事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


資金の運用状況を示す予証率、過去最低に
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日銀によるマイナス金利政策によって銀行など金融機関は資金運用難に直面しています。
国内の銀行114行の資金運用状況を示す「予証率」は、今年3月期に25.9%に低下し、平成25年3月期から6年連続して前年を下回っている状況です。
「予証率」は、預金残高に対する有価証券残高の比率であり、銀行など金融機関の資金運用状況を表す指標の1つとなっています。
「予証率」は、調査が開始した平成18年3月期以来、過去最低を記録しました。

リーマン・ショック後に上昇も、円高是正放置で低下
これまで3月期の「予証率」は、リーマン・ショック前の平成20年に30.9%となり、その後上昇は続き、特に平成24年は歴史的な円高を記録し、大企業では設備投資意欲も抑えられ、急速な市場の悪化などを原因に株式や社債の比率が低下しました。
その結果、運用資金は大量に国債購入に流れ、「予証率」は、42.4%まで上昇しました。
その後は、平成25年に日銀が異次元金融緩和を導入し、銀行などから大量の「国債」を買い取り、その代金が金融機関の日銀当座預金に振り込まれました。
さらに翌26年10月に日銀は、「長期国債」の買い取りなど金融政策決定会合で決め、主要銀行を中心に「国債」の売却は進行し、「有価証券残高」は減少傾向です。

銀行の国債保有、5年で半減
銀行114行の今年3月期の「有価証券残高」は、209兆9,423億3,400万円で3年連続で前年を下回っており、「有価証券残高」のうち、「国債」は75兆2,905億4,300万円と平成25年3月期の160兆3,800億300万円から半減しました。
一方、114行の今年3月期の「現金預け金」の総額は、219兆2,804億800万円と前年同期から12.2%増加し、「有価証券残高」を上回りました。
その他の「有価証券」は、外国双剣や社債、株式、地方債などで、「国債」の残高が減少する中、リスクの低い地方債の増加が目立っています。

企業への貸出が増加?・・実態は国債の売却
「預証率」は6年連続で前年を下回り、一見、安倍政権が目指す企業への貸出増加のようにも見えますが、実態は銀行の「国債」の売却、「有価証券残高」が減少したことが鮮明になりました。
東京商工リサーチによると今年3月期の銀行114行の「預貸率」は、調査開始以来過去最低の65.5%と、預金、貸出金の差額は278兆円に拡大しました。
銀行からの貸出金の増加より、預金残高が伸びて資金を運用できずに「現金預け金」が積み上がっている状況に、今後、どう対応していくかが注目されます。


[2018.7.16]

金融庁、29の銀行取扱の投資信託商品を調査
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金融庁によると、国内の29の銀行など金融機関で投資信託を購入した個人客の46%が運用損益がマイナスで損をしていたことが判明しました。
同庁の調査では、主要行9行と地銀20行の窓口にて投資信託を購入した顧客全員の今年3月末と購入時の投資信託の評価額を比較し、顧客が払う手数料も差し引いた実質的な手取り額を試算したものです。
金融庁では、投資信託の運用実績は各行ごとに大きな差異が見られ、各行の販売・運用姿勢や金融商品の品揃えが、顧客の資産形成に影響を及ぼしたと分析しています。

「損」か「得」はファンドマネージャー次第
投資信託は、投資家など顧客から資金を集め、運用のプロであるファンドマネージャーが株や債券など複数の商品に投資・運用する金融商品です。
投資信託とは、言葉通り「投資を信じ託す」ことで、ファンドマネージャーを信じて資金を預け、投資・運用が成功すればその利益分が顧客に戻ります。
ただ、銀行の預貯金と異なり、元本は保証されず、投資・運用に失敗すれば預けた資金は減ることになります。

老後の生活資金はNISA、iDeCo?
日本は人口減少、少子、超高齢化を迎え、社会保障費が破綻寸前にもかかわらず「人生100年」と安倍政権は掲げますが、老後の生活は庶民自ら自立させたい方針とも思えるNISA(日本版Individual Savings Account:少額投資非課税制度)やiDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)を懸命に推し進めています。
投資信託においても、ワンコインから始められたり、投資の知識がなくてもファンドマネージャーが付き、分散投資されているので、銀行で薦められれば購入する顧客も多くいるのが実態です。

銀行の預貯金利子も当面は期待薄
投資信託に資金を投入した人の46%が損をしたことは、得をした人もいることであり、超低金利はしばらく継続される見通しであり、銀行に預けても利子は期待できません。
景気は改善傾向にあっても、家計の消費心理はなかなか解消されず企業は内部留保、個人のタンス預金は保留された状況です。
ただ、今年6月の投資信託は、「日興FW・日本債券ファンド」やFinTech(Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)関連など資金が大量に流入していることも現状です。


[2018.7.13]

変動型の選択、過去最高に
住宅金融支援機構が6月5日発表した「2017年度第2回民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローンを変動型金利で借り入れた割合が、平成29年度下半期(平成29年10月〜30年3月)の利用者で56.5%に拡大、過去最高になりました。
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日銀による異次元金融緩和政策によって、変動型金利は超低金利と固定型との差が拡大しているのが背景にあります。
日銀の金融緩和政策は、維持するとの見解を示していますが、変動型金利は半年毎に見直されるため、金利が上昇すれば将来、住宅ローンの支払いが増えるリスクもあります。

銀行各行で競合、変動型金利は0.6〜0.8%
変動型金利は、短期プライムレートを基準に住宅ローン金利に適用しており、短期プライムレートは銀行など金融機関が財務状況などにおいて優良で信用ある企業に融資する最優遇貸出金利で、1年以内の短期貸出金利を示しています。
変動金利は、各行の店頭表示では2.4%〜2.5%となっていますが、他行との競合、顧客獲得のために金利を引き下げる金利優遇を行なっており、実際には0.6%〜0.8%まで下がります。
一方、固定金利の代表とも言える「フラット35」では、10年前から低下傾向おにあり、現在は1.37%〜2.01%と10年前のほぼ半分にまで下がっています。

今が買い?超低金利に住宅ローン減税
家計において住宅ローン残高は増加しており、超低金利に加え住宅ローン減税の導入により、融資されやすい環境が整っているためです。
日銀の統計では、平成29年度末時点の住宅ローン残高は、202兆3,407億円と6年連続で過去最高を更新しています。
住宅金融支援機構によると、平成29年度下期に変動型でローンを組んだ人の割合は前年同期から9%増えており、銀行各行でも優遇金利引き下げ競争で金利は下落傾向にあります。

