「中小企業活性化協議会」発足、中小企業の相談窓口がひとつに統合

中小企業活性化協議会は「中小企業の新しい駆け込み寺」

20220414_1.jpg

4月1日、経済産業省は、中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターを統合し、「中小企業活性化協議会」を全国47都道府県に設置しました。
これは先月、経済産業省・金融庁・財務省が合同で策定した「中小企業活性化パッケージ」に基づいて組織されたものです。運営は各地域の商工会議所などが行ない、地域全体で中小企業の事業継続・事業再生の支援に取り組むとしています。
これまで公的窓口は中小企業再生支援協議会と経営改善支援センターの2つに分かれていましたから、初めて支援を求める経営者のなかには困惑した人も少なからずいたのではないでしょうか。今後は、中小企業活性化協議会が「中小企業の駆け込み寺」として幅広い役割を担うことになります。
「中小企業活性化パッケージ」の運用などは、これから調査して次回の「時事ウォッチ」で解説します。 
*写真:4月1日、中小企業活性化協議会の全国本部「中小企業活性化全国本部」の看板を萩生田経済産業大臣が揮毫した。(出典:経済産業省ウェブサイト)
企業を民間支援へと繋ぐ「ハブ」の役割
中小企業庁によると、中小企業活性化協議会は、中小企業の活性化を支援する公的機関として、「地域のハブとなり、金融機関、民間専門家、各種支援機関と連携」するとされています。

20220414_2.jpg

東京商工リサーチが2月に実施した調査で、回答のあった中小企業(資本金1億円未満、5,327社)のうち約2割が「借入金の返済に懸念あり」としていることからもわかるように、いま、実に多くの事業者がコロナ対策融資を含めた過剰な借金を抱え、自社の努力だけでは経営が立ち行かず支援を必要としています。こうなると現実的に「官」だけではとてもさばき切れる数ではありません。
資金繰りが難しくなった企業は、金融機関とリスケジュール要請などの相談・交渉をして、事業の再構築に挑んでいかなければなりませんが、その際、数多ある支援策・支援金のどれを選び、どう活用すべきか迅速に適切な判断を下すのは、経営者にとってなかなか容易なことではないでしょう。
そこで、「駆け込み寺」である中小企業活性化協議会が「ハブ」(ネットワークの中核)となり、各企業と、難しい経営判断に必要な助言を行なう民間の専門家・支援機関とのあいだを繋いでいこうというわけです。
中小企業を「地域全体で支える」必要性とは
4月12日時点で、新型コロナ関連の経営破たんは負債1,000万円未満を含めると累計3,115件となり、増加し続けています(東京商工リサーチ調べ)。そのうち会社更生法や民事再生法のもとでの「再建型」の破たんは1割にも届きません。新型コロナ関連で破たんした企業の9割が、資金繰りが追いつかず事業継続を断念した「消滅型」の破産です。
中小企業の事業継続は、そこで働く地域の人々が安心して暮らしていく土台となります。連鎖倒産などで地域経済が大きなダメージを負わないためには、官が指針を示し、官民が力を合わせて中小企業を支えていかざるを得ないのです。
これまで縦割りで対応していた様々な支援を「中小企業活性化パッケージ」という形で3省庁が1つにまとめた経緯には、役所同士や官民の垣根を取り払い、企業を中心に考えていかなければ地域経済が立ち行かなくなる現状を反映していると言えるでしょう。
[2022.4.14]

記事一覧


日銀はなぜ今、利上げするのか―物価を抑えて、成長まで抑えてよいのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 19

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月23日「秋分(しゅうぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 18

最低賃金1,177円時代へ――「賃上げできない会社」がこれから直面すること

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 09 / 08

◆二十四節気◆令和8年(2026)9月7日「白露(はくろ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 09 / 01

人手不足国家・日本は外国人材で救われるのか?――2027年「育成就労制度」で変わる中小企業の採用

八木宏之の経済時事ウォッチ 未分類

2026 / 08 / 24

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月23日「処暑(しょしょ)」です。◆

季節のお便り 未分類

2026 / 08 / 18

日銀はなぜ利上げを急ぐのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 14

◆二十四節気◆令和8年(2026)8月7日「立秋(りっしゅう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 08 / 03

骨太の方針2026を読み解く

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 08 / 02

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月23日「大暑(たいしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 07 / 21

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(後編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 17

日銀金融政策決定会合(6月)を読み解く(前編)

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 07 / 06

◆二十四節気◆令和8年(2026)7月7日「小暑(しょうしょ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 30

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月21日「夏至(げし)」です。◆

季節のお便り

2026 / 06 / 19

日銀はインフレの原因を見誤っているのではないか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 17

2026年上半期の日本経済を総点検

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 06 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)6月6日「芒種(ぼうしゅ)」です◆

季節のお便り

2026 / 06 / 03

「関税ショック」後の中小企業サバイバル戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 29

2026年「骨太の方針」はなぜ重要なのか ― 中小企業経営者が知るべき“国家の方向性”と与党内のせめぎ合い

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 21

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月21日「小満(しょうまん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 19

大胆な投資促進税制とは何か

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 05 / 07

◆二十四節気◆令和8年(2026)5月5日「立夏(りっか)」です。◆

季節のお便り

2026 / 05 / 02

日銀「金融政策決定会合」から読み解く日本経済

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 29

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月20日「穀雨(こくう)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 17

値上げは悪いこと?物価高時代に企業が取るべき経営戦略

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 04 / 17

◆二十四節気◆令和8年(2026)4月5日「清明(せいめい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 04 / 02

日本企業に起きている「静かな淘汰」

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 31

金融政策決定会合(3月)-中小企業経営者が知っておくべき金融環境の変化-

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 23

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月20日「春分(しゅんぶん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 16

エネルギー価格上昇に中小企業はどう対応するか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 03 / 12

◆二十四節気◆令和8年(2026)3月5日「啓蟄(けいちつ)」です。◆

季節のお便り

2026 / 03 / 02

第二次高市内閣で日本の産業政策はどう変わるのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 26

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月19日「雨水(うすい)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 16

【衆議院選挙後】新政権と金利上昇をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 02 / 09

◆二十四節気◆令和8年(2026)2月4日「立春(りっしゅん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 02 / 01

消費税減税は実現するのか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 31

日銀金融政策の転換期をどう読むか

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 25

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月20日「大寒(だいかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 17

2026年度予算――規模・評価軸・企業経営への示唆

八木宏之の経済時事ウォッチ

2026 / 01 / 03

◆二十四節気◆令和8年(2026)1月5日「小寒(しょうかん)」です。◆

季節のお便り

2026 / 01 / 02

日銀・金融政策決定会合(12月) 利上げの背景と今後の政策運営

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 21

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月22日「冬至(とうじ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 17

取引適正化推進法(旧:下請法)とは?

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 12 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)12月7日「大雪(たいせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 12 / 03

外国人のビザ要件強化の背景とその影響

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 30

高市政権×21兆円補正予算:中小企業に訪れる“追い風”

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 24

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月22日「小雪(しょうせつ)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 16

ガソリン税ついに廃止!軽油も2026年にゼロへ

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 11 / 10

◆二十四節気◆令和7年(2025)11月7日「立冬(りっとう)」です。◆

季節のお便り

2025 / 11 / 04

どう変わる?日銀の10月会合に見る金融政策の行方

八木宏之の経済時事ウォッチ

2025 / 10 / 31