事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


経産省、政府系金融機関、中小・小規模事業者支援を断言
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経済産業省中小企業庁では12月7日、年末に向けて資金繰りで困窮する中小企業や小規模事業者に「経営者保証に関するガイドライン」を活用し、経営者保証に頼らない融資や、保証債務の整理を希望する中小企業、小規模事業者を支援することを言動しました。
同庁では、年末にかけ、資金ニーズが増加する中、資金繰りに万全を期するため中小企業、小規模事業者からの相談に対する対応や、実情に応じた対応などについて政府系金融機関に対し配慮、要請を行うとしています。
新規の融資の申し込みや、既存の借入金についてのリスケジュール(条件変更)など積極的に対応するとしています。

平成26年からは経営者保証に頼らない融資や新規融資も
日本商工会議所と全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」は、平成25年12月5日に「経営者保証に関するガイドライン」を公表し、翌26年に2月1日から実施されています。
経営者保証を提供せずに資金調達を希望する経営者や、事業承継などで既存の保証契約の見直しを希望する経営者、また事業再生や清算によって個人保証債務の整理を希望する経営者は、中小企業基盤整備機構の地域本部などで相談を受け付けるとしています。
同ガイドラインによって、経営者保証なしでの新規融資や、経営者保証の解除ができる可能性があるとしています。
▼中小企業基盤整備機構:「問合せ地域本部」

事業承継、旧経営者の保証解除せず新経営者の保証もとる融資4割弱
ただ、金融庁が平成29年下半期(平成29年10月〜30年3月)に全国548の金融機関に実施した経営者保証に関する調査によると、事業承継のあった取引先2万5,732件のうち、旧経営者から取得した経営者保証を解除せずに、新経営者からも2重経営者保証をとるケースが全体の36,3%、9,349件あったことが判明しました。
一方、旧経営者保証を解除し、新経営者からも経営者保証をとらなかった融資は同9.5%、わずか2,438件に留まりました。
経営者の高齢化は急速に進んでおり、後継者不足に悩む中小企業が多い中、金融機関は企業の破綻に備える慣行で未だ個人保証を求める実態が浮き彫りとなりました。

「ガイドライン」知らないが半数超え
中小企業基盤整備機構が今年1月に経営者保証に依存しない融資慣行に関して中小企業、小規模事業者10,095件にアンケート調査を行ったところ、「経営者保証に関するガイドライン」を知っているかの問いに全体の52.4%が「知らない」と返答しました。
「知っている」と答えた中小企業、小規模事業者は「何によって知ったか」の問いに「金融機関」が全体の36.6%、「機構からのダイレクトメール」が23.1%と、一部の金融機関の積極性も見られました。
年末、また年度末を見据え、資金繰りに懸念がある場合には早めの相談が重要となります。
▼中小企業基盤整備機構:「経営者保証に関するガイドライン」


[2018.12.18]

上昇傾向も「戸建住宅」だけが下落
国土交通省は11月28日、今年8月分の「住宅総合」の不動産価格指数が111.9(平成22年=100)と前年同月比で45ケ月連続して上昇していることを発表しました。
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指数は、前年同月からは2.2%上昇し、内訳では「マンション」が142.2、同4.6%上昇し、「住宅地」も101.4、同2.1%上昇と高騰しましたが、「戸建住宅」だけが101.2、同0.3%下落と落ち込みました。
不動産価格指数は、IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)などによる国際指針に基づいて、不動産価格の動向を表すもので、投資環境などの整備を進めることが目的となっています。

都心別でも異なる上昇、下落
都市圏別で見ると、東京都の「住宅総合」は126.0と前年同月から2.1%上昇し、「マンション」が同3.9%上昇し143.1、「戸建住宅」が同3.2%上昇の113.5に対し、「住宅地」だけが111.6と同3.8%下落しました。
南関東圏では、同様に「住宅総合」が115.6と同2.2%上昇し、「住宅地」だけが下落しており、京阪神圏も「住宅総合」は115.6と同5.6%上昇、「住宅地」も上昇と、全てで前年同月を上回りました。
経済活性化が見られる名古屋圏では、「マンション」だけが143.5と同2.8%上昇したものの、「住宅総合」では101.6と同3.6%下落しました。

不動産プチバブル?東京五輪、大阪万博まで上昇か?
「住宅総合」は、都心部と地方で明暗は分かれるものの、上昇傾向にありプチバブルと言える状況ですが、この価格上昇は2020年の東京オリンピック・パラリンピックまでか、2025年の大阪万博まで続くのか、正確な先行きは専門家でも予測できないでしょう。
ただ、東京都では、2022年に生産緑地問題が迫っており、都内の農地は法の施行から30年経過し、固定資産税の優遇措置がなくなり、空き地でなく住宅地として転用しないと多くの税金が課せられることになります。
日本は人口が減少にある中、地方から都心集中への流れは止まらず、生産緑地を住宅地にすることで一気に都心部での住宅用地が増え、不動産価格が下落するのと声も上がっています。

商業用、「倉庫」が上昇
一方、同日発表された第2四半期(4月〜6月)の商業用の不動産価格指数は、「総合」で123.1と前四半期123.6から下落。
内訳を見ても、「店舗」が前四半期138.1から135.9、「オフィス」が同136.4から133.2、「マンション・アパート」も同136.0から134.3と下落傾向です。
ただ、国土交通省では、サンプル数の増加により修正値を発表し、「倉庫」が同10.9%上昇し126.1になり、三大都市圏で同10.6%、それ以外では同16.8%上昇しました。
インターネット通販の急速な拡大で「店舗」からでなく「倉庫」から客へダイレクトに配送されている現状が証明されています。


[2018.12.14]

「倒産手続のIT化研究会」を設立
弁護士や大学教授など法律の専門家が11月5日に「倒産手続のIT(Information Technology:情報技術)化研究会」を設立し、初会合が開かれ、東京地裁の裁判官や法務省・内閣府の担当者も議論に参加しました。
同研究会では、民事再生や破産など裁判所が関わる法的整理の手続にインターネットを利用し、手続を容易にしコストダウンを目指すとしています。
現行の倒産手続は、管財人らの負担も大きく、無駄を省くためにはITの活用が有効と示しており、来春までに具体案をまとめ、ルール整備を安倍政権に要請するとしています。

