事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


働き方改革、4月からは中小企業も対象に
平成31年4月より大企業を中心に働き方改革関連法の改正が施行され、令和2年4月からは中小企業も順次新たな対象となり、法案は拡大される予定となっています。
この働き方改革の目的は、長時間労働の解消や非正規社員と正社員の格差是正、高齢者の就労促進が挙げられていますが、この中でも従業員にとって関連が深いものに長時間労働の解消が伺えます。
働き方改革関連法改正により、時間外労働の上限は月45時間、毎年5日の有給休暇の取得も義務付けられました。

イノベーションで生産性向上、終業帰化改革大へ
厚生労働省によると、働き方改革が目指すものとして、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や、育児・介護との両立など働く人のニーズの多様化に直面しているとして、イノベーション(新たな創造など)による生産性向上とともに、就業機会の拡大、能力を活かす分野での発揮する環境を作るとしています。
同省によると、働き方改革は、働く人のおかれた事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、将来の展望を持てるようにすることを目指すとしています。

働き方改革への取り組み、大規模企業は7割強が実施
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帝国データバンクが令和元年12月に行った「働き方改革に対する企業の意識調査」によると、働き方改革への取り組みでは「取り組んでいる」と答えた企業は、1万292社中60.4%となり、前回の調査(平成29年8月)から22.9ポイント増加しました。
働き方改革の具体的な取り組みでは、休日取得の推進が77.2%と最も多く、長時間労働の是正も71.0%と7割を超え、人材育成が49.6%、健康管理の充実が45.9%、職場の風土づくりが44.7%と続きました。
ただ、この結果は、ほぼ大規模企業の回答であり今年4月からの中小企業を合わせた場合の結果が注視されます。

中小企業が対象となり、資金力など大企業同様に実施できるのか
中小企業では、4月より働き方改革法案の対象となりますが、働き方改革の取り組みに対して難しさを感じているとの声が多く聞かれており、中小企業の資金力や余剰人員の問題など大規模企業と同じ法案で縛られるのには無理があるのとの見方を示しています。
中小企業経営者にとっては、働き方改革を導入したいものの、現実には事業優先で出来ない状況にもあり、厳しい見方を示しています。
4月以降、安倍政権や行政機関など中小企業に対して働き改革の情報の提供や支援を拡充させることが重要となります。


[20101.24]

「北陸」、「東海」、「中国」地方で景気判断引き下げ
日銀は1月15日、地域経済報告「さくらレポート(1月分)」を発表し、地域別で「北陸」、「東海」、「中国」地方の3地域について景気判断を引き下げました。
同レポートは、日銀支店長会議にて収集された情報をもとに、支店など地域の経済担当部署からの報告を集約し公表しているものです。
各地域(9地域)の景気の総括判断では、上記3地域を含む全ての地域で「拡大」または「回復」としており、企業や家計において所得から支出へ設備投資や個人消費など国内ニーズが増加基調を続けていると判断しています。
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日銀、大規模金融緩和政策は継続
日銀の黒田総裁は、国内の景気について「海外経済の減速や自然災害の影響から生産や輸出に弱めの動きが見られる」とし、昨年10月の台風19号などによる災害が現在も生産活動に影響していると指摘しています。
一方、国内経済の活性化に取り組んだ金融政策については、現在の大規模な金融緩和政策を継続する姿勢を示し、物価上昇の勢いが損なわれる場合には、躊躇なく追加の金融緩和策を講じるとし、景気変調が見られないか慎重に検討する方針を示しました。

企業からの生産や輸出に関しての声は・・
同レポートの基調となる企業などの意見を見ると、生産や輸出に関しては、自動車部品メーカーなどは生産が減少し、グローバルな自動車販売の先行きが不透明で設備投資もその分減少しているとの意見が多くあります。
特に中国向けの電子部品の輸出は、受注が大きく落ち込み回復が遅れているものの、米中貿易摩擦の部分的な合意があり、明るい動きも今後は期待できるとしています。
また、台風19号などの自然災害においては、サプライチェーンの一部寸断の影響で受注は急減しており、当面は挽回生産は見込めないとの意見も多く、復旧が遅れていることが懸念されます。

家電製品、住宅販売、復調の兆し?
また、家計支出に関しての意見では、年末年始商品の売り上げも好調で、パソコンやテレビなど家電製品を中心に買い替えが見られ、昨年の消費税増税の影響は昨年中に一巡したと見ています。
住宅販売においても、消費税増税後の住宅ローン減税効果が下支えとなり、前年並みの契約件数を維持しており、小売業においてもキャッシュレス決済によるポイント還元の効果が大きく影響しています。
今年は東京オリンピック・パラリンピック・イヤーでもあり宿泊施設の新規建設や異業種からの宿泊業参入など、新たなビジネスに期待する企業が多く見られます。


[2010.1.21]

改善したものの内閣府「持ち直しの動き」の見解崩さず
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内閣府が1月8日公表した昨年12月の消費動向調査によると、先行き半年間の消費者心理を示す2人以上世帯の消費者態度指数が、前月から0.4ポイント上昇し、39.1と3ケ月連続で改善したことが判明しました。
内閣府では、消費者態度指数の動きから消費者心理の基調判断について、3ケ月連続改善したものの「持ち直しの動きが見られる」と前月同様の判断を示しています。

消費動向調査「収入増加?」「雇用は?」など4項目を調査
消費者態度指数は、内閣府の消費動向調査の一環で、全国の約8,400世帯に対し、収入の増え方や雇用環境など4つの項目について先行き半年間で良くなると思うか5段階で評価されています。
対象世帯全体が全項目で「変わらない」と回答すれば指標は50となり、数値が大きいほど財布の紐が緩んだことを示しています。
日本はバブル崩壊後の平成の時代に入り、景気拡大期であっても50を超えることはほとんどなく、日本経済のデフレの深刻さや消費意欲の低さが露呈されています。

