事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


毎月の返済は利息のみ、残元金は家主が亡くなった後に住居売却で返済
住宅金融支援機構は5月18日、住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型住宅ローン「リ・バース60」の利用実績を公表するとしました。
「リ・バース60」は、満60歳以上を対象とした住宅ローンで、毎月の支払いは利息のみで元金は、家主が亡くなった時に不動産の売却により一括して返済するものです。
ただ、相続人が一括返済できない場合には、予め同機構と金融機関で締結した住宅融資保険契約に基づいて、残元金を全額保険金として支払い、保険金支払い後に担保物件などの売却により返済することになります。
担保物権の売却代金が残元金に満たない場合、相続人に残元金請求する「リコース型」と、残元金を請求しない「ノンリコース型」があり金融機関、契約により異なります。

「リ・バース60」契約数、1年で4倍超え
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超高齢化社会を迎える日本は、高齢者の住居に関するニーズが多様化しており、「買い物や通院に便利な街中に移転したい」、「子が独立したので広い住宅を減築したい」、「バリアフリー化したい」などの要望が出てきており、住宅金融支援機構はでは、このような場合に「リ・バース60」を薦め、平成28年度は16戸の契約が29年度は68戸と、4倍超えに急増しました。
「リ・バース60」を取り扱う金融機関も23から38機関まで増え、今後も利用する高齢者が増加すると考えられます。

家賃を払うだけで老後資金を調達「リースバック」
一方、高齢者の多様化するニーズに応えるために、住居の「リースバック」という方法が挙げられ、契約も増加傾向にあります。
リースバックは、老後の資金調達に第三者の投資家に住居を売却し、賃貸借契約を結んでこれまで通りの住居で生活できるメリットがあり、契約に特約をつけると、何年か後に「バイバック(買い戻す)」することが可能で、子が親の住居を引き継ぐこともできるのがリバースモーゲージと大きく異なることです。
バブル全盛期に高値でマイホームを購入したものの、住宅ローンの負担が大きく、将来の老後資金の懸念も出ており、「リースバック」は、家賃を払うことで負担なくこれまで通りの生活が保証され、老後資金も調達できることになります。

高齢者の住居問題、今後の懸念に
「リ・バース60」や「リースバック」とも将来の老後資金を懸念してのことで、少子、人口減少、社会保障費の財政難などが問題となている日本で今後の高齢者の住居確保も課題となります。
ただ、リバースモーゲージの場合、金融機関は担保の住居価値が下落するリスクを数十年負うため、融資額は一般の評価額の5〜6割に抑えられ、マンションはリバースモーゲージの対象外とする金融機関も多く見られます。
「団塊の世代」約800万人が2025年に全て75歳以上となる中、家族での住居の相談は早めにしておくことが円滑な生活を保証することとなります。


[2018.5.25]
4月、過去最も早いペースで1千万人超え
日本政府観光局が5月17日、4月の訪日外国人客数が前年同月から12.5%増の290万1,000万人になったと発表。単月としては平成29年7月の268万2,000人を超え、過去最高を記録しました。
1月〜4月までの累計でも、1,051万9,000人となり、過去、最も早いペースで1,000万人を超えました。
4月の国別訪日では、韓国や中国、タイ、台湾、フィリピン、ベトナムなどアジア勢が過去最高を更新し、米国や豪州、イタリア、フランス、ロシアなど先進国からの訪日も過去最高を記録しました。

SNSで名所以外にも出没、トラブルも目立ち始め・・
日本全国の観光名所や、SNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)で知った日本人でも馴染みのないスポットにまで訪日外国人客が訪れ、他国言語が混ざり合い、賑わいを見せていますが、トラブルやマナー違反も目立っています。
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ここ数年の報道でも、不法滞在や暴行、窃盗、詐欺など犯罪となるような事件に「中国籍の・・韓国籍の・・ベトナム籍の・・」などと報じられることも珍しくなくなりました。
法務省によると平成29年12月19日現在、不法滞在だけでも外国人が1,386人、同省の入局管理局の施設に収容され、このうちの36,8%にあたる510人が6ケ月以上の長期収容者で増加傾向にあります。

不法就労の「仮放免」取り消し、再収容へ
法務省では、平成27年9月、全国の入管当局へ不法就労などがあれば、これまでは人道的観点から施設から解放する「仮放免」がありましたが、これをを取り消し、再収容することを通達。この影響が長期収容者の増加に繋がっていると考えられます。
また、在留資格のある外国人が難民申請をした場合、6ケ月後から就労可能でしたが、就労目的の申請が増加したため、平成29年3月に「帰国促進措置」を導入。
特別な理由なく難民申請を3回繰り返すと強制退去となるため、申請せず不正就労していると考えられますが、ここ数年の訪日外国人の急増で、収容されている外国人は氷山の一角とも考えられます。

訪日外国人客調査、半数以上が不安
カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社は5月18日、訪日外国人が増加することで「戸惑いや不安を感じますか」と、18〜69歳の男女1,504人を対象としたアンケート調査の結果を発表。
「とても感じる」、「やや感じる」が全体の53.1%を半数を超えました。年代が上がるつにれ不安感を感じる割合が高くなり50歳代では6割を超えました。
ただ、「外国人に道を聞かれたら」の回答に約9割が「何らかの手段で対応」と、日本人ながらの「おもてなし文化」が浸透しているだけに、訪日する外国人も日本の文化、ルールを守って行動できるよう、観光名所や鉄道や道路、商業施設などには多言語表示は、もう欠かせません。


[2018.5.23]

中小企業向け設備投資へ税制拡充
国内経済は、深刻な人手不足と原材料の上昇などマイナス懸念が解消されない一方、自動車や半導体関連など輸出産業が堅調に推移しており、業績改善で大企業を中心に中小企業でも設備投資計画が打ち出されています。
安倍政権も平成30年度予算で中小企業の投資促進への税制を拡充するなど、生産性の向上に対する政策が進められ、まずは人手不足問題を解消する方針のようです。
帝国データバンクは5月16日、今年4月16日〜30日まで設備投資に関連する調査を行い、有効回答のあった9,924社の調査結果を発表しました。

農林水産業の設備投資計画、8割超え
調査によると、平成30年度(平成30年4月〜31年3月)に設備投資を行う予定のある企業は62.4%と6割を超え、業種別でみると「農林水産」が80.4%と8割を超え、「運輸・倉庫」が78.0%、「製造」が75.1%と続き、最も低かったのは「不動産」の46.5%で、「農林水産」とは33.9%も差がつき、設備投資は業界間で濃淡がはっきりと別れることが判明しました。
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「農林水産」では、屋根付き漁港での衛生管理型の倉庫への投資や、「製造」では生産工場・倉庫の増設への投資が聞かれ、公的な補助金などの支援策を活用したいとの意見も多く聞かれました。