企業の倒産件数は低水準で推移
今年の企業倒産件数は低水準で推移し、4年連続で8,000件台に留まる見通しで、これも中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)終了後も、金融機関が積極的に中小企業などに対応している効果と見られます。
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ただ、平成29年度(平成29年4月〜30年3月)のリスケジュール申請数は、80万461件と中小企業全体の2割強にも上っているのが現状です。
今年下半期は、西日本豪雨や大型台風、米中の貿易戦争、原油価格の高騰など不透明さが懸念され、個人消費の落ち込みや原材料・人件費の上昇もあり7月〜9月期のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、年換算でマイナス1.2%と2期ぶりのマイナス成長となっています。
人手不足による倒産も懸念されるなか、安倍政権では外国人労働者受け入れに積極姿勢です。

時間も費用もかかり「使い勝手悪い」現行制度
現在の、法的整理での倒産手続では、裁判所の管理下で進められ透明性が高いものの、手続きに多くの時間や費用がかかり、使い勝手が悪いとの指摘もあります。
民事再生法の場合、監督委員を選任し、債権把握のため関係者へ手続開始の事実を郵送し、それぞれの過程でも通知が必要となり、印刷や郵送などで大きな手間、費用がかかります。
平成22年に会社更生法を申請した消費者金融大手の武富士は、債権者約90万人に通知書などの郵送費だけで数億円かかったと言われ、その郵送費分は債権者の弁済総額から差し引かれることになりました。

セキュリティ問題や法改正も課題多く
倒産手続のIT化は、安倍政権でも司法手続のIT化を検討していますが、課題も多いの現状で、債権者集会などインターネット上でのウェブ会議ではセキュリティの安全性や、現行法上で法改正が不可欠な部分もあり、「倒産手続のIT化研究会」には、このような点を見極めてもらうことが重要となります。
リスケジュール申請数は、累計で600万件をも超え、日本の経済の活性化に手続きが使いにくければ グローバル化社会の中で生き残りも厳しくなるのは考えられ、海外IT先進国に遅れを取らないためにも官民で議論を急ぐ必要があります。


[2018.12.11]

人口減が原因!生産性向上で経済規模の縮小は減少
IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)は11月28日、日本の経済情勢を分析した報告書を公表し、日本は人口減により、今後40年でGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)が25%以上減少しかねないとの試算を示しました。
ただ、生産性を向上する構造改革を徹底すれば、経済規模の縮小は抑えられるとも指摘し、来年10月の消費税引き上げの際に需要喚起などの緩和策を促しました。
IMFでは年1回、加盟国と経済状況を分析する「4条協議」を行い、報告書をまとめており、日本は現行の政策のままでは人口減で実質GDPの縮小は続くため、構造改革が必要と主張しました。

消費税引き上げで経済成長率は0.9%に縮小
IMFによると、日本の今年の経済成長率は1.14%と見込んでいますが、来年は消費税の引き上げもあり0.9%に減速すると分析しました。
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IMFでは、日本の消費税の増税を促してきましたが、来年10月の消費税引き上げ時には経済が収縮する懸念が残るとして、消費税増税の緩和策として自動車や住宅関連の減税を挙げ、現在、安倍政権が検討する措置を後押ししました。
また、日銀のマイナス金利政策を継続すべきとし、その副作用で地銀などの収益悪化も懸念されるものの、地銀には人口減に対応する事業モデルへの変革が必要であり、FinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)の活用も有効としました。

消費増税・・・対策は・・?
年末にかけて安倍政権は来年度の予算・税制改正案づくりに入りますが、メインとなるのは消費増税対策であり、11月20日には経済財政諮問会議にて対策に万全を期するよう指示しました。
安倍政権は、これまでの増税で消費反動減を懸念し、10%への引き上げは2度にわたって延期した経緯があり、安倍首相にとっては自然災害のような存在とも捉えています。
対策では、クレジットカードや電子マネーなどキャッシュレスでの消費に、消費税2%を上回る5%のポイント還元や、自動車や住宅関連の購入への支援措置に加え、公共事業の積み増しなども検討しています。

国民より、大企業の利益から負担も?
消費税の導入は3%から5%、8%と来年は10%に引き上げられ、目的は社会保障費の持続や財政健全化であり、国民の消費増税より今年3月期の決算でこれまでにない収益をあげた大企業から負担できないのか十分な説明も必要かと考えられます。
来年は、新しい時代の移行であるとともに、消費税が導入され30周年となります。
国民に不可欠な野菜は災害で、ガソリンや電気、 ガス代は原由高騰のため、国民の実質負担は大きくなる中、消費増税の引き上げの意味を考える機会を持ってもいいのではないでしょうか。


[2018.12.7]

燃費3割向上、CO2もHV車並み
マツダは11月28日、米ロサンゼルスで来年世界に投入する新型小型車「MAZDA3(日本名:アクセラ)を世界で初公開しました。
世界の自動車市場がEV(Electric Vehicle:電気自動車)やHV(Hybrid Vehicle:モーター付ガソリンエンジン自動車)へ移り変わる中、あえてガソリンエンジンで勝負をかけます。
新たなエンジンは、燃費を最大3割向上させ、CO2(二酸化炭素)も排出量でHVに近いレベルに達し、環境性能でも研究・開発されました。

マツダのエンジン開発者30人、トヨタは1,000人
マツダは、現行エンジンを約20年前から開発していましたが拡大路線に失敗し、経営も悪化しており、エンジン開発者はトヨタの約1,000人に対しわずか30人ほどでした。
平成8年には、経営難から米フォード自動車傘下となり、窮屈な開発や販売を強いられたものの、その後、平成23年に現行の「スカイアクティブ」エンジンを投入し、燃費向上、車体デザインも一新し世界販売台数は、平成24年の124万台から163万台にまで伸ばしました。
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SUV(多目的スポーツ車)の「CX-5」のヒットもあり、マツダの業績を支える推進力となりました。

EVにも技術提供、日系9社でEV開発へ
一方、マツダは平成29年にトヨタ自動車やデンソーなどと出資し、EV自動車開発の「EVシー・エー・スピリット社」を設立し、いすず自動車も合流し、日産自動車、ホンダを除く日系9社連合が作られました。
EV開発は進んでおり、2020年以降に各社のEVが反映される計画です。
EV自動車市場の先行きの見通しを読むのは困難であり、欧州や中国では数年後にはガゾリン、ディーゼルエンジン廃止と掲げていますが、電池コストや充電インフラもどの程度のスピードで普及するかは、自動車評論家の間でも差があります。
ただ、マツダでは、わからないこそ効率よく開発できる体制を作っておくと、技術を磨き続けます。

「王シフト」ヒントに
マツダでは、コンピューター上でのシミュレーションを活用し、15年前から効率よく性能評価の約75%で行い、残りは試作車で確認しておます。
この技術は、昭和29年の後楽園球場(現東京ドーム)でのプロ野球、巨人対広島戦で試合終盤に元巨人の王貞治選手がバッターボックスに立った時に内外野手が一斉に守備位置を右に移し「王シフト」が生まれました。
これは、当時の広島の親会社の東洋工業(現マツダ)松田社長が自動車のシミュレーション技術を活用して「王シフト」が生まれたものでした。
当時、9連覇の巨人相手に弱者である広島の姿勢は、現在のマツダの業績にも反映されているようです。


