事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


調査員が直接訪問、聞き取り調査
経済産業省中小企業庁は12月13日、中小企業景況調査(平成29年10月〜12月期)の結果を公表しました。
調査は、中小企業を支援するため設立された経済産業省傘下の独立行政法人中小企業基盤整備機構が実施。他の機関が実施する中小企業関連の調査と比べ、サンプル数が最も多く、全国の商工会や商工会議所の調査員が、対象企業を直接訪問・面接し、聞き取り調査を行なっているため、回収率も高く経済の実態に近い答えを聞き出すことができる調査です。
産業や業種別、規模、地域別など細かな分析が可能なことが調査の特徴となっています。調査対象の約8割が小規模企業が占めており、小規模企業中心の調査であることも大きな特徴となっています。

2期ぶりに景況判断指数が上昇
中小企業の業況は、一部の業種に横ばいが見られますが基調としては全体的に緩やかに改善しています。今年10月〜12月の全産業の景況判断DI(指数)は、前期から0.4ポイント増加しマイナス14.4ポイントと2期ぶりに上昇しました。
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一方、全産業の資金繰りDIは、マイナス11.4ポイントと前期から0.7ポイント減少し4期ぶりに低下。長期資金借入難易度DIでは、マイナス2.1ポイントと前期から0.3ポイント増え、3期連続で上昇しています。短期資金借入難易度DIは、マイナス0.3ポイントと横ばいでした。

製造業、3業種だけ低下
製造業の景況判断DIは、マイナス7.9ポイントと前期から3.3ポイント改善。業種別では、鉄鋼・非鉄金属、その他輸送用機械器具や金属製品、電気・情報通信機械器具・電子部品、繊維工業、パルプ・紙・紙加工品、家具・装備品、食料品、印刷などの業種が上昇。窯業・土石製品や化学、木材・木製品が低下しました。
非製造業の景況判断DIでは、マイナス16.6ポイントと前期から0.7ポイント減少し2期連続して低下しました。
産業別では、東京五輪関連施設や復興事業などで建設業が上昇しており、卸売・サービス・小売業が低下しました。

課題は従業員確保、人手不足で注文断ることも
今回の調査で中小企業・小規模企業の業況は改善傾向にありますが、現場では従業員確保が厳しく、退職者の続出によって受注するものの、断るケースが多く聞かれました。正社員化が増加傾向にありながら、現場では異常な人材不足に陥った状況です。
製造業では従業員の確保に加え、生産設備の老朽化や製品ニーズへの対応、原材料価格の上昇など課題となり、非製造業では、ニーズの停滞、大型店進出での価格競争、仕入れ単価の上昇などが問題となっています。
安倍政権は、「一億総活躍社会」の実現に向け、少子化、人口減少をイノベーションのチャンスと「人材への投資による生産性向上」に向け中長期的な課題を克服するとしています。


[2017.12.15]

消費者金融の貸出額を銀行カードローンが代行
銀行カードローンによる借り入れで自己破産する利用者が近年増えてきたことが問題となり、金融庁では、今年9月から銀行など金融機関の調査に入りました。
消費者金融では、改正貸金業法の施行により個人向けの無担保融資の限度額が年収の3分の1に制限され利用者が減少した分、銀行カードローンが頭角を現しました。
銀行カードローンは、同法の適用外であり、同じ無担保融資の限度額も利用者の年収にかかわらず500万円〜1,000万円も可能ですが、金利は約15%程と高く、日銀のマイナス金利政策とは真逆。資金を預ければ金利1%未満、借入れには15%の利率と、利ざやが収益にならない預金、企業向け融資より、カードローン事業が収入源となっています。

金融庁の銀行への自粛要請が消費者金融に変化の兆し
消費者金融の店舗も急減し、貸付額も年々急減してきましたが、特に今年8月以降、減少幅が縮小し始め、変化の兆しが見え始めました。今年3月に銀行カードローン問題が公になってから金融庁では、メガバンクや地銀に銀行カードローンの抑制を要請したのが一因となったようです。
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ただ、個人や企業の資金ニーズの受け皿に消費者金融が戻るかはまだ見極めが必要です。メガバンクや地銀では、テレビコマーシャルや交通広告などを自主的に自粛し始め、消費者金融業者にとっては復活のチャンスとなっています。

消費者金融、貸し出し金増えれば銀行からの保証料は減少
これまで、店舗や融資資金を大きく失った大手消費者金融は、メガバンクなどの傘下となっており、貸出金の拡大のチャンスとなる一方で、信用保証が減少するマイナス部分もあります。
大手消費者金融は、銀行カードローンが貸し倒れた場合、損失を保証し、その分が保証料としての収益ともなっていました。今年9月末時点の消費者金融の無担保ローン信用保証額は、貸出金残高の約1.5倍。銀行カードローンが抑えられれば保証残高の伸びも鈍ることになります。
現在保証残高は2桁台で伸びているものの、銀行カードローン抑制で1桁台に減少する可能性もあります。

銀行カードローン、年収の8割以上の借り入れ利用者1割、氷山の一角か
銀行カードローンが融資を抑えれば、ヤミ金融やクレジットカードのショッピング枠現金化など再度問題となります。
銀行など金融機関は、利用者の資金ニーズに的確に対応する必要があります。
日本弁護士会連合会が今年8月に「全国一斉銀行カードローン問題ホットライン」を行い351件の相談結果では、年収の3分の1以上借り入れている利用者のうち、年収の8割以上の借り入れをしている利用者は11%、収入が全くない人も4%いるなど、氷山の一角である可能性もあります。資金貸出のモラルが問われます。


[2017.12.14]

相続税対策の「賃貸」過剰供給で急減
国土交通省が11月30日に発表した建築着工統計調査によると、10月の新設住宅着工戸数は前年同月から4.8%減少し、8万3,057個と前年同月比で4ケ月連続減少となりました。利用関係別に見ても、「持家」、「貸家」は前年同月比で5ケ月連続減少。「分譲住宅」は同2ケ月連続で減少。
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大規模物件の落ち込みからマンションが16.9%も減少するなど、今後の動向が注視されます。
一方、「賃貸」は、相続税の節税目的の新築着工が減少しており、日本の人口減少が進む中、賃貸アパート・マンションの過剰供給で空室率は上昇。一括で借り上げるサブリース企業とオーナーとの賃料・保証トラブルなどの悪材料から着工が減少しています。

ミサワホーム、トヨタホームのの子会社に
分譲マンションは、日本全国で地価が上昇傾向にあり、空き家や空室が増加しており、人手不足による建築コスト、円安による原材料のコストが高まっているほか、日銀の金融緩和是正に伴う金利上昇の懸念がマイナス材料となり、住宅産業には逆風となっています。
この状況に対応しM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)が加速しそうです。
既に今年1月には、トヨタホームがミサワホームへ出資比率を引き上げ、子会社化しており、木造注文住宅の桧家ホールディングスは、来年1月1日に桧家住宅や桧家住宅北関東、桧家住宅東京、桧家住宅上信越、桧家住宅東北5社を統合し、経営資源を集約し事業の効率化と収益の向上を目指すとしています。
人口が地方から東京へ流入する状況の中、中野区や豊島区、大田区では空き家率が10%を超えており、分譲、賃貸とも苦戦しています。

