では「文月(7月)、葉月(8月)「長月(9月)」にあたります。旧暦7月を「初秋(しょしゅう、はつあき)」「孟秋(もうしゅう)」、旧暦8月を「仲秋(ちゅうしゅう、なかのあき)」、旧暦9月を「晩秋(ばんしゅう、おそあき)」「季秋(きしゅう)」と呼び、3つを総称して「三秋(さんしゅう)」です。

「旧暦8月15日」を特に「中秋(ちゅうしゅう)」と呼びます。空気が澄んで月が一年でもっとも美しく見える時期で、この日の夜の月を「中秋の名月」と呼び、眺めて祀る「月見(つきみ)」の風習があります。

冷涼な「秋気(しゅうき)」に気がつくころです。大気が冷えて野草に「しらつゆ」が宿り、秋の気配が濃くなってきます。夏、軒先を飛び交っていた「燕(つばめ)」たちは南へ去り、「鶺鴒(せきれい)」が鳴き始めます。

●燕(つばめ):スズメ目ツバメ科。

全長約17cm。背が黒く、赤いノドと額を持つ。飛行する昆虫を空中で捕食します。日本には3月下旬~4月上旬に飛来。繁殖期には「チュビチュビチュビチュルルルル」というさえずり声で鳴きます。民家の軒先など人が住む賑やかな環境に、泥と枯草で巣を作ります。これは、天敵であるカラスやスズメが近寄りにくいからだそう。燕には帰巣性があり、前年と同じ巣に帰り、修繕して利用したり、巣がない場合はその付近の別の個体の巣や前年営巣した付近に巣を作ります。順調にいけば2回の子育てをし、9月から10月にかけて東南アジアに渡ります。

穀物を食べず、水稲栽培で発生する害虫を主食とするため、益鳥として古くから大切に扱われてきました。ツバメを殺したり、巣や雛に悪戯をする事を慣習的に禁じていました。

●鶺鴒(せきれい):スズメ目スズメ亜科セキレイ科。

羽色が鮮やかで、嘴が長い鳥。キセキレイ、セグロセキレイ、ハクセキレイの3種。全長20cm前後の半分は尾。スズメよりやや大きく、ムクドリよりやや小さめで細身です。体は黒白、又は黄と黒色で、尾羽を上下に振りながら歩くのが特徴。山地の川・海岸・水田などの水辺に住み、昆虫などを捕食します。

◆◆七十二侯◆◆

◆初候「草露白(くさのつゆしろし)」
◇草に降りた露が白く光って見える時節。
◆次候「鶺鴒鳴(せきれいなく)」
◇小川や沼などの水辺で鶺鴒が鳴き始める。
◆末候「玄鳥去(つばめさる)」
◇燕(つばめ)が南へ帰っていく時節。「玄鳥(げんちょう)」は燕の異名。「乙鳥(いっちょう、おつどり)」とも。

◆◆9月の花◆◆

◆彼岸花(ひがんばな)曼珠沙華(まんじゅしゃげ)
ヒガンバナ科。学名:Lycoris(リコリス)。ギリシャ神話の海の女神の名前 Lycoris のこと。原産地中国。別名の「曼珠沙華」は「天上の花」の意。目出度い事が起こる兆しに、赤い花が天から降るという経典に由来。

開花時期は9月15~末日頃。秋の彼岸の頃に、突然茎が伸びてきて、鮮やかな色の花を咲かせ、数日で花が終わって茎だけなります。花のあと葉が伸びてきますが、冬と春を越して夏近くなると消えてしまいます。ですから花と葉を同時に見ることは出来ません。葉のあるときには花はなく、花のときには葉がないことから、韓国では「サンチョ(相思華)」と呼ばれます。「花は葉を思い、葉は花を思う」の意。

花言葉は「情熱」「悲しい思い出」「独立」「再会」「あきらめ」など。

◆金木犀(きんもくせい)
Fragrant olive。モクセイ科。学名:Osmanthus fragrans(オスマンサス)。語源は、ギリシャ語の「osme(香り)+anthos(花)」。原産地は中国南部。

開花時期9月下旬~10月10日頃。花が咲いている間、強い香りを放ち、春の沈丁花(じんちょうげ)、夏の梔子(くちなし)に並びます。開花のあと、風雨があるとあっけなく散ってしまいます。
中国名「丹桂」。丹=橙色、桂=モクセイ類のこと。日本には江戸時代初期に渡来。静岡県の県の木になっています。

花言葉は「謙遜」「真実」「陶酔」「初恋」など。

◆水引(みずひき)
タデ科。学名:Polygonum filiforme。語源はギリシャ語の「polys(多い)+gonu(節)」から。茎の節が膨らんで関節のように見えることに由来。「水引草」(みずひきそう)とも。

開花時期は8月5日頃~10月中旬。上から見ると赤く見え、下から見ると白く見える花を、紅白の水引に見立てたもの。日陰に生えます。葉は時折変わった斑が入ったもの(ふいり)が見られます。