リーマンショックで住宅ローンのリスケジュールも可能に
平成20年、100年に1度と言われる世界的な金融危機「リーマン・ショック」が起き、翌年の12月に中小企業金融円滑化法が時限法として可決、成立され、銀行など金融機関へのリスケジュール(条件変更)が認められました。
これは、中小企業などの借入額の返済やリース料に適用され営ますが、住宅ローンも同様に対象となっています。
金融庁によると、住宅ローンのリスケジュール申請数は、平成22年度(平成22年4月〜23年3月)の11万793件をピークに年々減少傾向にありますが、平成29年度8平成29年4月〜30年3月)は2万9,416件と減少しているものの、申請があるのは現実です。
同法は3回の延長後も、金融庁の要請で金融機関が積極的に対応しているのが実情であり、「金利が安い」というだけで住宅ローンを組むにはリスクがあることも忘れてはならないでしょう。


[2018.7.11]

太陽光発電企業、昨年と同水準レベル
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帝国データバンクは7月4日、今年上半期(1月〜6月)に太陽光発電関連企業の倒産件数が44件と、過去最高となった平成29年の88件とほぼ同水準のペースとなっていることを発表しました。
太陽光発電関連企業の倒産件数は、平成18年以降、332件のうち「破産」が94.3%に上っています。
倒産企業を地域別にみると、「関東」が37.3%と最も多く、「中部」が18.1%と次ぎ、特に「中部」は今年に入り倒産件数が増加しています。
平成23年3月11日、東日本大震災による福島第1原発事故により、太陽光や風力エネルギーは注目されて来ましたが、ここに来てピークアウト感も出て来ています。

3事業からなる太陽光発電事業者、倒産理由は各々
太陽光発電事業は、余剰電力を売却する「売電事業者」や、発電設備を施工する「施工事業者」、管理やメンテナンスを行う「O&M(Operation & Maintenance)事業者」の3事業に大別されていますが、平成24年以降、倒産する事業者は増加しており、平成29年は過去最高の倒産件数を記録しました。
倒産理由としては、この3事業において各々異なる理由があります。

「特別一括償却制度」の廃止が倒産の要因
「売電事業者」の倒産は、平成27年3月31日に廃止された特別一括償却制度の影響が大きく、設備取得額の全額が即時償却することで税金が繰延できますが、あくまで税金免除でなく繰り延べする仕組みです。
この繰り延べ分の税金が近年、顕在化することで資金繰りが悪化し倒産する事業者が増加しました。
一方、「施工事業者」や「O&M事業者」の倒産は、異業種から多くの企業が「売電事業者」に参入し、その恩恵を受けようと「施工事業者」や「O&M事業者」も同時に増加。競争が激化し、予定通りの収益があられなくなり次々に倒産に追い込まれていきました。

現在は好調!この先、固定価格買取制度がなくなれば・・
ただ、固定価格買取制度が開始直後に「売電事業者」として参入した事業者は、現在でも独占するように収益を上げていますが、先行きは見通しがつかない状況です。
現在は、固定価格買取制度によって売電事業が活況となり、太陽光発電の設備投資も多く見られますが、この制度が終了してしまうと設備工事なども一気に減少するリスクも潜んでいます。
平成29年より、将来的なリスクを見越しM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)に踏み切る事業者も目立ち始めています。
今後の太陽光発電関連事業者のM&Aなどの動向が注目されます。


[2018.7.9]

銀座5丁目、中央通り過去最高額
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国税庁は7月2日、平成30年分の路線価を発表し、標準宅地の評価基準額の前年変動率は全国平均0.7%と3年連続上昇し、上昇幅も前年の0.4%から拡大しました。
都道府県庁所在都市の最高路線価のトップは、33年連続で東京・銀座5丁目の銀座中央通りで、1平方メートル当たり4,432万円と前年から9.9%上昇、過去最高額となりました。
都心近郊で100平方メートル超えの新築戸建てが購入できる額となりました。
路線価上位10都市ののうち7都市が2桁の上昇となりました。

路線価、土地取引の指標となる公示価格の約8割に設定
路線価は、道路に面する宅地1平方メートル当たりの評価額で、相続税や贈与税、地価税を算出する際の評価基準となります。
路線価は国税庁や国税局、税務署のウェブサイトに毎年公表されており、路線価は土地取引の指標となる国土交通省が公表する公示価格の約8割になっています。
一般に立地条件が良いとされる角地は、側方路線影響加算率を乗ずることで評価額は高くなり、間口が狭ければ間口狭小補正率を乗じて評価を低くするなどの調整が行われています。

神戸、三宮センター街、22.5%上昇
平成30年、最も上昇率が高かったのは、神戸市の三宮センター街で上昇率は前年の14.3%から22.5%に拡大。熊本市中央区の下通りでも前年の3.4%から22.0%に上昇しました。
都道府県庁所在都市の路線価では、上昇が33ケ所と前年の27ケ所から増え、下落は前年の3ケ所から1ケ所に減少しました。
横浜や名古屋、札幌、福岡など大都市を中心に上昇率は10%を超えた一方、下落率が5%を超えた都市はありませんでした。
これも東京オリンピック・パラリンピックや訪日外国人客急増のお陰かもしれません。

東京五輪後には地価下落?
地価上昇は、東京オリンピック・パラリンピック終了で下がるとの声も聞かれますが、あくまで東京周辺でのイベントであり、都心部は山手線の新駅新設や渋谷、虎ノ門の再開発もあり、上昇幅は縮小するかは予測できません。
しかも、日銀の異次元金融緩和策は維持したままであり、日銀の大量国債買いで超低金利が維持され、土地も購入しやすくなっています。
また、訪日外国人が都心の1億円超えのマンションや、北海道のスキーリゾート地、ニセコ地区では上昇率が88%と外国人による戸建て、マンション、コンドミアム買いが目立っています。
このことからも、地価の上昇はしばらく続くとの声も聞かれています。


[2018.7.6]

平均株価も連動して反落
日銀は7月2日、6月の短観(企業短期経済観測調査)を発表。
大企業・製造業の景況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、プラス21と前回の3月調査のプラス24から悪化し、市場予想のプラス22も小幅ながら下回ったことから、東京株式市場でも日経平均株価は反落して始まりました。
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管官房長官は、6月のに日銀短観について、引き続き高い水準を維持していることに変わらないとしています。
安倍政権でも、「緩やかな回復」との景気判断を示しており、景況感悪化は、原材料価格の上昇、人手不足による人件費の上昇の影響との見方を示しています。