五輪に向け日本人、訪日客も増加、日本経済に恩恵
日本は今年、東京オリンピック・パラリンピックを迎え、日本人ならず訪日外国人客数の増加も予測され、日本経済に大きな恩恵が生まれると考えられていますが、五輪終了後の景気失速の懸念は強くあります。
昨年10月の消費増税に対し、安倍政権はキャッシュレスポイント還元対策を講じましたが今年6月で終了し、プレミアム商品券も今春には終了予定で増税対策の優遇措置が終了となります。
今年9月には、マイナンバーカードを活用したポイント還元は、カード普及率約15%に留まっているのが実態です。

米中貿易戦争、一段落でも次にイランが
昨年は、輸出から輸入を差し引いた貿易に関して、日本は米中貿易戦争に巻き込まれ、厳しい状況に追い込まれましたが、第1段階の合意が今年1月15日に署名され、米中は一時休戦状態にありますが、世界の経済を巻き込んだテーマだけに先行きの楽観は見通しできません。
さらに、米国とイランによるリスクは潜在化しており、本格衝突となれば円高や株安の進行や、何より原油価格の高騰が日本経済に大きな影響を及ぼすだけに今後の動向が注視されています。


[2020.1.17]

日本国内の夜間、出かけるとこ少なく
安倍政権は、国内で有望な観光資源を持つ約20の地域に、訪日外国人客向けに夜間消費を促す「ナイトタイムエコノミー」を支援する方針を示しました。
日本を訪日した外国人客の間では、地域によって夜間の娯楽が少ないとの不満が根強いことに対応するためで、地域を活かした夜間イベントなどを開催するなど情報を発信し、更なる集客、消費を狙う計画です。

夜間でも安全な日本で消費活性化へ
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国土交通省観光庁によると平成30年は、訪日外国人客の消費額が約4兆5,000億円となり、東京オリンピック・パラリンピックを控え、訪日外国人客数の増加を見越し、これまで一人あたりの平均消費額、約15万8,000円を伸ばしたい意向です。
世界の主要観光地でも夜間経済の収入に力を入れており、ロンドンの夜間経済規模は約3億7,000万円、ニューヨークは約2兆1,000億円と推測され、治安が世界に比べ安全な日本では伸び代は大きく、夜間経済が活性化することにより、新たなビジネス、雇用の創出も期待できます。

夜間での観光消費、中国が4割でトップ
旅行大手のJTBの「訪日旅行重点15ケ国調査2019」によると、夜間消費を経験した国・地域は中国が40%と最多で、フィリピン30.5%、ベトナム28.3%、タイ25.5%とアジア圏で人気があり、欧州や米国、豪州では20%前後にとどまっていることが判明しています。
夜間でのイベントや文化・景観の体験などは言語や文字も介さずに訪日観光客に感動を与え、リピーターへもつながり、地域活性化の最大の近道と考えられます。

訪日外国人客、夜間行動が増えれば消費も拡大
安倍政権は、訪日外国人客向けの夜間消費を今後の日本経済を支える重要なテーマとしており、夜間を含めた日本の文化や体験が拡大すれば、訪日外国人客の滞在時間も増え、消費拡大につながるとしています。
国土交通省が平成31年3月に実施したインターネット上でのアンケートでは、夜間活動を好む層には大都市での刺激やエンターテイメントを求める声が多く、地域の日本人との親交を通じ楽しみたいと考えています。
今後も増加傾向にある訪日外国人客に対し夜間消費へのビジネスは、中小企業にとっても新たなビジネスチャンスとも考えられます。


[2020.1.14]

令和時代を迎え、いきなり米国、イランを攻撃
令和2年を迎えた日本は、東京オリンピック・パラリンピック・イヤーでもあり、主だった国々では軍事的な動きを手控えるのが常でありましたが、新年早々、1月2日には米国防総省がイラン革命防衛隊の「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を攻撃したと発表するなど紛争の火種は世界各国に燻った状態です。
米国、イラントップとの交渉可能な人物は日本の安倍首相だけだと海外メディアでも注目しており、今後の両国の間に立つ日本の外交が注視されています。

航空自衛隊、宇宙空間も防衛で活動領域が拡大
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さらに、安倍政権では新年早々、「航空自衛隊」を「航空宇宙自衛隊」に改組する案が明らかになり、米国が昨年12月に創設した「宇宙軍」に対応したものと考えられ、「航空自衛隊」の活動領域は大きく拡大することになります。
世界各国で紛争が起きてもおかしくない現在、宇宙では中国やロシアが宇宙空間での軍事利用を拡大させており、防衛省としても人工衛星での防衛など宇宙空間での防衛力強化が一つの判断としています。
すでに、中国やロシアは人工衛星に接近をし攻撃するキラー衛星や、衛星との通信妨害装置なども開発しています。

次期国産戦闘機の開発費も承認
この「未来の空」を守る次期国産戦闘機「Fー3」と称される開発が今年本格化する予定で、今年度予算で初期設計費用など約280億円が承認されました。
開発計画の名称も次世代戦闘機「NGF(ニュー・ジェネレーション・ファイター)」と変更され、完成予想図も公表されました。
「NGF」は、ステルス機能を持ち、これまで10年近く研究・開発されてきましたが、日本だけでの新戦闘機開発では、技術的、コスト的にも割が合わず、英国では共同開発を模索しつつ軍装備関係者が度々訪日しています。

中国の軍事技術、軍拡スピードがより早く
中国では、ステルス化されていない戦闘機を排気ノズルを改良しステルス化するなど軍事技術の進化は早く、空母建造を筆頭に軍艦の大量建造など軍拡のスピードはより早くなっています。
日本は戦後、昭和、平成の時代を戦争なく生活を送れましたが、米国やロシア、アジア、中東などの紛争に発展すればもはや他人事ではなく、日本経済に大きな影響を与えることになると考えられます。
令和の時代に入り、これまで通り戦争のない時代、平和を要請する日本となるよう望まれます。