地方自治体、「田舎暮らし」促すも追いつかず
地方では人口の流出に歯止めがかからず住宅の新設着工の減少は避けられず、近年では、「田舎暮らし」などを地方自治体など積極的に都心からの移住を推進していますが流出分を取り戻すには、新たな施策や優遇措置などの魅力が必要です。
来年以降、住宅建築業界では、大手企業、中小企業問わず、生き残るためにM&Aが活発になりそうです。当然のように、中国はじめ台湾などの企業も日本の建築業界を狙っていることは間違い無いでしょう。
中国や韓国では、震度5レベルの地震でも、学校など日本では避難場所となる公共建物が崩れ落ちるという現実があるため、その技術はどうしても盗みたいところでしょう。

ヤマダ電機、EVの次はリフォーム、イノベーション
一方、家電量販最大手のヤマダ電機は今年10月31日、EV(電気自動車)を開発するFOMM(フォム)と資本・業務提携し、EVを新たな家電製品として3年後には100万円程度のEVを発売すると発表。さらに、同社は11月8日には、住宅建材製造やリフォームを行うナカヤマの株式を全て取得し完全子会社化しました。
空き家や空室率の増加が社会問題にもなっており、同社では新築より住宅のリフォーム、イノベーションを目指し、住宅に付随する自家用車や家電、IoT(Internet of Things:モノのインターネット)など生活全体を賄う事業を行うとしました。来年へ向け、建築業界は大きな変革が起こる予測です。


[2017.12.13]

全国12地域全てで50.0ポイント超え
労働者らに景気の実感を聞く11月の「景気ウォチャー調査」の現況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月を2.9ポイント上回る55.1と4ケ月連続で改善しています。
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全国12の地域全てで、景気の良し悪しを示す指数50.0を超え、消費税が8%に引き上げられる前の月の平成26年3月以来3年8ケ月ぶりの高水準です。
景気ウォチャー調査の対象は、比較的国民生活に関わりのある小売店の従業員やタクシーの運転手など約2000名にヒアリング。景気の実感が3ケ月前に比べどうなったかを聞く調査です。
11月は、デパートやレストランなどで客単価が増えたとの声や、正社員の従業員を増やしたなどの声が多く聞かれました。

家計動向関連DI、住宅着工率減少が懸念
内訳では、家計動向関連DIは、住宅着工率の減少から低下したものの、その分を飲食関連などが補いました。一方、企業動向関連DIは、製造魚が低下した部分を、雇用関連DIが62.8とカバーし上昇しました。
地域別では、最も上昇幅が大きかったのは「甲信越」で、前月から6.0ポイント増加し54.4。逆に少なかったのは「東北」の0.1ポイント増の52.2となりました。
現況判断DIでは、「沖縄」が62.4と12地域中、唯一 60ポイント台となり、「北海道」が50.6ポイントと低い結果となりましたが50ポイント台は維持しました。

先行きの景気、微減に
2〜3ケ月先の景気の先行き判断現況判断DIでは、53.8と微減となり、雇用関連がアベノミクスの「働き方改革」効果もあるのか上昇したものの、家計動向関連、企業動向関連はともに微減となりました。
現在、サッカーEカップが行われ12月10日現在、日本は男女とも初戦を勝利。対戦相手は中国、韓国、北朝鮮の反日チームだけに優勝となれば国内に活況が波及されるでしょう。
さらに、平成30年2月には韓国でが開催され、現在、スケートやスキージャンプ、スノーボードなどのワールドカップで日本人が表彰台に上がるシーンがメディアでも多く見られ、メダル大量獲得、記念セール、パレードなど日本国内の経済効果が期待されます。

気温低くコートは売れ、天候よくゴルフコンペが増加
今期は、家計動向関連では全国的に気温も低く、百貨店などではコートなど重衣料の動きがよく、訪日外国人客の消費も追い風となりました。天候も良く、ゴルフ場でもコンペが行われる回数が増えており、エアコンや冷蔵庫など省エネタイプの付加価値のある高額商品が動いています。ただ、戸建て住宅の引き合いは、半年ほど減少傾向で回復の兆しが見えていません。
一方、企業動向関連では、輸送物量が増加傾向であり、運賃値上げで同業他社へ荷主が移る傾向も見られ、自動車関連では前年並みの受注を確保しています。
人手不足が問題となった雇用関連も、来年度の企業の採用数は増加と、学生主体の就職戦線が維持された状況です。


[2017.12.12]

テレビ放映権、スマホ普及でテレビにないライブ映像へ
来年の韓国・平昌冬季五輪やロシア・サッカーW杯など世界的にスポーツが盛り上がる年を迎えようとしていますが、そのスポーツが現在ではビジネスとして10兆円を超える市場となっていることが米調査会社のATカーニーが公表しました。
牽引するのは最大の収入源である放映権であり、これまでのテレビに加え、スマートフォンなどの急速な普及にライブ映像としての価値が再評価されているとのことです。
過去10年で成長が著しいのは北米市場で、中でも米国プロ野球のメジャーリーグを目指す元日本プロ野球の日本ハム・大谷翔平選手の行き先に注目が集まっています。契約金は多くの米球団で5億円超えとなる見込みです。

米メジャーリーグ放映権、10年で2.3倍に
米メジャーリーグは平成12年頃より平均年収が上昇し始め、その4年後には約2倍になり、上昇を支えるスポーツ放映権もドイツのスタティス社によると総額は3年後には約2兆円超えと平成22年に比べ2.3倍になる見通しです。北米では野球にアメリカンフットボール、バスケットボール、アイスホッケー、ゴルフなどプロフェッショナルスポーツ放映が拡大を続けています。
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この要因としてスマートフォンの急速な普及が挙げられ、平成19年に米アップルのスマートフォン・iPhoneが発売され、映像を楽しむ習慣が定着。米調査会社のニールセンによると、スポーツを何で見るかの答えでは、過去1年でテレビが減少したのに対し「スマートフォンで見る」が45%増加しました。

スマホ放映権料、10年で66%増加
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スマートフォンが牽引する放映権料は10年で66%増加し、近年ではアジア企業がプロサッカーチームを支援し、英国プレミアリーグでは、ユニフォームのシャツにタイや中国などの企業名が並んでいます。スペインの名門サッカーチーム・アルゼンチン代表のメッシ選手が所属するFCバルセロナのユニフォームの胸には「Rakuten(楽天)」が今シーズンから掲載されています。
日本でも放映権について大きな契約もまとまっています。プロサッカーリーグ・Jリーグは昨年、スポーツ中継サイトの「DAZN」を提供する英国のパフォームグループと10年で2,100億円の放映契約を結びました。Jリーグと協力し、特定選手を追う映像を作るなどスマートフォンならではの楽しみ方に差別化を図ります。

英国サッカー「マンチェスター」プレイヤーもマネージメントもグローバル化
日本では、8年後には現在の3倍、約15兆円を超えるスポーツジビネス市場となる分析したのは、サッカーUEFA(Union of European Football Associations:欧州サッカー連盟)チャンピオンズリーグのマーケティング代理店「Head of Asia Sales」の岡部氏。
英国プロサッカーチームのマンチェスター・ユナイテッドは、投資会社や弁護士、会計事務所、マーケティング会社など出身のスタッフが運営。英国人や米国人、インド人など全てがフィールドプレイヤー同様にグローバル化されており、欧州では典型的なチーム構成です。
バブル崩壊以降、世界の放映権環境も変わり、テレビから有料テレビ、インターネットへと変わる中、この波に乗ったのが欧州サッカーや米国のプロスポーツであり、マンチェスターと日本のプロサッカーチーム・浦和レッズの収入格差は約13倍。ただ、浦和レッズは、今年はアジアチャンピオンにもなり、世界クラブW杯にも出場するなど近づきづつあります。中国では国を挙げサッカー強化を推進。スポーツにおける15兆円ビジネスは魅力となりそうです。