2期連続の悪化は5年半ぶり
景況判断DIは、景気が「良い」と答えた企業から「悪い」を差し引いた数値で、大企業・製造業が2期連続で悪化したのは、平成24年12月以来5年半ぶりとなります。
世界経済は、回復傾向にあり、企業の景況感はこう水準を維持していますが、米国トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」と保護主義的な政策や、中国、欧州との貿易戦争と日本の経済にも不安材料となっています。
日銀の6月の金融政策決定会合においても、米国の貿易政策が世界経済に与える影響を注視しています。次は何を言い出すのか予測不能です。

米国の代名詞「ハーレー社」高関税で米国外に拠点移行
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世界的に有名な老舗高級バイクメーカー、米国ハーレーダビッドソンは6月25日、EU(European Union:欧州連合)による高い関税を避けるため、EU向けの生産を米国外に移すことを表明。
EUの高関税は、米トランプ大統領の鉄鋼・アルミ高関税への仕返しであり、ハーレーは「EU・ファースト」を選択しました。
「アメリカ・ファースト」で米国内雇用の維持を掲げた保護主義政策でしたが、結果は生産を海外に奪われる結果となりました。
EUへの米国製バイクの関税は、これまで6%でしたが、一気に31%に上がったことで1台あたり約2,200ドル(約24万円)コスト増になるといいます。

トランプ大統領、ハーレー社に脅し「他国で作るな!」
ハーレーは、EUで平成29年に約4万台の新車を販売し、米国に次ぐ重要市場と捉えています。
同社では、米国外での生産は本意ではないものの、EU市場でビジネスを続けるには唯一の選択肢と理解を求めました。
この発表に、やはりトランプ大統領は「ハーレーが最初に白旗を揚げるとは驚きだ!」と不満をぶちまけ、6月26日には、収まらずに「決して他国で作ってはならない!」とハーレーを脅すまでに至っています。
これは、日本の自動車産業にも関わる問題でもあり、7月2日には、米国への自動車輸入関税も25%追加を検討していることが判明。
度が過ぎれば、米国製航空機やリーバイスなどジーンズ、バーボンウィスキーなど、米国内から逃げ出し、雇用も悪化するような状況に、トランプ大統領のさらなる爆弾発言が注視されます。


[2018.7.4]

一部業種で一服案も、ゆるたかに改善
経済産業省中小企業庁は6月27日、今年4月〜6月の「中小企業景況調査」の結果を公表。中小企業の業況は、一部業種で一服感がみられるものの、基調として緩やかに改善していると分析しました。
今年4月〜6月の全産業の業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、マイナス14.0と3期ぶりに低下しましたが、製造業ではマイナス8.5と前期から1.6ポイント増加し、2期ぶりに上昇しました。
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業種別にみると、鉄鋼・非鉄金属やパルプ・紙・紙加工品、窯業・土石製品、家具・装備品、機械器具、輸送用機械器具、印刷、木材・木製品の8業種で上昇。
一方、化学、電気・情報通信機 械器具・電子部品、金属製品、その他の製造業、食料品、繊維工業の6業種が低下しました。

非清掃業、サービス?建設業は上昇、小売業は低下
非製造業の業況判断DIは、マイナス15.9と2期ぶりに低下し、産業別では卸売業やサービス業、建設業で上昇しており、小売業は低下しました。
小売業では、仕入れ価格の上昇を販売価格に反映させるには時間がかかるとしており、利益が取りづらい状況でもあり、価格の高騰が販売数量に影響が出ているとしています。
また、製造業では、業績的には好転しているものの、原材料価格の上昇や不足に、運搬車両の運転手不足で運送費が高騰しているとしています。

原材料の上昇、人手不足が課題
6月の日銀の短観(企業短期経済観測調査)では、大企業製造業で2四半期連続で景況感悪化が予測されており、原材料価格の上昇などによる悪影響が、円高是正の好影響を上回り、景況感が押し下げられるとみています。
一方、大企業非製造業では、個人消費心理の改善や訪日外国人客ニーズを追い風に、景況感の改善が期待されますが、やはり原材料の上昇や、影響が大きい人手不足による人件費の上昇で改善幅は限られそうです。
大企業、中小企業ともに基本的な強弱材料は、ほぼ同様ですが、非製造業での人手不足感は強いだけに景況感は弱まるとみられます。

外国人労働者128万人、うち4割は低賃金の単純労働
安倍政権は、これまで専門知識のある外国人労働者を受け入れてきましたが、現状は外国人労働者128万人の4割を留学生のアルバイトなど低賃金の単純労働に就いているのが実情です。
安倍政権は、深刻な人手不足解消に外国人労働者の拡大のため在留資格を設ける政策に転換しました。
新資格を盛り込んだ入管難民法改正案を臨時国会に提出し、2025年頃までに約50万人の外国人労働者の受け入れを見込んでいます。
人口が減少する日本は、移民を含め、外国人労働者をどう受け入れ共生していくか中長期的な議論が必要になっています。


[2018.7.2]

金融機関に変わり債権を回収するサービサー
日本には「金融サービサー」というビジネスが存在しますが、これは、銀行など金融機関から企業や個人が融資を受け、返済できなくなった時に金融機関に変わり不良債権を回収するビジネスです。
日本はバブル崩壊によって大量に発生した不良債権のために、平成10年に議員立法で成立されたビジネスで、取り扱える債権は銀行からの融資である金融資産に限定されていました。
それが、国会が7月22日までに延長されたことで、サービサーの取扱う範囲を金融以外にも拡大するという「サービサー法改正案」が提出されることが報道で明らかになりました。

銀行の債権を二束三文で買取、「借金証文」額面通り請求
「サービサー」のビジネスは、一見サービスが得られると勘違いしやすいですが、実態は「債権の取り立て」が業務内容となっており、銀行から「借金証文」を二束三文で買取り、額面通りの額の返済を迫るビジネスです。
二束三文で買取ながらも、額面に近い額を回収すればそれが「サービサー」の利益となり、トラブルは絶えません。
「サービサー法改正案」が成立すれば、過酷な取り立てにさらされる被害者が増えるとの声が上がっています。
バブル期に大量に発生した不良債権は、銀行が貸し出しを争い、不動産斡旋、相続対策として儲け話を持ちかける「提案型融資」は少なくありませんでした。
その責任を「サービサー」に押し付け、銀行は厳しい取り立てができないため、不良債権を「サービサー」に二束三文で転売した経緯があります。

