「待機老人」首都圏で10万人!介護要請増加、厚労省「地方受け入れ」を検討開始

介護需要爆増!「待機高齢者」首都圏だけで10万人

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待機児童問題が解消に向かいつつあると報じられていますが、高齢化が急速に進むいまの日本において、爆発的な介護需要に対する施設が不足し、待機高齢者も問題になっています。特別養護老人ホームの待機高齢者は全国で約42万人。首都圏の1都3県だけで10万人近くいるとのこと。
さらに、団塊の世代が65歳以上になり始め事態は深刻さを増しています。今後15年間で、75歳以上の高齢者数の割合は、埼玉県で2倍になるなど、都市部を中心に高齢化が急速に進むと予測されています。
厚生労働省は都市部の高齢化対策を考える検討会を設置。地価の高い大都市では病院や特別養護老人ホームの増設が難しい「都会の事情」もあり、高齢者の地方受け入れも検討項目となりました。
厚労省「高齢者の地方受け入れ」を検討/南伊豆に介護施設整備:杉並区
既に取り組みを始めている自治体もあります。東京・杉並区では、都心からおよそ140km離れた静岡・南伊豆町の一角に、区の特別養護老人施設を整備する計画です。
待機児童問題と同様、「都内の特養はまず入れない」というのが介護の当事者にとっては共通認識となっています。杉並区も例に漏れず、およそ2,000人の待機高齢者を抱えている現状。区内で施設を整備しようにも、まず用地の確保が困難で、待機者の希望に追いつくことができません。
保養地として知られる南伊豆町は豊かな自然や温泉地があり、高齢者が静養するには最適な環境であることは間違いないでしょうが、区外に造らなければならないほどひっ迫した問題となっているという現状を知り、改めて日本の高齢化の深刻さを実感します。
過疎地の高齢者誘致は地域活性化につながるか
また、「人口の流動化」と見れば合理的とも思えますが、唐突な地方への救済要請に違和感を禁じえないのも本音です。これまで、地域活性化を狙って高齢者の誘致をめざす過疎地も出てきてはいますが、医療サービスに不安があったり、就労の場も限られたりと、不具合も多く聞かれます。
遡って考えれば、医療と雇用が確保されているなら過疎化も起こらないとも。「家族の近くで暮らしたい」という入居者自身の希望は言うまでもありませんが、単純に「お年寄りは地方へ」というような押し付けの発想では意味がありません。
「社会の宝」を守るには、地域格差の解消が必須
重要なのは、「国をよくする」という意識の下に、地方と都市部が補完し合うことと考えます。高齢者移住を実現させる近道は、医療や教育をはじめ、各分野に横たわる中央と地方との格差解消にほかならないでしょう。
アフリカではひとりの老人の死がひとつの図書館の消滅に譬えられるとか。「社会の宝」が安心して老後を送れるよう、どうか、国のあるべき姿を見据えた議論をしてほしいものです。
[2013.6.20]

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