国内の景気、堅調に推移 12月日銀短観

12月日銀短観
日銀が13日に発表した12月の全国企業短期経済観測調査(短観)では製造業が大企業・中小企業ともに改善したのに加え、非製造業の景況感も高水準を保ちました。
日銀短観では、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた企業の景況感を示す業況判断指数(DI)で景気を判断します。
大企業製造業
大企業製造業の業況判断指数(DI)がプラス14で、9月のプラス13から若干の改善でした。

◆大企業 (「良い」-「悪い」・%ポイント、()内は前回調査時予測)
| 2024年9月調査 | 2024年12月調査 | 9→12月 | 2025年3月調査 | 12→3月 | |
| 変化幅 | まで(予) | 変化幅 | |||
| 製造業 | -14 | ||||
| 13 | 14 | 1 | 13 | -1 | |
| 非製造業 | -28 | ||||
| 34 | 33 | -1 | 28 | -5 |
大企業・製造業を業種別
大企業・製造業を業種別にみると、繊維、紙・パルプ、化学、石油・石炭製品、窯業・土石製品、非鉄金属、食料品、金属製品、汎用機械、生産用機械、業務用機械、電気機械、造船・重機、自動車がプラスだった。木材・木製品、鉄鋼はマイナスとなりました。
◆大企業・製造業(業種別)
| プラス | 繊維 | 紙・パルプ | 化学 | 石油・石炭製品 | 窯業・土石製品 |
| 非鉄金属 | 食料品 | 金属製品 | 汎用機械 | 生産用機械 | |
| 業務用機械 | 電気機械 | 造船・重機 | 自動車 | ||
| マイナス | 木材・木製品 | 鉄鋼 |
改善した業種は、IT需要の回復や、原材料・エネルギー価格の上昇が一段落したことが理由で、悪化した業種の要因は、海外需要の伸び悩みや、これまでのコスト上昇の影響というものです。
大企業非製造業
大企業非製造業のDIはプラス33で、9月のプラス34から若干の悪化となりました。
業種別では、建設、不動産、物品賃貸、卸売、小売、運輸・郵便、通信、情報サービス、電気・ガス、対事業所サービス、対個人サービス、宿泊・飲食サービスと全業種でプラスとなりました。
改善した業種では、価格転嫁がうまくできたとの理由が多く、一方悪化した業種は人件費の上昇や人手不足などが理由となっています。
先行きをみると、大企業・製造業でプラス13、大企業・非製造業でプラス28となっており、それぞれ横ばいか若干悪化を見込んでいます。
大企業・製造業で先行き悪化を予想する企業は、主に海外需要の伸び悩みのほか、引き続き原材料・エネルギーコスト高を懸念。改善を予測する企業は、自動車生産とIT需要の回復を期待しています。
大企業・非製造業の先行きはほとんどの業種が悪化ですが、その理由は原材料価格・人件費の上昇への懸念です。
中小企業 ~製造業、非製造業ともに改善
中小企業の業況判断DI(最近)は、製造業では前回調査から1ポイント改善の1、非製造業は2ポイント改善の16とりました。製造業、非製造業ともに2四半期連続の改善となり、中小企業の業況の持ち直しを示す結果となりました。
◆中小企業 (「良い」-「悪い」・%ポイント、()内は前回調査時予測)
| 2024年9月調査 | 2024年12月調査 | 9→12月 | 2025年3月調査 | 12→3月 | |
| 変化幅 | まで(予) | 変化幅 | |||
| 製造業 | 0 | ||||
| 0 | 1 | 1 | 0 | -1 | |
| 非製造業 | -11 | ||||
| 14 | 16 | 2 | 8 | -8 |
製造業では、大企業と同様に、石油・石炭製品や窯業・土石製品等の素材業種を中心に景況感は改善しました。堅調な市況を背景とした業績の改善期待や、夏場の急激な円高が落ち着いたこと等が持ち直しにつながった可能性があります。
また非製造業では、物価高や人手不足が深刻化する中でも、夏場の自然災害による下押しの解消が宿泊・飲食サービス等のサービス業種にプラスに作用し、改善につながったとみられます。
先行きについては、製造業では1ポイント悪化の0、非製造業では8ポイント悪化の8が見込まれています。製造業では米国トランプ次期大統領による日系メーカーへの悪影響、非製造業では人手不足の深刻化や金利上昇への警戒感等から、いずれも慎重な見通しとなっています。
まとめ
これまでの賃上げが消費を支え、価格転嫁の進展も企業業績を下支えしている格好となりました。資源や食料品などの輸入価格の上昇もつづいています。円安傾向が続く為替動向や、世界経済の不透明感が強まるなか、日銀の追加利上げの動向も気になるところです。利上げは借入金の利払いコスト上昇に直結する重要な事項です。資金繰りと合わせて金利上昇リスクについても十分留意したいところです。
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2024.10.4 大企業製造業の景況感、横ばい 9月日銀短観
2024.9.18 日銀短観(TANKAN)
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