自己破産、自宅競売を迫る場合も
不良債権を買い取った「サービサー」は、債務者への配慮は皆無であり1万円の「借金証文」でも額面が1億円であれば1億円の返済を迫ります。
中には、自己破産や自宅競売をも進め、銀行ではできない冷酷な取り立てが行われ、額面に近い債権を回収し潤沢な利益を得ていました。
本来、銀行の融資は、取引先との信頼関係において、経営者や事業内容・計画、人格、手腕を総合判断し担保を確認し融資するのが業務ですが、バブル期には「土地神話」もあり、原則破りの不動産融資も行われ、「貸し手責任」は問われませんでした。

サービサー、これまで48兆円を回収
法務省によると、平成28年12月末までに「サービサー」が回収した額は48兆1,979億円で、債権の額面は410兆9,000億円。
二束三文で債権を買取り48兆円を回収できるなら丸儲けとなります。
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今年1月23日の全国サービサー協会の交歓会では、同協会では法改正を願い、上川法務大臣ほか与野党17人の国会議員が鏡割りを行いました。
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現在、中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)で融資債権や住宅ローン、リース費用は、法終了後も金融庁によって対応は維持されていますが、今後、電気やガス代などの公共料金や携帯電話代、奨学金など「サービサー」の業務拡大で新たな問題が起きるのは予測できます。


[2018.6.29]

現有価格の高騰が幅広い品目の値上げへ
総務省が6月22日に発表した5月の全国消費者物価指数(平成27年=100)は、生鮮食料品を除くコアCPIConsumer Price Index:消費者物価指数)は101.0となり前年同月から0.7%上昇しました。上昇は17ケ月連続となっています。
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上昇幅は4月の0.7%と同様ですが、幅広い品目に影響を与える原油価格の上昇が引き続き影響しており、ガソリンは10.5%、電気代は3.3%値上がり。業務用のビールも値上げされ、外食費は0.9%値上げりしています。
業務用ビールを扱う居酒屋やファミリーレストランでは、東京都の受動喫煙防止条例案もあり、全面禁煙に追い詰められており、「店を潰す」勢いを感じます。

7月以降、原油価格は落ち着く・・・?
原油価格は、今年4月以降、米英仏のシリアへの攻撃、米国のイラン核合意離脱と経済制裁再開などのリスクで急騰しましたが、OPEC(Organization of the Petroleum Exporting Countries:石油輸出国機構)とロシア中心の非加盟産油国は6月23日、7月からの増産を合意したことで、今後は下落傾向になるとみられます。
日銀の黒田総裁は6月15日、金融政策決定会合後の会見で「賃金上昇を価格に転嫁させる動きが出ており、2%に向けた勢いは維持されている」と相変わらずの発言です。
中小企業にとっては、賃金上昇はほんのわずかで、社会保障費や税金の上昇で、実質手取り額は減っている人が多いことを理解するべきでしょう。

賃金や公共料金改定に影響ある消費者物価指数
消費者物価指数は、「経済の体温計」とも呼ばれ、国民の生活水準を示す重要な指標で、日銀の金融政策の他にも、企業の従業員賃金や公共料金改定にも参考とされています。
海外では、金融政策の正常化の動きが見られ始め、出口が見えない日本の金融緩和策との距離は広がるばかりです。
FRB(The Federal Reserve Board:米連邦準備制度理事会)は今年2度目の利上げを決定し、ECB(European Central Bank:欧州中央銀行)も資産購入を年内で終了することを発表しています。
これに対し日銀は、約500兆円の国債や上場投資信託、不動産投資信託の資産を保有したままで、金融緩和の出口戦略を求める声も多く聞かれます。

総務省「今後も電気・ガス代は値上げの見込み」?
総務省では今後の見通しについて「燃料代の上昇で電気・ガス代は値上がりする見込みで物価の上昇要因になる」と発言しています。
法人企業統計の企業の利益剰余金規模は平成29年1〜3月期に390兆円から30年同期には426兆円に膨らんでいます。
これでも大企業の賃金は平成28年より下回り3%にも届かず、経営陣はリーマン・ショックの「危機」が脳裏から消えていないと理解できます。
日本のAI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)活用が世界から遅れているのは、これからのビジネスを取り込む「意欲」も欠けているとしか思えません。


[2018.6.27]

貸倒引当金13%増加、約1,400億円
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銀行カードローンの返済を保証するノンバンク大手3社の貸倒関連費用は、平成29年度(平成29年4月〜30年3月)に約1,400億円と前年度から13%増加、6年ぶりの高水準になったことが判明しました。
銀行カードローンなど無担保貸し倒れがメガバンクの新たな火種になりつつあります。
貸倒関連費用は、貸出金や売掛金、未収入金など、借り手の経営悪化や収入減少などによって回収不能となった損失金で、あらかじめ貸倒引当金として損失計上することができます。
低金利が持続される中で、高い金利で融資する銀行カードローンは、メガバンクの業績を下支えしてきましたが、一転して重荷となりつつあります。

「銀行」という安心感から借り過ぎに
弊社提携の弁護事務所でも、クレジットカードの返済のために銀行カードローンに頼ったものの、「銀行」という安心感から借り過ぎ、返済額は月収の7割に。
裁判所に申請し、返済額を減らす「個人民事再生」を検討しているといい、この手の相談が増加しているといいます。
改正貸金業法の完全施行で、消費者金融からは総量規制によって年収の3分の1までしか借り入れできず、困惑者は銀行カードローンに走りました。
結果、消費者金融は過払金の支払いもあり店舗数は急減し、変わって銀行カードローンの貸し出し額が急増。過剰な融資と現在、金融庁では金融機関へ検査に入っています。

返済不能、弁済するのは傘下の消費者金融
銀行カードローンは、金利2〜13%で利用者に貸し出し、銀行は保証会社に手数料を支払い返済を保証してもらっており、利用者が返済できない時には、代わりに保証会社が弁済する仕組みになっています。
メガバンクは、保証業務を手がけるノンバンクを傘下に抱えており、三菱UFJフィナンシャル・グループはアコム、三井住友フィナンシャル・グループはSMBCコンシューマーファイナンス(旧プロミス)が保証会社となり、みずほ銀行は、オリエントコーポレーションに49%出資し、持ち分法適用会社にしています。
メガバンクの与信費用は、景気回復傾向にもあり低水準で推移していますが、ノンバンク3社の貸倒関連費用の伸び率は高まり、同じグループだけでなく、地銀などのカードローンの保証した分が焦げ付いているのも要因です。