[2020.1.10]

カナダ産牛肉の輸入が急増
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日本など11ケ国が参加するTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)が発行され、昨年12月30日で1年を迎え、農産物輸入では加盟国からの関税が削減、撤廃されカナダ産牛肉など輸入が増加しているなど効果が現れ始めています。
さらに、来年1月には日米貿易協定の発効で米国産の農産物輸入の増加が増加する見通しであり、さらに国内外で競争が激化する予測です。

財務省統計、カナダ産牛肉8割、ニュージーランド4割弱輸入増加
TPPの発効により、牛肉の関税率は平均38.5%から26.6%に低減され、財務省貿易統計によるとTPP発効後の昨年1月〜10月の牛肉の輸入量は前年同期から1%増加し、特にカナサダ産牛肉の輸入量は80%増加し、ニュージーランド産も37%増加しました。
一方、TPPから離脱した米国は、米国産の輸入量が3%縮小し、シェアも1.7ポイント減の39.0%に落としました。
安倍政権は、TPPを拡大し、自由貿易圏を広げる手動役になる方針を示しています。

果実もブドウ、メキシコ産122%増、オーストリア産が25%増
スーパーなどの店頭でも急速に存在感を表しているのはTPP加盟国からの輸入品で、発効国で関税が撤廃されたブドウは前年同期から27%増加し、中でもオーストリア産が25%増、メキシコ産が122%増と目立っています。
リンゴもニュージーランド産が35%増加し、異常気象による災害や高齢化で国内産地が課題を抱える中、国産リンゴのシェアを補い、日本産のシェアを奪われる可能性も大きくなっています。

国内産、より差別化、付加価値が必要に
TPP発効により食肉や果実など影響が懸念されていた品目で、確実に輸入量が増加し国内価格への影響を継続的に注視して必要な国内対策をとる必要があります。
これまで財源確保にもなっている関税や輸入差益などが年々減少する中、将来的にどのように財源を確保するのか明確な対策も重要となっています。
今年4月以降、関税の削減率は3年目水準に下がり、輸入攻勢はさらに強まると考えられ、国内産地では価格でなく付加価値や差別化をより高めるなどの対抗策が求められています。


[2020.1.7]

各国貿易交渉や地球温暖化が目立った令和元年
各国での貿易交渉やエネルギー資源を巡る経済競争や、対立する国々のリーダーは妥協点を見出すことを余儀なくされた令和元年は、数年前の日本と異なり、急速なグローバル化により日本経済にも大きな影響を与えました。
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さらに、ブラジル・アマゾンや米カリフォルニア、オーストラリア、ロシアでの地球温暖化や自然発火、放火と考えられる史上最大規模の山火事。
NOAA(National Oceanic and Atmospheric Administration:米国海洋大気庁)データでは、令和元年が地球温暖化で過去最も暑かった年の上位5位に入ると発表しています。
グリーンランドで溶けた氷床の量は、米フロリダ州全体を約13cm覆い、ロシア北極圏では氷河が溶け新たに発見された島まで現れています。

貿易交渉、米中第一ステーズ通過、日韓はまだまだ
日本経済にも大きな影響をもたらす米中貿易戦争は、第一ステージで合意に達したものの、第二、第三ステージでの交渉次第で各国に影響を及ぼします。
さらに、戦後最悪の日韓関係は、日本製品不買運動が予測以上に継続し、両国の旅行代理店や航空会社、小売業、宿泊業などに大きな経済ダメージを与えている状況です。
両国にとって「言った、言わない」が何十年も続き、両国外務省などの通訳が適切に訳し伝えているのかと思っても仕方ありません。

米国支持の日本は、北朝鮮に手が出せない?
北朝鮮においても米朝首脳会談は物別れに終わり、挑発するように5月から11月までに13発のミサイル実験を行うものの、日本は米国支持でありながらも、拉致問題解決に向けてが闇雲に手が出せない状況です。
エネルギー資源確保でも、中東に・オマーン湾で2隻のタンカーが攻撃され、中東にエネルギーを頼る日本においても安全確保に自衛隊の護衛艦派遣が決定しています。
11月には、イランで原油価格高騰への政府令が施行され、原油価格は実質的に約3倍に跳ね上がっています。

日本を襲った最強の台風、25、19号、農林水産だけで1,700億円超え
日本では、農林水産省の推計で9月の台風15号での被害額が509億円、10月の19号では1,221億7,000万円に上り、経済産業省や総務省などの統計を加えれば莫大な損害となると考えられます。
9月には、世界150ケ国、4,500ケ所で600万人が地球温暖化デモに参加するなど、各国の貿易交渉の他に温暖化への損害阻止が令和2年に具体的対策が求められています。


[2019.12.31]

売上DI、今後3ケ月の売上見通しDIのマイナス幅は縮小傾向
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政府系金融機関の日本政策金融公庫が12月26日発表した「中小企業景況調査」の結果によると、12月の売上DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が前月から3.3ポイント上昇したもののマイナス8.0と12ケ月連続でマイナス圏となりました。
また、今後の3ケ月(12月〜2月)の売上見通しDIも前月から3.1ポイント上昇しマイナス10.7とマイナス圏であるものの指数は縮小しているのが現況です。
同調査は、首都圏や中京圏、近畿圏の中小企業555社の回答となっています。

中小基盤機構調査、中小製造業の業況判断DIは6期連続で低下
一方、中小企業基盤整備機構が全国の中小企業約1万9,000社を対象に商工会・商工会議所や中小企業団体中央会の調査員の協力のもと、四半期毎に公表している中小企業景況調査では、10月〜12月の全産業の業況判断DIは、前期から4.5ポイント減少しマイナス22.4と4期連続で低下しました。
特に、製造業の業況判断DIでは同5.2ポイント減少しマイナス22.4と6期連続で低下しました。
輸送用機械器具や金属製品、家具・装備品など11業種で低下し、各国での貿易摩擦やMade in JAPANの不買運動など影響しました。