[2018.12.4]

ガソリンや電気代、タバコも値上げ
総務省が22日発表した「10月の全国CPI(Consumer Price Index:消費者物価指数(平成27年=100)」は、値動きが大きくなる生鮮食品を除く「総合」で102.0と前年同月から1.4%上昇し、プラスとなるのは22ケ月連続となりました。
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物価上昇率の押し上げになっているのは原油相場の高騰で、ガソリンや電気料などが相次いで値上がりを公表しています。
エネルギー関連では、電気代が全国平均で前年同月比4.5%上昇し、ガス代も同3.2%上昇し、さらにタバコ税の増税に伴ってタバコは8.6%上昇しました。

生鮮野菜、20%も値上げ
国民に身近な生鮮食品を含む「総合指数」でも1.4%上昇しており、上昇幅は前月からさらに拡大しており、今年2月の1.5%以来の上げ幅となりました。
これも異常気象による豪雨や台風などの天候の影響が大きく、エネルギー上昇分の半分近くを占め、ねぎやレタスなど生鮮野菜の物価も20.4%も上昇しました。
ただ、総務省によると、エネルギー費については来年1月まで値上げが考えられるが、以降は原油価格が下がってきているので下落基調となると予測しています。

年金受給額は減少?
原油価格が下落することにより、日銀の企業物価指数の消費財の価格も鈍化してきており、物価上昇圧力は徐々に後退していくと考えられます。
また、CPIが前年同月から上回ったことにより、国民年金や厚生年金など公的年金の給付額を抑える「マクロ経済スライド」が来年度に発動される公算が大きくなってきました。
これは、通年でも1%超えの物価高の高い水準で、物価と賃金の伸びよりも年金の支給額を抑える、年金財政の持続性を高める政策でもあります。

年金受給額に影響ある「マクロ経済スライド」制度
年金の給付額は、物価と賃金の変化により毎年改正されており、物価、賃金が上がれば年金の給付額も上がりますが、この上昇率を抑えるために平成16年に「マクロ経済スライド」が導入されました。
これは、現役世代が将来受け取る年金が減少しないようすることが目的で、現状は高齢者が年金受給額が減少することになります。
厚生労働省では、今年度から「マクロ経済スライド」が発動しない場合、減額率を翌年以降に持ち越す キャリーオーバーを開始しましたが、今年度は0.3%の減額率が繰り越され、来年度に発動する場合、給付額抑制にこの分が加わる可能性がある懸念があります。


[2018.11.30]

メガバンク純利益増は一時的?
3メガバンク(三井住友、三菱UFJ、みずほ)フィナンシャルグループの今年9月期の中間決算が14日に公表され、「融資先の業績回復」や「貸倒引当金が必要ない戻り益」収益が支えとなり、3社ともに純利益が前年同期を上回りました。
収益を押し上げたのは、東芝などの大口融資先の財務改善や、政策保有株の売却などであり一時的とも見られ、超低金利が継続する中、先行き懸念も残ります。
日銀のマイナス金利政策により超低金利で、融資での収益向上は難しい状況で、本業の収益である業務純利益は、3メガバンク合計で前年同期を下回っています。

地銀63行、純利益は3割減
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一方、全国地方銀行協会が発表した9月期の中間決算では、公表した63行の純利益は前年同期から30.3%減少し3,555億円でした。
ただ、本業の収益、業務純利益は同3.9%増の5,559億円で、超低金利による融資の縮小には歯止めがかかったものの、貸倒引当金などの「与信関係費用」がかさみ、純利益は減少しました。
今年は、不正問題を起こしたスルガ銀行の与信費用が1,196億円を計上したことで、全体を押し下げた結果となりました。
ただ、これを除いても与信費用は412億円で前年同期の195億円の戻り益から約600億円が増加しました。

与信費用とは・・・
与信関係費用は、与信に関わる費用全体を示し、与信先の状況に応じて引当金を積み増すことにより発生する「貸倒引当金繰入額」や、債権の回収が不可能となったことで確定した損失を計上する「償却額」などがあります。
与信先の業績が改善したことで貸倒引当金の取り崩しを行った場合には、マイナスの費用(利益)となります。
地域の事業者の業績が改善し、雇用も維持され、地域が活性化すれば、新たな業務拡大に向け金融機関は融資を行い、地銀などの業績も改善します。
この好循環サイクルは、金融行政方針にも記載されています。

日銀、 マイナス金利政策の副作用を懸念
3メガバンクは、増益となったものの国内に比べ、海外への投融資の拡大が支えにもなっている一方、上場地銀80行は対照的に約7割近くが最終減益となり、マイナス金利政策を継続する日銀も、その副作用を懸念し始めています。
3メガバンクでも、この先の数年で数万単位の人員リストラを公表しており、地銀でも店舗網や人員配置の見直しなど、収益低下に伴う経費削減対策が必要になってきます。
地銀では、他行との再編も選択肢となりますが、長崎県内の地銀再編で公正取引委員会が独禁法に触れると難色を示すなど、今後、地銀や金融庁、公正取引委員会などの動向が注目されれます。


[2018.11.27]

ネット通販の急拡大に客を奪われる現状
「アマゾン・ドット・コム」や「楽天市場」、「ZOZOタウン」などインターネット上の通販市場は急拡大している一方、これまでのカタログ通信販売や訪問販売企業の業績は客を奪われる形となって業績悪化が目立っています。
東京商工リサーチによると、今年1月〜10月までにカタログ通信販売、訪問販売企業の倒産件数は56件に上り、10月時点で3年ぶり前年を上回りました。
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内訳では、衣食住に関わる商品を扱う多品種の商品展開を行う通販企業が目立っており、負債額は5,000万円未満の小規模企業が約8割を占め、通販業界内で格差は広がっていることが明らかになりました。

ネット通販、個人でも参入可能だが競合も数多く
通販事業は、参入への障壁も低く個人での事業立ち上げも可能で、パソコンやスマートフォン経由の取引拡大で地域に関係なく地方でも成長できる市場です。
ただ、その半面、競合相手も多く、オークションや個人売買なども好調で、強みとなる差別化や付加価値がなければ生き残るのも厳しい市場とも言えます。
今年10月までに倒産が増加したのは、中小企業や小規模事業者、個人事業主などインターネット通販への参入が過当競争に滑車をかけたと見られます。

