金融円滑化法終了で中小企業の金融支援「信用保証制度の見直し」が国政審議の対象に

国会図書館「調査及び立法考査局」が指摘

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国立国会図書館の「調査及び立法考査局」では国政審議の参考に資するため、「調査と情報~ISSUE BRIEF」を月1回刊行。今年6月には、「信用保証制度をめぐる現状と課題」を発刊。中小企業が金融機関から融資を受ける際、国が保証し資金供給を円滑化する信用保証制度についての課題が問いただされました。
平成11年43兆円、平成24年32兆円の保証
信用保証制度はバブル崩壊後、中小企業のセーフティネットとしての役割が拡充。ピークの平成11年度の信用保証協会の保証残高は約43兆円に上りましたが、平成24年度には約32兆円と減少。信用保証制度は、経済が不安定のなか、中小企業の資金繰り支援や倒産防止に役立てられてきました。
金融機関、中小企業の全額保証によるモラル発生、財政負担の懸念
信用保証制度は、中小企業の金融支援として下支えとなった一方、信用保証協会の全額保証による金融機関や中小企業の制度への過度の依存・モラルハザードの発生。さらに財政負担の懸念など負の影響が懸念されています。
平成19年には、「責任共有」が導入され、信用保証協会の100%全額保証は見直され、セーフティネット保証など一部を除き金融機関へ20%のリスク負担を求めるようになりました。しかし、平成20年には、リーマンショック後の資金繰り支援に全額保証の「緊急保証」が導入。平成23年には、東日本大震災に対応する「復興緊急保証」が全額保証で創設されました。信用保証制度は、現在も80%、100%保証が共存した状況です。
「調査及び立法考査局」保証割合、保証料率、対象企業の見直しに議論、検証が必要
今年3月末には、中小企業金融円滑化法が終了し、中小企業の金融支援に信用保証制度の役割はより大きくあります。「調査及び立法考査局」では、信用保証制度を持続させるためにも保証割合や保証料率、保証対象企業などの要件の見直しを様々な角度から議論、検証する必要性を訴えています。
特に保証割合では、全額保証が金融機関や中小企業のモラルハザードの発生が指摘されるものの、全額保証により円滑に中小企業へ資金供給されているのも事実です。ほかの先進国の保証割合は、60~80%程度が適切との指摘はあるものの、国際的なコンセンサスは存在しません。
財政負担などの明確化に、情報の透明化が必要
信用保証に関する財政負担は、事後的に発生するため収支構造を把握しにくい特有の問題点があります。全国信用保証協会連合会では、保証残高や代位弁済額など情報公開するものの、5年前までの情報のみが公開され、バブル崩壊後の利用状況など、情報の透明化が今後必要となります。
バブル崩壊後、失われた20年と称されるなか、信用保証制度は中小企業金融を支援し、倒産を回避させたことは間違いありません。財政負担により中小企業の新陳代謝を阻害する指摘もあるものの、目的は中小企業への円滑な資金供給にあります。
[2013.9.3]

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