生産性向上のための設備投資は3割弱
設備投資の内容を見ると、「設備の代替」が45.4%とトップで、「既存設備の維持・補修」が35.7%と併せて8割を超え、安倍政権が見込んだ生産性向上のための「省力化・合理化」への設備投資計画は28.2%と3割に満たない結果となりました。
設備の老朽化に伴い更新投資を目的とする割合が高くなっており、「省力化・合理化」よりも現状維持を優先した結果となりました。
企業の規模別では「大企業」が70.7%、「中小企業」は60.3%、「小規模事業者」は5割を切り49.0%に留まりました。

設備投資の「予定いなし」企業は3割
一方、設備投資を「予定していない」企業は 29.8%で、このうち「先行きが見通せない」が40.0%とトップ、「現状設備は適正水準」、「投資に見合う収益が確保できない」がともに2割を超えました。
企業の設備投資計画は6割を超えますが、設備の平均寿命の上昇が続く中、その内容は設備の代替や維持・補修と老朽化した設備の更新ニーズが中心となりました。
安倍政権の目指す「省力化・合理化」や「IT(Information Technology:情報技術)化」による人手不足解消や生産性向上は、具体的な業種別の成功事例などがなければ、なかなか踏み切れないでしょう。


[2018.5.21]

2ケ月連続改善も景況感節目の50.0を割り込む推移
内閣府が5月10日発表した、4月の「景気ウォッチャー調査」によると、景気の現状判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が49.0と前月から0.1ポイント上昇し、2ケ月連続で改善しました。
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平成30年に入り50.0を割り込み推移しており、前年同月より改善が見られるものの、景況感は足踏み状態です。
内閣府では、基調判断を「緩やかな回復基調が続いている」とし、先行きについては人手不足やコスト上昇などの懸念があるものの「引き続き受注、設備投資など期待が見られる」としています。

住宅動向、駅近マンションは好調、宅地分譲が大幅悪化
現状判断DIの内訳を見ると、企業動向関連は前月から1.2ポイント改善した一方、家計動向は横ばい、雇用関連は同マイナス1.7ポイントと大幅に悪化しました。
家計動向に関しては、飲食・サービス関連は改善しましたが、小売関連は横ばい、住宅関連が同マイナス2.0ポイントと大幅に悪化しました。
住宅は、4月に入り来場者が伸び悩み、都心の駅周辺のマンションは好調であるものの、宅地分譲では予算に合わず消費者も消極的になっているといいます。

4月から相次ぐ生活必需品の値上げ
年度が変わり、春闘では安倍政権が要請した「3%賃金アップ」は達成しなかったものの大企業では2%強の上昇で、消費心理の改善が期待されましたが、電気・ガス代や、ビール・ワイン、ガソリン、牛丼の松屋など生活必需品が値上げするなど、今一つ伸びはありませんでした。
原材料の高騰や人手不足による賃金上昇で商品・サービス提供側も限界に達しており、先行き判断DIは0.5ポイントプラスの50.1としていますが、動向が注目されます。

18〜30代の女性の約6割「将来のために貯蓄」
内閣府が平成29年に行った「国民生活に関する世論調査」によると、18〜30代の女性の約6割が「現在の生活」でなく「将来のために」貯蓄を備えると回答ました。
また、「政府に対する要望」では、「医療・年金など社会保障の整備」が65.1%と最も多く、将来への備えを重視しする若年層が増加している結果となりました。
若者の「車離れ」や「酒離れ」もこの調査結果が表しているように思え、厚生労働省の平成29年5月の「国民年金保険料の納付率」を見ると「納付率64.1%」と4割近くが未納となっているのも現実です。


[2018.5.18]

不動産、金融資産あっても、債務額が多ければ一括返済の必要
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みずほ銀行と三井住友銀行は、カードローンの債務を相続した人が残額を負担なく返済できるよう、分割払いでの返済を認める方針を示しました。
これまで、相続人は債務が残っている場合は一括で返済することが原則でしたが、被相続人に不動産や金融資産があってもカードローンの債務の額が大きいことが多く、「負担が重い」という相続人らの訴えに配慮しました。
過剰融資が問題化しているカードローンの運営を改善する方向で、三菱UFJ銀行も対応を検討しています。

すぐに現金化できない不動産、その間にも利息や遅延損害金が発生
銀行は、相続人に対し債務の一括返済を求めれば相続人は応じる必要があり、債務とともに相続した財産が、すぐに現金化できない不動産や、少額の金融資産の場合、残っている住宅ローン債務も一括返済することが難しい事例が多くありました。
亡くなった方が債務を完済できず、カードローンの保証会社が債務を肩代わりし銀行へ弁済した場合も、保証会社から返済が求められれば原則、相続人は一括返済に応じなければなりません。
これまで、返済の分割交渉をしても長い期間を要し、その間の利息や遅延損害金が生じ、相続人には不利な契約との指摘もありました。

過剰融資問題化に広告自粛、審査厳しく
日銀の「主要銀行貸し出し動向アンケート調査」によると、今年1月〜3月期の個人向け消費者ローンの資金需要判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前期から5ポイント低下しマイナス3となり、マイナスになるのは6年3ケ月ぶりです。
カードローンの過剰融資問題を受け、銀行が広告・PRを自粛し、貸し出し規制を厳しくしたことが要因と言えます。
銀行のカードローンは使途が自由で、融資額は年収の3分の1までという改正貸金業法の適用外になり、借り放題。マイナス金利時代にありながら利息は高く、リボ払いに変えれば手数料も発生するなど負担が大きくなるだけでした。

分割払いへの銀行、システム変更の経費負担
今回の規定改訂によって、一括返済分を分割払いにすることができるようにするため、銀行ではシステムの変更などで一定の負担が生じることになります。
現在、分割払いを承認したのは2メガバンクのみで、地銀などではその負担に現状の規定を残すことが予測されます。
関西アーバン銀行や近畿大阪銀行、みなと銀行再編では、システム関連経費が先行し1年目に18億円のマイナス、2年目に4億円のマイナス。3年面からプラスに転換する計画で、地銀再編と新システム開発が同時進行する金融機関の動向が注視されます。


[2018.5.16]

前年同月からは3.3ポイント上昇
帝国データバンクが5月7日発表した今年4月の「景気動向調査(全国)」によると、全国の景気DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から0.6ポイント減の49.8と2ケ月ぶりに悪化しました。ただ、前年同月からは3.3ポイント上昇しています。
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4月の国内経済は、人件費や資材料のコスト上昇に、工事減少や生産活動の停滞も重なり50.0を割り込み、足踏み状態となりましたが、今後は緩やかな拡大傾向での推移が見込まれる一方、海外との貿易関係が景気を下押しするリスクとなる可能性があり動向が注目されます。