銀行カードローン残高、6兆円、8年で8割増加
日銀のマイナス金利政策が持続される中、低金利で利ざやが縮む銀行にとっては、銀行カードローンは収益が期待できる一つであり、銀行全体で残高は5.6兆円と、8年で約8割貸し出しが増加しました。
平成29年3月には、全国銀行協会が銀行カードローンの過剰融資の指摘に自粛策を公表し、伸びは一時の勢いから一服したものの、今年4月時点で、全国銀行協会加盟116行の貸出残高は前年同月から減るどころか2.3%増加しているのが現状です。
メガバンクは、平成18年以降、傘下の消費者金融の過払い金請求で大幅に引当金の積み増しを迫られましたが、銀行カードローンはそれに続くリスクとなってきています。


[2018.6.25]

貿易赤字、高騰した原油・航空機・医薬品輸入が拡大
財務省が6月18日公表した5月の貿易統計速報によると、貿易収支は5,783億円の赤字となりました。
自動車関連や液晶製造装置など輸出は伸びた一方、価格が上昇中の原油や航空機の輸入も拡大しており、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3ケ月ぶりに赤字となりました。
輸入額は、前年同月から14.0%増加し6兆9,016億円と2ケ月連続で増加しており、5月単月としては過去最高となりました。
UAE(United Arab Emirates:アラブ首長国連邦)から高騰した原油や、欧州からの航空機、医薬品などが輸入拡大の要因となりました。
輸入額を国・地域別で見ると、米国、EU(European Union:欧州連合)、アジア、中国がそれぞれ5月として最高額を記録しました。

自動車部品、半導体製造装置の輸出は堅調
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一方、輸出額は前年同月から8.1%増加しており6兆3,233億円と18ケ月連続で増加しており、自動車関連や液晶製造装置、半導体製造装置・集積回路などが牽引役となりました。
貿易収支では赤字となっていますが、輸出に関しては堅調を維持しており、輸出額は事前の市場予想7.5%増を上回る結果となりました。
主要な輸出先である米国や中国など堅調だったことに加え、中東向けの輸出額が3年2ケ月ぶりに伸びとなるなど復調しました。特に中東向けの自動車の輸出は、前年同月から34.0%増と、大幅に伸ばしました。中東の原油価格の高騰で購買意欲も持ち直しつつあります。

輸出拡大、やはり信頼ある「Made in JAPAN」
主要な輸出先も堅調であり、米国向けは自動車部品や電池などが伸びており、前年同月比5.8%増と16ケ月連続で増加しており、トランプ大統領がケチをつけるのもわかるほど好調です。米国民は「Made in JAPAN」を求めていることの証です。
中国向けも同13.9%増加しており、半導体製造装置や半導体などの電子部品などスマートフォンの販売不振で一時伸びは鈍化したものの、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)の広がりによって半導体ニーズがスマートフォン以外で拡大しています。
各国・地域向けに幅広い品目で輸出は伸びており、当面は輸出は堅調に推移する見方が広がっています。

米トランプ大統領「アメリカ・ファースト」だ
ただ、懸念材料は、米トランプ大統領の気まぐれ政策であり、指摘されるとコロコロと考えを反転させる発言です。
6月15日には、中国の知的財産権侵害への制裁措置として、さらなる追加関税を課すと発表するなど、日本にとっても大影響を受けることにもなります。
日本においても同様で、鉄鋼やアルミにとどまらず、自動車にまで関税引き上げを訴えてきており、「アメリカ・ファースト」のためなら自分の思う通りにする強引さも曝け出しています。
仮に、中国から米国への輸出が減れば、輸出製品を作る中国工場の設備投資が縮小しかねず、製造装置やロボットなどを中国に輸出する日本も大きなダメージとなります。この先のトランプ大統領の経済政策が注視されます。


[2018.6.22]

トヨタ、ワン・ツー・フィニッシュ
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6月17日22時、フランスのル・マン「サルテサーキット」で行われた「2018・ル・マン24時間レース」がゴールを迎え、1位、2位をトヨタが独占。初の「ル・マン」初優勝を成し遂げました。
日本車が「ル・マン』を征したのは平成3年のマツダ以来、27年ぶりの快挙で、3人で交代しながら走行するドライバーには両車ともに日本人ドライバー、中嶋一貴氏、小林可夢偉氏がハンドルを握りました。
同行したトヨタ自動車のトヨタ社長は、チーム全員に対し喜びを語りました。

過去20回参戦、近くて遠かった表彰台の真ん中
「ル・マン24時間レース」は、24時間、サーキットを周回数を争う耐久レースで、世界耐久選手権の一戦でもあり、24時間走り続けることでドライバー3人が交代で臨むレースです。
車の耐久性もドライバーの精神力も問われる過酷なレースであり、トヨタはこれまで20回挑戦したもののトップを取ることはできませんでした。
平成6年にはトップを快走しながらもシフトのトラブルで2位に。平成14年は、トップに迫る追い上げ途中にタイヤのバーストで2位。平成28年はゴール5分前までトップを走りながらもダクトのトラブルでリタイヤと、表彰台の真ん中は近くて遠い存在でした。

FIではホンダが16船中15勝
そのトヨタがようやく悲願であった「ル・マン24時間レース」で世界を制覇。しかもワン・ツー・フィニッシュと独占し世界に「トヨタ」を見せつけました。
これまで、自動車レースといえば世界最高峰の「F1」が人気で、昭和63年にはホンダのエンジンを積んだ英国マクラーレンが16戦中15勝と圧倒的な強さを見せつけ、ドライバーだったブラジルの今は亡きアイルトン・セナ氏とともに人気が急上昇。「ホンダ」、「セナ」の名を世界中に知らしめました。
久しぶりの日本車の世界制覇に、日本よりも海外メディアの方が大きく取り扱っていました。

抜群のタイミング!「ル・マン」仕様のスポーツカーを市販
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トヨタ自動車は、今回の「ル・マン」に自信があったのか、優勝ゴール前日の6月16日、「ル・マン」に参戦しているレース専用車をベースにしたスーパーカーを開発し、市販することを発表しました。
これまで、市販はしないと伝えていましたが、レース車を生かした試作車「GRスーパースポーツコンセプト」を改良する方針です。
トヨタ自動車は、「レース車から市販のスポーツカーを造るのは、トヨタにとって全く新しい挑戦」とコメントを発表しました。
EV(Electric Vehicle:電気自動車)やFCV(Fuel Cell Vehicle:燃料電池自動車)など自動車業界は100年に一度の転換期。トヨタのスーパーカーの動向が注目されます。


[2018.6.20]

