事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


児童・生徒数減少、市町村合併で学校が廃校増
日本は少子、人口減が深刻な状態であり、平成の時代にこの課題を解決することが出来なかったため、児童・生徒数の減少や市町村合併などにより多くの小学校や中学校が廃校しており、この施設の有効活用が求められています。
近年では、過疎地での賑わいの復活や雇用の創出を狙う地域の自治体や企業、住民が連携し廃校の有効利用について成功例の実績も増えつつあります。
総務省によると、14歳以下の子どもの数は2055年には昨年の3分の2に減少すると推測しており、今後も公立学校などの統廃合は増加すると見られ、国も自治体の廃校の有効利用を後押しする支援が始まっています。
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廃校をどう利用すれば・・地域自治体の悩み
文部科学省では、ウェブサイトで「みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げ、オフィスや社会福祉施設、工場など活用の用途別に利用事例を紹介しており、平成30年には自治体と企業など民間団体をつなぐ「マッチングフォーラム」に200名以上が参加しました。
同省では、多くの廃校が発生し、地域の自治体など活用が検討されるものの、「地域からの要望がない」や「施設の有効活用が分からない」と言った課題が浮き彫りとなっています。
そこで、地域の自治体の希望に基づいて活用方法や利用者を募集している未活用の廃校などの情報を集約し、一覧にして公表を始めています。

校舎は地域の身近な施設、シンボル的な存在
文部科学省では、地域の児童・生徒数が減少することで学校が他の学校と統合されたり、廃校となることによって学校として機能しなくなることを廃校と定義しています。
同省では、学校施設は地域の住民にとって身近な公共施設であり、校舎などは地域のシンボル的な存在である場合も多く、廃校となった後も可能な限り地域のコミュニティの場として活かすことが重要と考えています。
平成30年5月1日現在、14年度以降の廃校について施設が既存するするもののうち約7割以上が福祉施設や体験交流施設などに活用されています。
ここ数年では、地域の自治体と企業が連携し、創業のためのオフィスや地元特産の加工工場としても廃校が有効活用されています。

国への少子化対策「質・量ともに十分ではない」が6割超え
内閣府が平成30年12月に全国の20〜59歳の男女1万1,889人に行った「政府や自治体の少子化対策」についての調査によると、結婚や妊娠、出産、子育て支援などへの評価は、「質・量ともに十分ではない」が61.7%と最も高い水準となりました。
厚生労働省の人口動態統計でも、平成30年の出生数は91万8,397人と過去最少を記録した一方、亡くなった数は136万2,482人と同様に増加記録を更新し、日本の人口減少に滑車がかかっているのが実態です。
平成では出来なかった少子対策が令和の時代に本腰を入れ、政策に取り組むことが望まれています。


[2019.6.25]

「災害大国日本」を認識、その備えを
平成30年は、6月の大阪北部地震や、7月の西日本大豪雨、9月の北海道胆振東部地震など自然災害が相次ぎ発生し、企業にとっても事業所や工場など被災するなど「災害大国日本」であることを思い知らされました。
安倍政権の地震調査研究推進本部でも、今後30年以内にマグネチュード8〜9クラスの巨大地震が起きる確率は、南海トラフ沿いで70〜80%と予測しています。
気象情報も年々、異常気象の予測ができる時代となってきましたが、その時に経営資産への影響を最小限にとどめ、事業の継続・早期復旧が求められてきます。

「BCP」経営基盤が脆弱な中小企業には必須
経済産業省中小企業庁によると、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、企業が自然災害や火災、テロ攻撃など緊急事態に遭遇した場合に事業資産の損失を最小限にとどめ、事業の継続、早期復旧を可能とするために緊急時における方法や手段などを予め取り決めておく計画としています。
緊急事態は突然発生し、有効な手段を取らなければ中小企業にとっては大企業に比べ経営基盤が脆弱なため、廃業に追い込まれる可能性も高くなります。

「BCP」策定企業はわずか15%
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東日本大震災では、特に自動車関連企業が原料から消費者まで全工程に繋がる供給網であるサプライチェーンが寸断し、日本国内のみならず、全世界経済にも影響をもたらしました。
帝国データバンクが6月13日発表した「BCPに対する企業の意識調査」によると、BCPの策定において「策定している」と答えた企業はわずか15.0%に留まり、「策定の意向あり、策定中、策定を検討中」が45.5%と半数を割り、BCP策定が進んでいないことが浮き彫りとなりました。
BCPを策定していない企業の理由としては、「策定に必要な知識・ノウハウがない」が43.9%と最も高くなっています。

自然災害以外にもセキュリティ、個人情報漏洩にも必須
日本は地震や台風、豪雨の他にも今後は、地球温暖化により異常気象によりどのような自然災害が起きてもおかしくない状況になっています。
動物ウィルスなど感染症や、不正アクセスなどの情報セキュリティ問題、個人情報漏洩など企業において緊急事態が発生した場合に早期復旧するためにBCPの重要性は高まっています。
BCP策定により、従業員のリスクに対する意識の高まりや、業務の効率化などの相乗効果があることも明らかになってきているだけに、国や自治体などBCP策定推進に向け、一層の取り組み支援が重要となっています。


[2019.6.21]

地方でも宿泊施設の設備投資増加
日銀は6月10日、「さくらレポート(地域経済報告:別冊)」を公表し、急増する訪日外国人客に対する企業や自治体の取り組みなど地域活性化に向けた課題をまとめました。
日本は高齢化や人口減が進み、特に地方では都心部に人口も流出しており、訪日外国人客ニーズを積極的に取り込んでいくとの声が大きく、宿泊業など設備投資の増加にも繋がっています。
令和2年には東京オリンピック・パラリンピック、7年には大阪万博と今後も訪日外国人客ニーズの増加は続くと考えられ、地域の住民や環境、文化など共生も課題となっています。

増加の要因?訪日客の6割がリピーター
平成30年の訪日外国人客数は、度重なる自然災害などキャンセルがあったものの3,119万人と過去最高を記録し、今年も5月末まで昨年以上のペースで増加がみられます。
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ここまで訪日外国人客数が伸びた背景にはリピーターが多く、日本政府観光局によると平成30年は観光目的の訪日外国人客のうち来日回数が2回目以上と答えたのは59.5%に上りました。
訪日回数が増えるほど地方を訪れる割合も高くなり、日本人でも知らなかった地域が外国人に大人気になるなど、メディアでも大きく報じられています。