花言葉は「感謝の気持ち」など。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

「白露」からが9月節です。この時期台風が多く、「八朔(はっさく)」「二百十日」「二百二十日」など、風雨の被害で米などの収穫に影響が出ないようにと暦の上でも用心を促しています。雷も多く、稲の実るころ音もなく光る雷「稲妻(いなづま)」が秋の季語になっているほどです。近年、気候変動により、これまでとは異なる進路をとる台風が上陸したり、線状降水帯が発生したりするなど、より一層注意が必要です。
「夏バテ」の出る時期でもあり、「二日灸」もこの頃です。体調管理には充分気を配りましょう。
読者の皆様、くれぐれもお体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆

8月23日11時19分「処暑」です。旧暦7月、申(さる)の月の中気で、新暦8月23日頃。天文学的には、太陽が黄経150度の点を通過するときをいいます。

「処」(旧字体「處」)は、「その場所にいる、とどまる、落ち着く」などを意味し、「処暑」は、暑さが落ち着いて、ひと段落することを表しています。『暦便覧』では、「陽気とどまりて、初めて退きやまんとすれば也」と説いています。

涼風が吹きわたる初秋の頃です。暑さは峠を越えて、ようやく過ごしやすくなります。「綿(わた)の花」が開きます。穀物が実り始め、収穫も目前といった時期です。マツムシやコオロギといった秋の「虫の声」もそろそろ聞こえてきます。

また、この時期は「八朔」「二百十日」「二百二十日」と並び台風襲来の時期とされています。暴風雨に見舞われることも少なくありません。

日に日に北から秋の気配がしてきます。道端や河川敷では風に揺れる「ススキ」の姿を見かけるようになります。残暑厳しいなかでも秋の気を感じます。台風にすら秋の気は感じられるものです。

処暑なりと熱き番茶を貰ひけり ―― 草間時彦
(まだ残暑がつづくが、今日は処暑であるので熱い番茶を所望した)

秋は、感じかた次第で長くもあり、また、あっというまに過ぎてしまうようでもあります。人間の感性にゆだねられる秋という季節には自然と「もの悲しさ」が含まれるように思われます。

◆◆七十二侯◆◆

◆初候「綿柎開(わたのはなしべひらく)」
◇綿を包む萼(がく)が開く。「柎(あし、いかだ、うてな)」:鐘や鼓をかける台の脚、花の萼、いかだ(桴、泭)。
◆次候「天地始粛(てんちはじめてさむし)」
◇ようやく暑さが鎮まる。
◆末候「禾乃登(こくものすなわちみのる)」
◇穀物が実る時節。「禾(いね、のぎ)」:稲、穀物、芒(のぎ)。「のぎ」は、イネ科植物のもみがらの先端から出ている針状の突起のこと。

◆◆8月「処暑」の頃の花◆◆

「綿(わた)」 cotton plant アオイ科ワタ属の総称 学名 Gossypium
ワタ属は、繊維作物として世界各地で栽培されている多年生草本植物です。種子表面の毛(繊維細胞)を利用します。年平均気温15℃以上の熱帯から温帯の南部に約40種が分布しています。

花の開花時期は9月頃。開花後5週間くらいすると実が熟して、はじけて綿毛に包まれた種子、いわゆる「綿花(めんか」が外に吹き出します。綿毛は種子の表面の細胞が伸びたもの。

綿毛は綿糸・綿織物の原料、ふとん綿、脱脂綿、さまざまな充填料などに使われます。種子からは品質の良い油が採れ、てんぷら油、サラダ油、マヨネーズなどに用いられます。

ワタは、古代から人間に利用されてきました。ワタの果実や綿糸が、紀元前5800年頃のものがメキシコの遺跡から、紀元前2400年頃のものがワカ・プリエタ遺跡(ペルー)から、紀元前3500年頃のものがモヘンジョダロ遺跡(インド)から発掘されています。

日本に伝来したのは、桓武天皇の時代、延暦18年(799)三河国に漂着した天竺人(インド人)が種子を持ち込んだのが初めといわれています。栽培が広まったのは、中国から種子が導入された文禄年間(1592~1595)だとされています。以来、ワタを「木綿(もめん)」と呼び、蚕の繭から作られるものを「真綿(まわた)」と呼ぶようになりました。

愛知県西尾市に鎮座する「天竹神社(てんじくじんじゃ)」は、日本に初めて綿の種子を伝えたとされる崑崙人(こんろんじん:中国から見たインド人)を、綿の神「新波陀神(にいはたがみ)」として祀ります。日本でも珍しい「綿」にまつわる神社です。毎年10月に行なわれる祭礼「棉祖祭(めんそさい)」では、「舟みこし」が担がれ、古式ゆかしい「綿打ち」の儀式が執り行なわれます。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

