「アベノミクス」成長戦略表明/「育休3年」、「待機児童ゼロ」5年で実現!


「アベノミクス」成長戦略方針発表/助成金で「育児休業3年」
安倍晋三首相は4月19日の記者会見で、自身の経済政策「アベノミクス」の3本柱の一つの成長戦略に関する基本方針を発表しました。女性の活躍を成長戦略の中核と位置付け、待機児童を平成29年度までに解消する決意を表明。女性の就労環境を向上させるため、育児休業を後押しする助成金を検討する考えも明らかにしています。
育児休業の取得は現在、子どもが1歳6カ月になるまでと法律で規定されています。首相は会見に先立つ経済3団体トップとの会談で、企業の自助努力で3歳になるまでとするよう要請。育休期間を延長した場合、代わりの人材の確保など企業の負担が増すことから、新たに創設する助成金制度で企業を側面支援する方針です。
浸透遠い育休取得、雇用形態で格差も

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とはいえ、規模の小さい会社には未だ浸透しきっていない育児休業を、制度改正せずに、企業の努力だけで3年に延長すると言われても、現実的ではないというのが当事者の意見としては強いでしょう。
厚労省が発表する女性の育児休暇取得率は、平成23年度で87.8%。これだけ見るとかなり高い数値に思えますが、実際は働く女性の2人に1人が第1子出産前後に仕事を辞めていて、その数が分母を小さくしています。また、非正規労働者の育児休業の利用は、規定のある事業所でも3割程度(平成17年以降)にとどまるなど、雇用形態による格差も大きいのが実態です。
「待機児童ゼロ」は2年前倒し
急速な少子高齢化のなか、女性の活躍を柱にした戦略において、もう一つの具体策として挙げられているのが待機児童の問題。これについては、平成29年度までの5年で保育所定員を40万人増やし「待機児童ゼロ」とする目標が打ち出されています。
待機児童に関して、民主党政権は平成27~31年度の5年間でゼロを目指すとしていましたが、アベノミクスのプランが実現すれば、民主党政権の社会保障と税の一体改革で想定した解消時期が2年早まることになります。
定員割れ深刻な幼稚園、「こども園」移行は補助金次第?
認可保育所に入れなかった乳幼児の母親たちによる抗議行動が広がるなど、待機児童問題は「待ったなし」の様相。その反面、多くの幼稚園では定員割れが起きています。
ベネッセ次世代育成研究所の調査(全国の保育園や幼稚園など約5,200施設が回答)によると、3歳児から5歳児を預かる公立の幼稚園の9割以上、私立の8割が定員割れ。首都圏と近畿圏を除いた私立幼稚園の半数近くは定員の75%を下回っているとのことです。
「待機児童ゼロ」と「幼稚園定員割れ」、二つの問題の解決のためには、保育園と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」への移行が望ましいと考えられます。民主党政権下で推し進められていたものの、政権交代により頓挫したまま。認定こども園への移行には費用がかかるため、補助金がどうなるのか様子を見ているという施設が大多数の様子です。
安倍首相は育休延長案と共に、育児のために退職した人の再就職などを支援するため、新規の就業体験事業を用意したり、試用期間中の人件費の一部を補助したりする考えを示しましています。しかし、その財源を保育環境の整備に回し、「育てながら働く」環境を整えた方が、来る参院選での女性票の獲得にもつながるのではないでしょうか。
[2013.4.25]

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