Wi-Fiやキャシュレス決済、音声翻訳ツールの整備が鍵
「さくらレポート:別冊」では、人口が減少する地域では訪日外国人客ニーズで売上げを維持・拡大させるため、スマートフォンなどの情報源となるWi-Fi(無線LAN)の整備や、アジア圏では使用率の高いキャシュレス決済、音声翻訳ツールなど、設備投資額も大きくはなく国や自治体、企業が連携し助成が望まれます。
訪日外国人客ニーズは、これまで宿泊施設など、これまでの設備投資は平成25年から30年にかけ4.7倍に拡大しており、設備投資額が少なくて済む小売業やサービス業でも対応できる整備が急がれます。

日銀、観光は地域活性化に繋がる成長戦略
すでに、訪日外国人客が離島を訪れる回数が増加し、市内と離島を結ぶフェリーの就航便数が増加し、地域の雇用が安定し、新造船の導入にも繋がった例や、地域の古民家を相続人から借り受け宿泊施設に改装し、昔ながらの街並みに戻ったなどの報告もあります。
このような地域活性化には、国や自治体、企業などが連携し取り組む必要があります。
「さくらレポート:別冊」では、地域にとって観光は地域活性化につながる成長戦略の柱の一つとしまとめられ、これは安倍政権の「地方創生」にも繋がってきます。
地域活性に繋がった動きが、今後、さらに広がっていくかが注視されます。


[2019.6.18]

老後資金は2,000万円必要、金融庁「報告書」
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金融庁は6月3日、「高齢化社会における資産形成・管理」の報告書を提出し、国民から非難が殺到する論議となりました。
安倍政権が掲げる「人生100年」には老後の生活資金を賄うことができないため、夫婦の場合、約2,000万円が必要となる事を指摘し、そのために現時点からNISA(日本版Individual Savings Account:少額投資非課税制度)やiDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)などを有効に用いて、資産形成をするよう促しました。
麻生金融相も「100歳まで生きる前提で退職金を計算した人はいないよ」と今から考えないといけないと持論を公表しました。

「報告書」現役世代は投資すべき?
金融庁の報告書では、長寿社会を見据え、資産作りや金融サービスのあり方についてまとめており、この中で夫婦世帯において20〜30年で約1,300〜2,000万円の備えが必要との試算を盛り込みました。
報告書では、公的年金に加え、現役世代から長期の積立投資などで自助の取り組みを促す趣旨でまとめられました。
報告書をめぐり、年金制度の不備を示唆したものとして、国会では金融庁や厚生労働省からヒアリングを実施する姿勢を見せています。

麻生金融相「報告書は受け取らない」
日本は少子高齢化、人口減少が止まらず、財政も1,000兆円超えの債務もあり、将来的な年金支給が不足し今から投資など2,000万円が必要と公表されれば、国民誰でも不安となるのは当然で、メディアでも大きく報じ、国会では野党からの猛攻撃を受けました。
金融庁は、6月11日に老後の金融資産が2,000万円必要とする資産を盛り込んだ報告書を事実上の撤回に盛り込まれ、夏の参院選を懸念してか、麻生金融相は「国民に著しく不安や誤解を与えているとし、正式な報告書として受け取らない」とし、与党自民党からも「撤回」との厳しい意見が出されました。

財政赤字や賃金減少、消費税引上げ、国際経済減速・・不安要素
財政赤字や高齢化の増加、若年世代の賃金減少と今年10月には消費税引き上げが6月11日の経済財政運営の基本指針(骨太の方針)にも明記、経団連も夏の賞与が前年比2.5%減少と発表し、さらに国際経済の減速など不安要素も懸念されます。
報告書では、現役世代の年金水準はいずれ約50%に低下する見通しで、将来への不安を和らげるには現在の年金受給者への給付を抑え、将来世代に回す仕組みが課題となり、報告書の撤回だけに終わらず将来不安を払拭する政策に正面から取り組む必要があります。


[2019.6.14]

契約数5割り増しの3兆円超え
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生命保険会社大手5社の平成30年度(平成30年4月1日〜31年3月31日)の外貨建て保険の販売が、前年度から約5割増の3兆6,000億円と過去最高額を記録しました。
生命保険会社が銀行など金融機関を通じて販売する外貨建て保険は、契約者が支払った保険料を外貨に換え運用する商品で、円建てよりも利回りが高めになっており契約者が増加傾向にあります。
一方、契約に関して為替変動などのリスクや割高なコストを十分に認識しないまま契約し、後にトラブルになるケースの相談も多く増えてきています。
このため、管轄する金融庁の主導で外貨建て保険の情報開示の充実が進んでいます。

為替相場でリスも膨大に
外貨建て保険とは、保険料の支払いや解約返戻金が戻ってきますが、その通貨が円ではなく外貨ベースで行われる保険商品です。
例として、月々の保険料が100ドルであった場合、1ドル100円では10,000円となりますが、円高で1ドル90円になると9,000円になり、円安により1ドル110円となると11,000円となります。
この額は個人の場合がほとんどであり、中小企業の場合には桁が異なり、900万円か1,100万円と為替により200万円の差額がでます。
外貨建て保険は、為替により保険料の支払い額や保険金の受取額も変動するため、為替相場のリスクを十分に理解する必要があります。

日銀、マイナス金利政策で資産運用を外貨だけ保険へ
外貨建て保険は、日本と海外の金利差が影響し、一般的には円建て保険に比べ保険料が割安になる傾向にあり、金融機関の窓口で薦められればその気になり契約に至るケースも多くみられます。
日銀は平成28年2月よりマイナス金利政策を実施し、超低金利が維持されたままで通常の保険では資産の運用が難しい状況にあります。
ただ、海外では日本より金利が高い諸国もあり、保険の運用がしやすく保険料も割安で済む場合も多く外貨建て保険の契約数が増加する要因ともなっています。

保険受給額が減るデメリットを認識する必要あり
外貨建て保険は、保険料が外貨ベースで運用しているため、為替相場の影響を大きく受けやすい保険商品とも言えます。
低金利時代に、保険料は割安で資産分散もでき、円安になれば保険受取額が増加するメリットはあるものの、円高となれば受取額が減少するでデメリットもあり、円への両替時にも手数料がかかります。
米中貿易戦争など景気の見通しが想定できない中、資産運用の為に外貨建て保険を検討するには、為替相場のリスクを十分に理解し、認識してからの契約が望まれ、コンサルタントやフィナンシャルプランナーなど専門家の意見を聞き、資金運用計画を立てることが重要となります。


[2019.6.11]