大企業の建設業、冬のボーナス172万円
厳しい中小企業において大企業では12月25日、経団連が東証1部上場の従業員500人以上の大企業150社分の冬のボーナスの最終集計をまとめ、平均95万1,411円と前年から1.77%増加し2年連続で最高となりました。
業種別の金額では、建設業3社の平均額が172万3,818円と東京オリンピック・パラリンピックの施設建設や災害からの復興事業などが後押しとなり、他業者と大きく差をつけました。
次いで自動車が102万3,057円と100万を超え、造船業が92万3円と次いでいますが、製造業では非鉄・金属が76万1,761円、機械金属も3,92%減少しています。

中小経営者、仕事は増えたが仕入れ価格、人件費高騰で「利益は望めない」
中小企業基盤整備機構によると、今期の原材料・商品仕入単価DIは、前年同期比で4.7%増え、39.2と2期ぶりに上昇し、経常利益DIも前期から4.3ポイント減少し2期連続で低下しています。
調査対象の中小企業経営者は、災害からの復興事業で仕事は増加したものの、それに伴い原材料価格や人件費の高騰で利益が望めないとの声が聞かれます。
1年間に何度も仕入れ価格が上昇し、すぐには商品などに上乗せは出来ないため利益が少ないというのが今期の中小企業の現況です。


[2019.12.27]

中小基盤整備機構、今後の見通しは改善と指摘
経済産業省管轄の独立法人・中小企業基盤整備機構は12月12日、今年10月〜12月期の「中小企業景況調査」の結果を公表し、中小企業の業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、マイナス21.1ポイントと4期連続で低下したものの、今後の見通しでは改善の動きが見られると指摘しました。
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業種別では、窯業・土石製品、木材・木製品、化学の3業種でマイナスポイントは上昇しましたが、家具・装備品や輸送用機械器具、金属製品など11業種では低下しています。

中小1,9万社を対象に調査
「中小企業景況調査」は、中小企業基盤整備機構が全国の中小企業約1万9,000社を対象に、商工会や商工会議所の経営指導員、中小企業団体中央会の調査員の協力のもとに四半期ごとに実施しする調査です。
また、中小企業基盤整備機構機構は、中小企業の活動支援を目的に設立され、創業や新規事業への展開など資金支援や助言、人材支援、産業用地の提供、債務保証、共済制度の運営を行っています。

中小基盤整備機構、商工中金と連携し中小を支援
中小企業基盤整備機構では12月13日、政府系の金融機関、商工組合中央金庫と急激に多様化する中小企業の経営に対する課題強化のため「業務連携に関する合意書」を提携しました。
中小企業を取り巻く環境は、グローバル化やIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)化など新たな技術への対応など追いついていないことも多く、両者はお互いの強みを生かし、伴走支援を行うことで中小企業の課題解決、企業価値の向上に取り組むとしています。

機構、商工中金、各々の強みを連携
中小企業基盤整備機構は、中小企業の総合かつ中核的な実施機関として、全国の中小企業へ多様な経営支援を実施し、商工組合中央金庫は、地域の金融機関などと連携しながら地域経済の活性化や雇用確保に貢献するサポートをするなど、早急な実績が期待されます。
今後は、両者連携により、専門家の派遣や商談会の開催、IoT活用へのセミナー、事業継続力の強化、地域での経済施策の共有・意見交換会など具体的な行動が注目され、来期の業況判断DIへ繋げることが実績となります。


[2019.12.24]
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大企業製造業のDI悪化は6年9ケ月ぶり
日銀が12月13日発表した今年12月の短観(全国企業短期経済観測調査)によると、大企業製造業の景況感を示す業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、前回の9月調査から5ポイント下落し0となり、4四半期(1年)連続で悪化しました。
業況判断DIの低水準は、平成25年3月以来6年9ケ月ぶりとなり、米中貿易戦争の長期化による輸出低迷や10月の消費税増税、度重なる台風などの自然災害の影響で消費意欲の低下が下押しとなりました。

短観は企業の規模別、業種別に約1万社を調査
日銀の12月の短観は、全国の大企業や中堅企業、中小企業の製造業、非製造業9,681社の回答からDIを算出しており、企業が自社の業況や経済環境の現状・先行きについてどのように見ているかを項目別に売上高や収益、設備投資額など事業計画の実績・予測を日銀の全国各支店で調査を行っています。
12月の調査結果は、大企業1,909社、中堅企業2,712社、中小企業5,060社から回答が得られたものを算出し公表されています。
短観は、国内外で利用されており、海外でも「TANKAN」の名称で広く利用されています。

自動車や窯業、繊維業の輸出が低迷
大企業製造業では、海外経済の減速が大きく影響しており、自動車や関連部品、窯業・土石製品、衣服など繊維の輸出が大きく落ち込みました。
これは大企業の製造業に限らず、中堅企業、中小企業製造業でも同様に9月調査からはマイナスとなりました。
また、3ケ月後の先行きの景況感を示す景況感も横ばいの0を見込んでおり、安倍政権ではAI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)関連事業への経済対策を打ち出しており、早急な実行が必須となっています。

米中貿易戦争、中国が譲歩
日本企業に大きな影響をもたらしている米中貿易戦争は、12月13日に中国側が全面的に譲歩を示し、第1段階の合意が得られました。
米国は、中国からの関税の一部を引き下げる代わりに、中国は米国産農産物の大量購入や金融サービスの解放に応じたというものです。
ただ、関税負担を評価する一方、再び米中貿易戦争再燃を懸念する声も多く、賛否が分かれる中、今後の動向が注視されます。


[2019.12.20]