[2017.11.11]

制度開始1ケ月半で登録業者、わずか30社
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今年10月25日、新しい住宅セーフティネット法「住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、約1ケ月半が経ち、「家賃債務保証業者登録制度」には、大手を中心に約30社が登録。国土交通省には、未だ保証業社などから「申請方法が不明」などの問い合わせがあり、今後の登録への申請の進捗が注目されます。
住宅セーフティネット法は、新たな業態のため、保証業社などに関する法規制はありませんでした。業界団体には、家賃債務保証事業者協議会(会員61社)や全国賃貸保証協会(同13社)、賃貸保証機構(同5社)の3団体あり、各々の自主規定に任され統一したルールがなかったことが背景があります。

業界団体に加盟しない保証業者は全体の6割
ただ、これら団体に属していない保証業社は全体の6割を占めており、適正な保証業務が担保されているかは不明。国土交通省では、研修の実施や適正な救済権の行使方法などの基準を満たす業者のみ登録できるため、「適正な保証業社」とアピールできるとし登録を推奨しています。
消費者相談センターなどには、家賃債務保証に関する苦情・相談件数が高止まりしていることからも登録が薦められます。
これまでも悪意のある入居者は、保証の説明がなく「聞いていない」と家賃滞納の言い訳を繰り返し、業者に対し「義務を怠った」と問題を大きくしており、「国土交通省に苦情を申し出る」と脅迫めいた入居者もいるため登録を申請する業者も躊躇う理由の1つとなっていました。

「住宅確保要配慮者」の入居は拒まない「登録住宅」
「家賃債務保証業者登録制度」創設のもう1つの理由は、改正住宅セーフティネットへの対応で、高齢者や子育て世代など「住宅確保要配慮者」の入居を拒まないよう民間賃貸住宅と新たに「登録住宅」を創設し、保証業者にメリットを付与しました。
「登録住宅」に入居する要配慮者に家賃保証する場合、住宅金融支援機構が保険を引き受け、要配慮者だけが入居する場合には、低額所得者へ家賃低廉化に必要な費用と家賃債務保証料に補助金が出ます。
これらは登録業者の保証リスクを軽減するためリスクヘッジになり、要配慮者の家賃債務の引き受け義務がないため、どれほどの登録業者が恩恵を受けるかは未知数です。

悪質な保証業者を排除
今回の登録制度は、悪質な保証業者などを排除し、一定の要件を満たす家賃債務保証業者を適正に行う業者を国に登録するほか、民間の空き家や空室を活用し、高齢者や低額所得者、子育て世帯の住宅確保を目的に施行。安心し安全な生活がおくれるよう配慮された法案です。
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12月1日現在、国土交通省の「セーフティネット住宅情報提供システム」によると、「登録住宅」は、岐阜県に4戸、静岡県に15戸と全国でわずか19戸。制度開始の直後だけに少ない戸数ですが、来春にかけ「登録住宅」の増加、「保証業者」の登録数増加が期待されます。


[2017.11.9]

6ケ月連続で景気改善
株式会社帝国データバンクは12月5日、11月の景気動向調査を発表。景気DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から0.9ポイント改善し、50.0となり6ケ月連続で改善。調査開始以降2番目の高水準となりました。
国内景気は、円安傾向により輸出が拡大しており、製造業が2ケ月連続で過去最高を更新し、回復が持続しています。今後の見通しも輸出を筆頭に企業が主導し回復傾向が続くとしています。
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業種別では、7業種が「改善」、1業種が「横ばい」、2業種が「悪化」。機械や自動車関連などの輸出増加で「化学品製造」、「鉄鋼・非鉄・鉱業」の2業種が3ケ月連続で過去最高を更新しました。

10地域中、8地域が改善
地域別では、10地域中、「北関東」、「東海」、「中国」など8地域で「改善」、「北海道」が横ばい、「北陸」が悪化となりました。特に「北関東」は51.2ポイントと3ケ月連続で改善し過去最高を更新。建設関連事業が住宅建築や中部横断自動車道の建設で2年8ケ月ぶりに50.0を上回りました。
「東海」、「中国」も6ケ月連続で改善。自動車メーカーの増産が地域経済に波及し、公共事業も後押しとなりました。
企業の規模別でも「大企業」、「中小企業」、「小規模事業者」全てが改善となりました。
「中小企業」は6ケ月連続、「大企業」、「小規模事業者」は5ケ月連続で改善しています。「中小企業」では、「金融」、「製造」、「サービス」の3業種が過去最高を更新しました。

輸出が好調、TPP「大筋合意」でさらに輸出期待
世界経済が回復傾向にある中、輸出が今後も好調に牽引し国内景気を活性化させ、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)の「大筋合意」もプラスに働いていくと予測されています。企業では省力化への投資、東京五輪に向け関連する設備投資など国内経済を牽引していくと予想できます。
一方、家計部門では冬のボーナスなど個人消費を下支え、緩やかに持ち直すと思われますが、人手不足が深刻化する影響や為替、株式相場の変動には注視が必要です。個人消費心理の改善が鍵となりそうです。

景気DI、50.0超えれば「良い」
株式会社帝国データバンクの景気動向調査は、国内景気の実態を把握するため平成14年から調査を開始しており、11月は1万105社が回答しています。景気DIは、7段階で判断し、それぞれの区分の構成比を乗じて算出。50.0ポイントを境に上であれば「良い」、下であれば「悪い」を意味しています。
50.0ポイントをを超えたのは、消費税が8%に引き上げられた平成26年4月の前月に51.0ポイントを記録してから約3年半ぶりです。国内景気は今後、輸出の堅調な推移で企業部門が主導し景気回復傾向が継続することが見込まれます。


[2017.11.8]

消費者態度指数、4年2ケ月ぶりの高水準
内閣府が12月4日発表した11月の消費動向調査によると、消費者の心理を示す消費者態度指数は二人以上の世帯で44.9ポイントと、前月から0.4ポイント上昇。3ケ月連続改善しており、ポイントは、東京オリンピック・パラリンピックが決まった平成25年9月以来、4年2ケ月ぶりの高さでした。
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調査は向こう半年間の「暮らし向き」「収入の増え方」「耐久消費財の買い時判断「雇用環境」の4項目をまとめ算出。全ての項目で上昇が見られました。株高や金融資産の増加や雇用環境の改善を好感した消費者が多く見られ、消費心理の改善につながりました。

物価見通し、1年後に「上昇」が8割弱
1年後の物価見通しについては、「上昇する」と回答した割合が78.6%と前月から1.1ポイント増え、内閣府では消費者の物価予想は、上昇する見込みが高水準である見方を据え置きました。ただ、日銀の目指す物価2%は、黒田日銀総裁任期中には届きそうもありません。
消費者心理は、商品やサービスの消費に直接または間接的に心理的影響を及ぼす要因やメカニズムであり、個人的な欲求、価値観、金銭感覚、ライフスタイル、ファッション性、流行性、商品・サービス情報などの要因が大きく影響しています。
間もなくクリスマス、同じ商品やサービスを購入するにも、家族に渡すのか、恋人に渡すかによっても購買行動は変わります。消費者行動を引き出し、心理的な要因・メカニズムを把握することが購買につながります。