通販大手、千趣会も業績不振で本社売却、リストラ
「ベルメゾン」ブランドで知られるカタログ通販大手の千趣会は10月24日に、業績不振を理由に希望退職を募るほか、大阪市の本社ビルを売却する検討を始めたことが報じられました。
同社は、平成29年も50人の希望退職を募りましたが、応募者は想定を上回る134人に上り、今回も人数が膨らむ可能性があります。
同社の平成29年12月期の連結準損益は110億円の赤字となり、今年12月期は14億円の黒字を見込んでいましたが、今年7月に2億円の黒字に下方修正しました。

中国ネット通販大手「アリババ」1日で3兆円超えの売上達成
小売業ほか、インターネットは銀行や証券、保険、行政サービスなどすでになくてはならない存在となり、得に小売業の急拡大は全世界で目立ってきています。
11月11日には、「1」が並ぶ日とし「独身の日」として、「Madein JAPAN」爆買いの中国のネット通販大手「アリババ」でセールが行われ、わずか1日だけの取引額が過去最高の2,135億元(約3兆5,000億円)と前年をさらに26%上回りました。
たった1日で3兆円を超える売り上げるインターネット通販は、アナログからデジタルへの変革が想定以上に急成長していることが伺えます。

[2018.11.23]

賃金上昇傾向であるものの、耐久消費財に消費
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金融広報中央委員会が11月9日発表した平成29年の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、2人以上世帯が保有している金融資産は平均で1世帯当たり1,151万円とのことが判明しました。
大企業などは収益を上げ賃金も人手不足で上昇傾向にあるものの、耐久消費財の購入のため資産を取り崩して生活する世帯もあるのが実態です。
この調査は、今年6月から7月にかけ2人以上の世帯を対象に3,579世帯から得られたもので、この結果が日本全体の個人保有資産とは言いきれるものではありません。

資産保有目的「老後の生活資金」6割超え
金融広報中央委員会は、都道府県の金融広報委員会や政府、日銀、地方公共団体、民間団体などと協力し、公正な立場で暮らしに身近な金融に関する広報活動を行っている機関です。
調査では、金融資産の保有目的として「老後の生活資金」との回答が全体の65.6%を占め、保有資金の増加は、人手不足などでパートからフルタイムへのシフトが多く見られました。
同委員会の調査は、これまで「運用目的の預貯金」などを求めてきましたが、今年から預貯金の金額から「運用目的」へと切り替えました。

年金支給もいづれ70歳から?
安倍政権により「人生100年」、「1億人総活躍」と政策を進めますが、年金の支給は60歳から65歳へ引上げられ、70歳に引上げるとより年金支給額が増加すると、民間企業へも65歳、70歳まで雇用をと、促しています。
通常のサラリーまンであれば、企業を定年後は退職金を受け取り、再雇用では賃金が減少するのが常であり、転職にしても賃金が上昇することは、よほどの技術、サービスを持つ人以外では困難な話でしょう。
日本の社会保障費は破綻同然であり、先送りになっている状態で、少子化対策が十分でなえれば若年層にとっても老後の生活懸念は残るでしょう。

日本人はやはり投資より貯金
このような状況に、低金利の預金より投資をと様々な金融商品が誕生し、結果として損失を受けるケースも報道されれおり、得に高齢者においてはタンス預金が安心感があるのが実情でしょう。
日本は預貯金を投資に回すのは約2割で、文化の違いもあり欧米の約8割と多きく異なり、銀行など低金利でも金融機関やタンス預金が何よりも安心感のある実情が分かります。
老後の生活資金について、住居や食費、医療費など様々な課題があやふやになっている状況に、少子化対策にいかに具体策が対応できるのかが大きな課題となると考えられます。


[2018.11.20]


奨学金猶予、31年が最終!仮差押えも?
日本学生支援機構の奨学金を巡り、平成31年以降、10年の返済猶予期間が終了し、生活に困窮する元奨学生の増加が懸念されています。同機構では平成26年に経済的に返済が困難を理由に、返済期間を5年から10年に延長し、31年から返済が始まります。
重い傷病患者など一定の条件があれば無期限の猶予が認められますが、収入不足が理由の猶予は原則、打ち切られます。
返済の催促から9ケ月以上経過すると、同機構から返還訴訟を提起され、給与や預金などの差し押さえを受ける可能性もあり、弁護士などは懸念を示します。

大学奨学金の3ケ月以上の債権、600億円超え
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厚生労働省の平成29年「賃金構造基本統計調査」結果によると、大卒者の平均初任給額は20万6,000円ですが、社会保険や税金が引かれるため手取りは約16万7,000円。返済額は月平均約3万円となっています。
奨学金の平均返済額は利息を含め平均約400万円と、家賃が発生する場合には相当な負担となり、平成28年度、3ケ月以上の延滞債権は683億円に上ります。
経済的理由で返済のためアウバイトする学生も多く、長時間のアルバイトで学費を稼ぎ、学業そっちのけの学生もいるのが現状です。
財政難の日本において「教育無償化」は可能なのか大学教授など有識者団体では日本弁護士連合会に「教育無償化」を国へ勧告するよう要請しています。

財務省、奨学金の保証人は第三機関へ
財務省は11月2日、財政制度等審議回の分科会で、増加する奨学金返済の延滞に対応するため、奨学金申し込みの際に外部機関による保証を求めることを提案しました。
延滞金の回収にも時間がかかっており、5年以上の長期延滞が全体の約6割を占めています。
現在保証人は、親族などや外部機関を選ぶことができますが、今後は延滞金を強制的に回収できる外部期間のみとすることを求めました。

「教育無償化」は国連納得済み
日本は、国連の社会権規約である「無償教育の斬新的な導入」に拘束されていませんでしたが、外務省は平成24年9月にその拘束されない権利を撤回することを国連事務総長に通告。
よって、日本は法整備や財政的な措置などを講じ、「教育無償化」を進める責任を負うことになっっています。

「教育無償化」より、授業費値上げ?
国立大学の授業料は、文部科学省が規定する標準額を元に各大学で決められますが、標準額は53万5,800円でしたが、今年9月より東京工業大学は標準額から63万5,400円、東京芸術大学は同64万2,960円に引き上げられました。
「教育無償化」どころか国が授業料引き上げと、他の大学などにも波及し学生や入学を志す人々の負担がさらに増すことが懸念されます。

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[2018.11.16]