8月後半になると、朝晩の涼しさを感じます。7月後半から8月は夏の花火大会のピークでした。花火大会に出かける浴衣姿も、処暑の頃になるとすこし減ったように感じます。
処暑を過ぎると、これからは台風到来の季節です。
残暑の疲れが出て、食欲不振や精力減退の方に、お勧めは規則正しい生活です。
皆さん、お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆

◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆

8月7日20時43分「立秋」です。旧暦7月、申(さる)の月の正節で、天文学的には太陽が黄経135度の点を通過するときをいいます。

この日から暦の上では「秋」になりますが、まだまだ残暑は厳しく、平均気温はピークに達します。一年のうち最も暑い時期といえます。

そよりともせいで秋たつことかいの ―― 上島鬼貫

気象庁によると、近年、「真夏日」「猛暑日」「熱帯夜」〔※〕の日数は増加し、反対に、「冬日」〔※〕の日数は減少する傾向が続いています。「地球温暖化」による気温が底上げが「フェーン現象」や「ヒートアイランド現象」〔※〕に影響した結果、極端な高温や集中豪雨を引き起こしていると考えられています。

◆真夏日、猛暑日、熱帯夜:
・最高気温が摂氏25℃以上の日 ……「夏日」
・最高気温が30℃以上の日 ……「真夏日」
・最高気温が35℃以上の日 ……「猛暑日」
・夕方から翌日の朝までの最低気温が25℃以上になる夜 ……「熱帯夜」

◆冬日:
・最低気温が0℃未満の日 ……「冬日」
・最高気温が0℃未満の日 ……「真冬日」

◆フェーン現象:湿潤な空気が山を越えて反対側に吹き下りたときに、風下側で吹く乾燥した高温の風のことを「フェーン」といい、そのために付近の気温が上昇することを「フェーン現象」と呼ぶ。湿潤な空気が山を吹き上がるとき、湿潤な空気に含まれる水蒸気を雨として降らせながら100mにつき0.5℃の割合で気温が下がり、逆に山を吹き下りるときは、乾燥した空気が100mにつき1℃上昇しながら吹き下りるために起こる。

◆ヒートアイランド現象:都市の気温が周囲よりも高くなる現象のこと。アスファルトやコンクリートなどの舗装で覆われることにより地面が熱を蓄えやすく、気温が下がりにくいうえ、都市部の産業・社会活動にともなう排熱が気温をさらに上昇させる。

それでも空を見上げると、秋の「巻雲(けんうん)」が、心なしか高いところに見え始め、雲の色や形、風のそよぎに「秋の気配」が感じられるようになります。「暦便覧」には「初めて秋の気立つがゆゑなれば也」とあります。

夏雲は岩の如く、秋雲は砂の如く ―― 正岡子規
木の間より漏りくる月の影見れば心尽くしの秋は来にけり ―― よみ人しらず『古今和歌集』

「立秋」は「秋立つ」「秋来る」などとともに、代表的な秋の季語になっています。

秋は「移動性高気圧」に覆われる日が多く、日中晴れて風の強い夜には、山間部など内陸で「放射冷却現象」による「霧(きり)」が発生します。気温が下がると空気中の水蒸気が結露し始め、それが霧になります。霧は秋の季節の風物詩といえます。

公園や林で「ヒグラシ」が鳴き始めるのは、この頃です。ヒグラシは早朝と夕方に鳴きますが、薄暗い日中に鳴くこともあります。「カナカナ」と鳴くことから、「カナカナ」とも呼ばれます。

この日より夏の便りの「暑中見舞い」から「残暑見舞い」になります。

◆◆「七十二侯」◆◆

◆初候「涼風至(すずかぜいたる)」
◇涼しい風が立ち始める。
◆次候「寒蝉鳴(ひぐらしなく)」
◇ひぐらしが鳴き始める時節。「寒蝉(かんせん、かんぜん)」は、ヒグラシ、または、秋に鳴く虫のこと。
◆末候「蒙霧升降(ふかききりまとう)」
◇深い霧がまとわりつくように立ち込める。「蒙霧」=もうもうと立ち込める霧。

◆◆「8月の花」◆◆

「向日葵」ひまわり、Sunflower キク科ヒマワリ属。学名「Helianthus(ヘリアンサス)」ギリシャ語の「helios(太陽)+anthos(花)」が語源。「太陽の花」の意。

原産地は北アメリカ。紀元前からインディアンの食用作物として使われていました。日本には、17世紀に伝来。開花時期7月10日~9月10頃。別名は、「日輪草(にちりんそう)」「日車(ひぐるま)」など。

花の形は太陽を思わせ、太陽の動きにつれて回ることから「日まわり」と呼ばれます。花首は、夕方には西を向いていますが、夜には向きを戻し、夜明け前には再び東を向きます。ただし、太陽を追いかけるのは、花首の柔らかい頃だけ。花が完全に咲いてからは、東の方向を向いたままほとんど動かなくなります。