平昌五輪メダル期待・セール開催!春闘は賃金3%超要請
来年2月には、韓国・平昌で冬季五輪が開催され、韓国国内では人気、経済効果とも絶望的と韓国の環球時報は報じていますが、日本では、11月から行われているW杯スピードスケートカナダ大会で日本女子が世界新記録を出し、スキー・ジャンプやスノーボード、複合競技もメダル候補が多数出る可能性が高く、日本でのイベントやセールなど経済効果が期待され、結果によって大きく消費にも影響してきます。
さらに、その翌月3月の平成30年度の春闘では、安倍政権自らが企業に対して、従業員の賃金3%超を要請。消費者心理をさらに活性化させたい要望であり、家計においても、手取り額が上昇すれば心理的にも購買意欲が積極的になるものです。

W杯サッカーに天皇譲位、経済的イベント目白押し
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6月には、ロシアでW杯サッカー・ロシア大会が始まり、予選突破となれば、消費拡大は間違いないでしょう。経済誌発行の・キュレーションドットコム総合研究所によると日本での経済効果は2,500億円のGDP(国内総生産)押し上げ効果があると推定しています。
また、今年12月1日には、天皇陛下の譲位の日程が平成31年4月30日に決まり、安倍政権発足から続く景気拡大の長期化に繋がる可能性も出てきました。
昭和天皇御崩御の平成元年の際には、自粛ムードが国民全体に広がり、結婚披露宴などは中止、延期されましたが、譲位においては祝賀イベントやセール、パレードなど実施されれば消費の刺激要因は大きく影響します。
これら一大イベントに消費者心理がどう動くかが注視されます。


[2017.12.7]

大企業によるデータ改ざん、無資格者の検査
Made in JAPANは、これまで長年築いてきた世界的な信頼が揺らぐ事件が相次ぎました。日本の製造業によるデータ改ざんや未資格者の検査問題です。神戸製鋼や三菱マテリアル、東レ、日産自動車、SUBARUなど世界的な大企業ばかりです。
取引先や消費者、下請け企業を軽視し、自社の収益や労働力軽減だけを理由に不正が数年前から行われ、メディアでも大きく扱われるなど問題は国内だけでなく、海外にも大きく伝わっています。
これら大企業に共通するものは、「厳格さの欠如」であり、データ改ざんや無資格者の検査は法令違反ではありませんが、取引先や消費者、下請け企業との約束を破った背信行為でしかありません。
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「安全性には影響ない?」の認識
安倍政権以降、円安株高が維持され、日本からの輸出も堅調に黒字となり輸出のさらなる拡大が期待れていましたが、その輸出品の一部に正規基準・規定外のパーツや素材が含まれていたと分かれば、なぜ、日本の高い製品が海外で売れるのか。製品価格に信頼の価格がプラスして入っていることの意味がわかっていないのではとも思えます。
製品自体には、安全性など影響はないとするものの、この報道により日本の製造業や日本製品への信頼は傷つけられ、産業によっては営業的に影響の出る場合も考えられます。
国内では、関西電力の大飯原発、九州電力の玄海原原発が、神戸製鋼所のデータ改ざんされたアルミや胴製品が使われたことによって、安全性に時間がかかるため再稼働が延期されました。

不正発覚はSNSや社内アンケート
相次ぐデータ改ざんは氷山の一角なのか、国内の製造業では各々点検、確認作業を急いでいますが、企業によるコンプライアンス(要求や命令に対し法令遵守を意味すること)の問題です。不正が発覚したのは、SNS(Social Networking Service:人との繋がりを維持・促進するネットサービス)や社内アンケートなどでの内部告発。
ネットサービスなど、誰にも便利で役立つ新しいサービスが始めれば、その裏には同程度のリスクもあることを無視しすぎているように見えます。
現在では、スマートフォンなど急速に広がっており、「誰でも、いつでも、どこでも、どんな内容も」ネット上に容易に公開できる時代であることを忘れるべきでないでしょう。

経団連会長、加盟企業に品質確認求めるが、元は東レのトップ
製造業の経営者、幹部、現場は一体で問題の改善や修正を行い、迅速に対応する組織に戻る必要があります。
経団連の榊原会長は、今回改ざんのあった東レのトップ出身でもあり、加盟企業に製品の品質確認を求めました。同時に、自らの改ざん不祥事の原因を究明し報告すべきでしょう。
品質をこれまで通りの規定でなく、より安全性を高めるなど柔軟な改善の余地もあるはずです。真摯な改善への取り組み無しでは日本のMadee in JAPANの信頼は取り戻せません。


[2017.12.6]

省力化、事業内容の見直しを積極的に行う非製造業
日本経済における深刻な人手不足は、非製造業などでは省力化への投資や事業内容の見直しを中心に労働生産性の向上を積極的に取り組んでいます。
これを受け、日銀は12月1日、潜在的な向上の余地もあるとしリポートを、四半期毎に公表する「さくらリポート」の「別冊」として公表しました。
非製造業は、製造業に比べ労働生産性が低いもののの、向上の余地もあるとして日銀は、非製造業を中心に今年7月〜11月にかけ約200社にヒアリングしまとめました。
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賃上げ上昇分は「販売価格」に転嫁できない
非製造業では、人手不足に伴う従業員維持・定着に賃金を上げ、食い止めますが、上昇分は販売価格に転嫁することができず、またネット通販との競合も激化。様々な環境の変化で収益力の強化が求められています。
このため、省力化への投資では、AI(artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターネット)など技術革新での省力化や、技術を中小企業に拡大することを目指し、事業の見直しに関しては、付加価値、差別化が難しい業務を廃止し、アベノミクスの「働き方改革」にもある長時間労働の是正や、ビッグデータの活用を積極的に取り組むとしています。

人手不足でついに営業時間短縮、定休日増加
人手不足感は強まり長時間労働の是正など、非製造業では営業時間の短縮、定休日の増加など企業にとってはマイナス傾向となることで、女性やシニア層の労働力で底上げすることが期待されています。さらに、労働者の労働時間あたりの付加価値額を高めることが重要となります。
日銀による企業へのヒアリングでは、人手不足により賃金の上昇や、原材料費の高騰などを販売価格へ転嫁することは容易ではなく、収益確保のためには労働生産性の向上が必要との声が最も多くありました。

技術革新への投資の例として・・
例えば技術革新への投資では、介護施設ではIoTを活用し、体動センサー(体温や心拍数、呼吸数などを遠隔で管理)を導入することで、異常時には迅速に対応でき、夜間巡回をこれまでの3分の2の人員ででき人員負担が軽減されます。
また、建設業では、測量用ドローンを導入し、従来2人以上の技術者が長時間かけて作業する必要がありましたが、ドローン導入で一人で精度の高い測量を短時間で行えることになり人員負担は半減されます。
その他、AIや産業ロボットなど業種などに異なるものの、現在は、機器に頼ることが収益維持、向上の早道と言えそうです。


[2017.12.5]

引き上げ額は18年ぶりに過去最高
厚生労働省は11月29日、今春の賃金引き上げ、改定の実施状況の実態調査を発表。定期昇給やベースアップなど賃上げを実行した企業は前年から1.1.%増え全体の87.8%に及びました。一人当たりの月額賃金の引き上げ額では、同451円増の5,627円と、平成11年以降、過去最高を更新しました。
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一方、賃金引き上げを見送った企業は、6.3%と前年から0.8%減り、賃金引き下げは0.2%と同0.6%減少しました。
実態調査は今年8月、従業員100人以上の1,606社の企業を対象に実施。従業員100人〜299人までの企業では賃上げは85.6%、5,000人以上の企業では95.2%が賃上げを行い、規模が大きい企業ほど賃上げを実行したことがわかりました。