中国の5G関連機器を阻止
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自民・公明両党は12月11日、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)の通信整備を促す税制支援策で、投資額の15%を法人税から控除することを決めました。
5G整備は、中国勢が先行しており、過度に中国からの浸透を防ぐため、経済安全保障の観点を税制に取り組む新たな試みとなります。
現在、5G市場では価格競争力のある中国製の5G関連機器が来年以降、日本国内に入り込む可能性も高く、安全保障の観点から思い切った税制優遇策が必要との危機感が背景にあります。

日本における移動通信システムの歴史とは
5Gは、自動運転や遠隔医療など単に通信速度が速くなるだけでなく、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)発展に大きく貢献される点で大きく注目されています。
移動通信システムは、昭和54年に自動車電話やショルダーフォンなど1Gに始まり、平成5年にはデジタル携帯電話、2Gの携帯メール、平成13年には3Gのインターネット閲覧や写真・動画の閲覧、平成24年にはスマートフォンなど高速データ通信や高画質動画の閲覧など、大きく技術進歩してきました。

現在の通信速度の100倍に
5G時代の到来に現在の約100倍の通信速度が想定され、容量が大きな映画など一瞬でダウンロード可能で、高解像度の4K、8K映像をライブ配信することも楽しめるようになります。
さらに、5Gの遅延速度の目標値は、現在の約10分の1に相当し、自動運転やロボットなどでの遠隔操作も実現でき、様々な産業で大きく影響をもたらすと考えられます。

データが次世代の最大の資源
5G整備促進に向けた税制優遇策では、社会がデジタル化する中、データが次世代の最大の資源と位置づけ、企業の競争力強化のため、安全性や信頼性が確認された5Gの早期普及の重要性を強調しています。
5G導入促進のため、自民・公明両党は、携帯電話会社などに対し来年度より2年間、投資額の15%を法人税から控除するか1年間に損金として処理額を30%に拡大し、法人税を軽減するかのどちらかになりそうです。


[2019.12.17]

増税後の景気落ち込みは徐々に回復
内閣府が発表した11月の街角景気(景気ウォッチャー)調査によると、現状判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から2.7%上まわり39.4となりました。
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10月の消費増税からの落ち込みは徐々に回復しましたが、戻りは弱く増税前の40台には届かず、項目別で家計同行関連の反発が全体を牽引しました。
キャッシュレス決済でのポイント還元や軽減税率の導入など安倍政権の経済政策が増税の影響を抑えたと考えられます。

景気に敏感な2,000名が対象に調査
内閣府によると街角景気調査は、景気に敏感な小売業や輸送業、タクシー運転手など地域での景気に敏感に観察出来る約2,000名を対象に調査しています。
調査では、消費税率の引き上げで百貨店や家電量販店など増税前の水準には戻っていないものの、駆け込みニーズの反動からは徐々に回復しつつあるとの声が多く聞かれました。
また、スーパーやコンビニエンスストアでは、キャッシュレス決済の利用が進み、売り上げを下支えしているとの意見も聞かれました。

先行きの景気判断は2ケ月連続で上昇
一方、先行き判断DIは前月から2.0%上昇し45.7と10月に続き2ケ月連続で前月を上回り、家計動向関連や雇用動向関連が上昇しています。
増税の反動減から回復が見込まれるなど判断理由として挙げられていますが、海外ニーズの低迷などから企業動向関連は低下しました。
先行き判断については、ポジティブな単語がネガティブな単語を5ケ月ぶりに上回り、「節約」や「不安」に係る単語が減少した一方、「貿易摩擦」に係る単語は高水準が続いています。

米中貿易摩擦が日本経済の課題
内閣府では、先行き判断について海外経済の情勢に対する懸念もある一方、持ち直しへの動きも見られると判断しており、DIは上昇したものの、回復力はまだ弱いとの見方を示しています。
米中の貿易摩擦は、ネガティブな意見が多くを占め、景況感の足を引っ張ることは間違いなく、特に製造業においてはマイナスの影響が顕著化しているのが多く見られます。
今後の米中間の貿易対立が受注量に更なる影響を及ぼす可能性も十分にあります。


[2019.12.13]

自動車メーカー各社はガソリンエンジンからEVへシフト
100年に1度と言われる自動車業界の変革期に、各メーカーともEV(Electric Vehicle:電気自動車)シフトへ大きく流れが移り変わっていますが、排出ガスによる公害、大気汚染など悪玉とされていたディーゼルエンジン搭載の自動車に注目が集まっています。
日本では、平成11年8月に当時の石原都知事が会見において、メディアや都民、事業者に向け「ディーゼルエンジン車NO作戦」を宣言し、ペットボトルに入ったディーゼルエンジン車から排出された有害物質を振り回し「これが毎日体の中に吸い込まれている」と強調しました。

悪玉エンジンがダイムラーやBMW、フォルクスワーゲンで展開
欧州では、かつて乗用車の半分がディーゼルエンジン車でしたが、排ガス問題から各国でディーゼルエンジン車撤廃を発表してきており、日本でも同様に撤廃が表明されてきました。
ただ、EVシフトが叫ばれる中、ディーゼルエンジン車に新たな動きが出てきており、独ダイムラーやBMW、フォルクスワーゲンなどドイツ三大メーカー他、日本ではマツダの新たなディーゼルエンジン車が注目を浴びています。
悪玉のイメージが定着したディーゼルエンジン車は、排ガスが浄化され、燃費性能も向上、EVと共に次世代自動車と位置付けられ、安倍政権においても地球温暖化対策として減税や補助金で支援しています。

