アパレル小売業,増税による「消費低迷」と金融緩和による「円安」で倒産増加傾向!

リスケや金融緩和で企業全体の倒産は8年ぶりに1万件割れ
帝国データバンクによると、昨年度(平成26年4月〜27年3月)の企業倒産件数は、9,044件と8年ぶりに1万件を下回りました。中小企業金融円滑化法終了後も金融機関ではリスケジュール(条件変更)の支援を継続。さらに日銀による金融緩和や財政出動で企業の資金調達や公共工事の前倒し発注など経営環境が改善しました。
一方,アパレル関連業者に関しては、昨年4月の消費税増税による消費低迷や、10月末の日銀の追加金融緩和により急激な円安が進み不安定な経営環境が続きます。
アパレル業界倒産,卸売業は減少、小売業は増加
昨年度のアパレル関連業者の倒産件数は、前年度比0.7%増の292件と4年ぶりに増加。卸・小売別でみると、卸業者が前年度から15.2%減少し128件となった一方,小売業者が同18.0%増の164件と増加に転じました。
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負債総額では、前年度比11.6%増の505億5,000万円と2年連続で増加したものの、ピーク時の半分以下にとどまっており小売業での小規模倒産が目立ちます。昨年10月の金融緩和以降は急速に円安に進むなか,倒産件数は景気に対して3ケ月から6ケ月の遅効性があると言われることから年明け以降に倒産件数を押し上げました。
「売り逃し」と「過剰在庫」に直面するリスク
小売業のなかでもファッションチェーンのユニクロやZARA、H&M、しまむらなど安さを売りに成長してきたように思える各社も、価格競争だけに陥らない念密な販売戦略のもと勝ち続けています。流行がめまぐるしく変わるファッション業界は、常に「売り逃し」と「過剰在庫」に直面するリスクの高いビジネスだけに販売戦略が経営に大きく影響してきます。
アパレル業界では,大きな売上が望める週末に向け販売戦略するものの、平日は手薄となり売り逃しを起こすことも少なくありません。ファッションチェーンでは、業界の常識を疑ってかかり販売戦略を練っています。
仕入れコスト増加も価格転嫁できず倒産にも
アパレル関連業者は、急激な円安に伴い仕入れコストが増加するなか、個人消費に本格的な回復の動きが乏しいのが現状。大型ショッピングセンターや量販店などで消費税増税分の価格転嫁が難しい状況となっていることが倒産に繋がっている可能性もあります。
倒産した主なアパレル小売業者の倒産の要因をみると、「個人消費の低迷」や「競合激化」「価格競争」「商品の低価格化」というキーワードが目立ちます。平成29年4月には消費税の再増税も予定され、アパレル業界の動向をみるうえで為替の動向も含め個人消費に注目する必要があります。
[2015.4.24]

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