建設業、人手不足で5%アップ
引き上げ額を産業別で見ると、建設業が8,411円と前年から5.05%上昇。人手不足が大きく響いています。次いで不動産業・物品賃貸業が6,341円、情報通信業が6,269円と続きます。
一方、引き上げ額が低い産業では、宿泊・飲食サービス業が3,040円と前年から30.6%も減少。人手が確保できず営業時間短縮や、定休日の増加などに繋がった結果です。他に分類されないサービス業でも3,923円と引き上げ額は抑えられました。
今年の賃金引き上げで最も重視した点については「企業の業績」が55%と最多で、「労働力の確保・定着」が8.7%と続きました。

安倍政権、来春3%超の賃金引き上げを要請、経団連は了承
安倍政権は、消費者心理改善を目的に来春の賃上げ3%超を経済界に呼びかけ、これを受け経団連も来年の春闘で5年連続となる賃金引き上げを会員企業に呼びかける方針を決めました。安倍政権の言われるまま、定期昇給とベースアップ合わせ、月額でこれまでの水準を上回る3%超の引き上げを求める方向で調整しています。
また、安倍政権の「働き方改革」では、長時間労働を是正するため、残業が減ることで残業代が抑えられ実質月額が減ることとなります。これに対し、経団連では、個人消費を後押しする必要があるなどを踏まえ、残業代分を手当として支給するなど、月額が減らぬよう会員企業へ配慮を求める方針です。
日本の企業の9.5割以上を占める中小企業、小規模事業者に経団連と同じことを要望するには無理がありすぎるでしょう。

賃上げすれば法人税軽減のご褒美
11月29日には、政府・与党が来年度の税制改正で、3%超の賃上げを実施した企業には、法人税を25%程度へ引き下げる軽減措置で税制面からも賃上げを後押しする方針です。さらに、生産性を上げるための設備投資を実施する企業に対しては、追加で税優遇を支援することも検討しています。
一方、利益を上げながら賃上げに消極的な企業には、研究開発減税の対象から外すなど、極端な経済政策。経団連のトップが政府のような構図です。
米国では約90年前、フーバー政権が賃上げ圧力で、失業率が25%にまで上昇し大恐慌の一因にもなった経緯もあり、時代は違うものの、安倍政権の賃上げ圧力にリスクはないとは言えないでしょう。


[2017.12.4]

企業の設備投資、3四半期ぶりに上昇
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日銀の「主要銀行貸出動向アンケート」調査によると、今年7月〜9月期の資金需要判断DI(Diffusion Index:指数)は、企業向けが、プラス6となり、前回調査から3ポイント上昇。業績の好調を背景に設備投資など資金ニーズが上昇。上昇は3四半期ぶりとなりました。
ここ数年、レジャー施設の拡充や新設が相次いでおり設備投資が堅調に推移しています。外国人や企業を引退したシニア層の来場者が増加しており、市場全体で拡大。運営企業は、大規模な設備投資で攻勢を加速させる狙いです。

ディズニーリゾート、入場者連続減で新アトラクションに投資
業界トップの東京ディズニーリゾートの平成28年度の入場者数は、前年度から0.6%減少し3,000万人。26年度をピークに2年連続減となりました。これを挽回するように今年5月にはディズニーシーに劇場型アトラクション「ニモ&フレンズ・シーライダー」を新設。開業から半年が過ぎましたが入場待ちの行列は途絶えていないようです。
さらに、東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドは、同リゾートを拡張するとの報道がありました。平成32年の東京オリンピック・パラリンピック前に約100ヘクタールの敷地を約3割広げるというものです。投資額は数千億円に上るとみられ競争が激しいテーマパーク業界で日本人や訪日外国人客を引き込む狙いです。

USJは3年連続、入場者数が増加
一方、大阪市のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)は、平成28年度の入場者数は約1,460万人と東京ディズニーリゾートの半分にも満ちていませんが、3年連続で入場者数が増加しています。この勢いに乗ってUSJは、約600億円を投じ「スーパー任天堂ワールド」を平成32年までに新設するとしています。
安倍政権も平成30年に、子どもに合わせて家族が休めるように企業が体制を整備する「キッズウィーク」の施行を目指しています。これは、今一歩ピンとこない毎月最終金曜日に、仕事早帰りを推奨する「プレミアム・フライデー」の子ども版と言えそうです。
東京オリンピック・パラリンピックを控え、テーマパーク市場は拡大の予測が立ち、新規参入組を含めた競争は業界全体で活況が期待されます。

バブル崩壊後、レジャー産業は縮小傾向へ
公益財団法人日本生産性本部の「レジャー白書」によると、テーマパークや遊園地などの市場は、バブル崩壊後は縮小傾向にありましたが、東京ディズニーシーやUSJがオープンした平成13年にようやく拡大に転じ、15年には温泉と遊園地の融合施設「東京ドームシティラクーア」、18年には職業体験型の「キッザニア東京」がオープンするなど施設も多様化。平成15年の市場規模は前年から3%増加し7,640億円と過去最高を記録しました。
今年も、旅行大手HIS傘下のハウステンボスがアトラクションを17種新設。4月には、人気玩具のレゴブロックのテーマパーク「レゴランド・ジャパン」がオープン。平成30年には埼玉県飯能にムーミンのテーマパーク「メッツァ」が一部開業、31年にグランドオープン予定と、少しずつですが私どもにも景気改善の実感が出てきそうです。これからの新設など設備投資の拡大が期待されます。


[2017.12.2]

訪日客、14.9%が民泊を利用
訪日外国人客数が年々増加傾向にあるなか、宿泊施設不足が課題となっていた日本において、急速に拡大する民泊サービスについて、健全な普及を図るため「住宅宿泊事業法施行規則」及び「国土交通省関係住宅宿泊事業法施行規則」が今年6月に交付され、平成30年6月15日にに施行されます。
これにより、民泊サービスの適正化を図りながら訪日外国人客の滞在をより促します。
国土交通省観光庁が今年初めて行った「民泊利用の訪日外国人」調査によると、今年7月〜9月に訪日外国人客の「有償での住宅宿泊」について14.9%が民泊を利用していることが分かりました。

民泊利用者、目的は観光・レジャー
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訪日外国人客の有償での宿泊では、トップがホテルで全体の78.1%、次いで旅館が21.9%と比率はかなり下がり、3位が民泊の14.9%となりました。また、実際に民泊を利用している訪日外国人に関しては、すべての国籍において「観光・レジャー」目的だったことが分かりました。
国籍別で民泊利用者を見るとトップがシンガポールの39.5%、フランスが35.9%、インドネシアが29.7%と続き、利用者は20代が61.3%と若年層がほぼ占めています。
メディアでも紹介されているように日本を訪れるバックパッカー(低予算で国外を旅行する旅行者)は増加しており、LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)で来日し、日本の有名な観光地を訪れるよりも日本の文化に接したいという外国人が多いようです。