住宅地、戸建ては横ばい、マンションが牽引
国土交通省は5月29日、今年2月の住宅総合の不動産価格指数が前年同月から2.2%増の114.2となり、51ケ月連続して前年同月比を上回ったことを発表しました。
住宅総合の内訳を見ると、住宅地が101.1、戸建て住宅が101.9、マンション(区分所有)が148.8とマンションの価格指数が全体を牽引しました。
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平成30年は、マンションの平均販売価格が前年から約1割上昇し、過去最高を更新しており、価格が賃料の何年分に当たるかを示す数値「マンションPER(Price Earnings Ratio)」は24.98に上り、平成12年以降で最も高く、マンションが手に届きにくくなっている状況となっています。

国際指針に基づいた不動産価格指数
不動産価格指数は、IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)などの国際指針に基づいて、不動産の市場価格の動向を示すものとし、日本では国土交通省が全国や地域別、住居・商業別の分析を基に投資環境の整備などに活用されています。
指数は、平成12年7月を100とし、同省が運営する「不動産の取引価格情報提供制度」などから抽出したデータを基に算出しています。
同省では、物件の所在や取引状況を調査した「登記移動情報を基にした情報」や、アンケート調査を反映させた「アンケート調査による情報」、不動産鑑定士が現地に出向き周辺環境や築年数などを確認する「現地調査」と、多様な情報を分析し不動産価格指数を割り出しています。

リーマン・ショックを機に世界で指数を統一化
不動産価格指数は、米国での低所得者向け不動産ローン・サブプライム破綻によるリーマン・ショックを経て国際的な指標ともなり、金融危機をキッカケにIMFなど国際機関が中心となり、指数を統一化したもので日本もこれに賛同しました。
国土交通省によると、マンションの指数上昇は、平成25年以降急激に上昇し、戸建てや宅地については横ばいが続くものの、現在は住宅ローンが超低金利で推移しているものの、マンション価格高騰で買いづらくなっているのが現状です。
これは、東京オリンピック・パラリンピックの開催地決定とも重なりますが、それ以前にも上昇傾向にありました。

住居用マンションの他に投資用に活用も
割高感の高い駅近のエリアでは、国内外の富裕層など住居用に購入する高級物件以外にも投資先としての高いニーズがあり、現在でもタワーマンションなどの開発が相次いでいます。
その結果、周辺のエリアのマンションの価格相場を押し上げる結果ともなっています。
令和34年には日本の人口は1億人を割り込み空き家は800万戸を超える中、人手不足により外国人労働移民は今後5年で50万人が流入し、首都圏への流入が予測される状況です。
首都圏などマンションを取得できる層は限られてきており、今後の住居環境動向が注視されています。


[2019.6.7]

訪日客増加を牽引する中国、韓国は減少
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日本政府観光局は5月21日、1月〜4月の訪日外国人客数が前年同期から4.4%増加し1,098万500人だった事を発表しました。
4月19日には1,000万人に到達し前年より6日早い過去最速で、昨年に続き通年でも3,000万人を超えるペースです。
増加を牽引したのは中国で、同10.2%増の289万5,400人と訪日客全体の3割弱を占めた一方、中国に並ぶシェアを持っていた韓国は同4.2%減の264万7,400人と対照的な結果となりました。
4月は、日本の大型連休と重なり日本人旅行者も増加しており、宿泊料金も割高になったことが訪日客にも響きました。

訪日客の6割がリピーター、全国各地へ
国土交通省観光庁が平成30年に行った調査によると、訪日外国人客のうち61.4%がリピーターだったことが判明し、日本の有名観光地より、日本の古き良き文化や、風情の残る地方エリアが好まれ始めています。
在日外国人向け情報サイト「GaijinPot.com」の2019年「外国人が訪れるべき日本の観光地ランキング」によると、第1位は鳥取県でした。
その理由として、鳥取砂丘はあるものの、海外でも人気の「ゲゲゲの鬼太郎」や「名探偵コナン」の作者の故郷であり、外国人アニメマニアからは「アニメの聖地」と有名で、今後の地域活性化の鍵を握っていると言えるでしょう。

東都・大阪・京都除く観光消費、44道県で東京単独を抜く
観光庁がまとめている、訪日外国人客の日本での消費額では、都道府県別で分析したところ平成30年に代表的観光地の東京や大阪、京都を除く44道県で消費額は、平成27年比で39%増加し約1兆8,000億円と東京都の単独消費額を上回りました。
東京都での消費額は単独ではずば抜けているものの、東京以外の地域での消費額が増加傾向にあり、東京・大阪・京都にこだわらず、地方を何県も結ぶような周遊ルートの開発が地方活性化に繋がると考えられます。
中部国際空港から石川・能登半島までの周遊「昇竜道」9県は、3,240億円と3年で41%増加したのも成功例です。

国交相、訪日客を効果的に日本全国へ拡散、訪日客流動データを公開
今年は9月にラグビーワールドカップや来年の東京オリンピック・パラリンピックとさらなる訪日外国人客が増加する予測で、観光施策の立案や旅行商品などの企画に旅客流動データがが欠かせません。
国土交通省では、訪問地や国籍、目的、利用交通機関などの各種データ分析や周遊に関する分析をFF-Data(Flow of Foreigners-Data:訪日外国人流動データ)を新たに作成し、公開しました。
訪日外国人客のうち移動や交通機関などを分析することで、効果的な観光戦略を立案する際に、対象となる市場や連携先などの検討に役立ち、訪日外国人客の誘致、消費につなげたい考えです。
▼国土交通省:FF-Data


[2019.6.4]

日本の全戸数の13.5%が空き家
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総務省が今年1月に発表した「空き家対策に関する実態調査」によると、日本の人口減少や住宅の老朽化などの構造変化により、空き家が年々増加していることが改めて露呈されました。
同省が平成25年に実施した「住宅・土地統計調査」によると、同年10月1日現在、全国の総戸数6,063万戸のうち空き家は全体の13.5%に当たる820万戸に上っています。
この数は過去10年で1.5倍、過去20年で2.1倍に増加しており、所有者による管理が行われない空き家は結果、地域の安全性の低下や衛生上の悪化、景観の阻害など多岐にわたり問題を生じさせています。

首都圏でも空き家は200万戸
特に地方から大都市圏へ流入する空き家問題は問題となっており、東京や埼玉、千葉、神奈川の1都3件県の空き家率は、9%〜11%と全国平均に比べ低いものの、戸数は約200万戸と全体の4分の1を占めています。
昭和の高度経済成長期には、東洋一のマンモス団地と呼ばれた東京・板橋区の高島平団地は、第2次ベビーブーム時の昭和47年に建設され、最盛期には約3万人が生活していましたが現在では2万人を割り込み空室も目立っています。
同様に東京都・多摩ニュータウンや大坂。堺の泉北ニュータウンでも空室が目立ってきています。