ひとつの大きな花のように見えますが、「頭状花序(とうじょうかじょ)」といって、多数の花が集まってひとつの花の形を作っています。これは「キク科の植物」に見られる特徴です。

種は長楕円形。種皮色は油料用品種が黒色で、食用や観賞用品種には長軸方向に黒と白の縞模様があります。種は絞って「ヒマワリ油」として利用されます。ヒマワリ油には「不飽和脂肪酸」が多く含まれます。種子を煎って食用とすることも。ペットの餌としても利用されます。

近年、ディーゼルエンジン用燃料(バイオディーゼル)として利用する研究も進められています。乾燥した種子を用いる生薬名は「向日葵子(ひゅうがあおいし、こうじつきし)」。

花言葉は「私はあなただけを見つめる」「あなたは素晴らしい」など。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

近年、梅雨が明けてもカラッとした暑さにはなかなかならず、蒸し暑い日が続く猛暑の夏です。局地的な豪雨も頻発して、各地で被害が出ています。夏休みの水の事故にもご注意ください。
夏バテで体調を崩しやすい季節です。
皆さま、体が資本です。お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆

7月23日4時13分「大暑」です。旧暦6月、未(ひつじ)の月の中気で、天文学的には太陽が120度の点を通過するときをいいます。夏の季節の最後の節気で、「大暑」は「夏の土用(なつのどよう)」の期間にあたります。「土用」が明けると「立秋(りっしゅう)」になります。

「夏至(げし)」から約1ヶ月後、「梅雨明け」のこの時期、日照時間は日に日に短くなってきていますが、快晴の日が続いて暑くなります。強い日差しで大地は蒸し、時折「ゲリラ豪雨」が降ります。近年しばしば「雹(ひょう)」が降り、「線状降水帯(せんじょうこうすいたい)」が局地的な大雨を降らせ、内陸部では「竜巻」が観測されています。

甚だしい暑さを「炎暑」「酷暑」、焼け付くような空を「炎天」、じっとしていても汗の吹き出る暑さを「油照り(あぶらでり)」などといい、いろいろな暑さのかたちを表現します。

夏の太陽が雨粒を輝かしながら降る雨を「白雨(はくう)」といいます。突然の夕立が涼しさを運んできて「慈雨(じう)」となります。

地表の気温が上がって、「入道雲」が湧きはじめると、上昇気流が起こり、周囲から風が吹き込みます。特に海から陸に吹く風を「海風(うみかぜ)」、夕刻から夜にかけて、昼とは反対の向きに吹く風を「陸風(りくかぜ)」、朝夕で風の向きが入れ替わるときを「朝凪(あさなぎ)」「夕凪(ゆうなぎ)」といいます。

この時期、「桐(きり)」がつぼみをつけ始め、「油蝉(あぶらぜみ)」がかしましく鳴き、「百日紅(さるすべり)」が紅色の見事な花を咲かせます。

◆◆「七十二侯」◆◆

◆初候「桐始結花」(きりはじめてはなをむすぶ)
◇桐が花を咲かせ実をつけるころ。
◆次候「土潤溽暑」(つちうるおうてむしあつし)
◇土が湿って蒸暑い時期。
◆末候「大雨時行」(たいうときどきにふる)
◇時として大雨が降る。

◆◆「季節の花」◆◆

「蓮(はす)」 睡蓮(すいれん)科ハス属 「蓮」は「蜂巣(はちす)」の略。実の入る花床にたくさんの穴があいていて蜂の巣に似ていることが名前の由来です。原産はインド。アジアの多くの国の国花になっています。

夏の朝、水面まで花茎を伸ばして開花し、午後3時頃に閉じます。花の開閉を3回繰り返したのち4日目には花びらが散ります。泥中の根は「蓮根(レンコン)」です。また、花、葉、茎、種子も食用になります。

西方浄土「極楽」は神聖な「蓮の池」と信じられていることから、多くの寺の境内には蓮池がつくられています。仏教の「蓮華(れんげ)」も同じで、仏像の台座にその形が用いられます。

※「大賀ハス(おおがはす)」:昭和26年(1951)岡山県出身の植物学者「大賀一郎(おおがいちろう」博士は、千葉市内の泥炭層(弥生時代の地層)から、3粒の「古代蓮(こだいはす)」の実を発見。翌年、うち1粒が発芽し開花に成功しました。その可憐な淡紅色の花が「大賀ハス」と名付けられたことは有名です。日本国内はもとより世界各地に分植され、博士の功績と生命の神秘を今に伝えています。

ほのぼのと舟押し出すや蓮の中 ―― 夏目漱石
久方の雨も降らぬか蓮葉(はちすば)にたまれる水の玉に似たる見む ―― 新田部皇子(万葉集)

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

早いもので「大暑」の次の二十四節気は葉月「立秋」です。今年もまた大雨により各地ですでに被害が出ています。先祖からの土地で、ここは安全だと思い込んでいる場所でも、土砂崩れや地すべりが起こることがあります。避難場所の確認などもしもの時の備えを心がけましょう。用心に越したことはありません。
読者の皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆

7月7日10時57分「小暑(しょうしょ)」です。旧暦5~6月、未(ひつじ)の月の正節で、新暦7月7日頃。天文学的には、太陽が黄経105度の点を通過するときをいいます。

「梅雨明け」が近づき、暑さが本格的になる頃です。「暦便覧」には「大暑来れる前なればなり」とあります。「夏至(げし)」を境に日足は徐々に短くなりますが、夏の太陽が照り付けて、暑さは日増しに厳しくなっていきます。

水面からのびた「蓮の花」のつぼみが開きはじめます。「鷹の子」が巣立ちの準備をします。そろそろ「蝉」が鳴きはじめます。一方、梅雨の終わりごろには「集中豪雨」で被害が出ることも多いため、天候の変化には注意が必要です。

「小暑」の日から「暑気(しょき、あつけ、あつき)」に入ります。「小暑」から「立秋」までのあいだが「暑中(しょちゅう)」で、「暑中見舞い」はこの期間に送ります。「暑中」の期間は、「夏の土用」の約18日間(=「立秋」前の18日間)としたり、梅雨明けから「立秋」前までとすることもあります。

◆七夕(たなばた)

「小暑」のころの行事、7月7日の「七夕(たなばた)」は、「五節句」のひとつ「七夕(しちせき)」の日です。もともとは陰暦7月7日に行なわれていましたが、現在は新暦7月7日に行なわれます。古く中国から伝来した行事と、日本古来の伝承と盆行事などの要素が入り混じり、現在まで伝わってきました。「短冊(たんざく」に願い事を書き、「笹」や「竹」に飾るのが一般的です。

◆◆「七十二侯」◆◆

◆初候「温風至」(あつかぜいたる)
◇暑い風が吹いてくる頃。
◆次候「蓮始開」(はすはじめてひらく)
◇蓮の花が開きはじめる。
◆末候「鷹乃学習」(たかすなわちわざをならう)
◇鷹の幼鳥が飛んで獲物を捕ることを覚える。

◆◆「7月の花」◆◆

「朝顔(あさがお)」 開花時期は7月1日~10月10日頃。原産は中国で、平安時代に日本に渡来しました。朝のうちだけ開花するので「朝顔」と呼ばれますが、日陰に咲くものは夕方まで咲き続けることもあります。

古代中国では、牛と取引きされたほど高価な薬とされ、漢名で「牽牛(けんぎゅう)」と呼ばれる所以です。漢方では現在でも種子が下剤や利尿剤として使われています。花言葉は「愛情」「平静」「結束」「短い愛」「はかない恋」など。

「半夏生(はんげしょう)」 Saururus の語源は、ギリシャ語の「sauros(トカゲ)+oura(尾)」。トカゲの尾のような穂状の花を咲かせます。七十二候の「半夏生(はんげしょうず)」の頃になると、葉がペンキを塗ったかのように白くなることから、名が付いたとも伝わります。「半化粧」「片白草」とも呼ばれます。

雑節の「半夏生(はんげしょう)」という名称の由来は「半夏(はんげ:カラスビシャク)」という薬草で、「半夏生(はんげしょう)」とは別の植物です。

開花時期は、7月1日~20日頃。花の時期に葉が白くなるのは虫を誘うため。夏が終わると、もとの緑色の葉に戻ります。山間の水辺に群生することが多いですが、都会でも時々植えられてるのを見かけます。花言葉は「内気」「内に秘めた情熱」など。

「鬼灯(ほおずき)」 花びらは五角形で、開花時期は6~7月。オレンジ色の実の中に、オレンジ色の球体があり、これが本当の実です。

「ほおずき」(頬突き)は、子どもが実を口に入れて鳴らすときの頬の様子からがついた名前だという説があります。「鬼燈」「酸漿」とも書きます。花言葉は「心の平安」「不思議」「自然美」「いつわり」。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

梅雨明け宣言が沖縄・九州から次第に北上してきました。これから本格的な夏がやってきます。夏を感じさせる花や涼を感じさせる花が咲き、色鮮やかな季節が到来します。
一方、熱中症などの体調不良を起こしやすい季節でもあります。食事、睡眠をよくとり、食中毒や感染症にも注意しながら、体調の維持に努めましょう。
皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆

6月21日17時25分「夏至(げし)」です。旧暦5月、午の月の中気で、新暦6月21~22日頃。

「夏至」は、天文学的には、太陽が黄経90度の点を通過するときをいいます。地球は「地軸(ちじく)」が軌道面と垂直な方向から約23.4度傾いて、太陽のまわりを自転しながら公転しています。太陽は、天の赤道から約23.4度傾いた「黄道(こうどう)」上を、「赤緯(せきい)」(天の赤道から北または南にどれだけ離れているかを表す角度)を変化させながら、1年かけて1周するように見えます。