ディーゼルエンジン車の販売台数は年々前年超え、過去最高を記録
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日本自動車販売協会連合会によると、今年1月から10月のディーゼルエンジン車の国内での販売台数は、14万8,318台と前年の17万7,272台を超え過去最高を更新する公算が大きくなっています。
平成27年には、独フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン車で排ガス規制に不正があり落ち込んだものの、29年、30年と前年を上回る勢いです。
輸入車では、プジョーの「508」やBMWの「7シリーズ」などディーゼルエンジン車が用意され、日本自動車輸入組合によると、今年9月に販売された輸入車のディーゼルエンジン車の割合は30.1%と過去最高を記録しました。
日本の自動車メーカーでは、マツダがディーゼルエンジン車に積極的であり、今年発売された「マツダ3」やSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ用多目的車)の「CX-30」を用意しています。

力強い走りの「クリーンディーゼルエンジン」
ディーゼルエンジン車は、ガソリンエンジン車よりは車両価格が高くなるものの、燃費性能に優れ毎日の通勤や長距離利用者にメリットがあります。
さらに、低速時や坂道を登る際には力強いのも特徴で、マツダによると、マツダのディーゼルエンジン車に乗っていた顧客の約8割が再びマツダ車を選び、そのうち9割近くはディーゼルエンジン車と言います。
現在発売されているディーゼルエンジン車は、厳しい規制に対応した「クリーンディーゼルエンジン」と呼ばれ、環境性能が高まるだけに今後、自動車業界はEVとディーゼルエンジン車の販売台数が注視されます。


[2019.12.10]

安倍政権、財源確保し5〜10兆円を経済対策へ
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安倍政権は、12月上旬にまとめる経済対策で財政支出を10兆円超えとする調整に入り、今年度補正予算と令和2年度予算案に5〜10兆円計上する方針を示しました。
国内の景気の先行きが不透明な中、財政投融資や外国為替資金特別会計なども活用し財源を確保し、大規模な経済対策を通じて国内企業の生産性の向上や個人消費を下支えするとしています。

財政支出は過去最大規模にも
安倍政権内では、10兆円を超える規模とする案が有力になっており、直接の財政支出で10兆円規模超えを要請する声も高まり、今後の協議次第ではさらに規模が膨らむ可能性も出てきました。
経済政策が10兆円となった場合、地方の金融機関や自治体、企業なども一部負担する事になれば事業規模は20兆円を超える見込みで、平成28年度の経済対策は、財政支出13兆5,000億円、事業規模は28兆1,000億円に上り、現段階でその規模に匹敵する経済政策となりそうです。

経済対策は自然災害や建設へ
ただ、一般会計や特別会計で国と地方で支出は約8割に上り、投融資は台風など自然災害の被災を踏まえ、堤防の補強やダムのかさ上げなど治水インフラ対策に重点投資される模様です。
また、超低金利を生かして訪日外国人客の増加ニーズに対応すべく高速道路・滑走路の整備などの建設計画の財源に充てるとしています。
さらに、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)の技術開発や、就職氷河期への支援など単年度では効果が出にくい対策を、あえて複数年に渡り確実に財政支援する方針を示しています。

中小企業、今の380万社から160万社へ淘汰?
大規模経済政策により中小企業への恩恵は受けられるのかどうかが問題であり、「令和40年までに国内中小企業は半分以下の160万社に減らすべき」との中小企業淘汰論を主張した元米ゴールドマン・サックス証券のアナリスト・アトキンソン氏の主張が経済界で「暴論」か「正論」かが問われています。
国内企業の99.7%は中小企業であり、雇用の7割を占め日本の宝とも言えますが、同氏によれば感情でなく倫理とデータを用いて、日本経済の成長率は1%台に留まり、人口減少や生産性の低迷など淘汰されると分析しました。
この主張に、インターネット上では「炎上」より「評価」が得られるなど安倍政権にとってもじっくり議論すべき議題と考えられます。


[2019.12.6]

韓国からの訪日客、前年同月比では過去最大の下落幅
沖縄県は11月26日、今年10月に沖縄を訪れた観光客数を発表し、日韓関係の悪化から韓国からの観光客は前年同月から80.9%減少し約7,900人と、前年同月比では過去最大の下落幅でした。
ただ、沖縄を訪れた観光客全体を見ると85万1,300人と過去最高を記録し、さらに、沖縄県では平成30年度の観光客数が目標としていた1,000万人を超えたと発表しています。
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観光客1,000万人超えはハワイと同水準
豊かな自然に恵まれた沖縄には観光客を惹きつけ、今年6月には大型商業施設を開業しパルコや地元大手スーパーなど約250店舗が出店し、コンビニエンスストアのセブン・イレブンも初めて沖縄県に進出しました。
沖縄への観光客1,000万人超えは、米ハワイ州と並ぶ水準であり、韓国からの訪日客は減少したものの、欧米やアジア富裕層の訪日がこれまでより大きく上回りました。
今年3月には、宮古島の下地島空港ターミナルが開業し、10月には沖縄都市モノレールも延伸、来年3月には那覇空港第2滑走路が併設されるなどインフラ整備も進んでいます。

宮古島、バブルの引き金は伊良部島大橋の開通
特に沖縄県の離島、青い海に白い砂浜、サンゴ礁に囲まれた宮古島では中国や香港、台湾などからのクルーズ船が毎日のように押し寄せ、高級ホテルが相次いでオープンし、不動産価格も年々上昇するなどバブル状態にあります。
宮古島は、沖縄本島から南西に約300Kmに位置し、人口は約5.5万人、年間平均気温が23度と、国内外からも観光客が増加しており、建設ラッシュ状態で、まさに「バブル」と言える好景気です。
「バブル」の引き金になったのは、平成27年1月に開通した伊良部島大橋で、宮古島と3,540mの大橋で、無料で渡れる橋では日本最長です。
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隣国に近い宮古島、防衛を強化
一方、訪日客の急増など隣国に近い宮古島の安全については、防衛省では今年3月に陸上自衛隊駐屯地を開設し、警備隊約380人に加え、来年以降は中国の軍備増強、海洋進出を懸念し、地対空・地対艦ミサイルも配備し、最終的に700〜800人規模に増強する方針です。
宮古島は、数十年前まではサトウキビなど農業中心の島でしたが、国内外からの資本が流入し、観光島と激変の時代を迎え、膨張するバブル経済に家賃高騰など地元民が懸念しているのも事実ですが、訪日外国人客や移住者など引き寄せる島の魅力はどこまで膨張するのか注視されています。