倒壊、景観損なえば法案で撤去
平成27年には管理が不十分で周辺に悪影響を与える空き家対策として「空き家対策特別措置法」が施行され、分譲マンションなども倒壊の恐れがあったり、周囲の景観を著しく損なう空き家に対して市町村が「特定空き家」に指定し、所有者に対し「指導」や「勧告」、「命令」など段階を踏み改善を求め、応じなければ代執行で撤去できるようになりました。
国土交通省によると、築40年以上超えの分譲マンションは平成29年末現在約73万戸でしたが、20年後には約5倍の352万戸になると推測しています。
解体や建て替えなどは、所有者の5分の4以上の承認が必要となっていますが、この数字からハードルを下げる方向になるを得ない状況です。

空き家対策、民間からもアイディア・提案公募
国土交通省では5月20日より全国の空き家対策を加速化させるための支援制度である「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」の提案募集を開始しました。
民間のアイディアや提案を広く募るもので人材の育成と相談体制の整備や、共通課題の解決部門の2部門を公募し、地方公共団体と民間の専門家などが連携し事業を実施し、その成果を広く公開する計画です。
近年は、築年数の経った建物に大規模な工事で新築時より付加価値を高めるリノベーションも多く見られ、若い世帯にも人気が高まるなど、空き家対策に様々な手法が提案されることに期待されます。


[2019.5.31]

マイナス成長予想がプラスに転換
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内閣府が5月20日発表した、今年1月〜3月期の実質GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、マイナス成長が予測されていたものの、プラス0.5%、年率でも2.1%と予想外のプラスとなりました。
GDP発表前には、3月の景気動向指数でも基調判断が6年2ケ月ぶりに「悪化」に引き下げられたこともあり、平成30年10月をピークに下落傾向にありました。
GDPは、日本全体の景気動向を表す指標であり、マイナス成長となれば景気後退判断を支援しなければならない有力な根拠にもなっています。

日本は「どれだけ儲けた?」GDP、米国、中国に次ぐ世界3位
GDPは、一定期間に生み出された付加価値の総額を示す指標で、簡単に言えば日本が年間「どれだけ儲けた?」という意味にもなります。
GDP指標は、日本での消費や企業の設備投資、国が投資した資金、輸出額から輸入額を差し引いた額の合計で算出され、IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)によると平成27年の日本の実質GDPは約528兆円で米国、中国に次ぐ第3位となっています。
この約528兆円のうち、約55%が家計・個人の消費で占められるため、今年10月の消費増税での動向が注視されています。

輸出、企業の設備投資、家計・個人消費がマイナスに
全体的にGDPはプラス成長を示したものの、輸出が中国を中心に減速が影響してマイナス2.4%、企業の設備投資も米中貿易戦争で中国への輸出が減少し、製造業を中心に設備投資が控えられマイナス0.3%となりました。
さらに、家計・個人の消費でも暖冬の影響によって衣料品の販売が不調に終わり、食品類の値上げも影響を受け消費心理が縮小し2四半期ぶりのマイナス0.1%となりました。
一方、住宅への投資や国の公共投資の増加により、プラス成長に大きく寄与しています。

景気拡張期間、戦後最大の74ケ月連続の効果は?
安倍政権では、今年1月の月例経済報告で景気拡張期間が74ケ月連続と戦後最長を更新し「景気は緩やかに回復」との見解を示しましたが、令和元年の経済成長見通しはプラス1.3%達成を目指しており、各四半期で年率プラス1.3%になることが必須になります。
現在の世界経済状況は、米中貿易戦争の終息とは逆に一層エスカレートしている状況であり、日本にとっても他人事でなく製造業を中心に輸出・売上が縮小傾向にあります。
この状況下で、夏の参院選や10月の消費税引き上げなど今後の日本の経済状況の動向が注視されます。


[2019.5.28]

AI、ビッグデータを駆使し地方を活性化
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安倍政権は5月16日、地方創生を目指す「まち・ひと・しごと創生基本方針2019」の策定に地方6団体と意見交換を行い、AI(Artificial Intelligence:人工知能)やビッグデータなどを駆使した先進サービスを支援する「スーパーシティ特区構想」などを説明しました。
意見交換の場では片山地方創生相が「頑張っても地方の人口は減少し自治体職員も増やせない」と述べた上で、地方活性化や業務の効率化の切り札として「ソサイティ5・0の取り組みがかかせない」との認識を示しました。

ソサイティ5・0、サイバー空間とフィジカル空間の融合
内閣府が推奨する「ソサイティ5・0」とは、サイバー空間(仮想空間)とフィジカル空間(現実空間)を高度に融合させたシステムによって経済の発展と社会的な課題の解決を両立する人間中心の社会を目指すものです。
これまで「ソサイティ1・0」は狩猟社会、「ソサイティ2・0」は農耕社会、「ソサイティ3・0」が工業社会、「ソサイティ4・0」が情報社会と位置付けられ「ソサイティ5・0」は、第5期科学技術基本計画における国が目指す未来社会をを目指すものとしています。
「ソサイティ5・0」で実現する社会は、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)などで全ての「ひと・もの」が繋がり、知識や情報が共有され新たな価値観を生み出し、これまでの少子高齢化などの課題などを克服するものです。

IoTやグローバル化で経済・社会は変革期
現代の世界の経済や産業、生活環境は、大きな変革期にあり、自動車は自動運転、家電製品はIoT化など発展が著しく進む中、人々の生活はより便利、豊かになり医療の進歩などで寿命も延々し高齢化が進んでいます。
特に世界経済では、グローバル化が急速に進み、国際的な競争に晒され格差社会や不平等などの面も生じており、解決すべき課題は複雑化して来ています。
現状では、経済の発展と社会的な課題の解決を両立する決定的な解決策は困難な状況にあると言っても過言でないでしょう。

ソサイティ5・0は地域に関係なく経済を活性化可能に
世界経済が大きく変革する一方、IoTやAI(Artificial Intelligence:人工知能)、ロボット化、ビッグデータの活用など経済に大きく影響する技術の進展は進んでいます。
日本は先進国として、これらの技術を様々な産業や社会生活に取り入れ、経済の発展と社会的な課題に取り組む「ソサイティ5・0」の実現が重要となり、日本の地域に関係なく、首都圏他、地方でもその充実は十分に可能です。
日本は、地方過疎化がメディアでも報じられますが、先端技術を産業や社会生活に取り入れることでイノベーションから新たな価値を生み出し創造されることも地域に関係なく実現可能であり、「ソサイティ5・0」を世界に向け実現すべきと考えられます。