「老後生活資金に不安」8割超え
ソーシャルレンディングに特化したインターネット上の比較サイト・ニュースサイトを運営するクラウドポートは10月15日、20代〜60代の男女600名を対象に「老後資金」に関するアンケート調査を発表。
「老後資金に不安はあるか?」の問いに、「年金受給の引き上げ」が64.2%と最も多く、「漠然と不安」が43.2%と、老後生活資金に関して不安を持つ人が数多いことが判明しました。
その対策として「貯蓄」が85.5%と低金利の中、銀行など金融機関や自宅金庫に現金を預けるという人がほとんどであり、「投資信託」は30.0%、「株式」が22.9%と大きな差があることがわかりました。

サブリース・節税対策や老舗生活資金に「安定収入を」
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この状況の中、ここ数年で新たに「相続・節税対策」や「老後資金確保」を謳い文句に不動産のサブリースという言葉が報道でも多く報じられました。
サブリース契約とは、アパートやマンションを貸主が建築するため、金融機関から融資してもらい、不動産会社などが建物を一括で借り上げてもらうシステムで、入居者に転貸するもので、貸主は入居者がいなくても不動産会社からなどから一定の家賃収入が保証される契約です。
国土交通省によると、アパートやマンションの貸家の新設住宅着工戸数は、年々増加傾向にあり、平成29年には41万9,397戸と、日本が人口減少、少子化にもかかわらず建設されてきました。

一定の家賃収入が保証されていたはずなのに・・
日銀のマイナス金利政策が持続する中、金融機関に預金しても利子はごくわずかで手数料の方が高くなるなど、タンス預金が増えているのも実態で、ある程度の資金力のある高齢者を狙い「オレオレ詐欺」がなくならないのも手元資金が多いからでしょう。
この状況の中、サブリースという不動産業者や金融機関から不動産投資話を持ちかけられ、一定の家賃収入が保証されるはずの契約が実行されない現実も多々報じられています。
スルガ銀行では融資を伸ばすために、貸主の通帳を1桁増やすなどの不正で融資を繰り返し、金融庁より一部業務停止命令が出ており、不動産業者なども、入居者を募集するための販促活動もコストを惜しみ、空室が目立ち貸主に一定収入が入らないことも報じられました。

国交相、金融庁と消費者庁と連携し注意喚起
このようなサブリース契約のトラブルが目立ち始め、国土交通省は金融庁と消費者庁と連携し10月26日、注意喚起を呼びかけました。
同省では、サブリース契約は賃貸住宅を貸主から一括で借り上げるため、賃料収入が見込め、管理の手間もかからないなどメリットがある一方、ここ数年で空室を放置、賃料減額などのトラブルが発生しているとしています。
サブリース契約は、契約内容やリスクを十分理解してから契約するよう同省では呼びかけています。
これも、マイナス金利政策の副作用、社会保障費の不安から起きていると考えられます。

[2018.11.9]

中国地方は台風・豪雨、北海道は大地震で経済に影響
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日銀は10月18日、全国の日銀支店長会議で集約された情報をまとめた「さくらリポート(地域経済報告)」を発表。
各地域の景気状況を見ると、北海道では大地震、中国地方では台風や豪雨など自然災害の影響により判断を引き下げ、他地域、東北、北陸、関東甲信越、東海、四国、九州・沖縄は「拡大」、「回復」と7月調査同様の判断としました。
「拡大」、「回復」の要因としては、海外経済の成長に伴う輸出が増加基調にあり、個人消費も緩やかながらに増加していることが挙げられています。

北海道、震度7の大地震に余震、大規模停電、一番影響受けたのは「観光」
9月6日には、震度7という北海道胆振東部地震が起き、700人を超える死傷者が発生し、住宅の全壊・半壊も1,000棟を超えました。
この大地震により、苫東厚真火力発電所のボイラー管が破損し停止し、連鎖して他発電所も停止したため、道内全域で約295万戸が停電しました。
日銀札幌支店長は、最も影響を受けたのは「観光」と指摘し、余震も続く中、宿泊施設や交通でもキャンセルが相次いでいるといいます。
復興に向け公共投資も本格化していますが、建設業界の人手不足が影響し、予定通りに進まないことが懸念されます。

西日本代豪雨に大型台風の影響、「生産は戻りつつある」
四国は台風による豪雨の影響で製造業は減産を余儀なくされ、輸出は一時、下振れしましたが生産の回復に伴い広島のマツダや自動車部品製造業など、豪雨前の水準に戻りつつあります。
関西国際空港では、滑走路1本が高潮とともに水没し、物流機能の復旧は遅れるものの、中部空港など代替え輸送を進めているため、増産計画の見直しは避けられる状況です。
豪雨災害後には、交通インフラなども止まり、部品の流通や、従業員の出勤にも影響が出ており一部製造業では減産に踏み切る企業もありました。

大阪、想定上回る早さで回復
西日本豪雨や大型台風など岡山や広島など消費者心理の悪化から不要不急の消費を避ける傾向が見られましたが、8月以降は影響が和らぎ始めています。
関西国際空港の一時閉鎖で、大阪でも一時的に来客数は減少したものの、国際線復旧後は想定を上回る早さで回復しているとしています。
ただ、製造業にとっては米中貿易大戦争の影響を懸念する声が多く、中国から米国へ輸出される先端部品や半導体製造機などは日本製がほとんどです。
サプライチェーンは、他国に渡り複雑化する中、米中貿易交渉が自然災害より大きく影響する可能性もないわけではありません。


[2018.11.6]

自然災害や企業の不正、パワハラばかりの年
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平成30年は、自然による大災害や大企業のデータ不正、パワハラなどが連日報じられた年でもあり、国民が望む「平和」や「普段通りの生活」を脅かす年でもありました。
熊本や大阪北部、北海道での大地震、猛烈な勢いの台風やゲリラ豪雨に、日大アメフト部や日本ボクシング連盟、日本体操協会とスポーツを代表する組織でのパワハラ、「#Me Too」運動などのセクハラと、告発する動きが過去にないほど報じられました。
弱い立場にある被災者や選手、タレントなどが大きな組織である協会や監督、プロデューサーなど権威に反旗を翻し、世論が初めて実態を知り、支持するという行為は初めての年と言えるのではないでしょうか。

「働き方改革」では自殺者も
安倍政権では経済指標において「景況感は徐々に回復」との報道はされるものの、「働き方改革」の中で大手広告代理店社員の自殺によって「ブラック企業」と呼ばれる労働環境は以前にも増して目立つようになっています。
そのためか、企業のリスクトレンドとした「内部告発とハラスメント」が注目されています。
平成30年10月には免震・制振用ダンパーでは生産No.1の上場企業KYBが生産工程の期日厳守で不適合製品の出荷を認めたとしましたが、これは元従業員からの告発で分かったものです。