[2019.12.3]

倒産目立つ中小、小規模事業者
令和元年の全国の企業倒産件数が11年ぶりに前年を超える可能性が出てきています。
消費税増税への対応の遅れや、米中貿易戦争、中国経済の停滞、人手不足、自然災害などの影響で、中小企業や小規模事業者の倒産が目立っています。
さらに、少子高齢化や人口減少、過疎化によって地方経済が低迷しており、地銀の不良債権処理費用が急増していることも要因となっています。

第4のメガバンク目指すSBI、地銀数行と資本・業務提携
SBIホールディングスは11月11日、福島銀行と資本、業務提携することを発表し、すでに9月には島根銀行へも出資しており、第4のメガバンクを目指すといいます。
SBIホールディングスは、他にも共同店舗運営するとし、仙台銀行や三重銀行など8行の地銀と提携しており、全国の地銀とネットワーク構想を目指しています。

地銀へ資金支援しやすいよう金融庁、規制緩和の方針
金融庁では、日銀の金融緩和政策で低金利が継続する中、収益悪化が続く地銀に対し、他の地銀が出資など資金支援をしやすいよう規制を緩和する方針です。
関西の関西みらい銀行など地銀3行や、東北の地銀9行でも今年上半期(4月〜9月)が前年同期から収益が減少しており、現在は健全性があるものの、先行き経営リスクの高い地銀の早期支援を促す方針です。

大都市圏の大企業は潤うものの地方企業へは恩恵回らず
東京商工リサーチによると、今年1月〜10月までの倒産件数は前年同期から0.8%増加し6,952件となり、このうち負債額100億円以上の大型倒産はなく、中小企業や小規模事業者の倒産が約8割を占めています。
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業種別では、小売業やサービス業が目立っており、消費増税などにより個人消費に左右される企業の業績悪化が懸念されます。
アベノミクスにより株高や円安など大都市圏の大企業では潤ったものの、特に地方企業への恩恵が未だ回ってきていないのが実態で経済支援策が急がれます。


[2019.11.29]

ノーベル平和賞受賞のユヌス氏が来日
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貧困層を対象に無担保で小口融資するバングラデシュのグラミン銀行の創始者で、平成18年にはノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が来日し、東京・千代田区の上智大学や京都などで講演しました。
ユヌス氏は、学生や市民らにグラミン銀行創設の経緯や融資のあり方などについて語り、自らの出発点が金儲けに貪欲な高い金利で貧困層が犠牲になることに心が痛んだと説明しました。

世界で900万人以上に融資、97%は女性
グラミン銀行は、バングラデシュで昭和58年に設立し、これまで世界で900万人以上に融資を行っており、借り手の97%が女性であることを紹介し、借り手の99%は返済することを語りました。
グラミン銀行の融資は無担保ですが、効率良く返済してもらえるように借り手を数人ずつの班に分けて、連帯責任を持ってもらうことで効率的な返済が行われています。

ユヌス氏、京都では高校生と対談
一方、京都府・京都市では、11月16日に「ユヌス氏と語り合う私たちの高校生の未来」と題し、高校生らがユヌス氏に対し、貧困に関する質問を投げかけました。
ユヌス氏は、日本を含め、国はどこかで貧しいタイミングがあり、豊かな国でも貧しい人はいると「貧困は貧しい人が作ったものでない」と指摘し、高校生らも熱の入ったプレゼンを行い、同氏から「いい指摘です」と自身の活動や問題の捉え方をアドバイスしました。

吉本興業の芸人にもアドバイス
また、11月23日には吉本興業の東京本部で「ユヌス・よしもとソーシャルビジネスフェア」が開催され、ユヌス氏は吉本興業の芸人たちが全国で取り組む社会事業にアドバイスなどを送りました。
グラミン銀行というソーシャル・ビジネスを提唱するユヌス氏は、芸人たちに「コメディアンは姿を見るだけで笑うことができる。笑いを生み出すことで社会的な力になる」と激励の言葉を送りました。
吉本興業は、昨春にユヌス氏と提携し、合弁会社を設立し、社会が抱える問題を解決する持続可能な社会事業を推し進めるとしています。


[2019.11.26]

空き家対策、放置すれば2,000万戸まで拡大
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日本は少子高齢化、人口減少傾向が止まらず、全国的に空き家が問題となっていますが、内閣府が進める次世代社会方針である「Society5.0」でも指摘されており、現在国内には846万戸の空き家が存在しています。
今後、この問題を放置すれば15年後には倍以上となる2,000万戸まで拡大する予測で、平成28年現在の国内世帯数5,340世帯を考えると異常とも言える空き家数になることとなります。
空き家が増えることにより、シャッター商店街のように人通り、活気もなく犯罪などの懸念もあり負の連鎖が発生する可能性があります。

知識や情報を共有できる「Society5.0」で空き家解消へ
内閣府が推奨する「Society5.0」とは、これまでの情報社会「Society4.0」において知識や情報が共有されず、異業種などとの連携が不十分であり、溢れる情報から必要な情報を見つけ分析するには負担がありましたが、これを解決するのが「Society5.0」です。
「Society5.0」が実現する社会は、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)で全てのものがインターネットで繋がり、知識や情報も共有され、新たな価値を生み出すことのできる社会を創出します。
AI(Artificial Intelligence:人工知能)により、必要な時に情報が提供され、ロボットや自動走行車などの技術により、少子高齢化や地方の過疎化、貧富格差など課題が克服されます。