日本旅行への消費、ホテルも民泊もほぼ同額
訪日外国人が日本への旅行にどれほど消費しているのか旅行費を見ると、民泊利用者は一人当たり14万5,600円に対し、非利用者は15万5,700円とさほど変わりはありません。これは、日本での滞在期間によるもので民泊利用者の過半数は7日〜13日間の滞在に対し、非利用者は4日〜6日間でした。
安い飛行機で日本へ来て、安い宿に宿泊し、日本を長く楽しむという嗜好がわかります。調査では、民泊利用者の若者たちは、「繁華街の街歩き」や「日本の歴史・伝統文化の体験」、「日本の日常生活の体験」など日本訪日ツアー客の「温泉入浴」がないなど、目的がはっきりしています。
これらのニーズをさらに多言語化や案内図など用意することで、より日本文化に触れたい外国人が多く拡散していくのではないでしょうか。

訪日外国人、東日本大震災から年々急増
日本政府観光局によると訪日外国人は、平成23年、東日本大震災により前年から239万人減少し622万人と落ち込みましたが、24年には836万人、25年は1,036万人、26年は1,341万人、27年は1,974万人、28年は2,400万人、そして今年は11月4日時点で2,403万人と急増。安倍政権は平成32年には4,000万人の訪日を目標としています。
東京ではオリンピック・パラリンピックを控え、ホテル建築ラッシュが続いていますが、2年ほど前の「宿泊施設不足」から現在では「過剰」との調査結果もあります。
ただ、民泊を利用する訪日外国人は、半数以上が大阪、京都であり、3年後の訪日外国人客数・宿泊形態が注視されます。


[2017.12.1]

地域の不動産業者でも可能!小規模不動産特定共同事業を創生
明日、12月1日より改正不動産特定共同事業法が施行されます。
改正のポイントとなるのは、日本全国に数多くある空き家や空き店舗などの活用に、地域の不動産業者などが幅広く参入できるよう、出資規模の総額が一定規模以下の「小規模不動産特定共同事業」を創設しました。
ネットを通じてクラウドファンディングで資金を調達し、古民家を宿泊施設にリノベーション(改修・改装して再生)して運営するなど、良質な不動産ストック形成を推進するため、規制を見直しました。
人口高齢化や減少が進む地方において、空き家や空き店舗などは深刻問題で、これを解消し活用することで「地方創生」を目指すという法改正です。

空き家や空き店舗を買取り、リノベーション
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クラウドファンディングは、急成長中であり、日本国内市場の規模は今年は1,000億円を超えると予測されています。では、どのようにクラウドファンディングを活用していくのか。
例えば、地域の不動産業者が地元で空き家や空き店舗を買取り、リノベーションした上で、宿泊施設やレストラン、カフェ、小売店などに賃貸し、収益を得る場合、リノベーション費用をクラウドファンディングで調達することが1つの例です。
クラウドファンディングを扱うウェブサイトに、このプロジェクトを掲載し不特定多数から小口資金、1万円からでも投資できるよう募集します。
不動産業者にとっても地元で足を使った営業よりも、全国から無駄なく投資家を呼び寄せることができます。

これまでは、営業コストがかかりすぎで実行は断念
これまで不動産投資に出資を呼びかけるには「不動産特定共同事業」となり、同法による規制がありました。
官庁や都道府県知事の承認や資本金1億円以上など、地域の不動産業者には壁が高いものでした。営業費や説明書面の発行コストなどかかり、空き家再生を目的にした投資型クラウドファンディングは、実施するには容易ではありませんでした。
ただ、12月1日の改正によって、クラウドファンディングで出資を募集するための法整備が図られ、説明書面はネット上で公開、出資総額が1億円を超えない100万円と小規模な不動産特定共同事業を行う場合は、「承認・許可」ではなく、手続きが容易な「登録」によって実施可能となりました。ネット取引の強みを生かすこととなります。

小規模案件に規制緩和
クラウドファンディングは、一般の個人投資家から少額の出資を受け、さらにネット上で契約でき、小規模案件の規制緩和が行われたことで、不動産投資型のクラウドファンディングが今後拡大されることが期待されます。
これまでクラウドファンディングは、不動産企業へ出資し、間接的に不動産に融資するため、出資者は何に出資しているのか不明であった貸付型が多くありましたが、法改正により各々の不動産の特徴、説明を踏まえたプロジェクトであるため、出資を募ることがより容易になったと言えます。
「地方創生」を掲げる安倍政権、不動産投資型クラウドファンディングによるリノベーションが効果を発揮するか注目されます。


[2017.11.30]

輸出額では11ケ月連続増加中
財務省が11月20日発表した10月の貿易統計速報によると、貿易収支は2,864億円の黒字となり、円安の影響などで輸入額も増加していますが黒字は5ケ月連続です。特に中国向けの輸出では、半導体などの製造装置が堅調に伸び、金額では過去最高となりました。
10月の輸出額は、前年同月から14.0%伸び6兆6,931億円と、11ケ月連続で増加しています。半導体などの製造装置は同29.5%増加。また、有機化合物も同30.9%増、自動車が6.5%増と伸びています。
中国向けの輸出では、同26.0%増加し1兆3,541億円と、昨年12月の1兆3,011億円を超え、過去最高を記録しました。
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半導体製造装置はMade in JAPANが世界シェア3分の1
半導体製造装置は、携帯電話やスマートフォン、パソコン、自動車、家電製品などなど、現在私たちが生活の中で日常的に使われる製品の重要なパーツとなっています。半導体は情報処理を司る人間でいえば頭脳の役割を果たし、その半導体を製造する装置においては、日本の技術は国際競争力が高く、シェアは全世界の約3分の1にもなります。
一方、有機化合物は、合成樹脂や合成繊維など石油製品に使用されるプロピレンやエチレンなどで、輸出先はほぼアジア向けで、自動車や自動車部品などの日系工場で製品に組み込まれ、製品として日本を含め各国に再輸出したり、国内で販売しています。
よって、両者とも元はMade in JAPANであり、日本の技術がなければ魅力的製品は産まない証となっています。

トヨタ初の逆輸入車、タイからハイラックス輸出
トヨタ自動車は、ピックアップトラック「ハイラックス」を13年ぶりに日本で発売することを決め、今年10月にタイの工場から日本へ輸出。トヨタ自動車初のタイからの逆輸入車となります。タイのトヨタ工場では、タイからの輸出はすでに129ケ国を超え拡大してきましたが、確かな品質を確証し日本市場への投入を決めたと言います。
タイから日本への輸出では、日産自動車がすでに始めていますがトヨタ自動車は初。激しい製造コスト競争が続く自動車産業の生産拠点はしばらく動くことはないでしょう。

輸入も10ケ月連続増加、円安、資源高騰が要因
一方、輸入額では前年から18.9%増加し6兆4,077億円と、輸入も10ケ月連続で増加しており、伸び率では平成26年1月の25.1%増に次ぐものでした。中東国など原油価格が上昇したことに加え、為替も約1割ほど円安傾向で円建て価格が押し上げられた結果となりました。
米国からは、エネルギー資源の液化プロパンの輸入が増加し、中国からは、衣類のほかスマートフォンが伸びて8ケ月連続の貿易赤字となりました。半導体を作る製造装置を中国に輸出し、中国で出来上がった製品を日本が輸入する、ここだけを見れば完全な貿易赤字です。
半導体は今後も伸びしろは大きくあり、自動車はこの先数年でEV(電気自動車)に移り変わり、蓄電池など新たな技術開発の競争がすでに始まっています。


[2017.11.29]