全産業で悪化、年度末ニーズの反動
4月は全産業で悪化し、全産業の悪化は、株式や為替が大きく変動した平成25年6月以来、4年10ケ月ぶりとなりました。平成29年度末ニーズの反動により工事の減少やコスト負担などにより「建設業」では1.0ポイント減と悪化しました。
4月は新年度に入り例年以上に公共工事も落ち込み、新設住宅着工戸数も減少。さらにゴールデンウィークを控え、生産活動が停滞した「製造業」も下押し圧力となりました。

先行きは、消費財引上げ駈込みニーズ、東京五輪が追い風
平成30年度の国内経済は、2019年の消費税引き上げに伴う駆け込みニーズや、2020年の東京オリンピック・パラリンピックニーズが追い風となり緩やかに拡大傾向が見込まれています。
輸出産業は過去最高の利益を出す企業も見られ、省力化ニーズの高まりから設備投資も期待されます。これに伴い個人消費も雇用環境が改善し、賃金なども上昇傾向で緩やかに回復していくと予想されます。
一方、マイナス要因としては、深刻な人手不足が懸念されており、世界経済も全体的には改善傾向とされていますが、諸外国との貿易摩擦が懸念材料となります。

TPP関連法案、ようやく国会で審議開始
米中間では激しい貿易戦争が繰り広げられ、結果によっては日本にも大きな影響が出る可能性もあります。
11ケ国で自由貿易をめざすTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)は、5月に今国会が19日ぶりに正常化し、ようやくTPP関連法案の審議が始まりました。
TPP加盟国の広がりに米国も復帰を促す材料となりそうですが、あくまで米国は2国間での自由貿易を迫ってきます。
また、5月10日には、日中韓首脳会談の共同宣言が公表され、北朝鮮問題とは別に、日中韓でのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)やRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:東アジア地域包括的経済連携)交渉を加速する事で合意しました。
今後の海外情勢、経済、経済連携の動向が注視されます。


[2018.5.14]

ガソリンから電気、水素でモーターを回す時代へ
金型業界の主品目であった自動車業界は、ガソリンやディーゼルエンジンから、EV(Electric Vehicle:電気自動車)やFCV(Fuel Cell Vehicle:燃料電池自動車)と、ガソリンから電気、水素でモーターを回すという大きな変革が起き始めており、この変化を汲み取る金型メーカーでは活況の波に乗りつつあります。
経済産業省の「機械統計」の「金型」を見ると、平成29年の金型生産額は4,205億円と平成20年のリーマン・ショック前の水準まで回復してきました。
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世界的にもガソリンエンジン車は、廃止する方向で欧州ではオランダが2025年からEVのみを販売、ノルウェーは2030年からEVとHV(Hybrid Vehicle:モーター付ガソリンエンジン自動車)のみを販売する方針です。

自動車市場最大!中国、インドもガソリン車廃止方針
一方、自動車市場では最大国である中国は、街中が大気汚染で歩く人は皆マスク姿に、EVとHVを推し進めていますが「将来的」とし具体的なガソリン車廃止年を打ち出してはいません。
次に自動車市場が期待されるインドでは、2030年よりEVとHVだけを販売する方針です。現在のシェアは1%ですがインフラが整えば、人口が中国についで多いことから一気に大量生産につながる期待があります。
他にも英国やフランスなども2040年までには、ガソリン車とディーゼル車を廃止する予定で、唯一遅れているのが米国です。広い道路で大きなエンジンを積み、鉄板のような頑丈な車体で豪快に走る文化は急転しないでしょう。

米フォードが認めた金型メーカーも2割減少
日本の金型生産技術は、米国自動車大手のフォードが認めたほどで、日本の中小・小規模金型メーカーは、平成17年から26年までの10年間で約2割減り、8,000社を割り込みました。
ただ、これまでM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)を繰り返し、再編することでようやく回復傾向になり、今後もEVやFCV関連、自動車部品の金型生産で世界制覇が期待されます。
日本経済新聞社が平成29年度末に実施した「第16回金型調査」によると、平成30年度に金型生産に関わる設備投資を「増やす」と答えた企業は、全体の33.1%で「減らす」と答えた企業の5倍近くに上りました。

自動車、自動車部品の金型生産、全体の9割に拡大
調査では、8年前には約3割を超えていたスマートフォン、携帯電話などの金型を生産するメーカーは、加工な容易であることから海外へ生産拠点を移転し現在は2割を割り込んだ状況。一方、EVなど自動車や自動車部品の金型生産を行う金型メーカーは全体の89.6%を占めました。
今年3月には、自動車産業が盛んな愛知県のゴム製窓枠の金型メーカーやプラスチック製の自動車ランブの金型メーカーなど3社が業務提携し、お互いの生産拠点を活用し収益体制をつくるとしています。
M&Aなど淘汰を乗り越えた金型メーカーは、技術とノウハウ、知恵、努力によって生き残った「勝ち組」と言えるでしょう。


[2018.5.11]

五輪後は、都心部でも地価が下落?
2020年、東京オリンピック・パラリンピック終了後、不動産市場がどのような状況になるのか、不動産業や建設業、有識者、学者から様々な意見が出されています。
2020年には高齢化率が30%を超え、2025年には「団塊の世代」が全て75歳を超え、深刻な高齢化社会に突入する中、不動産市場は地方だけでなく、都心部でも地価が下落する予測が多く聞かれます。
日本は人口が減少し続け、出生数は平成29年に初めて100万人を割り込み、2065年には約55万人にまで落ち込むと予測され、空き家もさらに増加することになります。
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「生産緑地制度」終了で、賃貸アパート建設ラッシュか
空き家が増加するのは賃貸住宅も同様で、30年間農業を営むと固定資産税が軽減される「生産緑地制度」が2022年以降に満了となり、この土地を売却したり、活用する人が増加し、首都圏で多く賃貸住宅が建設されると予想されます。
すでに、大東建託では、2020年に東京・江東区に約3,000平方メートル規模の国内初の賃貸物件に特化した展示場を新設し、最新の賃貸住宅の耐震性能やアパート運営に関わる最新技術を展示するとしています。アパート運営に関心を持つ人からの受注に繋げるとしています。
賃貸ニーズの伸びの期待はあるのか、建設後の賃貸アパートの空き家も懸念されます。