データ改ざんや不正融資・・・氷山の一角?
平成28年には、日産自動車やスバル、スズキなど日本を代表する自動車メーカーで検査データフが改ざんされ、29年には神戸製鋼や三菱マテリアル、東レの改ざん問題、商工中金やスルガ銀行の不正融資も報じられました。
これまで、日本を牽引してきた大企業がデータを改ざんしてまでも生産、出荷する現状は、氷山の一角でないことが国民の願望でしょう。
日本は、戦後の焼け野原の中から技術を磨き自動車や家電製品など「JAPAN as No.1」の称号も与えられ、「ものづくり大国」として世界中に「Made in JAPAN」を知らしめましたが、この数年でその認識も薄れようとしています。

強引なコスト削減が内部告発に?
メディアでは、「国民一丸」や「官民一体」、「全社一丸」など報じられていますが、実態は内部告発によって国や自治体、企業、学校の実態が次々に報じられています。
中小企業の経営者としては、「株主のため」や「従業員のため」と、意思疎通を訴えるものの、こうした常識外の内部告発は強引なコスト削減などによって今後も報じられる可能性もあります。
日本独自の文化である人に、従業員に対しての「おもいやり」がなくなれば、日本のすべての技術は新興国に奪われることも十分ありえるでしょう。


[2018.11.2]

リーマン・ショック後から融資右肩上がり
銀行など金融機関による中小企業への融資が積極的になってきており、設備投資への融資は平成20年のリーマン・ショッック後を底にし、ほぼ右肩上がり状態です。
日銀のマイナス金利政策によって、貸出金利も低く維持しており、さらに景況感の改善を要因に、貸し倒れのリスクも恐れず融資している実態が日銀の統計で判明しました。
ただ、中小企業が返済が滞った場合に代わりに返済する信用保証協会の保証付融資は、バブル崩壊後の平成3年以降低水準のままです。
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地銀、3ケ月滞納でも融資可能?
大手信用調査会社によると、関東の地銀では、地元の信金に3ケ月返済が滞っている中小企業へ、信用保証なしで借換融資を持ちかけ、融資された実績も見られました。
本来、金融機関では返済が3ケ月滞ると銀行内の信用格付けにより、不良債権とみらられる「要管理先」に分類され、新規で融資を受けるハードルは非常に高くなるものの、融資は行われました。
また、他の地銀でも信用保証付の融資分を保証なしの融資に切り替える融資を積極的に進めているといいます。
借り手企業にとっては、信用保証料を払う必要がなくなるメリットがあります。

保証付融資、リーマン・ショック後から4割減
信用保証協会連合会によると、平成30年8月末現在の信用保証付き融資残高は、約21兆5,700億円とバブル崩壊後の平成3年以来の低水準となっています。
リーマン・ショック後の平成21年度には約35兆8,500億円と約4割も減少するなど、金融機関が信用保証協会に責任を押し付けずにリスクを積極的に取り、中小企業へ融資していることがわかります。
日本はバブル崩壊後、平成10年10月に貸し渋り対策に「中小企業金融安定化特別保証」を始め、債務超過企業でなければほぼ無条件で100%保証で融資され、平成13年3月までに約30兆円を融資した経緯もあります。

銀行本来の事業、「企業の設備・運用資金」供給へ
銀行など金融機関は、信用保証や連帯保証人、担保などに頼らず、中小企業の事業の将来性や成長性、リスクを的確に評価することで、信用保証は不要となり、金利も保証付融資よりも抑えられるメリットもあり、中小企業にとっては金融環境の改善にも繋がります。
ただ、ここ数年で不動産向け融資などの不正が相次ぎ、金融庁も金融機関へ検査に入るなど、「行きすぎた融資」に進まないかとの懸念の声も聞かれます。
金融機関にとっての本来の資金供給は、「利ざや」も取れず、カードローンは社会問題化、投資信託などはインターネット専業業者に奪われ、収益の柱がなくなりつつあるのも現実です。


[2018.10.30]

一億総活躍社会に向け、70年ぶりの労基法大改革
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長時間労働を是正し、非正規雇用を一掃して子育てや介護とともに労働できる多様な働き方を可能にする「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律」が7月6日に交付され、10月15日「第1回働き方改革フォローアップ会合」が官邸で開催されました。
安倍首相は、「働き方改革」は、一億総活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであり、長時間労働の是正や同一労働同一賃金と労働基準法制定以来、70年ぶりに大改革ができたと主張。
大企業だけでなく中小企業への相談支援や、治療と仕事の両立支援、障害者雇用の促進など「働き方改革実行計画」に基づき取り組むことを確認しました。

学校卒業後に就職、3年以内に3割が離職の実態
「働き方改革」を推進するに当たり、中小企業にとっては負担となることも多くなりますが、労働者にとって働きやすい環境を提供することは、今後の経営を継続、拡大させるには重要となってきます。
厚生労働省の調査によると、学校を卒業して企業へ就職した若者の約3割が3年以内に離職するという実態もあります。
では、なぜ離職するのかを見ると、「給与に不満」や「仕事上のストレス」、「会社の将来性が不安」、「長時間労働」、「厳しいノルマ」などが上位を占めています。
確かに労働者にとって働きやすい職場を提供するには中小企業にとっては負担も大きくなると考えられます。

労働意欲なく生産性の低い従業員の離職は企業にはメリット?
一方、企業側にとっては、労働意欲なく生産性の低い労働者が自発的に離職することは、中途採用で即戦力を獲得するメリットになっているのも実情ですが、実際に即戦力が採れるのかが課題です。
労働者と企業側との意志のバランスが重要であり、現実に大企業よりも中小企業が人手不足になっているが実態です。
総務省が発表した「労働力調査・平成30年4月〜6月期平均」によると、非正規従業員数は2,095万人で全雇用者に占める割合は37.6%で、今年に入ってからも増加傾向にあるといいます。
同一労働同一賃金を目指すのであれば、将来的に達成できる可能性もありますが、非正規を選択した理由を見ると、男女とも「自分の都合のいい時間に働きたい」が「正社員の仕事がない」を上回りました。

「働き方改革」取り組み企業7割、成果感じない労働者は2割
ノー残業デーの導入や、勤務時間をずらすフレックス制、在宅勤務など業務の生産性の向上や効率化、労働環境の改善が企業ごとにすすめらえていますが実態はどうなっているのか。
基幹システムから管理会計までサポートする「ミロク情報サービス」の調査によると、「働き方改革」に取り組んでいる企業は約7割と多いものの、労働者の「実際に成果を感じるか」の問いにはわずか約2割となりました。
さらに、自社の労働生産性を「低い」と認識している企業は過半数に達するなど、「働き方改革」はまだまだ理想と実態に開きがあるようです。


[2018.10.26]