下落地区はゼロ
国土交通省は11月24日、主要都市の「高度利用地地価動向」をまとめた「地価LOOKレポート」平成29年第3四半期分を公表。同期(7月〜9月)の地価動向は、上昇地区が86地区、横ばいが14地区、下落はゼロとなりました。約9割の地区で地価は、上昇傾向となっています。
高度利用地とは、住宅密集市街地などで、敷地を統合し一体的な再開発をし、都市機能、高度利用を図り、防災機能を備えた指定地区です。このため、開発地の容積率などは、一般の地域の容積率を元に、これを上回るような緩和措置が取られ、強化されることがありません。

圏域別でも日本全体で主要都市の地価が上昇
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調査の対象は、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方中心都市など23地区の計100地区。用途別では住宅系地区32地区、商業系地区が68地区となっています。圏域別でも地下の上昇は全国均等で全体に上昇しています。
不動産取引において価格そのものが適正か不透明な部分もあり、この契約が適正価格だったと断言できる人は少ないでしょう。地価や不動産価格は、株式のように毎日の値動きがわかるわけでないので完全に把握することは難しく、不動産会社による価格査定に曖昧さも見られるのが実態です。

地価の公表は3種「公示地価」「基準地価」「地価LOOKレポート」
土地価格において国が公表する代表的なものが「公示価格」であり、地価公示法に基づき、毎年1月1日時点の価格が公表されます。今年3月21日に公表された公示価格は、全国平均で前年から0.4%上昇し、2年連続の上昇となっています。
公示価格の半年後の7月1日時点の価格をまとめたものが「基準地価」であり、国土利用計画法に基づき都道府県が調査を実施します。
「地価LOOKレポート」は、「公示地価」や「基準地価」を補完し、先天的な地価動向を明らかにすることを目的に、平成19年から三四半期ごとに調査しています。

訪日外国人客数ほか、オフィス空室率低下、再開発の進捗堅調で地価上昇
国土交通省では、今回の「地価LOOKレポート」について、東京五輪に向け、訪日外国人客数の増加で消費や宿泊ニーズが高まっているほか、大規模な再開発も堅調に進捗。オフィス空室率の低下でオフィス市場も好調であるため上昇の要因となったとしています。
政府観光局によると、東日本大震災のあった平成23年には、訪日外国人客数は621万人でしたが、今年は10月末時点で2,379万人と6年で約4倍弱増加しています。今後の地価価格は、訪日外国人客数の動向で大きく影響が出るでしょう。


[2017.11.28]

「au HOME」IoTが亭に入るとどうなるのかデモ
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KDDIは11月21日、auのホームIoT(Internet of Things:モノのインターネット)サービス、「au HOME」が実現を目指す将来の生活についてデモンストレーションし、「ちょっと心地いい暮らし」を公開しました。
「au HOME」は、家庭にあるあらゆる家電製品などをインターネットに繋ぎ、一元管理し、生活に合わせ、より快適に暮らせるよう動作させる仕組み。携帯電話・スマートフォン大手の3社では、いづれもIoTに取り組んでいますが、KDDIが他社に先じてスタートしました。
「au HOME」は、「訪問設置サポート」により、自宅に導入し使い始めるのをauがサポートするのが魅力的です。

「au HOME」が家族お帰りを察知、照明やエアコンをオン
「au HOME」が目指す「ちょっと心地いい暮らし」は、家族の帰宅を「au HOME」が察知し、家が「お帰り」の準備してくれます。家に帰ると真っ暗で、寒く、照明やエアコンなどをつけますが「au HOME」によりこれも必要なくなります。
スマートフォンの位置情報から家族が家の近くまで来ているとを感知し、「au HOME」が感知。事前に登録しておいた「帰る準備」が自動で行われ、自動で照明やエアコンをつけたり、カーテンを開け閉めしてくれることも可能です。
まるで家が家族の帰りを待ってくれているようで、近い将来実装するとしています。

遠隔地から家の家電製品を操作することも可能
外出から、家の家電を操作することも可能となり、電気の消し忘れなど無駄な電気代もかかりません。家電製品を遠隔地から操作できるスマートプラグを繋ぐことでスマートフォンから電気使用量も確認できます。また、マルチセンサーによりドアの開閉から子供の帰宅を確認することができ、ネットワークカメラを使えば外出先から自宅にいる子供の様子も確認でき、会話も可能になります。
さらに、万が一のトラブルの場合には、セキュリティ会社のセコムが駆けつける「セコム駆けつけサービス」もあり、費用は無料でセコム対処員が対応した場合のみ費用がかかる仕組みとなっています。小さな子供を持つ家庭では、最高のサービスとなるでしょう。

グーグルのサービス、声をかけても反応する家電製品
「au HOME」が家庭に参入することで、パートナー企業も拡大中。11月28日からサービスが拡充し検索エンジン大手のグーグルでは、アプリの代わりに「Google Home」に「エアコンつけて」と呼びかけると、赤外線リモコンに対応した家電が操作できます。
auでは、「auひかり」以外のインターネットサービスでもauユーザーであれば誰でも使用できるというサービスを拡充。自宅にWi-Fi(無線LAN)環境があれば無線通信アダプタを接続するだけです。しかも、価格は「au HOME」の基本料が月額490円(初期費用2,000円)と格安(デバイス機器は別途)。「au HOME」を先陣に家庭へのIoT導入が拡大される予測です。


[2017.11.27]

バブル全盛期:ティファニーでプレゼント購入、赤プリでディナー、宿泊が定番
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今年、大晦日を残し最後のイベントとなるクリスマスまであと1ケ月。日本各地ではイルミネーションやツリーなどが装飾され、活気ある街となるイベントです。
本来、クリスマスは、イエス・キリストが誕生したお祝い事でしたが、日本ではバレンタインデーなどと同様に商業的なイベントとなり、サラリーマンにとってはボーナスも入り、プレゼントやディナー、宿泊と消費意欲が大いに影響してきます。
バブル全盛期には、東京・銀座のジュエリー店、ティファニーでプレゼントを購入し、紀尾井町の今はなき赤プリ(赤坂プリンスホテル:現赤坂プリンスクラシックハウス)でディナー、プレゼント交換、宿泊が定番で、12月のティファニーはレジに行列ができ、ディナー、宿泊の予約はコネがなければ取れない状況でした。

クリスマスに恋人いない人、7割!
では、バブル崩壊後の現在、景気は回復傾向との指標も報じられ、クリスマスを友人・知人や、恋人、夫婦、家族でプレゼントを交換したり外食したりと過ごす方も多いかと思われますが、少子化問題の要因ともなり得る調査結果が現在の日本を象徴することとなっています。
大手通信事業者のKDDI株式会社は、クリスマスを1ケ月後に控え、「クリスマスの過ごし方」に関する調査を10代から40代の独身男女へ実施。クリスマスを目前に「恋人がいない」と回答した男女は71,7%と高く、恋人がいないと答えた人の中で「すごく焦ってる」、「どちらかといえば焦ってる」と答えた人は全体の9.2%。
「まったく焦ってない」、「どちらかといえば焦っていない」と回答した人は90.8%と意外な結果に、「クリスマスは恋人と過ごす」という概念は過去のものとなっています。