都心臨海地区は高層タワーマンションだらけ
一方、東京・江東区には数多くの高層タワーマンションが立ち並び、周辺の臨海地区でも同様の光景が目立っており、現在も建設中のタワーマンションがあります。
都心に近く、勤務地にも近く、学校や大型量販店も立ち並び活気がある街で、東京都の小学校、中学校が少子化で統合される一方、臨海地区は不足気味と言われるほどです。
タワーマンションを購入時に35年の住宅ローンを組み、高い修繕費を払い続け、35年後のマンションの姿を想像できるでしょうか。高級感あるタワーマンションも時とともに資産価値は下落し、都心部では賃貸マンションを選択するニーズが高くなる可能性もあります。

「大事件」が起きない限り下落はしない
平成29年は、新築マンションが一時高騰し、売れ行きに影響しましたが購入者は、実際に居住する家族や夫婦、単身者の他に、富裕層の投資用、外国人投資家などに分けられます。
新築マンション価格は、首都圏直下型地震やリーマン・ションなど「大事件」が発生しなければ急落することはありません。
住宅ローンも、利ざやが取れず三菱UFJ信託銀行が撤退、みずほ銀行も地方では撤退し、さらに、日銀の金融緩和は「持続」としているだけに低金利はしばらく続くと思われますが、海外の情勢には常に注意が必要です。
一般では、一生に一度の買い物である不動産は、今が買いなのか様々な情報、動向を分析し検討するべきでしょう。


[2018.5.9]

電気、ガス代値上げ、生活必需品の値上げが影響
内閣府が5月2日発表した4月の「消費者動向調査」によると、消費者心理の明暗を示す二人以上世帯の「消費者態度指数」は、前月から0.7ポイント低下し43.6と2ケ月ぶりに悪化しました。
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電気代やガス代など生活必需品が値上げし、物価高への警戒心が広まったとされていますが、日銀は、4月27日の金融政策決定会合で物価目標2%を「物価情勢の展望リポート」から削除しています。
ただ日銀では、2%達成には時間がかかると述べる一方、平成31年度頃に達成する可能性が高いと述べています。

消費者心理に陰り、4月は調査4項目すべてで悪化
「消費者態度指数」は、暮らし向きや雇用、賃金の増え方、耐久消費財の買い時の4項目について、今後半年間に良くなるかどうかを問いただしており、4月は4項目全てが悪化しました。
平成29年末まで続いていた消費者心理の改善傾向に陰りが出てきました。
内閣府では、電気代やガス代、お酒、牛丼など生活に密着する部分で値上がりがあり、消費者心理を押し下げたと分析しています。
一般の家計が予測する1年後の物価見通しを見ると「上昇する」が82.3%を占める結果となりました。

「賃金3%アップ」で消費拡大!は、達成ならず
平成30年度の春闘では、安倍首相は経済団体に従業員の賃金を「3%アップ」と異例の要請をしましたが結果は2%強に留まり、手取り収入では社会補償費などの上昇で手取りが減少したとの声も聞かれました。
内閣府は、「米中貿易摩擦戦争が消費者心理を下押しした可能性がある」としていますが、賃金の「3%アップ」要請は大企業向けであり、日本人生産者の約7割を占める中小企業や小規模事業者には届いていないのが実情です。

世界的なスポーツ大会でテレビ買え買え期待
平成30年は6月にはサッカーワールドカップがロシアで開催され、2019年9月のラグビーワールドカップ、2020年7月には東京オリンピック・パラリンピックが地元日本で開催されるため、耐久消費財のテレビなどの買い替えも期待されます。
インターネットに追い込まれているテレビ放映ですが世界的な大会では、大型画面でハイビジョン画像、さらにはフルハイビジョン、現在は大画面でも質感リアルな4K、8Kテレビが注目されているだけに、その質の良さが消費者に伝われば買い替えにつながる可能性もあります。
消費については買い物時でも「高い」、「「安い」がハッキリわかるようになってきた感もあり、ここでも購入に関し「格差」が生まれているのか懸念されます。


[2018.5.7]

「持ち家」、「貸家」、「分譲」いづれも減少
国土交通省が4月27日に発表した「建築着工統計調査」によると、3月の新設住宅着工戸数は前年同月から8.3%現象し6万9,616戸となりました。
「持ち家」、「貸家」、「分譲」いづれも減少しており、減少は9ケ月連続です。
中でも「貸家」は前年同月から12.3%減の2万9,750戸と減少が目立ち、銀行など金融機関がアパート向けローンの融資を見直していることが響き、10ケ月連続で減少しました。
「持ち家」は4.2%減、「分譲」は3.6%の減少となりました。

平成29年度、着工戸数減少は3年振り
同時に発表した平成29年度(平成29年4月〜30年3月)の新設住宅着工戸数は、94万6,396戸と、前年度から2.8%減少しました。減少は3年ぶりとなります。
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利用別で見ると、「持ち家」が同3.3%減の28万2,111戸、「貸家」が同4.0%減の41万355戸、「分譲」が同0.3%減の24万8,496戸といづれも3年ぶりの減少です。
ただ、「分譲」のうち、「マンション」は同3.6%減でしたが「戸建て」は同2.3%増と「戸建て」だけが3年連続して増加しています。地域別でも全地域で減少となりました。

地域の住民との関わりを持つ移住者を支援
国土交通省は4月27日、「住み続けられる国土専門委員会」を開催し、地域に住む住民の多様な関わりを持つ住民を増加させるため、必要とされる施策を議論しました。
現状、行政機関による移住や定住に向けた支援や、地域の金融機関が支援する事例もあり、移住希望者が支援メニューを選択できる状況には近づいています。
ただ、地域単位でどのような関係を構築していくのかが具体的でないため、ターゲットとする移住者、希望者が求めるライフスタイルを支援する施策へ集中させる必要があります。

放置された空き家、どうする?
住宅ストックはバブル崩壊後から過剰感が強まっていることが指摘されますが、平成25年時点で日本の総住宅数は6,063万戸と総世帯数5,245万世帯を上回っています。つまり家が余った状態であり、放置された空き家問題が大きく取り上げられています。
4月に愛媛県今治で起きた、刑務所収容人の逃走で何日も逃げ回り、警察でも空き家には所有者の許可がないと入室できないこともわかりました。
昭和の高度経済成長期に建てられた住宅やマンションは建て替えの時期であり、空き家を撲滅するとともに今後の人口減少に合わせた住宅市場が問われます。


[2018.5.4]

採用企業側、「マウスも使えないの?」
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NECパーソナルコンピューターが昨年2月に発表した「大学生・就職活動経験者、人事担当者を対象とするパソコンに関するアンケート調査」によると、対象者1,012名に対し9割以上の大学生がパソコンを所有する一方、7割以上がパソコンのスキル(教養や訓練を通して獲得した能力)に自信がないとの結果が出ました。
これは、採用する企業においても若者のパソコンスキル不足を実感しており、「新入社員にパソコンスキルの不足を感じるか」の問いに57.2%が「感じる」と回答しました。
企業側では「マウス操作もわからない新人もいた」や「モニターにタッチしていた」などスマートフォンの影響が大きいことがわかります。