[2019.5.24]

東京・晴海、過去最大のマンション街誕生
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令和2年に開催される東京オリンピック・パラリンピックの選手村の建設が現在も東京・晴海地区で進められていますが、五輪終了後には巨大なマンション街となり一般に販売される計画です。
五輪開催中には選手村と使用され、開催後には内部をリフォームし新築マンションとして中層マンション17棟に、五輪開催後に2棟の高層タワーマンションが新設されます。
開催後の晴海の総分譲戸数は4,145戸と過去最大級の民間分譲マンション街となり「晴海フラッグ」と地名も名付けられました。

内見会も予約が取れない状況
大型連休のゴールデンウィークには、建設中のクレーンがそびえ立つ中、分譲マンションの内見会が行われ完全予約制の中、1,200組が来場し、6月末までは予約がとれない状況です。
内見会には若い夫婦が多く見られ、モデルルーム内に設置された託児室は早朝から満室状況と、引退したシニア夫婦などの姿も目立ったと言います。
内見会では物件概要の説明や紹介映像の視聴、モデルルームの内見と新築分譲マンションには一連の流れですが、最大の注目はその価格帯にあります。

先行販売、1億3,000万円も
「晴海フラッグ」販売には、三井不動産や三井地所、野村不動産、住友不動産など大手10社が名を連ねることも異例であり、価格設定によっては周辺の不動産相場に影響も与えると考えられます。
販売は、南西側街区の700戸弱が先行販売する予定で、3LDK(85〜96平米)で7,000万円代後半から8,000万円代後半、4LDK(95〜127平米)で8,000万円代後半から1億3,000万円になる見込みです。
平均坪単価で見ると、おおよそ302万円となりますが、近隣の住友不動産のタワーマンション「ドゥ・トゥール」で366万円、三井不動産の「パークタワー晴海」が344万円と割安感はあります。

空き家800万戸以上なのに、なぜ新築分譲マンションが立つのか
日本は「少子高齢化の加速」や「30年後には人口1億人割れ」、「空き家800万戸」とネガティブな傾向にあるものの、人口は首都圏に集中傾向にあります。
地方からの首都圏流入は年間約13万人に達し、外国人人口も毎年約7万人と、賃貸住宅や分譲マンションなどの価格も上昇傾向にあり、地方との価格格差も目立つようになっています。
「晴海フラッグ」は、今後、小中学校や商業施設、公園が設置される計画ですが、交通では最寄駅が東京メトロ有楽町線の月島駅と約20分かかる立地です。
新橋や東京、湾岸エリアに職場があれば利便さが体感出来そうですが、新たな街として今後、未知数な部分も多く五輪開催後の動向が注視されます。


[2019.5.21]

スカパー、Jスコアが情報提供の対価で利用者に還元
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日本国内において各企業が世界初となる、個人情報提供者へ利益を還元し情報を一括管理する情報銀行が始まります。
スカパーJSATが7月から視聴履歴などの提供に同意した利用者へ、視聴料の割引やみずほ銀行が出資する個人融資サービスのJスコアの電子マネーや現金などを還元するものです。
個人情報の収集については米IT(Information Technology:情報技術)企業大手のGAFA(Google:グーグル、Apple:アップル、Facebook:フェイスブック、Amazon:アマゾン)が、利用者の承認なくデータを利用し、不満が高まり、フェイスブックでは個人情報の情報漏洩問題までに発展し業績を緩わせました。

情報提供、個人の同意が基本
情報銀行は、利用者の行動履歴や購買履歴などの個人情報データを一括管理し、「個人の同意」に基づき、企業など第三者へデータを提供するしくみで、業界の垣根を超え流通できるように安倍政権でも検討が進んでいます。
情報を提供された企業にとっては、異次元の深さのビッグデータが入手出来、消費者のニーズや関係性をも築くこととなり、付加価値の高い商品やサービスを生み出し、新たなニーズを掘り起こせる可能性も高くなります。
情報銀行の今後の普及は未知数であるものの、効率的、効果的にニーズのある消費者へ情報を与えることが可能となり、データ資本主義の要となることには間違いないと考えられます。

総務省、金融庁も承諾済み
情報銀行は、日本IT団体連盟が総務省と共同して指針を作成し、個人情報保護ルールを定めているなど国のお墨付きであり、情報提供者は情報銀行への情報提供の可否を選択でき、提供した場合には対価が得られるとしています。
その対価は、これまでTポイントサービスや百貨店、宿泊施設の優待サービスに留まっていましたが、スカパーでは視聴料の割引やみずほ銀行傘下のJスコアでも現金や電子マネーの提供などより身近なメリットが利用者に与えられます。
Jスコアは、金融庁と協議し、早ければ令和元年度にもサービスを開始する予定で、他にも三井住友信託銀行やイオンが出資するフェリカポケットマーケティングも6月中には情報銀行の認可を取得する見込みです。

日本の情報銀行、米GAFAとは異なる個人情報の扱い
日本の情報銀行は、米GAFAの個人情報の承諾なしに勝手に乱用する仕組みとは大きく異なり、利用者の承諾を得たうえで個人情報の対価に相当するサービスを提供する運営方法となります。
国内外では、企業や各種機関での個人情報漏洩や流出、不正利用が大きな問題となっていますが、日本の情報銀行は国の支援をも受け、利用者の同意を得てデータを活用し、利用者にも対価を与えるなど、新たなマーケティングの取り組みとして今後、注目されます。


[2019.5.17]

終身雇用は限界、雇用維持のために事業を残すべきではない
経団連の中西会長(日立製作所:会長)は5月7日、定例会見で終身雇用について「制度疲労を起こしている。終身雇用を前提にすることが限界になっている」と持論を強調。
さらに「雇用維持のために事業を残すべきではない」と経営者に対して新たな事業へ注力するよう訴えました。
同会長は、出身の電気業界での事業展開が進んでると指摘し、従業員の仕事がなくなる現実にいつも直面し、すぐにリストラするわけにはいかず内部転換や外部で働くかどちらかだと強調しています。
これは「終身雇用をこれ以上維持するのは無理」とのことであり、産業界で話題となっています。

終身雇用、40年雇用で人件費3億円
企業にとっては、従業員を65歳まで雇用する事を前提に計算すると、平均年収を社会保険料込みで800万円とし40年間雇用した場合、おおよそ3億円以上の人件費が必要となり、その価値があるか問われる時代です。
3年先、5年先が見通せない今の時代に終身雇用の維持は無理なのか、安倍政権でも年金支給開始年齢のさらなる引き上げを検討中であり、企業へ定年延長を求める状況です。
一方、年功序列については、新卒一括採用の見直しに代表されるように優秀層から見直しが始まる見通しで、自分の希望するスキルを求め企業と交渉をし、流動化されると考えられます。