少子化よりまずは恋人作りが政策の優先?
今年のクリスマスイブは日曜日でもあり、1ケ月を残し焦る人が多いと思われましたが、「いつも通りの生活」を答えた人は90,8%と圧倒的な結果。「コンパに参加する」や「異性交流アプリに登録する」と答えた人は、5%にも満たず、街中、駅や商店街ではイルミネーションが華々しく輝くなか、クリスマス、イブを通常通りの生活をする人々が多く、景気回復傾向にある経済界にとっては意外な調査結果となりました。
安倍政権は、待機児童を減らし、保育園、幼稚園費用を無償とする公約を掲げ、衆院選を勝ち抜いたものの、KDDIの結果では、それ以前の問題となりました。
これが日本の現状であり、子供をつくり少子化を改善するという政策以前に、まずは、男女のカップルの成立が前提となっています。

クリスマスプレゼントの経済効果は11億円でしたが・・
ネット調査会社の株式会社マクロミルの調査によると、クリスマスプレゼントの平均出費額は男性が1万7,637円、女性が1万1,662円で、クリスマスプレゼントを交換する割合は、成人全体の50.5%と計算すればクリスマスにおける経済効果は11億円を超えます。
また、欧米では定番の七面鳥より日本人に馴染みのある日本ケンタッキー・フライド・チキン株式会社によると、平成27年12月23日〜25日の3日間の売上高は54億9,000万円と前年の104.4%を記録。
総務省統計局の家計調査では、二人以上の世帯のクリスマスケーキの「ケーキ月別購入」では12月が52.9%とほかの月の20〜30%を大きく上回るなど、この経済効果は企業にとって大きな影響を及ぼします。

近年では、日本政府が企業に「賃上げ」を要請するなど消費を促すことを目標に掲げていますが、実態はついてきていないのが実情で、今後のクリスマス商戦の経済効果にも影響が出そうです。


[2017.11.25]

日本の9割以上を占める中小、小規模事業者に税制優遇
安倍政権は、来年度の税制改正において中小企業の世代を交代を促すため、税金の優遇策を策定する方針を示しました。
日本は、政府や日銀などの経済指標においては景気が回復、改善傾向の数値が公表されていますが、実態の数値は、大企業が中心であり、日本に約380万社、日本の企業の9割以上を占める中小企業や小規模事業者にとって、その恩恵
が十分に届いていないのが実情です。
来年度の税制改正では、事業承継をする非上場株式の全てについて相続税を猶予し、事業継続する場合には限りなく納税を免除するとしています。安倍政権は、中小企業、小規模事業者に対し緊急の対応策を打ち出したこととなります。
171124_1.jpg事業承継できれば税金免除
来年度の税制改正では、猶予できる株数を全株の3分の2から全株に引き上げる方針で、結果、少なくても8割以上が納税を猶予される見通しです。現在、5年で8割以上の雇用を維持しなければ全額を納税する義務がありましたが、雇用計画の策定で条件をつけることで、撤廃する方針です。
また、世代交代により、事業継続している間は、一定の条件を満たせば猶予された税金を免除する方向で、相続税や贈与税など負担がなくなる次世代の経営者が増えると考えられます。
ただ、この優遇措置を課税逃れに利用される恐れも懸念されています。

NASAからも発注が来る日本の技術力
日本の中小企業や小規模事業者には、世界に通用する技術や知識、ノウハウを持ち、大企業と取引することも数多くあります。これは、米国のNASA(National Aeronautics and Space Administration:米国航空宇宙局)からも最先端の技術の発注が来るくらいの技術力です。
このような小さくとも力のある企業の廃業は、日本経済にとっては大きな停滞要因ともなってしまいます。経営者と後継者のマッチングを支援し、大都市部での管理職などが地方企業でもこれまでの経験を活かせるよう規定を緩めることも必要となってきます。

このまま放置すれば650万人の雇用が消失
経済産業省中小企業庁では、事業承継を今のまま放置すれば平成37年には約650万人の雇用、約22兆円のGDP(国内総生産)が失われる試算を公表。今後の10年で70歳を超える中小企業、小規模事業者の経営者は約245万人。このうち約半数の127万人が後継者が見つかっていないと指摘しています。
日本は、平成20年のリーマンショック以降、中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)で倒産は減少傾向にあるものの、経済指標には公表されない企業の休廃業・解散は倒産件数の倍以上で現在でも増加傾向にあります。
事業承継が深刻となる現在、経済政策により税制優遇ほか、円滑な承継が可能となる政策が期待されます。


[2017.11.24]

夢のマイホーム、住宅ローン返済に安倍首相「賃金3%アップ」要請
夢と希望を持って手に入れたマイホーム。ほとんどの人が住宅ローンを利用して購入しているでしょう。
景気が緩やかに回復し、改善傾向と経済指標が公表されていますが、企業の正社員でも賃金が上がるどころか年間所得では減少したとの声もかなり多く聞かれます。
業績が悪いから給与が下がりますが、安倍政権は来春の春闘で経済界に「賃金3%アップ」を要請。自民党でもある身内の小泉進次郎氏が「日本の経済界は政府の下請けだ」と指摘するのも分かります。
景気は回復傾向にあるものの、企業が賃金を上げなければ消費意欲は抑えられ、手に入れた住宅ローンを返済する人にとっては、子供をつくればさらにお金がかかると少子化対策とは逆方向に動き深刻な問題です。

住宅ローンは史上最低金利に「今が買い時」?
史上最低金利と言われる住宅ローンは、1%を割り込み、「今が買い時」と購入したものの、所得が横ばいや下降するなど住宅ローンの返済をリスケジュール(条件変更)する人も、中小企業金融円滑化法終了後も増加しています。今年3月末現在、49万3,518件、住宅ローンのリスケジュールが申請されています。
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リスケジュールを申請するのは、現在の所得で住宅ローンが支払えないわけで、所得が増えなければリスケジュールを繰り返すことになります。
日本弁護士連合会の調査では、債務者が破産となった理由では。「生活苦・低所得者」が60.2%と圧倒的ですが、次いで「住宅購入」が16.5%と増加傾向となっています。この16.5%に当たる人が、住宅ローンを払えず、任意売却や競売でマイホームを手放したのです。リスケジュール49万件超えはその予備軍とも取られます。

住宅ローンの返済「消費者金融」「銀行カードローン」は避ける
超高齢化となる日本で定年後も住宅ローンを払う人も多くいます。退職金を崩したり、親族から借り入れたりと工面しています。くれぐれも消費者金融や銀行カードローンを利用して住宅ローンに当てることは避けるべきです。金利は桁が異なるほど高く、返済額が増えるだけです。
大企業の退職金が10分の1にもなる時代、従来からある住居を担保に資金を借り入れるリバースモーゲージに加え、最近では住居売却後も賃料を払うことで生活自体は何も変わらないリースバックが急増しています。
これは、一度は住居を投資家など第三者に売却しますが、数年後に資金を作ることで所有権を復旧することも可能だからです。住居を売却することで資金が入ってきますので、老後の生活や急な病気などにも慌てることなく対応できます。

リースバック事業、異業種からも参入
ここ1〜2年でリースバックを事業とする企業も増えてきました。新生銀行やリコーリース、ハウスドゥなど異業種からの参入も出てきています。
従来のリバースモーゲージは、対象となる住居は原則、戸建で住居を担保に銀行から融資を受け、所有者が亡くなった場合、住居売却で一括返済するもの。ただ、将来の担保割れリスクがあるため金融機関ではリバースモーゲージには消極的です。今後はリースバックが主流となってくるでしょう。
日本弁護士連合会では、「身の丈に合った住宅ローン」を原則とし、「史上最低金利」に目を向け、「頭金なし、家賃並みの返済」の広告に惑わされ、つい購入に至ることもありますので十分に調査、検討することが望まれます。


[2017.11.23]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

2017年12月

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