「固定型金利」は減少
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住宅金融支援機構は6月7日、平成29年度下半期(平成28年10月〜30年3月)の「民間住宅ローン利用者の実態調査」を発表。
フラット35を含む住宅ローンを借り入れた人を対象に、利用した金利タイプや住宅ローン選びに関する事項について取りまとめました。
金利タイプでは、「変動型金利」が前回調査の50.4%から56.5%と増加、「全期間固定型金利」が同12.6%から13.3%と微増、「固定型金利」は同36.9%から30.1%に減少しました。
日銀のマイナス金利政策、金融緩和は変えない方針から、低金利は当面持続されると考え「変動型金利」が6.1%増加したことがわかりました。増加は2半期連続です。

この先の住宅ローン金利は「変わらない」が増加
利用した住宅ローンを選んだ決め手は「金利が安いこと」が前回調査の68.0%から69.7%に増加。今後1年間の住宅ローンの金利の見通しでは、全体で「ほとんど変わらない」が同57.6%から59.0%に増加しました。
住宅ローンを利用した世帯年収を見ると、金利タイプに関係なく401万〜600万円が最も多く、次いで601万〜800万円、801万〜1,000万円以下と続きました。
厚生労働省の平成28年の一般労働者の平均賃金は男性で335万円、女性が244万となっていることから、共働き世帯で購入することがわかります。

待機児童問題解消しないなら「ペアローン」?
安倍政権が掲げる「女性の活躍」にあるように、夫婦共働きが増え、夫婦それぞれの収入で住宅ローンを組む「ペアローン」というものが増えています。
「ペアローン」は、夫婦それぞれの名義での契約するため、住宅ローン控除を二人で受けられるメリットがある一方、住宅ローンを2本組むため時間も事務手数料も2倍となり、団体信用生命保険は、その住宅ローンのみしか対象にならないデメリットもあります。
仮に「ペアローン」で住宅を取得しても夫婦各々ローンを契約し、支払っていくため、夫の収入が急増しない限り少子化対策の真逆となる結果にも。
一般的なサラリーマンであれば、契約は1本にまとめ、数年後に子が出来、育休、数年後に職場復帰するパターンが無難と言えます。そのためにも待機児童問題は、日本の人口減少に大きく影響が出ると考えられます。

金利上がったら?「理解してない」「不安」が4〜5割
住宅金融支援機構の平成29年度下半期の調査では、「金利が安いこと」で住宅ローンを利用した人が多くなりましたが、住宅ローンは20年、35年と長期返済が続きます。
低金利がいつまで続くのか、金利が1%上がったらどうなるかを常に念頭に持つ必要があります。
調査では、金利リスクへの理解度として、「理解しているか不安」や「よく理解していない」との回答は4割〜5割に達するので、住宅購入の際には、現状、今後の見通し、勤務先状況、金利動向などあらゆるリスクを考慮する必要があります。


[2018.6.18]

多重債務者、116万から8万人へ
複数の債務を抱える多重債務者が改正貸金業法の成立以降、過去最少数となったことが6月8日、金融庁などのまとめで判明。多重債務者問題に取り組む関係省庁による懇談会で報告されました。
金融庁がまとめた統計によると、消費者金融などから5件以上借り入れのある多重債務者は、今年3月末時点で8万6,000人と、前年度から1,000人減少。平成18年度の116万9,000人から7.3%まで縮小し、改正貸金業法の効果が出たと言えます。

銀行カードローン債務者は、統計に入らず
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懇談会で、日本弁護士会連合会は、改正貸金業法によって自己破産申立件数は減少傾向にありましたが、平成28年に増加に転じたと報告。銀行カードローン残高の増加と関連性を指摘し、銀行カードローン債務者数を統計に反映するよう求めました。
消費者金融は、改正貸金業法によって借入額が年収の3分の1までと規制がかかり、これまでのように過剰に借り入れることができなくなりました。
一方、銀行カードローンは、改正貸金業法に適用されず当初より100万、300万と規制はなく借り入れることが可能でした。消費者金融利用者は減少、銀行カードローンが増加となれば意味はありません。

減少どころか増加へ、銀行カードローン残高
全国銀行協会が6月12日発表した加盟116行の今年4月末のカードローン残高は4兆4,118億円と前年同月比から2.3%増加しました。
同協会では昨年4月より公表を始めましたが、前年比の増減率を公表するのは初めてで、ここ数年、銀行カードローンの過剰融資が社会問題化しつつ、厳しい審査や、過剰な広告を控えていたはずですが、現実には増加しており、さらなる対策が必要です。
3メガバンクや一部の地銀では年収に応じて融資額を規制していますが、あくまで自主ルールで貸金業法などの法はありません。

地銀協会、日銀金融政策を批判
特に地銀や第二地銀などでは、日銀マイナス金利政策により低金利による利ざやが縮小。さらに人口減少など将来的な資金ニーズの減少と課題を抱えます。
全国地方銀行協会は5月16日、会見で「慢性ストレス」との表現を使い日銀の金融政策を批判し、地銀の苦境を訴えました。
地銀にとって、低金利の中、利益を出すのは容易でなく、利幅の大きいカードローンなどの各行揃って参入したものの、過剰融資が社会問題化し縮小するしかないのが実態。金融庁は昨年秋以降、経営課題のある地銀に立ち入り調査をしているものの、抜本的な対策がいのが現状です。


[2018.6.15]

複数の異なる分野の中小を連携し、新事業の活動へ
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経済産業省は6月8日、「中小企業等経営強化法」の規定に基つぎ、申請された「異分野連携新事業分野開拓計画(新連携事業計画)について、全国で27件、(北海道経済産業局1件、東北経済産業局1件、関東経済産業局6件、中部経済産業局5件、近畿経済産業局5件、九州経済産業局8件)認定を行いました。
これは、複数の異なる分野の中小企業が連携し、商品化やマーケティングなど経営資源を組み合わせて新事業活動を行うことで。新市場の創出や製品・サービスの高付加価値化を目指す取り組みを支援することを目的にしています。

対象は大企業を除く中小企業や小規模事業者、大学や公設試など
経済産業省は「中小企業等経営強化法」の規定に基づき、経済産業局長など認定によって政府系金融機関・日本政策金融公庫による低利融資や「中小企業等経営強化法」の特例や特許料などの支援を受けることが可能になります。
「連携事業計画」の認定を受けた企業は、連携参加企業のうち、大企業を除く中小企業や小規模事業者、大学や公設試などに限定されています。
同省では、中小企業全国約385万社の8割を占めるサービス事業者が生産性の向上に取り組む際の参考となるよう10項目の手法と取り組み事例を示した「ガイドライン」を策定しています。