同じ仕事しながら正規、非正規の収入差
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総務省が発表した平成30年の「労働力調査」によると、会社役員や自営業を除く日本の労働者5,596万人のうち、37.9%に当たる2,120万人が契約社員や派遣社員など非正規雇用の労働者です。
当然のように非正規雇用の従業員は、同じ仕事をこなしても正規雇用従業員より年収は低く、子を持つどころか結婚も諦め、節約志向で経済的な余裕が持てないのが実態です。
昭和の高度経済成長期には、国民皆中流層と非正規雇用などの言葉はありませんでしたが、平成に入り昭和を牽引した経営者トップが変わると何も変革もなくグローバル化の進捗で格差が生まれてきました。

企業、非正規雇用は賃金節約のため
厚生労働省の平成26年「就業形態の多様化に関する総合実態調査」によると、従業員5人以上いる事業者が非正規雇用を賄う理由として「賃金節約のため」が38.8%に上りました。
民間や自治体など非正規雇用が増加した背景には、平成15年の小泉政権で打ち出した「集中改革プラン」であり、中心となったのは当時の総務相で現派遣業大手・パソナグループ会長の竹中氏でした。
それまで高度専門職に限定した派遣の職種を製造業まで緩和し、非正規雇用者を激増させました。
その竹中氏は、現在、安倍政権の国家戦略特区の諮問会議の議員として起用されており、これからの雇用構造にどのように影響するか注視されます。


[2019.5.14]

今の生活に「満足してない」は3割強
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内閣府は4月5日、「社会意識に関する世論調査」の結果を発表し、「現在の生活に満足している」という答えが7.4%、「やや満足している」が57.3%と64.7%の人々が現在の生活に「満足」してることが判明しました。
一方、「満足していない」との答えは6.0%、「あまり満足していない」が28.6%と「満足していない」は34.6%と、前回調査と比較し、大きな変化は見られませんでした。
ただ、バブル時代を知らぬ18〜29歳では「満足」が71.6%と、年代別では稀に見る高水準となりました。

30〜50歳代では今の生活「満足していない」
調査は、全国の市区町村に居住する18歳以上の日本国籍の国民10,000人が対象で、年代別では結果がわかったものの、地域別では関東が3,378人、近畿1,619人、東海1,008人と多い一方、四国の310人、北陸420人、北海道434人と、地域差による意識の認識も異なると考えられます。
年代別ではバブルを知らぬ世代が7割を超え、70歳以上でも「満足」と答える一方、30〜50歳代で「満足していない」の水準が高くなっています。
このことからも、バブル期に社会で活躍し、現在も生活を支える人々がバブル崩壊や、景気低迷、デフレ継続、円高、リーマン・ショックなどと平成時代に大きな社会変革を体験した人々が「満足していない」ことが考えられます。

景気回復に貢献?日銀の異次元金融緩和
日銀は景気対策に異次元金融緩和を継続し、500兆円近い国債を買い取り、25兆円弱のETF(Exchange Traded Fund:指数連動型上場株式投信)、5,000億円以上のREAT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)を買い支え、日経平均株価も落ち着き、大都市中心に不動産価格も上昇しています。
さらに、マイナス金利政策や中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)で倒産件数も減少し、令和時代を迎え、平成に振り戻った感もあります。

新成人、日本の未来「暗い」が6割超え
ネット調査会社のマクロミルによる今年成人式を迎えた男女500を対象とした「2019年新成人に関する調査」によると、日本の未来について63%が「暗い」と答えたことが判明する一方、国民年金制度についての信頼度は41.4%と平成26年調査以来過去最高となっています。
日本の未来について「暗い」と考える20歳は、「少子高齢化への不安」や「政治問題」などが多く挙げられ、国民年金制度への信頼が半数以上にならない要因とも考えられます。
20歳の半数以上が日本の将来が不安でありながらも、現在の生活に満足しているという感性は、自然なことになってしまったようにも考えられます。


[2019.5.10]

家計の貯蓄、「非正規雇用」「現役世代は厳しい」
消費者金融大手のSMBCコンシューマーファイナンスによると、将来の出費に備える預貯金などを持たない30代、40代の「預貯金ゼロ」世帯が23%と報じ、国民に反響を与えました。
190507_1.jpgこの報道を受け、SNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)では、「非正規雇用ではギリギリ」や「格差が広がった」、「現役世代は厳しい」との声が多数上がりました。
リスクに脆弱な家計が若い世代に広がっていることが明確になりました。

貯蓄ゼロ、昭和の3%から30%超えに
日銀の金融広報中央委員会では、昭和38年より「家計の金融行動に関する世論調査」を行なっており、二人以上世帯の金融資産を「保有していない」と答えた世帯は昭和62年の3.3%から平成29年には31.2%に上り、平成30年間での上昇傾向が鮮明となりました。
この結果は、SMBCコンシューマーファイナンスの調査とも重なっています。
貯蓄ゼロ世帯の世帯主を年代別に見ると、20代の35.6%から70歳以上の31.2%まですべてが3割近くを占め、貯蓄ゼロ世帯の増加は世代を超えた共通課題にもなっています。

グローバル化、ロボット、IT化で賃金増えず
貯蓄ゼロ世帯の増加は、グローバル化やロボット、IT(Information Technology:情報技術)などが急速に進み、賃金が抑えられたことにあるでしょう。
貯蓄のある世帯では、収入からどれほど貯蓄に回したかの推移を見ると昭和62年の20.2%から平成29年は29.2%に上昇しており、所得格差も浮き彫りになりました。
他に増加は10%未満の2区分のみとなり、10%以上では全てで割合が減少し、貯蓄世帯でも余裕がなくなっていることが伺えます。

住宅ローン負債額、平均1,690万円で貯蓄可能か
安倍政権は、住宅ローン減税など持ち家取得を促進しており、低金利で金融機関での融資競争が過激していることからも、30代など若い世代が住宅ローンを組む人も増加しています。
住宅ローン世帯のローン負債額は、平成29年で平均1,690万円と、子育てなど考えれば貯蓄に回す余裕もなくなってきているのが現状です。
貯蓄ゼロ世帯において、失業や病気など収入が減少すれば生活困窮となる平成30年の時代に、令和は、財政や社会保障など国民の不安を払拭できるかが課題となります。


[2019.5.7]