次世代事業に2兆円投資
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経済産業省は9月25日、今年7月9日に改正、施行された「産業競争力強化法」を受け、「産業革新投資機構」を正式に発足しました。
同機構の前身である「産業革新機構」同様、発足時の投資額は2兆円ですが、今後は上積みし、民間資金も呼び込みながら海外の成長事業に積極的に投資する方針です。
主な投資分野としてAI(Artificial Intelligence:人工知能)やロボットなど「Society 5.0(ソサエティ5・0)」と呼ばれる次世代の新しい事業領域や、企業価値が10億ドル(約1,130億円)以上のユニコーンと呼ばれる
ベンチャー企業や、地方に眠る将来性のある技術などを持つ企業に重点を置くとしています。

サイバー空間とフィジカル空間を融合した「Society 5.0」
「Society 5.0」は、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって、経済発展と社会的課題を解消する人間中心の社会(Society)を目指すものです。
これまで、狩猟社会「Society 1.0」、農耕社会「Society 2.0」、工業社会「Society 3.0」、情報社会「Society 4.0」と革新し続け「Society 5.0」は、「第5期科学技術基本計画」において、日本が目指すべき未来社会の姿として提唱されました。

情報共有ができずデータ分析に手間がかかった「Society 4.0」
これまでの情報社会「Society 4.0」では、知識や情報が共有できず分野ごとに分けられ連携が不十分で、溢れる情報から必要な情報を見つけ分析する負担もありました。
さらに少子高齢化の進展や地方過疎化などの課題に制約もあり、十分に対応できなかったのも現実です。
「Society 5.0」は、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)ですべての人とモノがネットで繋がり、様々な知識や情報が共有され、新たな価値を生み出すことでこれまでの課題も解消していきます。

少子高齢化や地方過疎化、貧富の格差を解消
AIでは、必要な情報が必要な時に提供され、ロボットや自動走行車などの技術によって少子高齢化、地方過疎化、貧富の格差を解消します。
経済産業省では、日本の社会の変革で、これまでの閉塞感を打破し、世代を超え相互に尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会を目指すとしています。
「Society 5.0」への投資によって、膨大なビッグデータもAIが解析しロボットを通じ、フィジカル空間の人に様々な形でフィードバックされ、これまでできなかった新たな価値が産業や社会にもたらせることが期待されます。


[2018.10.23]

北海道胆振東部大地震、関西国際空港被災が影響
内閣府が10月9日発表した「9月の景気ウォッチャー調査(街角景気」によると、街角の景況感を示す現状判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、前月から0.1ポイント低下し48.6になりました。
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特に北海道では、胆振東部大地震や余震、台風21号による関西国際空港の被災の影響が響いており、地域別で北海道は11.6ポイントも低下しました。
ただ、内閣府では、基調判断を復興ニーズも配慮してか「緩やかな回復基調が続いている」と据え置きました。
景況感の好不況の分かれ目となる50.0を下回るのは9ケ月連続となりました。

家計動向関連DI、サービス・住宅関連がマイナス大
内訳を見ると、家計動向関連DIは、1.1ポイント上昇したものの、サービス関連がマイナス2.6、住宅関連が同2.3ポイント全体を引き下げました。
特に北海道の胆振東部大地震によって宿泊施設などの大規模なキャンセルが大きく響きました。
企業動向関連DIでは、米中貿易摩擦の影響で製造業がマイナス2.0、非製造業は0.7ポイント上昇しました。
製造業では、原油や現資材の高騰、人手不足による賃金上昇がマイナス要因にもなりました。
一方、景気の先行きに関しては、家計や企業活動の影響が長引くことが懸念されていますが、訪日外国人客を含む国内旅行・観光など回復に期待する声が多く見られました。

日銀、短観も3期連続悪化
内閣府の「景気ウォッチャー調査」は、地域の景気に深い動きを観察できる人々の協力を得て、11の地域ごとに景気動向を的確に把握し、景気動向の判断に利用されています。
日銀でも、短観(全国企業短期経済観測調査)を四半期ごとに全国の約1万社を対象に業況や経済環境の現状・先行きを調査していますが、10月1日の短観では、景況感は3期連続で悪化しており、相次ぐ台風被害や地震などの自然災害や、米国の貿易摩擦による原油高を要因としています。

リアルタイムで動向わかる「消費者マインドアンケート調査」開始
「景気ウォッチャー調査」は、ある人々を対象に調査していますが、インターネットがほぼ普及しスマートフォンでも気軽に調査が行える時代。
内閣府では、平成28年9月から調査対象を選ばない「消費者マインドアンケート調査」をし始め、内閣府のウェブサイトには掲載されますが、マスコミでの報道はありません。
質問数も「暮らし向き」と「物価見通し」のみで、スマートフォンでも1分かからず解答可能でき、毎月20日に締め切り22日には結果が公表され、速報性のある調査と考えられます。
こうしたリアルタイムの調査、対象も限定しなければ実感も湧いてくると考えられ、今後も結果を注目すべきでしょう。


[2018.10.19]

世界成長率3.9%から3.7%へ下方修正
IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)は10月9日、世界経済の成長率の予測を、貿易摩擦のエスカレートや新興国での通貨安、圧力を背景に2年ぶりに下方修正しました。
世界経済見通しで、今年と来年の世界成長率を3ケ月前の3.9%から3.7%に引き下げました。
IMFは、10月11日からインドネシアのバリ島で年次総会を開催し、日本からも日銀の黒田総裁、麻生財務相が出席しました。
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世界経済は、平成23年以降最高だった29年並みのペースになるものの、米国の貿易摩擦やブラジルやトルコの弱さが隠れていることを示唆しました。

IMFの目的とは、国への融資や雇用・所得の増大、為替の安定
IMFは、昭和19年7月に米国で連合国国際通貨金融会議で創立が決まり、同会議で調印されたIMF協定によって昭和22年3月より業務を開始した国際機関です。
今年9月末時点のIMF加盟国は189ケ国で、IMFの主な目的は加盟国の為替政策の監視や、著しく収支が悪化した加盟国への融資を通じて国際貿易を促し、加盟国の高水準の雇用と所得の増大、為替の安定など寄与することになっています。
この目的がありながらも米中の関税引き上げ戦争や、イランへの原油輸出規制など、IMFの目的外のことが現実に起こっています。

米国、関税引き上げれば世界のGDP、0.8%低下
IMFでは、貿易戦争が継続すれば、世界の成長率にかなりの打撃になると分析しており、米国が世界的に関税を引き上げれば2020年の世界のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は0.8%押し下げられると試算。
IMFの予想下方修正は幅も広く米国の関税引き上げと、他国からの報復関税、原油輸出の規制など、サプライチェーンの混乱で日本にも大きな影響が出てきます。
日本の今年の予測成長率は1.1%と7月から0.1ポイント上方修正されましたが、来年は0.2ポイント下方修正され、米国の関税措置が発動されれば1ポイント強悪化する懸念があります。