付加価値を向上し革新ビジネスの創出、効率の向上
「ガイドライン」では、生産性の向上を「付加価値向上、革新ビジネス」の創出と、「効率の向上」の2つに分けられ、「付加価値向上、革新ビジネス」を実現する手法として8項目。
「効率の向上」を実現する手法とし2項目を提示、幅広い業種の参考となるよう、具体的な取り組み15業種、57の事例が停止されています。
サービス産業では、日本のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)の7割、就業者数の7割を占めるなど、日本経済全体に大きく影響をを与える存在でもあります。

AIやIoTを活用する企業へ対象経費の2/3、一般企業で1/2まで補助
AI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)など、先端技術を活用する場合には、対象経費の3分の2以内で上限額は3,000万円融資されます。
一般企業では、対象経費の2分の1、上限枠は3,000万円になっています。
認定された企業には、AIやIoTなどを活用し訪日外国人客向けに宿泊施設多化スマート事業や、AIで降雨による土砂災害アラート情報サービスを提供するなど、第4次産業に向け、AIやIoTなど変化の時代で、データを活用することが生き残るために重要となってきます。


[2018.6.13]

小型ビジネスジェット機部門で世界一に
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自動車メーカー・ホンダは、昭和61年から極秘でジェットエンジンの開発に着手し、幾度の研究・開発から小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」を開発。
平成29年には、納入機数が43機に上り、米セスナ「サイステーションM2」を抜き小型ビジネスジェット機部門で初の世界首位となりました。
この「ホンダジェット」が欧米や東南アジアに続き、いよいよ日本で6月6日から受注を開始。
ホンダ創業者の本田宗一郎氏の航空業界への夢が日本で現実となります。

日本での販売、大手商社の丸紅と新会社設立
日本での「ホンダジェット」の販売やサポートは、大手商社の丸紅子会社の丸紅エアロスペースが「ホンダジェット・ジャパン」を設立してホンダに変わって代行します。機体の日本への納入時期は平成31年前半を目指しています。
最も興味となる機体価格は、平成30年度現在、525万ドル(約5億8,000)万円で、日本国内の空港84ケ所で利用可能です。
航続距離も長いため、日本全国他、東京からではソウルや北京、台北などアジアの主要都市までノンストップで飛行可能です。

さらに、最新技術と装備が加わった新型「ホンダジェット・エリート」
日本で販売されるのは最新の「ホンダジェット・エリート」で、独自開発技術は従来からのものを引き継いだ上、さらに最新技術と装備が加えられ、航続距離も約17%延び、エンジンノイズ低減によって機体内の静粛性をさらに向上させました。
さらに、離着離時や飛行時の安定性や安全性の機能を強化し、燃費効率も同等サイズのビジネスジェット機より優れ、温室効果ガラス排出量も低減しました。
「ホンダジェット・エリート」は、クラス最高水準の最高速度や最大運用高度、上昇性能、燃費性能、静粛性、航続距離を実現しました。

「ANAビジネスジェット」がチャーターサービスを開始予定
ANA(全日空)と大手商社の双日は、今年3月に、今夏には「ANAビジネスジェット」を設立し、「ホンダジェット・エリート」を活用したチャーターサービスを展開し、平成31年にはハワイに拡大することを発表ました。
東京・羽田空港でもビジネスジェット枠が1日8枠から16枠に増えており、チャーター便としても魅力ある移動手段となりそうです。
日本は、欧米や中東の富裕層と異なり、ビジネスジェットを利用する機会が少ないのも現実で、「ホンダジェット」が起爆剤になるのかが注目されます。


[2018.6.11]

「持家」「貸家」は減少、「分譲住宅」が牽引
国土交通省が5月31日に発表した今年4月の住宅着工戸数は、8万4,225戸と前年同月から0.3%増加しました。季節調整済の年率換算値は、99万2,000戸となりました。
住宅着工戸数は前年同月比で10ケ月ぶりに増加に転換、「持家」と「貸家」が減少したものの「分譲住宅」が増加し全体を牽引しました。
同省では、4月の動向を見据え、住宅着工は当面、弱含みで推移すると分析しています。
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低金利状態が続く住宅ローンも・・
「持家」は、前年同月比1.9%減で3ケ月連続減少しており、2万3,289戸で、日銀のマイナス金利政策が続き住宅ローンは低金利状態が続くものの、住宅購入を急がない傾向が続いています。
「貸家」も同2.1%減少しており、3万5,447戸と11ケ月連続で減少しており、個人向けアパート・マンションへの投資が落ち着き、銀行など金融機関からの融資も減少しています。
一方、「分譲住宅」は、同5.0%増加し2万4,904戸と、国土交通省では各社の着工のタイミングが一致したと言い、増加は一過性である可能性が高いと見ています。

「分譲住宅」首都圏、近畿圏は減少、中部圏、地方圏が増加
「分譲住宅」は、建売や分譲を目的に建築される一戸建てや分譲マンションなどで、平成29年全国における分譲マンションの着工戸数は前年から0.2%増加。
圏域別で見ると、首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)は前年から0.02%減少、近畿圏(大阪・京都・兵庫・滋賀・奈良・和歌山)も同12.5%と大きく減少しました。
一方、中部圏(愛知・静岡・岐阜・三重)は同11.1%と増加し、三大都市圏以外の地方圏も同14.0%と大きく増加しました。

経済は急雨効果は2倍
新築の住宅着工による、経済波及効果は高く、これまでも景気対策として税制優遇などを行ってきました。
経済産業省によると、住宅着工による、経済波及効果は約2倍としており、これほどまで高い波及効果を生み出す産業はなく、景気対策など政策に使われた経緯があります。
ただ、日本はこの先、人口が減少していくことがわかっていますので、少子化対策を本気でやるか、移民受け入れしか、住宅着工の意味がなくなり、抑制も必要となってくると考えられます。


[2018.6.8]

上昇地区の割合91%、緩やかな上昇
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国土交通省は6月1日、主要都市の高度利用地などを対象に地価の動向を調査した平成30年第1四半期(1月〜3月)の「地価LOOKレポート」を発表。
全体として、主要都市の地価は、緩やかな上昇傾向が継続しており、上昇地区の割合は91%に上りました。同省の調査開始以来9割を超えるのは初となりました。
大半の地区で上昇は緩やかですが、東京圏、大阪圏は住宅地を中心に上昇幅が拡大。地方圏では広島市が上昇の拡大が見られる一方、仙台市では上昇幅が縮小しました。