パソコンよりスマホ
これは、平成23年頃よりスマートフォンが急普及し若者にとってはパソコンよりスマートフォンやタブレット端末に触れる時間が長くなったと指摘されています。
企業では、表計算ソフトのエクセルや文書作成のワードなど、ここ数年では大学でのレポートや卒論にも使用されていますが、これらソフトは学校で使うことを想定していません。
例として、文字を打ち込むタイピングはキーボードにて入力しますが、最近ではパソコンやスマートフォンに話しかけるだけで的確な回答が返ってくるという技術の進捗も急速に実現化しているのも要因となっているようです。

AI技術の進捗で「入力」から「対話」へ
技術面から見れば機械に話しかけ答えが返ってくるという、AI(Artificial Intelligence:人工知能)の進捗は若者だけでなく、高齢者にとっても利便性が高く、パソコンやインターネットは苦手という高齢者もお米など重たい買い物をせず、ネット通販で話しかけるだけで家まで届けてくれるというメリットもあります。
日本は高齢化社会となり「買い物難民」が問題になるなど不便性が指摘されていますが、AIを活用したデバイス(コンピューターを構成する様々な装置や部品)で解消されることも期待され、何より医療機関へも行けない高齢者にとっては、遠隔診療などで力を発揮してくれることになります。

パソコン出荷台数14四半期連続減少
調査会社ガートナーによると、世界のパソコンの出荷台数は1月〜3月期は前年同期から1.4%減少。ガードナーによると、世界のパソコン出荷台数は14四半期連続で減少し、特に中国でのニーズが減少し同国では同5.7%減少しました。
一方、スマートフォンは平成29年、出荷台数が初めて前年を割りました。IDC(Internet Data Center:IT専門調査会社)によると、平成29年は前年から0.1%減の14億7,249億万台と機種が高額となり消費者の買い替えサイクルが長くなったとみています。
ただ、格安で有名な中国の華為技術(ファーウェイ)は同9.9%増と、実績を伸ばすなど、今後のビジネスにおいてパソコンよりもスマートフォン、タブレット端末が主流となるのか懸念されますが、スマートフォンのアプリを作るのはパソコンでしかないことを考えると、ここでも技術的な格差が拡大する予測がされます。


[2018.5.2]

訪日外国人客数、3月までで前年から17%増
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国土交通省観光庁が4月18日、1月〜3月の訪日外国人客の消費額が前年同期比で17.2%増え、1兆1,343億円になったことを発表。訪日外国人客数の増加で1月〜3月期、初めて1兆円を超えました。
訪日外国人客一人当たりの消費額は、同0.6%増の14万8,891円とほぼ横ばいですが、訪日外国人が増加した分が売り上げに貢献。中国の「爆買い」は収まったようですが、新たに転売目的の売買が増加傾向にあります。
観光庁では、今後レジャーやサービスなど「コト消費」をいかに伸ばすか検討されています。

日本での消費「買い物」が34%、「娯楽・サービス」は6%だけ
訪日外国人客が日本での消費に一番お金をかけたのは「買い物」で34.9%、「娯楽・サービス」は6.1%に留まります。観光庁では、滞在日数を伸ばし、体験型の消費をしてもらうための工夫が必要と見ています。
日本政府観光局が4月18日発表した3月の訪日外国人客数は前年同月から18.2%増え260万7,900人。韓国が同26.8%増の61万9,200人と最も多く、次いで中国、台湾も2桁以上の高い伸びとなっています。
安倍政権が目指す2020年に4,000万人の訪日客数、8兆円の消費は、訪日客数は達成しそうな勢いですが、いかに消費を伸ばすかがカギとなりそうです。

北関東の百貨店、免税売上が好調
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ただ、これまで都心、観光地に集中しがちな外国人客は、日本人でも知らないようなスポットに出かけることが多く、地方を賑わせています。特に北関東の百貨店では中国人を中心に売上げを伸ばし、2月期の免税売上高は前年同月から拡大しており、宿泊日数も伸びています。
東武百貨店宇都宮店の2月の免税売上高は前年同月から約6割も増加。特に化粧品は倍増し、ラグジュアリー(高級品)も25%増となっています。化粧品は免税売上の35%を占め、ラグジュアリーも30%占めています。
中国の他にもタイやフィリピン、シンガポールからの利用者も増加してると言います。

免税売上、化粧品・ラグジュアリーが堅調
高島屋高崎店でも免税売上高は好調で、2月は前年の約2倍と、5割が化粧品が占めました。高級クリームや美容液が人気で、ラグジュアリーや文具なども堅調に推移しています。同店は昨年9月に改装し、化粧品の取扱いを大幅に増やし、新ブランドも投入したことが成果となりました。
京成百貨店水戸店でも免税売上で化粧品やアクセサリーが好調で2月期は、消費額が前年同月比の8割増となっています。
東武百貨店宇都宮店では、3月〜4月も前年の約3倍になっていると、「買い物」に「コト消費」が加われば年間8兆円消費も現実的になってきます。


[2018.4.30]

高齢者はこれからも増加が、福祉事業者の倒産がピークに
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日本は高齢者社会が深刻となっている中、高齢者向けサービスのニーズは拡大し市場は堅調と考えられる「福祉事業界」ですが、今まさにこの業界が倒産のピークを迎えています。
東京商工リサーチが4月9日発表した平成29年度(平成29年4月〜30年3月)の「老人福祉・介護事業」の倒産件数は115件と、前年に続き2年連続で過去最多となりました。

倒産に至った事業者を見ると、従業員が5人未満の事業者が全体の60.8%、設立5年以内が同39.1%と、小規模事業者で設立間もない事業者が倒産件数を押し上げた結果となりました。

リスケジュールで企業の負担減、倒産減少!
日本企業の倒産件数は、平成20年度のリーマン・ショックをピークに21年度以降は、中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)の施行で、事業者の負担が軽減され減少傾向。平成29年度は、9年ぶりに企業倒産が前年度を上回りましたが、増加率は1.6%増にとどまっています。
このような状況の中、「老人福祉・介護事業」では3年連続で倒産が増加しました。
「老人福祉・介護事業」は、平成12年4月の介護保険法施行を機に、「老人福祉・介護事業」へ新規参入する事業者や起業者が相次ぎ、平成13年に2万782あった「訪問介護・通所介護」や「施設・事業所」の数は平成18年には約2倍の4万357まで増加。ただ、そのほとんどは専門的な知識やノウハウのない小規模事業者で、資金調達も十分ではない企業でした。