日本、貿易黒字は50ケ月連続だが黒字幅は2割強減少
財務省が10月9日発表した8月の国際収支統計によると、日本の貿易の状況を示す経常収支は1兆8,384億円の黒字で、黒字は50ケ月連続です。
ただ、黒字幅は前年同月から23.4%も減少しており、要因は米国のイランに対する輸出規制の脅しで、他国の原油産出国では原油価格が上昇。
日本エネルギー経済研究所石油情報センターが10月3日に発表したレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル155.2円と3年10ケ月ぶりに高騰しました。
11月5日には米国はイランに輸出制裁を断言し、ロシアも増産を見送ったことから今後も上昇傾向となる予測です。


[2018.10.16]

住宅ローン、銀行・信金・フラット35の貸出額が減少
住宅金融支援機構は10月2日、今年4月〜6月期の業態別の「住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移」を発表。
この期間、金融機関などの住宅ローンの新規貸出額は4兆7,644億円と、前年同期から4.2%減少しました。
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新規貸出額の内訳をみると、国内の銀行が5,441億円と同3.6%減、信用金庫が3,711億円の同12.7%減、住宅金融支援機構の「フラット35」も5,411億円で同13.6%減と大きく減少しました。
一方、最も増加率が大きかった金融機関は、住宅専門会社などで556億円と同23.3%増加、労働金庫も4,589億円と同11.8増加しました

住宅着工戸数、8.5%増加、消費税増税前のニーズ?
国土交通省によると、今年4月〜6月期の住宅着工戸数は年率換算すると96万8,000戸と前年同期から8.5%増加しています。
今後の先行きについても、2019年10月の消費税の引き上げで駆け込みニーズの顕在化が予測でき、増加は維持される可能性が高いと考えられます。
これは過去、平成9年4月の消費税の引き上げ3%から5%、平成26年の5%から8%時前の2四半期前に住宅ローンの貸出が増加したことでで裏付けられます。
来年10月の消費税増税で来春より販売が上昇することが予測されます。

消費税増税で「ローン減税」、「すまい給付金」を拡充
消費税の引き上げに伴い来春頃からの駆け込みニーズと、引き上げ後の反動が予測されますが、安倍政権は駆け込みによる経済への影響を考え住宅「ローン減税」と「すまい給付金」を導入します。
「住宅ローン減税」は拡充が検討されており、「すまい給付金」は、世帯収入額によって最大30万円を50万円に拡充される予定で、駆け込みニーズと反動減の規模をある程度、一定分抑制する効果が期待されています。
ただ、住宅含め、様々な製品やサービスに施策拡充によって、一定の駆け込みニーズと反動減が生じることは避けられません。

日銀、長期金利を上昇
住宅ローンも消費税増税に伴い、駆け込みニーズで増加が予測されますが、日銀の金融政策決定会合ではゼロ金利ベースは維持しつつも変動幅を初めて打ち出しました。
この決定が行われた今年7月31日の長期金利は0.05%でしたが、10月に入り米国の長期金利が景況感指数や雇用情勢が堅調で急上昇し、それに合わせるよう日本の長期金利も0.155%まで上昇しました。
この状況下、メガバンクは5ケ月ぶりに住宅金利ローンを引き上げ、住宅金融支援機構が供給する「フラット35」も2ケ月連続で上昇しました。
住宅の購入は、耐久消費財や運輸、小売業にとっても経済全体への効果は計りしきれないもので、今後の住宅ローン金利の動向が注目されます。


[2018.10.12]

消費者態度指数4ケ月ぶりに改善!が、肝心の「暮らし向き」は悪化?
消費者態度指数、「収入の増え方」、「耐久消費財の買い時判断」は改善したが・・
内閣府が10月2日発表した「9月の消費動向調査」によると、2人以上の世帯の消費者態度指数は、前月から0.1ポイント上昇し43.4となり、4ケ月ぶりに前月を上回りました。
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ただ、消費者態度指数を構成する「収入の増え方」や「耐久消費財の買い時判断」は改善したものの、「雇用環境」は横ばい、「暮らし向き」は0.2ポイント悪化となりました。
内閣府では、消費者マインドの基調判断を「弱い動きが見られる」と据え置きました。

「暮らし向き」マイナスは家計に直結
「消費動向調査」は、消費者の意識や物価の見通しを把握し、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的にしていますが、「暮らし向き」のマイナスは、家計収入や雇用環境など今後、半年間の見通しについて世帯がどのような意識、判断を持っているかを示したものです。
「収入の増え方」は、人手不足から上昇傾向にあり、「耐久消費財の買い時判断」は、来年10月の消費税増税前もあり理解できますが、「暮らし向き」は、国民にとって一番生活に密着した部分であり、マイナスを示すには懸念が残ります。

3人に1人は今後も物価「上昇する」
一方、今後1年後の物価に関する見通しでは、「(2%〜5%未満)上昇する」が全体の34.3%と、日銀が目指す2%上昇まで「金融緩和を継続」を、3人に1人が支持したのか、円安で輸入品価格が上昇する懸念かを予測しています。
米トランプ大統領がイランに対し原油禁輸制裁を発動するかの懸念から原油価格の上昇も目立っており、資源エネルギー庁が9月27日に発表したレギュラーガソリンの小売価格は、全国平均で1リットル当たり154円30銭と、前回調査から再び上昇し、今年最高値を更新しました。
米国のイラン経済制裁を11月に控え、運輸業や自動車を利用する営業など、さらなる値上がり、供給不安が予測されます。

タバコもまた値上げ、半分以上が税金へ
10月1日からは、ガソリン始め電気やガス、小麦粉、タバコなど生活に身近なものも値上がり「暮らし向き」は、より厳しくなることも想定されます。
特にタバコの値上げ幅は、1箱最大40円アップとタバコ1本吸うのに半分以上が税金に吸い取られていくようで、禁煙者にとっては「良いこと」であっても「喫煙者」にとっては「文句言ってもしょうがない」が日本文化でしょう。「税金は取れるところから取る」模範例です。
ただ、食品や日用品、エネルギーはタバコとは異なり生活必需品でもあり、高齢の年金生活者や貧困層にとっては大きな損失となります。
消費者態度指数は、全体には改善されたものの、「暮らし向き」はマイナスとなることで、その理由、それに対しての施策が明示されることが望まれます。


[2018.10.9]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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