企業倒産件数は「減少」、休廃業・解散件数は「増加」、合わせたら増加傾向に安倍政権「成長戦略」はお手上げ?

倒産件数,1月は23年ぶりに900件割れ
東京商工リサーチは2月10日、1月の全国企業倒産件数が864件と1月としては平成3年以来23年ぶりに900件を下回ったことを発表。背景には、昨年3月の中小企業金融円滑化法終了後も金融機関が中小企業のリスケジュール(条件変更)に応じ抑制されていることが伺えます。
金融庁によると中小企業による金融機関へのリスケジュール申請数は、同法終了時には431万2,203件。終了後の9月末時点には490万845件と、これまで通り月間約10万件申請され中小企業の厳しい財務状況は変わっていません。
年間倒産件数も減少,リスケ利用後の倒産は増加

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昨年通年の全国企業倒産は、1万855件と前年から10.4%減少。22年ぶりに1万1,000件を下回る低水準となりました。ただ、リスケジュールを利用しながら業績が回復せずに倒産に至った企業は456件と前年の256件から1.7倍に増加しています。
一方,昨年の休廃業・解散件数は2万8,943件と過去10年で最多。倒産件数の2.6倍にまで達しました。休廃業・解散件数は年々増加傾向にあり倒産件数とは対照的な傾向。中小企業は、リスケジュールで抑制する一方,業績低迷や事業承継難など事業の継続を断念する動きが増加しています。
倒産件数にカウントされない休廃業・解散件数
休廃業・解散件数による会社清算は、あくまで自主倒産であり倒産件数にはカウントされませんが、企業が消滅したことにかわりありません。アベノミクスの波に乗って円安,株高で大企業を中心に業績が回復する一方,倒産と休廃業・解散を合わせた件数は増加しているのが実態です。
中小企業や小規模事業者にとってアベノミクスの恩恵は未だ届かず、円安による原資材のコスト上昇や光熱費上昇の負担が逆に業績に大きく影響。4月からは消費税率の引上げにより、反動減による受注,売上減少が懸念されます。
海外生産移転で円安メリット見えず、経常収支3割減
財務省が2月10日発表した昨年の国際収支は、海外との取引や投資の状況を示す「経常収支」が前年から31.5%減の3兆3,061億円。円安による原材料やエネルギーなど輸入価格の高騰に加え本来、円安メリットとなる輸出が海外への生産移転で伸び悩んでいることが明確になりました。
アベノミクスは、これまで「金融緩和」と「財政出動」とうまくいっているように見えますが、第3の矢である「成長戦略」がブレーキとなっています。企業への設備投資税制優遇やベンチャー支援,雇用の流動化などが先走り、本来の成長産業がバブル崩壊後20年以上も育っていないのが現状。このまま放置すれば事業や雇用、所得、地域,消費など格差はさらに拡大する懸念があります。
[2014.2.18]

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