夏至の頃、太陽は赤道から最も北に離れます。北半球では、南中高度が最も高くなり、昼が最も長くなり、反対に夜が最も短くなります。「冬至(とうじ)」の頃には、この逆になります。北半球で夏至の日は、南半球では冬至になります。

「北回帰線(きたかいきせん)」は、北半球において赤道からもっとも遠い位置で太陽が直射する地点であり、北緯23度26分を指します。毎年「夏至」の日には、太陽が北回帰線上に直射するので、正午には影がなくなるという特殊な現象が見られます。冬至の日は、太陽は、南緯23度26分の「南回帰線(みなみかいきせん)」の真上を通ります。

昼と夜の長さの変化は、高緯度地域になるほど大きくなります。夏至の頃、北極に近い地域では、夜のあいだ太陽が地平線に近い位置を移動するため、日の出前や日の入り後も薄明かりの時間が続きます。この現象を「白夜(びゃくや)」といいます。南極圏付近では、日中でも薄明か、太陽が沈んだ状態が続きます。これを「極夜(きょくや)」といいます。

「暦便覧」には「陽熱至極し、また日の長きのいたりなるを以てなり」と記されています。しかし実際、日本では、平年は梅雨の時期にあたるので、昼が長くても日照時間は冬よりも短いことが多いようです。

農家では「田植え」が繁忙を極めます。道端で「菖蒲(しょうぶ)」が咲き始め、「半夏(はんげ:からすびしゃく)」が葉を広げます。

◆◆七十二候◆◆

◆初候「乃東枯」(なつかれくさかるる)
◇夏枯草(ウツボグサ)が枯れる
◆次候「菖蒲華」(あやめはなさく)
◇あやめの花が咲く。時期的に「ハナショウブ」を指すのではないかといわれる
◆末候「半夏生」(はんげしょうず)
◇カラスビシャク(烏柄杓)が生える

関東地方や一部の近畿地方では、夏至のころに収穫された小麦を使った「小麦餅」を食べたり、お供えをしたりする習慣があります。三重県伊勢市の二見興玉神社(ふたみおきたまじんじゃ)では、「夏至祭」が斎行され、二見浦(ふたみうら)の夫婦岩(めおといわ)」のかたわらで、参加者たちは海に入り、身を清め、禊ぎ修行を行ないます。

日本では、ほかの二十四節気と比べて夏至に行なう祭祀や習慣が少ないのですが、それは「夏至」から「半夏生(はんげしょう)」まで田植えや畑仕事で繁忙を極めたからではないかという説があります。

ヨーロッパでは、古代からの太陽神崇拝と、キリスト教公認後の「聖ヨハネ祭(6月24日)」が結びついて、夏至の行事が広く行なわれてきました。夏至の日、太陽は頂点に達し、これから冬至に向けて日が短くなっていきます。ヨーロッパの夏至祭は、太陽に力を与えるために火を焚いて、そのまわりを踊ったりする「火祭り」が多く見られます。

北半球の国々が夏至を迎えるころ、南半球のブラジルでは「冬至」を迎えます。ブラジルでは、冬至の時期を「フェスタ・ジュニーナ(festa junina:6月の祭り)」としてお祝いします。

◆◆夏至の頃の花◆◆

「ザクロ(石榴、柘榴、若榴)」ザクロ科ザクロ属、落葉小高木、果実のこと。原産地は、西南アジアや南ヨーロッパ、カルタゴなど北アフリカなどはっきりしません。庭木などの観賞用のほか、果実は食用にもなります。

古くエジプトからギリシア時代には、ヨーロッパに広く伝わったとされます。東方へは、武帝の頃、紀元前2世紀の伝来。日本には延長元年(923)に中国から渡来しました。

果実は食べられて、生食もできます。果汁をジュースにしたり清涼飲料水の原料とするほか、料理などに用いられます。

江戸時代の銭湯には、洗い場から湯船への出入り口があって、「石榴口(ざくろぐち、柘榴口)」と呼ばれていました。羽目板で囲んだ小部屋に湯船を置き、下のほうを開けるかたちで板を張って、身を屈めてくぐる程度の大きさの出入り口としました。湯が冷めないようにするための工夫です。当時、鏡磨師(かがみとぎし)がザクロの実の酢を使って鏡を磨いたことから、「鏡要る(鏡鋳る)」と「屈み入る」をかけて「石榴口」という洒落た名前がついたそうです。

花言葉:優美、円熟した優美、優雅な美しさ

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

6月下旬、二十四節気「夏至」の頃は「梅雨」の真っ最中です。7月に入り梅雨が明ければ本格的な夏です。体調を崩しいやすい季節です。これから暑い夏がやってきます。
体調管理にはくれぐれもご注意ください。
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆

