◆二十四節気◆令和7年(2025)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆

◆二十四節気◆令和7年(2025)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆

令和7年(2025)3月5日17時07分「啓蟄」です。旧暦2月、卯(う)の月の正節で、新暦では3月5日か6日頃。天文学的には、太陽が黄経345度の点を通過するときをいいます。

「蟄(ちつ、ちゅう)」は、土の中に虫などがかくれているの意。この頃になると、冬の間、土中で冬籠もりをしていた虫たちが穴を「啓いて(ひらいて)」地上へ這い出してくることから「啓蟄(けいちつ)」と呼ばれます。中国では啓蟄を「驚蟄」と書き、日本でも使われることがあります。

暦便覧には「陽気地中にうごき、ちぢまる虫、穴をひらき出ればなり」と記されています。柳の若芽が芽吹き、ふきのとうの花が咲く頃です。

◆虫出しの雷◆

この頃の雷を「春雷(しゅんらい)」といいます。春雷がひときわ大きく響く時期で、人は「冬籠もりの虫が雷の音に驚いて這い出してくるのだろう」と考え、春雷を「虫出しの雷」と名付けたりもしました。日脚(ひあし)も目に見えて長くなり、陽光の明るさとあたたかさの中に春を強く感じるようになります。

◆雷は「前進」の意◆

「八卦(はっけ、はっか:古代中国から伝わる占い「易(えき)」で、陰と陽の組み合わせで得られる8つの形)」の「震(しん)」は、「六十四卦(ろくじゅうしけ、ろくじゅうしか:八卦のなかの2種を組み合わせてできる64の形)」の「震為雷(しんいらい)」「震下震上(しんかしんしょう)」で構成され、一陽が生じて前進する様をあらわします。「始動の時」を卦象とし、象意は雷・龍・足・長男・若い男性などをあらわします。

◆雷の発生とは◆

地表で大気が温められて発生した上昇気流は、湿度が多いと水蒸気が発生して雲になります。この水蒸気は、高い空に達すると氷結して摩擦が起こり、静電気が生じます。この時、雲の上層には「正(+)の電荷」、下層には「負(-)の電荷」が蓄積され、上層と下層の電位差が大きくなり、ある一定を超えた時、空気の絶縁を越えて両者間で放電が起こります。

◆稲妻◆

下層の「負の電荷」が増大すると、地上では「正の電荷」が誘起され、この場合も電位差がある一定を超えると放電が起こります。 これが「稲妻」ですが、稲の頃に起こるので稲妻という名付けられました。電子は上から下に流れ、電流は下から上に流れます。

◆雷と神◆

古来より、雷は神と結びつけて考えられていました。ギリシャ神話のゼウス、ローマ神話のユピテル、バラモン教のインドラなどは、天空の雷神です。日本神話では、雷を「神鳴り」といい神々の為せる業と見なしていました。各地にある「雷電神社」「雷(かみなり、いかづち)神社」は、「火雷大神(ほのいかづちのおおかみ)」や「大雷神(おおいかづちのかみ)」などを祀っています。

◆くわばらくわばら◆

雷のことを方言で「かんだち」とも言い、「神立ち」すなわち神が示し現れることを意味します。ちなみに雷除けに人々が唱える「くわばらくわばら」は、菅原道真の屋敷(京都の桑原)が落雷の被害をいちども受けなかったことに由来するという説もあります。桑の木には神聖な力を持つという言伝えもあります。
雷神を表現した美術作品の代表に、京都建仁寺の障壁画、彫刻では京都三十三間堂や日光東照宮などが有名です。

◆◆「七十二侯」◆◆

◆初候「蟄虫啓戸」(ちっちゅう こをひらく・すごもりむし とをひらく):冬籠もりの虫が出て来る。
◇土の中に穴を掘って隠れていた虫たちが、土の扉を開け広げて出てくる時節。
◆次候「桃始笑」(もも はじめて わらう・もも はじめて さく):桃の花が咲き始める。
◇ようやく春らしくなって桃の花が咲き始める時節。
◆末候「菜虫化蝶」(なむし ちょうと けす・なむし ちょうとなる):青虫が羽化して紋白蝶になる。
◇成長した菜虫(青虫)が羽化して紋白蝶になる時節。菜虫=大根・かぶらなどのアブラナ科の野菜類を食べる昆虫の総称。特に紋白蝶の幼虫をいいます。

◆◆「3月の花」◆◆

「沈丁花(じんちょうげ)」 学名:Daphne odora ジンチョウゲ科ジンチョウゲ属の常緑低木。中国名は「瑞香(ずいこう)」。Daphne はギリシア神話の女神ダフネにちなみ、odora は「芳香がある」の意。

開花時期は2~4月で、春の開花ラッシュの先触れとして知られます。花びらに見える部分はガクで、外側はピンク色、内側は白色です。両側とも白色の種もあります。原産は中国。日本には室町時代にはすでに渡来していたようです。

常緑低木で剪定はあまり必要ありません。移植を嫌うので、挿し木で増やしたり移動させたりすることがあります。日陰気味の場所を好みます。

「沈丁花」の名は、花の香りを「沈香(じんこう)」と「丁字(ちょうじ)」にたとえたもの。沈香とは、ジンチョウゲ科の樹木からとる香木で「伽羅(きゃら)」とも呼ばれます。丁子は、漢方の生薬のひとつで、フトモモ科チョウジのつぼみを乾燥させてつくります。「丁香(ちょうこう)」「クローブ」とも呼ばれます。夏の梔子(くちなし)、秋の金木犀(きんもくせい)に並んで日本の三大芳香木に数えられ、遠くまでいい香りを届けます。

花の煎じ汁は、歯痛・口内炎などの民間薬として使われ、枝の繊維は紙の原料にもなります。

花言葉は「栄光」「不死」「不滅」「優しさ」など。

◆◆◆◆編集後記◆◆◆◆

「啓蟄」の頃、突然雷が鳴ることがあります。大気が不安定になり、変わりやすい天候は「春の訪れ」を告げるようです。川べりの土手にタンポポの蕾がふくらんできます。近々黄色い花を咲かせるでしょう。
社会では受験、就職、入学、進学の報道が目立ってきます。年度始まりの4月を控えて準備や、整理、処理でなにかと気忙しい日が続きます。
落ち着かない時期ですが、ともあれ皆様、お体ご自愛専一の程
筆者敬白

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