高齢者福祉事業者、所得低く、労働厳しく
ここ数年は、人出不足が深刻化しており、特に「老人福祉・介護事業」での所得は高くなく、労働量も厳しいことから離職率も高く、事業を断念する事業者も相次いでいました。
倒産増加の要因としては、「同業他社との競争激化」がトップで、「平成27年度の介護報酬の実質マイナス改定」、「離職防止のための人件費上昇」などが次いでいます。
特に「老人福祉・介護事業」の人手不足は、「景気が悪い時に人材採用は順調なものの、好況に転ずると他業種へ離職」が一般的に見られ、景気の逆行する傾向です。

高齢者向け社会保障費、財政の3分の1に
2022年からは、団塊の世代が75歳を迎え、超高齢化社会の日本で介護や医療、年金など高齢者向けの社会保障に国の財政の約3分の1が占められ、この費用をどう抑えるかが深刻な問題です。
若年層にはこれまで社会保障費を年々引き上げ、負担の限界に達しており、あとは高齢者への負担を少しでも責任を持ってもらうしかないのでしょう。
財務省を中心に現在は、70〜74歳の医療での窓口負担を段階的に1割から2割に引き上げており、年金は68歳からとさらに3年引き上げる案も出るなど、今の財務省の発言には誰が耳を傾けるかが注目されます。


[2018.4.27]

生産性向上への事例、前年の倍以上を分析、掲載
経済産業省中小企業庁は4月20日、平成30年版の「中小企業白書」を取りまとめ、閣議決定を受け公表しました。
「中小企業白書」は、アンケート調査に併せ、問題となっている生産性向上に取り組む中小企業事業者の事例を、昨年の倍以上掲載し、生産性向上に向けたヒントを提供しています。
「中小企業白書」では、最近の中小企業の動向について、中小企業の経常利益が過去最高水準となり、景況感も改善傾向にあることが示され、「働き方改革」の目玉となる労働生産性のあり方など分析しています。
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さらに、人手不足の現状も分析しており、業務の改善や人材の活用法、IT(Information Technology:情報技術)の活用法、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)など生産性向上に向けた取り組みについて分析、解説しています。

問題となる人手不足、「多能工化・兼任化」を提言
業務・人材面では、自社の経営環境を見直し現在の業務のプロセスを見直し、限られた従業員でいかに業務を効率よく回すか人材活用面での工夫とし「多能工化・兼任化」を中心に取り上げられています。
ITの利活用においては、コストに対しての効果を具体的に示した事例を数多く紹介し、何か問題があった場合に相談相手となるITベンダーなどがIT導入を働きかけていく必要性を説明しています。
また、業務間の財務関連などのデータ連携や企業間でのデータ連携を行う必要性を示しています。

生産性向上への設備投資、事業承継のためのM&Aの必要性を分析
中小企業の設備投資については、省力化投資で生産性向上に繋がる投資をより一層促していく必要性について解説しており、他にも事業承継などを背景に増加傾向にあるM&Aの動向について、買収側の中小企業も相手先企業との間で相乗効果を発揮することで生産性向上を高める契機となっていることが分析しています。
また、同時に公表された「小規模企業白書」においても、小規模事業者の動向について経常利益が改善傾向にあるなど、景況状況を示しました。また、小規模事業者の生産性向上について向けた取り組みについて分析しています。
大企業の景況改善から徐々に、中小企業、小規模事業者へ恩恵が波及されてきた報告となっています。

日本企業の99.7%が中小企業・小規模事業者
「中小企業白書」によると、日本の全企業のうち99.7%が中小企業であり、その従業員は約70%にも及び、日本の経済を担う役割としています。
労働生産性は大企業の半分以下にとどまっており、伸び率も中小製造業では平成28年度までの7年間で9.6%上昇したものの、大企業では32.1%向上し差は開く一方です。
労働生産性は、大企業においても海外企業からは劣っており、先進国では低水準のままが現状です。
グローバル化が急速に進み、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)やFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)などの貿易締結で産業を取り巻く環境は大きく変わる可能性があり、対応が急がれます。

▼経済産業省中小企業庁:平成30年版「中小企業白書」

[2018.4.25]

リーマン・ショック前の輸出額に改善
財務省が4月18日に発表した平成29年度(29年4月〜30年3月)の貿易統計速報によると、輸出額は前年度から10.8%増え79兆2,219億円とリーマン・ショック前の平成19年度以来10年ぶり、過去2番目の輸出額となりました。
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輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支はプラス2兆4,559億円と2年連続黒字になりましたが、原油相場の価格上昇で輸入額は上昇し、前年度から38.2%減少し、黒字額は縮小しました。

日米貿易、米トランプ大統領「不公平だ」
地域別に貿易動向を見ると、4月18日から日米首脳協議が行われた米国への貿易収支はプラス6兆9,990億円と、米国トランプ大統領が「不公平だ」というのもわからないでもありません。ただ、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)からはいきなり抜けたり、同盟国でありながら鉄鋼などの関税を引き上げ、日米だけでのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)を推し進めるなど方針が毎回変わるのも懸念されます。
日本は米国に対し、自動車や自動車部品の輸出が好調でしたが、輸入では、シェールガスで作ったLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)を前年度からプラス94.3%買い入れています。

対アジア貿易、過去最大の輸出額
一方、アジアでは、スマートフォンや電子機器類の急速な普及で、日本からは半導体製造装置や半導体部品が前年度から13.1%増加し43兆4,485億円と過去最大の輸出額となりました。
ただ、アジアで製品化されたスマートフォンなどが輸入され前年度から19.5%増えましたが、貿易収支はプラス5兆8,557億円と4年連続で増加しています。
ただ、中国だけを見ると貿易収支はマイナス3兆3,648億円とスマートフォンなど通信機器や音響・映像機器の輸入が増加し2年連続で貿易赤字となりますが赤字幅は縮小しています。

欧州からの輸入、自動車が牽引し過去最高額
EU(European Union:欧州連合)からは、自動車や化学工学機器など過去最高額の輸入額となりましたが、貿易収支はマイナス1,827億円にとどまっています。
訪米した安倍首相は、日本時間4月19日未明、日米貿易取引のための新たな協議をすることを発表。日本は「TPPが最善」、米国は「日米での2ケ国間FTA」を譲らず、今後の日米間の貿易に注目が集まります。


[2018.4.23]

東京都区部の供給数が1割増
株式会社不動産経済研究所は4月16日、平成29年度(29年4月〜30年3月)の首都圏(東京・神奈川・埼玉・千葉)マンション市場動向を発表。平成29年度の新規供給戸数は前年度がら1.1%増え3万6,847戸と平成25年以来4年ぶりに増加しました。
地域別では、東京都区部が同9.8%増の1万6,393戸、埼玉が同7.6%増の3,970戸、神奈川が同1.0%増の9,058戸と牽引した一方、千葉が同16.7%減の3,672戸、東京都下が同16.0%減の3,744戸と前年度から供給が大きく減少しました。

