5月倒産件数 1000件超

 

物価上昇・人手不足で10年以上ぶりの高水準

帝国データバンク(TDB)が10日発表した5月の倒産件数は、前年同月比46・4%増の1016件で、25カ月連続で前年同月を超えました。倒産が1000件を超えるのは12年ぶりで、前年同月より322件多く、増加数はリーマン・ショック直後の20089月(337件増)に次ぐ2番目の多さでした。

円安、資源高による物価上昇や人手不足などが影響したものと思われます。また実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)利用後の月の倒産は最多でした。負債総額は同54・9%減の1260億9700万円となりました。

 
倒産件数と負債総額.png
件数・負債総額の推移 0617.pngのサムネール画像
 

                               帝国データバンク

 

業種別では全7業種で前年同月を上回る

業種別にみると、全7業種で前年同月を上回りました。『サービス業』(前年同月159件→244件、53.5%増)が最多、『小売業』(同150件→224件、49.3%増)、『建設業』(同136件→190件、39.7%増)が続きました。『サービス業』は2009年6月(242件)を超え、2000年以降で最多。『運輸・通信業』(同27件→54件、100.0%増)は前年同月から倍増となり、2012年11月(50件)以来約11年6カ月ぶりの50件台となりました。

さらに業種を細かくみると、『小売業』では「飲食店」(前年同月71件→89件)で増加しました。『運輸・通信業』では、ドライバー不足などに直面している「道路貨物運送」(同13件→45件)が3倍超、2000年以降で過去最多となりました。『サービス業』では、ソフトウェア開発などの「広告・調査・情報サービス」(同45件→70件)が大幅に増加しました。

業種別.png

倒産の主な要因をみると

主因別にみると、「販売不振」が823件(前年同月549件、49.9%増)で最も多く、全体の81.0%(対前年同月1.9ポイント増)を占めました。内訳を業種別にみると、「小売業」(前年同月131件→195件)が最も多く、「サービス業」(同131件→193件)が続きました。

『不況型倒産』の合計は843件(同563件、49.7%増)で、25カ月連続で前年同月を上回り、増加期間は2000年以降で最長となりました。

 

注目の倒産動向

今回2024年5月の調査結果における注目ポイントは下記の3点があります。

1.   農業関連業の倒産増2023年度は過去最多:

肥料価格や原材料高を背景に急増

 

2.   ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産:

2024年5月は78件発生2024年3月に次ぐ2番目の高水準

「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」は、2024年5月に78件(前年同月55件、41.8%増)発生し、過去最多だった2024年3月(82件)に次ぐ2番目の高水準となりました。「不良債権(焦げ付き)」に相当するコロナ融資喪失総額は推計で約902億1800万円にのぼり、国民一人あたり750円超の負担が発生している計算になります。

 

3.   人手不足倒産:2024年5月は31件発生で過去最多ペース

 

「人手不足倒産」は、2024年5月に31件(前年同月15件、106.7%増)発生し、前年同月から倍増しました。2024年1-5月累計は149件と、前年同期(87件)を大幅に上回り、過去最多ペースで推移しています。従業員や経営幹部などの退職・離職が直接・間接的に起因した「従業員退職型」の倒産は10件発生し、前年同月(3件)の3倍超となりました。

 

今後の備え:アフターコロナで二極化が進む

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月末をもって、新型コロナ関連の資金繰り支援策が終了し、7月以降、政府は一連の施策をコロナ禍前の支援水準に戻すとともに、事業者の経営改善・再生支援へと本格的に軸足を移していきます。

コロナ禍を乗り越え、回復基調にある企業と、まだまだ思うように回復できない企業との2極化が進むものと思われます。

信用保証協会、中小企業活性化協議会、政府系および民間の金融機関などによる支援が強化されるなかで、こうした支援の手からこぼれ落ちることがないように、自社の強みや課題を明確に把握し回復へのビジョンを描けるように心がけましょう。

 

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