6月6日0時48分「芒種(ぼうしゅ)」です。旧暦5月、午(うま)の月の正節で新暦6月5~6日頃。天文学的には太陽が黄経75度の点を通過するときをいいます。

「芒(のぎ)」とは、稲や麦などのイネ科の植物の小穂(しょうすい)の、うろこ状に集まった花のの先端が細長く伸びて針状の突起となったものこと。「禾」とも書きます。すなわち「芒種(ぼうしゅ)」は、イネ科の植物を植え付ける時期を意味します。

いよいよ「田植え」の時期です。農家はその準備などで多忙を極めます。蟷螂(かまきり)や蛍(ほたる)が草葉のかげや水辺に姿を現し始めます。

また、雨が降って、カビが生える、うっとうしい季節でもあります。暦の上では「芒種」のおよそ5日後が「入梅」となります。「梅の実」が黄ばみ、熟す頃です。

◆「五月雨(さみだれ)」と「五月晴れ(さつきばれ)」

そもそも「五月雨(さみだれ)」は、陰暦5月(現在の6月)に降る雨のことで、すなわち「梅雨」を意味していました。日が差さないほど厚い雲が垂れ込めている状態を「五月雨雲」と呼んで、「曇天」の代名詞でした。

「五月晴れ(さつきばれ)」は、もともと「五月雨雲」のなかのほんの少しのぞいた青空のことでした。それが新暦では、5月は小満芒種のいい気候が続く時期にあたるため、いつのまにか「五月晴れ」の意味が変化し、雲ひとつない晴天のことを指すようになりました。改暦によって暦の解釈が変わったケースです。

◆◆「七十二侯」◆◆

◆初候「螳螂生(かまきりしょうず)」
◇螳螂が生まれ出る。「蟷螂(とうろう)」=カマキリ。
◆次候「腐草為蛍(くされたるくさほたるとなる)」
◇腐った草が蒸れて蛍となる。「腐草(ふそう)」=腐った草。この頃、蛹(さなぎ)から孵化した蛍が、腐った草などの下から出てきて夕闇を知り、光を発し始めます。
◆末候「梅子黄(うめのみきばむ)」
◇梅の実が黄ばんで熟す。「梅子(ばいし)」=梅の実。

◆◆「6月の花」◆◆

「紫陽花(あじさい)」アジサイ属 雪の下科 学名:Hydrangea(ハイドランジア)水の器 語源:ギリシャ語のhydro(水)と angeion(容器)開花時期:6月1日~7月15日頃。「あじさい」は、青い花が集まって咲く「あずさい」が変化したもの。「あず(集)+さあい(真藍)」

本来「紫陽花」は、唐の詩人「白居易(はくきょい)」〔※〕が命名した、あじさいとは別の紫色の花のことでしたが、平安時代の学者が「あじさい」にこの漢字を当て、そのまま広まってしまったのだそう。中国では、「八仙花」「綉球花」などと呼ばれます。

日当たり、水はけの良い肥えた土を好みます。花の色は、紫、ピンク、青、白など。土壌が酸性なら青味が強く、アルカリ性なら赤味が強くなります。この色の付いている部分は実は「萼(がく)」で、花は小さな点のように萼に付いています。

日本特有の花木で、西洋アジサイは江戸末期に長崎のオランダ商館の医師シーボルトらがヨーロッパに持ち帰って改良した品種の逆輸入品種です。

花言葉は「辛抱強い愛情」「元気な女性優しい心」「謙虚」など。北鎌倉の「明月院(めいげついん)」〔※〕は、境内に多くのあじさいが植えられ「あじさい寺」として有名。

※白居易(はくきょい):中国、唐代の詩人。字(あざな)は楽天。本籍は太原(たいげん)、生地は新鄭(しんてい)。地方官吏の次男として誕生。口もきけぬ幼時、すでに「之」と「無」との字を弁別し、5歳のころから作詩を学び、16歳で早くも人を驚かす詩才をひらめかした。

※鎌倉明月院(かまくら めいげついん):通称「あじさい寺」は平治元年(1159)平治の乱で戦死した首藤(山ノ内)俊通の供養として、息子の經俊が明月庵を建てたのがはじまり。
◇神奈川県鎌倉市山ノ内189
◇JR「北鎌倉駅」より徒歩10分

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

芒種から数えて5日後の6月10~11日頃が暦の上での入梅です。例年だと小満(5月21日頃)から芒種(6月6日頃)を経て入梅(6月11日頃)までは気候もよく過ごしやすい日が続きますが、近年は気温も上がり、線状降水帯やゲリラ豪雨による水害が発生しています。
ともあれ暦の上では入梅のあとは「夏至」。夏本番です。
6月のこの頃は食品の傷みに要注意です。学校給食などで食中毒も出ます。食肉など食品関係の方は注意を要する時期です。
読者の皆様お体ご自愛専一の程
筆者敬白


◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆

令和8年(2026)5月21日9時37分「小満(しょうまん)」です。旧暦4月巳の月の中気で、立夏から15日目にあたります。5月20~21日頃。天文学的には、太陽が黄経60度の点を通過するときをいいます。

