債権者の4分の3の同意で債務整理進む

2025年3月4日、「円滑な事業再生を図るための事業者の金融機関等に対する債務の調整の手続等に関する法律案(通称:早期事業再生法案)」が閣議決定され、通常国会に提出されましたが、昨日6月6日、参議院本会議で可決・成立しました。
「制度的裏付け」が整った今、今後は行政・金融機関による中小企業支援体制もさらに強化される見通しです。
中小企業経営者にとっての注目ポイント
同法案を分かりやすく一言でいうと、「倒産する前に、会社を立て直すための新しいルール」と言えます。
従来の「私的整理」や「倒産手続き」の間を埋める、中間的な再生手続きとして設けられました。
5つの重要ポイント
重要なポイントを5つあげておきます。
① 金融機関の借金だけを対象にする
- 対象は、銀行など金融機関への借金(金融債権)だけです。
- 仕入先や取引先への支払い(一般債権)は対象外。
② 3/4の賛成で借金を減らせる
- 金融機関の4分の3以上の同意があれば、借金の減額や猶予が多数決で決まる。
- 全員一致が必要な従来の私的整理よりも、スピーディーに進めやすい。
③ 専門家と裁判所が関与する
- 経済産業省が指定した第三者機関(指定法人)が公正に支援。
- 最終的には裁判所の認可が必要。信頼性が高い。
④ 手続きは非公開。世間に知られない
- 裁判所での手続きは非公開なので、顧客や社員にバレずに進めやすい。
- 上場企業などは、別途、開示義務あり。
⑤ 労働組合への説明・協議が必要
- 借金減免に影響するような再生計画では、労働組合に事前説明と協議が必要。
- 雇用の安定にも配慮した制度設計。
どんな会社が使える?
- 今すぐ倒産というわけではないが、将来の資金繰りに不安がある
- 銀行借入の返済負担が重く、見直したい
- 会社を残したいが、私的整理ではまとまらない
というような企業が対象になります。
また法案が可決してから1年半以内に施行予定です。現在のところ2026年末ころではないかと言われています。
経営者が今からできること
経営者の皆さんが今からできることをあげてみます。
| やること | 内容 |
| 財務状況の点検 | 自社の借入額、返済計画を見直す |
| 銀行との関係構築 | メインバンクとの信頼関係を日頃から強化 |
| 専門家との連携 | 事業再生に詳しい税理士・弁護士と相談ルートを確保 |
| 社内の理解形成 | 必要に応じて、社員・労組との対話の準備 |
利用を検討すべきタイミング
- 「このままだと半年後の資金繰りが厳しい」
- 「今のうちに借入返済を整理して再成長を目指したい」
- 「金融機関との話し合いがうまくまとまらない」
このようなときは、「法的整理の一歩手前」で使える制度として、本法案を活用する余地があります。
まとめ
「早期事業再生法案」は、中小企業が倒産に至る前に、借金の負担を見直して、会社を立て直すための新制度です。
これまでの制度ではできなかったスピード感ある再生が可能になります。
中小企業にとっては「早めの相談・準備」がカギとなりますので、今から準備できることから始めてみてはいかがでしょうか。
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