国内住宅の7戸に1戸は空き家
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は846万戸と全国の住宅の7戸に1戸は空き家となる計算になり、増加傾向にあるのが現状です。
空き家による問題点は、住人がいないために急速に老朽化し、庭に草木や害虫も発生、街の景観が損なわれるだけでなくゴミの不法投棄や犯罪の温床にもなります。
この問題から平成27年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、市町村が立ち入り調査を行ったり、勧告や命令、行政代執行措置を取れるように定められましたが実態は追いついていないのが現実です。

中古住宅市場は8兆円規模に
内閣府の「Society5.0」では、中古住宅の流通市場を令和7年までに8兆円に押し上げる目標を立ており、この商機にチャンスと捉える企業も数多くあります。
すでに、中古住宅のマッチングサービスを行う企業では、500社を超える不動産買取企業が集結し、これまでに買取予算額は2,000億円を突破しています。
「空き家=売りづらい」が一般的ですが、「Society5.0」の推進により差別化、付加価値を付加し流通することで空き家問題解消が実現できるか注視されます。


[2019.11.22]

金融危機から10年過ぎ企業業績は回復傾向に
平成20年のリーマン・ショックにより、企業の倒産件数や負債総額は急増し、国内経済でも金融危機が懸念されましたが、近年は、アベノミクス効果か消費刺激策や訪日外国人客数の増加による消費などを追い風に企業成績は徐々に回復してきました。
リーマン・ショックから11年が経過し、安倍政権が生まれ円高や株高などにより大手企業を中心に内部留保が多くなるなど業績は好調に推移しました。
ただ、中小企業にとっては人手不足や後継者難に加え、米中貿易戦争や中国や欧州の経済低迷と課題は依然解消されておらず、楽観視できない状況が続いています。

2期連続で増収増益を果たした企業は全体の3%
帝国データバンクが11月6日発表した「連続増収増益企業」調査によると、約107万3,000社を対象に、2期連続で増収増益を果たした企業は約3万3,000社と全体の3.07%に留まりました。
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過去10年の2期連続増収増益企業の推移を見ると、平成26年度をピークに円安や訪日外国人客数の増加などで約3万7,462社に上りましたが、以降は現資材やエネルギーなど各種コスト負担や、地球温暖化によると考えられる異常気象による自然災害などにより増収増益企業は減少傾向にあります。

増収増益企業、10業種中6業種が建設関連
増収増益企業数を業種別で見ると、建設業がトップで9,946社となり業種細分類別のランキングにおいても、上位10業種中6業種が建設業にランクインしています。
業種細分類別でのトップは土木工事で1,506社と圧倒し、次いでソフト受託開発が980社、貨物輸送が903社、土木建築が715社、管工事が665社、建築工事が654社と、以下、木造工事や内装工事、とび工事など建設業が圧倒しています。
業種別では、製造業や卸売業、小売業、運輸・通信業が上位を占めています。

地域別では大都市圏ほか滋賀県、熊本県、沖縄県も
地域別では、大阪府が3,744社と東京都の3,728社を抜き、愛知県や福岡県など大都市圏も上位を占めましたが、滋賀県や熊本県、沖縄県など地方圏のランクインも目立ちました。
ただ、増収増益企業の出現率が全国平均を上回ったのは11都府県のみに留まりました。
令和2年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、省力化投資も進む中、国内の経済にプラス材料も多くある中で企業の業績にどのように影響するのか動向が注視されます。


[2019.11.19]

中小企業、後継者不在率は55.6%に
東京商工リサーチは令和元年11月7日、令和元年の「後継者不在率」調査を発表し、中小企業において後継者が決まっていない「後継者不在率」は55.6%と半数以上に上ることが判明しました。
中小企業では、経営者の高齢化や深刻な後継者・人手不足と課題に直面しており、中小企業数の減少が止まらないのが実態です。
総務省の統計によると、中小企業数は、平成11年から平成26年の間に100万社以上が減少しており、令和2年には高齢化の進展から中小企業経営者が数十万人が引退すると予測しています。

情報通信業の後継者不在率は7割超え
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「後継者不在率」を産業別で見ると、情報通信業が74.1%と最も多く、システム開発などIT(Information Technology:情報技術)関連業種がほぼ占めているため、業歴が浅い企業も多く、代表者の年齢も若いことが影響しています。
一方、人手不足が深刻な業種では、小売業が59.3%、建設業が54.9%、運輸業でも52.2%と半数を超えており、全産業10業種全体では平均55.6%と、50%を割った業種は、全10産業中、製造業と農・林・魚・鉱業の2産業だけとなりました。

10年前より国も事業承継支援の政策打ち出すものの・・・
この現状に中小企業の危機的状況を支援すべく安倍政権は様々な施策を打ち出しており、平成20年5月に中小企業の事業承継を支援する「経営承継円滑化法」を制定し、金融支援や事業承継時の税負担の軽減など導入してきました。
この政策に合わせ、事業引き継ぎセンターを全国各所に設置し、中小企業の事業をマッチングさせる民間事業者も支援してきましたが、現状では、予測通りの結果が得られていないとの声も聞かれます。

事業承継できなければ従業員や取引先、外注先にも大きな影響
中小企業において、後継者が決まっていない場合、経営者など急病などで事業承継が困難となるケースも増加しており、従業員や取引先、外注先にも大きな影響を与え、何より日本の技術などが消滅してしまう懸念もあります。
経済産業省中小企業庁では、事業承継税制の拡充や、事業承継診断など承継支援を優先して実施しているものの、生産年齢人口も年々減少し、先行きが不透明な「後継者不在」の企業へ安易な支援は競争力を阻害する可能性も出てきます。
事業承継のための支援、政策も10年以上たち、未だ課題が残っているのが実態で、中小企業の技術力などを引き継ぐ事業承継のあり方が問われます。


[2019.11.15]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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