「時間稼ぎ」ではすまない為替介入、10月金融緩和の効果は!
日銀:一時的な為替介入効果持続せず
平成22年度下半期を目前に日本経済は、猛暑や、エコカー補助金等の支援政策が影を潜め、4月からの景気回復傾向が鈍り始めてきそうです。円高、株安による産業の空洞化が加速し、企業の設備投資意欲、個人消費が失われ、先行き不透明な状態です。
9月15日、日銀は6年半ぶりに為替介入に踏み切り今後も「必要な時には為替介入を含めて断固たる措置をとる」とし、民主党代表選後、いきなりの為替介入はインパクトを与えました。結果、約3円近く円安となりましたが9月28日現在84円前半と相変わらず円高傾向です。本来、為替介入は米欧と協調すると効果的ですが、日本単独での介入だったためその効果も一時的でした。。
FRBの追加緩和の前に実施
米国の中央銀行であるFRB(米連邦準備制度理事会)は米国経済の減速を背景に11月にも追加緩和を打ち出す姿勢を示しています。FRBが追加緩和に踏み出せば円高が一段と進むため、日銀では先駆けて10月にも金融緩和を実施する。との報道がありました。
日銀の緩和決定は9月29日発表される日銀短観(企業短期経済観測調査)や、米国の経済状況を見てからの判断としています。9月15日の為替介入が約1兆8、000億円規模で一時的だったことから、10月の為替介入には期待したいところです。
為替介入1兆8,000億は0.5%規模
(社)金融財政事情研究会によると、世界の為替市場の1日の取引量は340兆円ともいわれ、約1兆8、000億円の為替介入、全体の約0.5%では市場には影響を及ぼさないでしょう。また資金を増やせば、国債を一時的に大量に発行するため国の借金が増える事になります。「国の借金を増やすな」とマスコミ報道を見ますが、為替介入に関しては逆に「1~2兆円じゃ効果は一時的。資金が少ない」と評しているところから、10月の介入は規模も大きくなるでしょう。円安効果より金融緩和効果を狙った介入でもあることに注目です。
世界経済は大通貨切り下げ合戦?
為替市場では国内の経済成長に為替介入を行い、意図的に自国の通貨の価値を下げる
ことがあります。中国や韓国、インドネシアなど新興国では為替介入によって通貨を引き下げ、輸出品を増やし経済成長を促しているのです。米政府が中国人民元引き上げに圧力をかけるのも、同じものを安く購入できるならあえて先進国から買う必要はないという必然的な理由からです。自国の通貨が下がれば輸入品が減少し、国内での生産品が安く販売でき、国内経済の競争力を高める事になります。
経済産業省の調査では1ドル85円程度の水準が続けば生産、研究開発拠点を海外へ移す企業が39%にのぼるのという調査結果が出ており、このままでは産業の空洞化から技術の空洞化に変化、加速していくと思われます。
プチバブルの到来が近い!
これまでにも日銀は金融緩和を行ってきましたが、企業の金融機関からの借り入れが6月末時点で371兆円と3年ぶりの低水準となり、市場に資金が回っていない状況です。10月の金融緩和では規模の大きい量的緩和となるのか、市場に資金が行き渡って株式市場や不動産などが活況となってデフレ脱却を牽引してもらいたいものです。私たち中小企業は、近々来るデフレ脱却まで、あと少し我慢して今のうちに力を蓄えておくことが大切です。
[2010.9.28]
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