GW10連休、プラスやマイナス面も
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平成から令和へ改元を挟んだ過去最長となる10連休となるGW(ゴールデンウィーク)休暇が始まり、日本経済にとっては景気にプラスとマイナスの影響の格差が目立ってきそうです。
大手旅行会社のJTBによると、4月25日から5月5日に1泊以上の旅行に出かける人は国内外で過去最高の2,467万人と前年から1.2%増加しており、平成・令和をまたぐ結婚式や、初日の出ツアーなどに人気が出ているようです。
経済的にプラス面では、娯楽や旅行、外食などの消費支出が期待される一方、マイナス面では、連休明けの消費購買心理の低迷、節約モードが挙げられています。

天皇陛下譲位、皇太子即位のお祝い行事に経済効果期待
関西大学の宮本名誉教授が4月17日に発表した今年のGW経済効果によると、2兆1,395億円との試算で、天皇陛下譲位や皇太子即位のお祝い行事などで、10連休の経済効果を試算、分析しました。
これは、内閣府が平成28年に発表した全国の「産業連関表」を用いて計算し、国内外の旅行による経済効果が1兆6,245億328万円で、波及効果が5,150億8,641万円と総計し2兆円を超えると分析しました。
宮本名誉教授によると、今年のGW10連休の経済効果は、平成24年の東京スカイツリー関連1,861億2,000万円の約11.5倍、29年の上野動物園のシャンシャン誕生誕生観覧267億4,736億円の約80倍など、他のイベントなどに比べ経済に大きな影響をもたらすとしています。

非正規労働者は減収、子の保育園、病院の対応は?
ただ、10連休によって非正規労働者にとっては休日が増えることで収入が減少する可能性もあり、また、両親共働きで子を保育園などに預けている親や、病院へ治療へ通わなければならない患者にとってはプラス面よりもマイナス面の影響が出る可能性もあります。
10日間の連休により、日本全体が休暇となれば経済にとっては製造業などではマイナス面も大きく、作りだめや連休明けの増産など通常の連休とは異なる影響も出る懸念もあります。

グローバル化の中、日本だけGWで金融機関や株式市場も閉鎖
GWは日本だけの休暇であり、グローバル化が急速する中、日本だけが金融機関や株式市場が閉ざされることとなり、万が一、海外で大暴落でも起きれば日本市場は閉まっているためインターネット証券では操作可能であるものの、窓口での対応は不可能となります。
令和元年となり、お祝い気分で経済効果には十分期待できるものの、金融機関や医療関係などインターネット上では告知されていますので確認する必要があります。


[2019.5.3]

平成、長期にわたる不況時代
「平成」の時代が終わり「令和」の時代が訪れようとしています。
平成元年は、12月29日に日経平均株価が3万3,8915円と史上最高値を記録し、その後にバブルが崩壊し日本の経済は「失われた20年」や「30年」と報じられ長期にわたり不況に陥りました。
平成に入り、不良債権処理にて銀行など金融機関の破綻や統廃合が進み、平成10年頃よりデフレが蔓延し、平成20年には100年に1度と言われるリーマン・ショックにより世界同時不況に突入しました。
さらに平成23年3月11日には、東日本大震災や、阪神・淡路大地震など相次ぐ地震や豪雨・台風などの自然災害に見舞われ中小企業にも大きな影響を与えました。

金融機関や上場企業、老舗企業は倒産しない?
平成を振り返り、企業は金融機関や上場企業、老舗企業は倒産しないことが常識となっていましたが、バブル崩壊後は不良債権の増加やデフレなどにより経営体力を失う企業が続出しました。
平成2年にはリースマンション分譲のマルコーが会社更生法を申請し平成初の上場企業倒産が始まりとなり、その後は山一證券や北海道拓殖銀行など金融機関の破綻が相次ぎました。
平成の30年間、上場企業の倒産件数は233件に上りました。
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「平成」の上場倒産企業数、「昭和」の3倍に増加
東京商工リサーチによると、平成の30年で上場企業倒産件数は年平均7,7件でしたが、戦後の昭和27年から63年までの37年間の上場企業倒産件数は年平均2,5件と、単純に比較はできないものの、平成は昭和の約3倍のペースで上場企業が倒産したことになります。
ただ、平成21年からは、金融機関の不良債権処理が落ち着き、資金調達への政策も改善、日銀の異次元金融緩和政策で円安に振れ輸出企業には大きな収益をもたらし、同4,9件と大幅に減少しました。
中小企業においても、平成21年12月に施行した中小企業金融円滑化法によるリスケジュール(条件変更)により、中小企業においても資金繰りが支援されました。

高止まり状態の中小企業の「休廃業・解散」件数
一方、中小企業において「休廃業・解散」は高止まりした状態であり、平成30年は4万6,724件と前年から14.2%増加しており、経営者の高齢化、事業承継の不備、人手不足、原資材の高騰などが要因となっています。
平成2年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、前回大会から半世紀が経ち、交通インフラなどの老朽化も目立ち始めています。
国土の強靭化や、観光大国を目指す日本にとって「令和」の時代に、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)やAI(Artificial Intelligence:人工知能)などの革命技術、さらにアナログな部分でも差別化、付加価値を高めることが中小企業にとって進むべきと考えられます。


[2019.4.30]

バブル期並みの不動産向け融資に日銀が指摘
日銀は4月17日、「金融システムリポート」を発表し、銀行など金融機関による不動産業向け貸出しが「過熱」していると指摘し、今後は不動産市場の動向が金融機関に与える影響を注視すると指摘しました。
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金融機関による不動産向け貸出し残高は、GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)比で14.1%であり、過熱でも停滞でもないと言われる12.8%を上回っており、バブル機崩壊寸前の平成初期以降、初めて「過熱」と判断しています。

スルガ銀行、再び不動産向け融資再開へ
不動産向け融資が増加し要因には、日銀のマイナス金利政策が継続する中、利ざやを求め地銀を中心に増加したことが背景にあり、平成30年にはスルガ銀行の多数の不動産向け不正融資が発覚し、メディアでも大きく取り上げられ今年に入ってから減少傾向にあるものの、不動産業向け融資の貸出期間が長い割合が上がっています。
そのスルガ銀行は、4月12日、金融庁の業務停止命令期間の最終日を迎へ、不動産投資向け融資を5月中旬から再開する事を発表しました。
同行によると、「業務改善計画の主な進捗状況について」では、行員が法令を守るよう研修、教育を徹底し、内部監査体制も確立したと説明しましたが、外部から見れば、今までその対策は全くなかったとの見解にも聞かれます。

