内閣府景気判断:リーマン・ショック以来3年半ぶり「悪化」/「後退」も限定的?先行の指数は上向き

3年半ぶり景気判断「悪化」:内閣府
内閣府は11月7日、10月の景気動向指数(CI、平成17年=100)速報を発表しました。これによると、景気の現状を示す一致指数は、9月よりも0.9ポイント低い90.6となり、7ヶ月連続で低下しています。
景気の基調判断は、9月の「下方への局面変化」から「悪化を示している」へと、2ヶ月連続で下方修正。景気後退の可能性が高いことを示す「悪化」の表現は、リーマン・ショック後の平成20年6月~21年4月以来、3年6か月ぶりのことです。今年4月ごろから景気の後退局面に入ったと見られています。
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「後退」も年内には底打ち?先行指数は0.9ポイント上昇
この一致指数の低下は、液晶テレビなど耐久消費財の不振に加え、世界経済の減速を背景とした輸出減が響いたためです。また、大口電力使用量や、所定外労働時間が前月比減、有効求人倍率も低下しています。
ただし、鉱工業生産は4ヶ月ぶりに前月比増となったのをはじめ、一致指数を構成する10指標のうち、4指標は改善を示しました。中国など海外経済が持ち直せば、「後退」も年内にも底打ちすると見られており、数ヶ月先を示す先行指数は0.9ポイント上昇の92.5と2カ月ぶりにプラスに。中小企業の売上見通しも7ヶ月ぶりに改善しました。
経済成長阻む少子高齢化問題
目先の回復という期待は示されているものの、持続的な経済成長を実現するためには、少子高齢化の問題は無視できません。近ごろ報じられているシニア市場の活況も、経済の底上げが成されないままでは終わりが見えているも同然。働き手が減る深刻な事態を放置しておけば経済規模も縮小してしまいます。
労働の担い手となる生産年齢人口(15~64歳)が総人口に占める割合は平成4年の69.8%をピークに、23年には63.6%まで低下しています。対して、65歳以上の老年人口は世界最高水準の23.3%まで上昇。17年には戦後初めて総人口が減少に転じ、実際に働いている就業者数も減少傾向にあります。
働き手の減少 2030年代には成長率を1.2%下押し
日銀の試算では、働く女性・高齢者の割合が今後も変わらなければ就業者の減少が加速し、2030年代には成長率を1.2%も下押しするとのこと。このマイナス影響を緩和するには、結婚・育児を機に家庭に入りがちな女性や、高齢者の労働環境を整え、働き手を増やす措置が不可欠です。
女性の労働参加において主な論点となるのが、待機児童の問題をはじめとした育児との兼ね合いです。保育園の増設も必要ですが、「仕事をしたところで、保育料で給料も吹き飛んでしまう」といった状態では意味がありません。いっそのこと、「保育園無料化」のような、思い切った制度改革を行ったほうが、子ども手当てなどよりもよほど効果的と思われます。労働力が限られているのであれば、「働ける人がバリバリ働き、ジャンジャン納税する」という仕組みを整えることで、好循環を生み出せるのではないでしょうか。
[2012.12.14]

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