万物が次第に成長して一定の大きさの達し、満ち始めるという意味から「小満」といわれます。
「暦便覧」には「万物盈満(えいまん)すれば草木枝葉繁る」と記されています。また一説には、「小満」とは昨年秋にまいた麦の穂がつく頃に「ほっとひと安心して、もう少しで満足する」といった云われもあります。

この頃、「麦畑」の穂が成長して緑黄色に色づき、山野の植物は花を散らして実を結びます。田では苗を植える準備を始め、「蚕(かいこ)」が「桑(くわ)」の葉を盛んに食べ始めます。「紅花(べにばな)」が咲きほこり、日々ようやく暑さが加わり始める季節です。

GW明けの西日本では、「蛍(ほたる)」が姿を見せはじめます。「小満」を境に「走り梅雨(はしりづゆ)」が始まる年もあります。5月末、まだ梅雨入り前なのに、梅雨のような天候になったかと思うと、晴天が続いたりする、そんな梅雨の前触れを「走り梅雨」といいます。

◆小満芒種

関東から東では、「小満」から「芒種(ぼうしゅ)」までの梅雨入り前(5月下旬~6月中旬)が一年で最も過ごしやすい季節です。「薄暑(はくしょ)」(うっすらと汗をかく)の時期で、初夏の若葉や青葉の香りを含んだ穏やかな風「薫風(くんぷう)」とあわせて入梅前の過ごしやすい季節のたとえです。沖縄では「小満」から「芒種」が梅雨の時期にあたり、「梅雨」のことを沖縄方言で「小満芒種(すーまんぼーすー)」といいます。

「小満」の頃、麦は収穫の時期を迎えます。「麦秋(ばくしゅう、むぎあき、むぎのあき)」は夏の季語です。陰暦4月のことを「麦秋」と呼ぶこともあります。

■■「七十二候」■■

◆初候「蚕起食桑」(かいこおきてくわをはむ)
◇蚕が桑の葉を盛んに食べ始める。
◆次候「紅花栄」(べにばなさかう)
◇紅花(べにばな)の紅黄色の頭花が盛んに咲く時節。
◆末候「麦秋至」(むぎのときいたる)
◇麦が熟して畑一面が黄金色になる。初夏の爽やかな好季節。

■■小満の頃の花■■

「ツツジ(躑躅)」 ツツジとはツツジ科の植物、ツツジ属の植物の総称。ドウダンツツジのようにツツジ科に属さない植物もツツジと呼ばれるものがある。また、古くから、ツツジ属のツツジもサツキ、シャクナゲとを分けて呼んでいて、学術的な分類とは一致しない。

長寿な樹木もあり、最も樹齢の長い古木は、800年を超え1000年に及ぶと推定されている。

ツツジ属の植物は、4月から5月の春先にかけて、先端が5裂している花を枝先につける。咲いた花を採ると、花片の下から蜜を吸うことができ、戦時中は子どもたちの甘味となっていた。一部レンゲツツジには毒があり、注意が必要。

(「五月の秩父」より抜粋)この附近は谷幅も狭く、一面に黒木青木に被われているから、昼も木(こ)の下闇が谷底を薄暗く罩(こ)めている所さえある。唯ただ岩崖に咲く日蔭躑躅(ひかげつつじ)の上品な黄花がほのかに明るい色を浮べ、小岩桜(こいわざくら)の紅花が時に眼を楽しませる外に、盛り上るように花をつけた石楠(しゃくなげ)や躑躅の大群落が思わず足をとめて眼を見張らせるであろう。―― 木暮理太郎『秩父の渓谷美』

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

その昔、株式市場や商品相場を生業にする人びとの間では、「素人の小満過ごし」といわれていました。これは麦畑に穂が付き始めてまずはひと安心、が転じて、タイミングを見過ごさないように戒めた言葉です。
小満から芒種の時期、気候の良さから緊張感がなくなり、つい安心してしまって、相場に限らずタイミングをみすみす逃してしまわないように警鐘をならしています。それほど良い気候が続いて「のほほん」とした陽気が続きます。
もうじき梅雨に入ります。
季節の変わり目、時節柄お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 26

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月19日「雨水(うすい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 16

【衆議院選挙後】新政権と金利上昇をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月4日「立春(りっしゅん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 01

消費税減税は実現するのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 31

日銀金融政策の転換期をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 25

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月20日「大寒(だいかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 17

2026年度予算――規模・評価軸・企業経営への示唆

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 03

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 02

日銀・金融政策決定会合(12月) 利上げの背景と今後の政策運営

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 21

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月22日「冬至(とうじ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 17

取引適正化推進法(旧:下請法)とは?

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月7日「大雪(たいせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 03

外国人のビザ要件強化の背景とその影響

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 30

高市政権×21兆円補正予算:中小企業に訪れる“追い風”

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 24

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月22日「小雪(しょうせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 16

ガソリン税ついに廃止!軽油も2026年にゼロへ

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 10