地銀、企業への融資がこれまで通りなら10年後に6割が純損益に
日銀では同日、地銀の中長期的な経営状態の試算も公表しており、企業などの借入れがこれまでのペースで縮小された場合、10年後には地銀の58%、信金の53%が純損益で赤字になると試算しました。
さらに、5年後にリーマン・ショック並みの金融危機が起き景気悪化に見舞われた場合、地銀の自己資本を表す資本比率が9.6%から6.5%にまで低下すると指摘しました。
日銀では、収益力をあげるような取り組みを地銀などに要請しています。

地銀、融資ほか不動産投資へ軸足も
日銀リポートによると、不動産向け貸出し比率が高まる金融機関ほど自己資本比率が低い傾向にあり、融資だけでなく、REAT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託)や私募REATなど不動産ファンド向け出資も地銀を中心に大きく増加しており、不動産悪化局面では貸出しより大きく価値が毀損すると警告を発しています。
スルガ銀行では金融サービス企業のSBIHD(SBIホールディングス)と提携し、不動産向け融資について協議が行われていますが、提携交渉の内容は依然不明で経営再建の道筋も明確ではありません。
同行では、早期に基準を確定し個別の状況に応じ対応するとしていますが、マイナス金利政策の中、銀行の金利低迷で安易に不動産投資に軸足を移すにはそれなりの知識、動向、対応が必要となっています。


]2019.4.26]

分譲マンションの購入理由「立地環境」が7割
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国土交通省は4月16日、「平成30年度住宅市場動向調査」の結果を取りまとめ発表し、現在居住している住宅を選択した理由のうち「住宅の立地環境がよかった」と答えた購入者が分譲マンションで72.3%に上ったことを発表しました。
同省では、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的に、平成13年度から毎年調査を実施しており、平成30年度は注文住宅867件、中古住宅1,176件、分譲住宅627件の住宅購入者を集計したものです。
調査は、平成29年4月〜30年3月に購入、住み替え、建て替えなど行った世帯を対象とし注文住宅、中古住宅は全国を、分譲住宅は三大都市圏を対象としています。

日本の文化?新築住居の購入6割超え
一方、注文住宅購入者は「信頼できる住宅メーカー」が50.7%と半数を占め、分譲戸建て住宅購入者は、「一戸建てだから」が54.1%と最多となりました。
注文住宅や分譲戸建て住宅、分譲マンション購入者が中古住宅を選ばなかった理由としては「新築が気持ち良い」が注文住宅で61.5%、分譲戸建てで66.8%、分譲マンションで60.6%といづれも過半を超えました。
また、中古戸建て、中古マンション購入者が中古を選んだ理由としては「予算的に中古が手頃」が中古戸建てで66.6%、中古マンションで70.6%と7割を超えました。

相次ぐ建築違法住宅に保障は?
住宅購入者にとっては一生に一度の高い買い物であると言われる住宅ですが、大手住宅メーカーの大和ハウス工業は4月12日、30都府県の戸建て住宅と賃貸共同住宅の計2,000棟で建築基準法に違反する恐れがあると発表しました。
また、賃貸共同住宅メーカー大手のレオパレス21でも違法建築が発覚し、最大で1万4,000人が転居を迫られるなど、住居者はもとより、住宅に投資したオーナーへの補償がどうなるのか注目されています。
レオパレス21は東京・銀座の歌舞伎座タワーに本社を構え、売上高は1,200億円と右肩上がりで、社長は現在も目黒区に土地価格だけで約13億円の豪邸や渋谷区にも高級分譲マンションを所有するなど資産総額は数十億と推定されています。

マンション、新築・中古とも価格上昇傾向
一生に一度の買い物である住宅は、購入価格が平成26年度比で分譲マンションが25.9%、中古マンションも31.7%と上昇傾向にあります。
住宅の購入にあたっては、景気の先行き感や、家計収入の見通し、地価・住宅価格の相場、住宅取得時の税制優遇、金利動向などをじっくり検討する必要があります。
令和2年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、東京・築地の選手村は高層マンションとして販売される予定で、立地の良さからさらに価格上昇との声も聞かれますが、3年、5年、10年先を見通し、住宅購入を考える必要もあります。


[2019.4.23]

米中貿易戦争、原油高、中国経済の減速が要因?
日銀は4月10日、3月の国内企業物価指数(平成27年=100)が101.5で前月から0.9%、前年同月から1.3%上昇し、27ケ月連続で上昇していることを発表しました。
米中貿易戦争や原油価格の上昇などを要因に、非金属市況の改善などで企業物価指数が上昇したとみています。
日銀でも「米中貿易交渉の進捗期待や、中国経済の減速への懸念が和らいだことが背景にある」と分析し、平成30年度(平成30年4月〜31年3月)企業物価指数は、2.2%上昇と2年連続上昇したことを公表しました。
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企業物価指数、国内・輸出・輸入の3種から変動を測定
総務省統計局によると、企業物価指数とは、企業間で売買する物品の価格水準を数値化した物価関連の経済指標を表しており、物価の変動を測定する数値です。
企業物価指数には、「国内企業物価指数」と「輸出物価指数」、「輸入物価指数」の3種あり、物価指数の算出にはこれら3つの価格を日銀が毎月実施する価格調査において公表されています。
企業物価指数は、卸売段階での最終製品の前の企業間で売買される原材料や中間製品の価格変動を指数化しているため、消費者物価指数を予測する指標としても注目されています。

すでに生活に必要な800点以上が値上げ
この企業物価指数の上昇を背景に、消費者へも影響が出ており4月1日からはペットボトル飲料や乳製品、食塩など生活必需品約800点以上が値上げされました。
値上げの背景には、原材料の高騰や人件費、流通コストの上昇があり、10月の消費増税を前に消費者としては厳しい状況となります。
さらに、5月にはポテトチップスや大型ペットボトル飲料、6月には食用油やインスタントラーメンの値上げがすでにメーカー各社から発表されており、スーパーなど小売店では大量仕入れし、値上げを先延ばしする対策しかとれていません。

食料自給率は4割、「輸入物価指数」が値上げに影響
農林水産省によると、日本の食料自給率は約4割で世界の中でも低く、現在でもその割合は減少傾向にあり、食料は輸入に頼っているのが現状です。
日常、生活で使用される小麦や大豆、砂糖などはほとんどが輸入品であり、「輸入物価指数」が上昇すれば、いづれ消費者にその影響が出てきます。
企業物価指数が上昇すれば、生活に必要な食料品などは消費者に直接影響を与え、さらに消費増税で値上げ感が増すばかりであり、安倍政権による軽減税率やポイント還元などの施策で乗り切れるか今後の動向が注視されます。


[2019.4.19]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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