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平均価格は上昇傾向、最高額
1戸当たりの平均価格を見ると前年度から6.9%上昇し5,921万円と、ここ数年上昇傾向にあり平成17年以降、最高額になりました。
地域別では東京都区部が同3.6%上昇し7,008万円と突出。次いで神奈川が同12.5%上昇し5,661万円、東京都下が同2.0%上昇し5,072万円、埼玉が同1.3%上昇し4,314万円、千葉が同5.4%上昇し4,310万円と全て価格は前年度から上昇しました。
東京都区部と千葉では隣接しながらも3,000万円近くの差があり、千葉ではもう1戸、中古マンションが買える価格差です。
契約率も前年度から0.3%上がり68.8%と4年ぶりに上昇しましたが、販売の好調・不調の目安となる70.0%は下回りました。

購入理由「超低金利」より「子供、家族のため」
価格は上昇傾向にありながらも契約率は7割近く、日銀のマイナス金利政策効果か堅調に売却されていますが、マンション購入の決め手はやはり超低金利の住宅ローンなのか。
「リクルート住まいカンパニー」は「2017年首都圏新築マンション契約者動向調査」を発表。購入理由を見ると、「子供、家族のため」がトップで「現在の家賃が高くもったいない」、「金利が低く買い時」と続き、前年調査では2位だった「低金利」が大幅に下がりました。超低金利が当たり前となって影響力は衰えているように見えます。
一方、首都圏では「資産を持ちたい、資産として有利」という購入理由も目立ちました。首都圏では「住まい」より「資産」として購入する傾向もあるようです。

住宅ローン借入額、3,500万円以上が8割
「リクルート住まいカンパニー」の調査によると首都圏の世帯平均年収は944万円でしたが、国税庁の「平成28年民間給与実態統計調査」では正社員の平均年収は485万円、非正規社員は171万円と大きな差があります。
また、住宅ローンの借入額では、5,000万円以上が35.0%、4,000〜5,000万円が29.3%、3,500〜4,000万円が14.1%と続き、3,500、万円以上を借入れる購入者は78.4%と約8割。仮に900万円の年収であれば問題ありませんが、首都圏の64.9%が共働きで、仮に夫500万円、妻400万円の収入で子ができたり、親の介護、老後資金など考えるとよほど慎重に住宅ローン計画を立てないとリスクは大きくなります。
「頭金0」や「家賃並み」などの甘い言葉には要注意です。金融庁によると中小企業金融円滑化法による住宅ローン向けのリスケジュール(条件変更)申請数は平成29年3月末現在49万3,518件と、現在も増え続けているのが実態です。


2018.4.20]

「四国」4年ぶりに改善
日銀は4月15日、3ケ月ごとに公表する「さくらレポート(地域経済報告)」を発表。9地域中8地域が「横ばい」から「改善」と地域経済が堅調となってきていることが確認されました。
各地域の総括判断を見ると、「四国」が「回復している」、「九州・沖縄」が「しっかりとした足取りで緩やかに拡大している」と改善されました。特に「四国」は、設備投資が緩やかに増加しており、公共投資も持ち直しを見せ、個人消費も改善傾向、「四国」の総括判断の引き上げは、4年3ケ月ぶりです。

「九州・沖縄」、熊本地震の復興ニーズ、訪日客増加で堅調
「九州・沖縄」は、雇用・所得環境の改善により個人消費が緩やかに増加しており、公共投資や生産は高水準で推移しています。平成28年の熊本地震の復興で住宅投資は低金利を背景に高い水準を維持しています。
「九州・沖縄」は、アジア圏を中心に訪日外国人も増加しており、百貨店では高額な宝飾品や化粧品、スーパー、コンビニエンスストアも全体的に増加しています。
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「九州・沖縄」へは、韓国や中国からのクルーズ船やLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の蔵便やもあり、訪日外国人客が消費を支援してくれています。

「北海道」、日銀「短観」通り「悪化」
一方、唯一総括判断が引き下げられたのは「北海道」で前回調査の「回復している」から「緩やかに回復してる」に引き下げられました。「北海道」は3月の日銀の短観(全国企業短期経済観測調査)でも経済の景況感は「悪化」しており、公共投資も減少に転じ、住宅投資も緩やかに減少しています。
ただ、設備投資は緩やかに持ち直しており、個人消費は一部に弱めの動きがみられますが、基調として回復傾向です。

外国人押し寄せるスキー場は活況、土地「爆買い」が懸念
「北海道」には「ニセコ」など上質な雪質のスキー場が数多くあり、SNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)を通じて全世界から外国人が集まっています。中には、その地域を気に入り移住する外国人も急増している状況です。
ただ、10年前の中国映画の舞台となった「ニセコ」では外国人の約6割が中国人と急増。数年前からは土地の「爆買い」が始まり、「ニセコ」周辺だけでなく、自衛隊基地周辺や水源地などに広がってきています。
地域に人が集まり活性化することは経済的にはプラスですが、中国人がこのまま土地を「爆買い」し続ければ問題が起きるのも予測されます。


[2018.4.18]

大阪店、京都店が売上に貢献
大手百貨店高島屋は4月9日、平成30年2月期の連結決算を発表し、売上高が前期より3%増え9,495億円になったことを発表。貢献したのは関西の主要2店舗、大阪店は同8.8%増の1,414億円、京都店は同3.9%増の881億円と各々売上記録を達成しました。
高島屋大阪店は、JR東海子会社のJR名古屋高島屋を除き、昭和26年度以来66年ぶりに高島屋の1番店に返り咲きました。
関西国際空港では、LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の増便や新たなLCC就航によって訪日外国人客が急増しており、関西地域で経済が活性化されています。

ミナミ・道頓堀界隈は中国人、韓国人だらけ
平成29年に日本を訪れた外国人客は2,800万人を超え、このうち大阪へは初めて1,000万人を超えました。アジアからの観光客が大半で大阪・ミナミの道頓堀界隈では中国人や韓国人の姿がよく見られます。
大阪観光局によると、大阪は宿泊施設も整備され、世界遺産の京都や奈良へのアクセスも利便性が良いところが人気の理由と言います。
心斎橋の回転すし店では長い行列ができ、店内には日本語より中国語や韓国語が飛び交うほどの賑わいです。メニューも中国語、韓国語、英語と、予約したりする外国人もいるなど日本人を見てマナーも守られているようです。