三大都市圏中心にオフィスや再開発事業、繁華街に活況
上昇の主な要因としては、三大都市圏を中心にオフィス市場の好調や、再開発事業の進捗による繁華街などの向上が挙げられました。
また、訪日外国人客による宿泊・消費ニーズや利便性の高い地域でのマンションニーズの高さが指摘されました。これらを要因とし、オフィスや店舗、宿泊施設、マンションなどに対する投資は、引き続き堅調となっています。
3%〜6%と比較的高い上昇した地区では、札幌市の駅前通りや東京都渋谷、表参道、名古屋の名駅駅前、伏見、心斎橋、なんば、三宮駅前、広島市の紙屋町、博多駅周辺などが挙がっています。

大阪圏、初の全地区で上昇!名古屋圏は連続で全地区上昇
「地価LOOKレポート」は、国土交通省が主要都市の高度利用地などを対象に四半期毎に地価動向を調査し、先行的な地価動向を明らかにするものです。
対象地域は全国100地区で、東京圏43地区、大阪圏25地区、名古屋圏9地区、地方圏23地区となっています。
上昇した三大都市圏見ると、東京圏が38地区、大阪圏は平成19年の調査開始以来全ての地区で上昇、名古屋圏でも平成25年から連続して全ての地区で上昇となりました。
地方圏でも21地区が上昇となっています。

不動産価格は不透明
「地価LOOKレポート」の他に国が公表する土地価格の代表的なものに「公示価格」や「基準地価」があり、ともに年1回公表されています。
不動産は株式のようにリアルタイムで見ることができず、不動産取引などで物件価格そのものが不透明性であり、一つ一つの土地や建物の価格をどのように把握するのかは難しいものです。
最近では不動産会社と消費者の「情報格差」を指摘する声も多く聞かれ、周辺で売買事例がないエリアでは不動産会社自身が情報不足ともなります。不動産売買に関わる場合には、消費者自身でも指標や動向、相場価格なども把握する必要があります。


[2018.6.6]

分譲マンション購入者の世帯年収は平均798万円
国土交通省は5月30日、平成29年度(平成29年4月〜30年3月)の「住宅市場市場動向調査」の結果を発表。
この調査は、住み替えや建て替え前後の住宅や、住居する世帯状況、住宅取得に関する資金調達の状況などについて把握することを目的にしたものです。
調査結果では、住宅の種類別の世帯年収で分譲マンションが平均798万円で最も高く、注文住宅(三大都市圏)で平均734万円と続きました。

住宅価格、注文新築住宅で平均4,472万円
購入資金では、土地を購入した注文新築住宅(三大都市圏)で平均4,472万円、注文住宅の建て替えで平均3,128万円、分譲マンションは平均4,192万円と、注文住宅の購入資金は、平均世帯年収の約6倍となりました。
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また、世帯当たりの平均住居人数では、注文住宅や分譲戸建て住宅、中古戸建て住宅で4人、分譲マンションでは3人、中古マンションと、リフォーム住宅では2人、賃貸住宅では1人と、各々最も多く、少子高齢化、核家族化の現象が浮き彫りになる結果となりました。

高齢者住宅は5割超え
高齢者の世帯では、リフォーム住宅において50.6%と半数を占め、次いで注文住宅が24.3%となり、高齢者のみの世帯の割合は分譲マンション、中古マンションでも高く5割を超えました。
リフォームの動機では、住宅が痛み、汚れたとし46.5%で最も多く、家を長持ちさせたいとの理由が29.8%、キッチンや浴室、給湯器などの設備の交換が27.3%でした。
家を長持ちするためリフォームする移住者は前年度に比べ多少減少したものの、直近の5年では増加傾向にあります。

公示価格、3年連続上昇
2020年の東京オリンピック・パラリンピックを控え、平成30年5月末時点、土地の取引の指標とされる「公示地価」は3年連続上昇傾向です。
これは、近年急増する訪日外国人により、人気観光地で高い上昇率を記録しており、住宅ニーズも底堅く、日銀のマイナス金利政策もあり、高い利回りを求める投資マネーも流入してきました。
これからの日本、住居など空き家問題が指摘される中、住居が借りられない高齢者などがいるのも現状で、少子高齢化、人口減少問題とともに具体的な施策が必要になっています。


[2018.6.4]

生産性向上にAI、IT、ロボット化の導入
経済産業相は5月29日、「平成29年度ものづくり基盤技術の振興施策(ものづくり白書)」を発表。「ものづくり大国」と言われた日本で、人手不足や海外との競争激化から製造業の生産性向上が課題となっていますが、鍵となるデジタル人材が77.4%と8割弱が不足していると結論づけました。
AI(Artificial Intelligence:人工知能)やIT(Information Technology:情報技術)化、ロボット化の導入に課題を抱える企業も3割強あり、経営陣が主導して全体的なゼジタル化に取り組むべきと分析しました。

人手不足で事業に影響、3割超え
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ものづくり白書では、アベノミクスなどを背景に、企業の業績が増収傾向にある一方、製造工場をアジア中心に移した企業では人件費の高騰で、工場を国内に戻す動きが見られます。
ただ、工場を戻すことで人材不足はより深刻になり、事業に影響がt出ているとの企業は32.1%と前年度から9.3%増加しました。
経済産業省では、この「人材不足に加え、質的な変化に対応できていない恐れ」の他にも「これまでの強みが変革の足かせになる恐れ」、「デジタル化での変革を経営者が認識していない恐れ」、「変革が必要なことを認識していない恐れ」を指摘しています。

職人の技術やノウハウ、知識をデータ化
AIやITを使いこなせる人材について、業務上必要とする企業は61.1%とする一方、量・質ともに充足できていないとする企業は77.4%に上りました。
ものづくり白書では、デジタル人材を育成して職人の技術やノウハウ、知識をデータ化し、どの従業員でも使えるよう生産性を上げる必要があると分析しました。
人手不足の中で現場力の維持・強化、デジタル人材などの人材育成、確保の必要性や、新たな環境の変化に対応した付加価値の必要性が課題となります。

日本の外国人労働者は120万人
日本は移民を受け入れていませんが、実際には平成29年現在、外国人労働者は約120万人おり、5年働いたら帰国する「技能実習」を枠に安倍政権下で倍増しましたが、それでも人手不足は解消していません。
米国トランプ大統領は、工場を米国に戻す為、法人税減税や輸入品関税の引き上げ、移民政策では、米国を愛する人を軸としています。
日本の「技能実習」は海外では「現代の奴隷制」と批判されますが、日本を愛する人に来てもらう移民政策の転換期に来ているようにも考えられます。


[2018.6.1]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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