待機児童70万人解消の切り札「幼保一体」に1兆円投入!「こども園」移行でニュービジネスの可能性

都市部中心に高まる保育ニーズ/統計に表れない「潜在的待機児童」

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厚生労働省によると、公的補助がある認可保育所に入所を申請しているにもかかわらず、希望する保育所が満員であるなどの理由で保育所に入所できない「待機児童」の数は、平成23年4月時点で25,576人。3歳未満の低年齢児が待機児童の8割を占めていますが、その年代の保育所利用率は24%にとどまっています。
定員数の増加により、前年と比較すると待機児童の全体数こそ719人減少してはいます。しかし、この裏には、そもそも待機することすら諦めている「潜在的待機児童」も多いと見られます。地方では過疎化、少子化の影響により定員割れの保育園が多くありますが、都市部を中心に、保育サービスのニーズは高まり続けています。
「幼保一体化」で待機児童70万人分解消狙う
待機児童問題の解消のため、政府は幼児教育と保育を提供できる「総合こども園」の創設を計画。全国に約13,000ケ所ある幼稚園のうち、希望する施設に保育所機能を備えたり、全国約23,000ケ所の保育所の9割以上で幼児教育を受けられるようにしたりなど、「幼保一体」とすることで、最大70万人分の保育サービスを提供できるとの試算です。
こども手当より待機児童の解消を!保育サービス拡充に1兆円投入
日本において待機児童問題の深刻さが浮き彫りとなった平成21年当時、経済協力開発機構(OECD)は「子ども手当よりも待機児童の解消に力を注ぐべき」と提言しました。 政府は平成25年度に、幼保一体改革などを含む子育て支援の新制度の創設を目指しており、約1兆円を追加投入する方針です。
新制度案では、一体型を望まない幼稚園の存続は容認するものの、3歳未満児を預かる保育所を除く全ての保育所について、一定期間後には一体型に移行させることを明記。また、これまで事業別に設定されていた国の補助金を、包括交付金として集約して市町村に一括交付し、各市町村が地域の実情に合わせて整備を進めることとなります。
「こども園」移行で保育士派遣サービス、幼稚園専門の営業部門立ち上げ
全国的に幼保一体化が進むことを受けて、民間の保育サービス会社は、幼稚園の運営支援事業に乗り出しています。
都内を中心に保育施設などを展開する株式会社ポピンズ(東京都渋谷区広尾5―6―6/代表取締役:中村紀子氏)は、幼稚園に対する保育士の派遣・紹介のサービスを本格化するとのこと。
民間最大手の株式会社JPホールディングス(名古屋市東区葵3-15-31/代表取締役:山口洋氏)は対幼稚園専門の営業部門を立ち上げるとしています。
民間企業から保育士派遣、給食サービスなど/物販からノウハウ提供まで
JPホールディングス傘下のジェイキッチン(同/代表取締役社長:荻田和宏氏)はこれまで保育所などの給食を手がけてきましたが、幼稚園から給食事業を受託するほか、調理室の設置や栄養士の派遣、メニュー提案といったノウハウの提供も行います。他にも、低年齢児に対応するサイズの机・椅子をはじめとした装備も必要となることから、各メーカーも保育施設向け商品の開発を進めるなど、関連業界は幼保一体化をまたとない商機と捉えています。
[2012.2.22]

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