大阪店、免税売上6割増加
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高島屋では、平成31年2月期の決算も2年連続で大阪店が首位となることを見込んでいます。
これは、大阪店の売上高のうち、免税売上高は前年から約6割増加した背景があります。
大阪店ではスマートフォンで決済するのが常識となる中国人向けに決済手段を充実させたことも功に奏したようです。
顧客ニーズを確実に取り込むことが売上高増加に繋がる典型的な例とも言えます。
大阪店では、化粧品や子ども用品が好調で、富裕層では高価な宝飾品が堅調に売り上げを伸ばし、高島屋全店ベースの免税売上高、487億円のほぼ半分を占めました。

大阪での訪日客消費額、初の1兆円超え
平成29年には、訪日外国人客による日本での消費は4兆円を超え、数年前までは東京中心にゴールデンルートと呼ばれる、箱根や富士山、名古屋、大阪が定番でしたが、その大阪も東京の消費額1兆6,000万円に続き、1兆円を初めて超えました。さらにフェリーなどの増便で台湾やタイから九州、沖縄への訪日も増加しており、東京や有名観光地だけでなく、訪日外国人客の恩恵が日本全国に広がっています。
日本政府観光局や国土交通省観光省、JETRO(Japan External Trade Organization:日本貿易振興機構)など積極的な訪日プロモーションによって訪日外国人客は今年も増加傾向にありますが、何より多く聞かれるのはSNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)やミニブログのツイッターなど広告に捉われない「口コミ」が恩恵をもたらしていると考えられます。


[2018.4.16]

原発事故で注目、太陽光発電
東日本大震災による大津波で東京電力の福島第一原子力発電所が事故を起こし、再生可能エネルギーが注目されるようになりました。特に太陽光発電は、個人の自宅の屋根にも設置でき、家の電力をおおよそ半分賄えると言います。
事業としても異業種から太陽光発電事業に参入する企業が急増しましたが、東京商工リサーチが4月5日発表した企業倒産情報によると、平成29年度(平成29年4月1日〜30年3月31日)の太陽光事業者の倒産件数は82件。前年度から20.6%増加し、統計を取り始めた平成12年度以降、過去最多となりました。
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太陽光発電事業者の倒産「販売不振」が半数
倒産の要因としては、「販売不振」が最も多く、全体の半数を占め、「事実上の失敗」、「運転資金不足」が続いています。これらの理由は直接的ですが、国の政策にも問題があるように見えます。
経済産業省は、福島第一原発事故の翌年、平成24年に「太陽光発電電力の固定価格買取制度」を創設し、積極的に企業へ事業導入を促しました。同省は、太陽光発電電力など再生可能エネルギーを電力会社に長期固定価格で買い取ることを義務付け、発電事業者にとっては長期に渡り利益が保障されるような「制度」です。このため、異業種からも太陽光発電事業に参入する企業が急増しました。

電力の買取費用、電気代に上乗せ?
結果として、発電事業者の過当競争が起き始め、さらに電力会社が買い取る電力の費用は電気料金に上乗せされ、国民の負担が大きくなるだけでした。こうした反省から経済産業省は「制度」を事実上縮小し、諸外国に比べコストが高い発電機器や工事費用を是正することを要請しました。
ただ、このことによって事業者の利益は圧迫され、経営悪化する企業が増加しているのが現状です。
東京商工リサーチの調査では、負債総額は317億2,600万円と前年度の2.1倍にまで膨れ上がりました。

原発事故、見通しのつかない廃炉作業
福島第一原発事故から7年が過ぎ、今も5万人以上の被災者が避難生活を強いれられています。大地震や大津波、原発事故と想定外の災害で2万人の命が奪われ、数多くの負傷者、行方位不明者も出しました。福島第一原発では今も見通しのつかない廃炉作業を続けるしかありません。
関西電力は4月8日、大飯原発4号機原子炉に核燃料を装着する作業を始め、5月中旬にも再稼働する見通しです。
世論、有識者、政治家とも原発再稼働に賛否はあるものの火力、水力発電との併用になるのか太陽光発電など再生可能エネルギーではまだ力足らずです。
JR東海が着工しているリニア中央新幹線は、現新幹線の約3倍の電力が必要で、山梨県立大学の伊藤学長によると「リニアには原発3〜5基分の電力が必要」と、原発はなくなることは当面ないでしょう。


]2018.4.13]

先行き指数もプラス
内閣府が4月6日発表した、2月のCI指数(Composite Index:景気動向指数)は、前月から0.7ポイント上昇し115.6になりました。
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CI指数は、景気の現状を表すもので経済指標の動きを統合して算出しており、数ケ月先の景気を見通す先行指標も0.2ポイント上がり105.8となりました。指数は平成24年を100.0としています。
内閣府では、CI指数の動きから景気の基調判断を「改善を示している」と17ケ月連続で据え置きました。

CI指数とDI指数との違いは?
景気動向指数には、CI指数とDI指数(Diffusion Index:各種判断を指数化)があり、CI指数は指標の動きを合わせ景気変動のテンポを算出。DI指数は、改善している指標の割合を算出し各産業部門への波及度を測定しています。
CI指数、DI指数は、各々景気に対して先行して動く「先行指数」やほぼ一致して動く「一致指数」、遅れて動く「遅行指数」の3つの指数があり、景気の現状把握には「一致指数」が利用されます。

北米向け自動車、アジア向けIC輸出が牽引
景気改善の要因となったのは北米向けの乗用車の生産が増加し、関連する自動車部品の生産も増加したことが大きく影響しました。また、アジア向けを中心にスマートフォン用のIC(Integrated Circuit:集積回路) の生産も増加し貢献しました。
国内では新規求人数や新設住宅着工床面積の拡大、日経商品指数などが寄与した一方、原油価格の上昇に伴い取引が減少するなど卸売段階での商業販売は悪化しました。
景気の回復局面は6年目に入り、戦後最長の可能性も出てきた中、雇用環境と賃上げが消費を後押しし、収益を上昇させる企業は投資を積み上げています。

米中貿易戦争に巻き込まれたら・・
新年度を迎え、米中では貿易戦争が拡大中で、日本は輸出産業が主力であるため、懸念もされます。企業の業績や株価は現在のところ堅調に推移していますが、二国間の貿易戦争が他国にも発展するようなことになると、日本も影響は避けられません。
米国が関税を引き上げれば中国も報復し関税を引き上げ、引き上げられる「モノ」は拡大。原則関税を撤廃するTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)の考えとは真逆なことです。
貿易戦争に加え、為替は4月9日現在1ドル106〜107円台と、大企業・輸出業の平成30年度の想定為替レートは109.66銭と経常利益に大きく影響が出る懸念が残ります。


[2018.4.11]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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