日銀短観、大企業・中小とも景況感が改善!弊害は急激な円安による輸入原材料費の高騰に中小は価格転換できず

大企業製造業:景況感DI、一気に12ポイント改善
日銀は7月1日、6月の企業短期経済観測調査(短観)を発表。円高が是正され輸出産業を中心に景況感を示すDI(Diffusion Index:業況判断指数)は、大企業製造業でプラス4と改善しました。3月の前回調査のマイナス8から一気に12ポイント改善し、平成23年3月調査のプラス6以来の高水準となりました。
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業から「悪い」と答えた企業を引いた数値で、大企業1,157社、中小企業1,960社のほか中堅企業を対象に日銀が調査を行っています。
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大企業製造業の今年度為替レートは1ドル91円を想定
大企業製造業では、今年度の想定為替レートを1ドル91円20銭と3月調査の85円22銭から約6円円安・ドル高で想定。自動車や木材・木製品、機械、食料品など幅広い業種で改善が見られました。
大企業非製造業のDIでは、プラス12と前回調査から6ポイント改善。リーマンショック前の平成20年3月調査以来の高水準に回復しました。不動産や通信、物品賃貸、建設など、「機動的な財政出動」と「大胆な金融緩和」のアベノミクスの恩恵を受けました。
中小製造、非製造業ともマイナス水準ながら改善
一方、中小企業でも製造業が前回調査から5ポイント改善しマイナス14ポイント。依然マイナスの低水準にあるものの、平成23年12月の調査以来1年ぶりに改善。大企業に牽引されるように自動車や鉄鋼など大幅な改善が見られ全業種が上昇を示しました。
中小非製造業でも前回から4ポイント改善しマイナス4ポイント。不動産や運輸、通信などが大幅に上昇した一方で、物品賃貸や電気・ガス、対個人サービスが悪化しました。
円安による影響!素材業種の価格判断「上昇超過に転換
円安の追い風に輸出産業では、大企業を中心に改善が見られ始めましたが、素材業種を中心に輸入仕入れ価格は上昇を始め、素材業種の価格判断は「上昇超過」に転換。平成19年〜20年の世界的な資源価格高騰時以来の「上昇超過」に迫っています。下請けとなる中小企業にとっては商品、サービスには価格転嫁できず収益を圧迫する事態も起き始めています。
原材料などの輸入価格上昇は、厳しい価格競争のなか値上げに踏み切ることができず、物価上昇が欠かせません。来年には消費増税も控え、消費者心理と円安による値上げのバランスを見極め、アベノミクスによるデフレ脱却が急がれます。
[2013.7.4]

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