事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


大企業も農業参入へ
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一般企業が農業へ参入できるように緩和した農地法改正から10年が経ち、参入した法人数は3,000社を超え、農家の高齢化や耕作放棄地が増加傾向にあるなか、大企業でも農業参入へ動き出しています。
これまで農業は、農家による家族経営に支えられてきたものの、高齢化などにより行き詰まりが見られたため、平成21年12月15日に改正農地法を施行し、農地を借りる形で企業などが参入できるよう緩和されてきました。

法改正は農地を貸借、農地面積の自由化などが主
農地法改正は、一般の法人が貸借で農地を借りられるほか、農地取得面積の実質自由化など、農業への参入を促し、限りある国内の農地を有効利用するために大幅に見直されました。
この法改正により、農業へ参入するには機械や労働力などを適切に活用するための計画や、農地取得後に農地面積が原則50a(北海道は2a)以上が必要であり、水利調整に参加せず無農薬栽培の取り組みが行われる地域で農薬を使用するなど要件を満たすことが必要となります。
ただ、一般法人が農地を貸借するのであれば農地所有適格法人である必要がないと緩和されています。

農水省、予測通り農業参入が増えないのは収益?
大型商業施設のイオンは、令和5年までに借地面積を3倍に拡大する方針で、他の民間法人の植物工場などの新設も相次いでいますが、大規模な農業経営は農林水産省が期待したよりは進んでおらず、農業での収益性の低さが課題となっています。
イオンは、全額出資のイオンアグリを創設し、平成21年に農業へ参入後、全国20ケ所に直営農場をもち、借地面積は約350ヘクタールと国内最大規模で有機野菜などを栽培しています。
イオンアグリでは、先端技術を活用し生産を上げ、収穫など単純作業はロボットに置き換え、20ケ所のデータを収集し、AI(Artificial Intelligence:人工知能)で分析して栽培技術の向上を図っています。

農業黒字化は上昇傾向、鍵は効率化・生産性向上
日本施設園芸協会によると、平成30年度(平成30年4月1日〜31年3月31日)に植物工場などの収支状況は全体の49%が赤字でした。
ただ、黒字の工場も増加傾向にあり同年度には全体の31%と3年前より6%改善していますが、システムやサービスなど新たな切り口で農業の効率化が必要です。
国内の農業従事者の平均年齢は65歳を超え、今後も耕作放棄地は増える可能性も高く、受け皿となる一般法人が農業で安定した経営基盤を築くことが急がれます。


[2019.8.20]

米中貿易戦争の影響あるものの国内ニーズが牽引
内閣府は8月9日、令和元年4月〜6月期のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)を発表し、物価の変動影響を除く実質GDPが前期から0.4%増加し年率換算で1.8&%増だったことを発表しました。
今年は改元に伴いゴールデンウィークは10連休と個人消費も延び、企業では設備投資も増え、GDPのプラス成長は3四半期連続となりました。
ただ、米中貿易戦争で輸出企業では停滞しましたが、その分国内ニーズが日本経済を下支えしました。

連休で旅行や、自動車・エアコン販売が堅調
GDPの約6割を占める個人消費は、前期から0.6%延び、10連休で旅行やレジャーなど消費が伸び、自動車も新型車の発売が好調で、さらに5月は気温が高めになったことからエアコンの販売も牽引し、3四半期連続でプラスとなりました。
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また、設備投資でも建設関連のニーズは強く前期から1.5%増え、サービス業など人手不足に伴い省力化への設備投資が牽引しました。
公共投資も平成30年度の補正予算が執行段階に入ったことで1.0%増加しGDPの伸びに対する国内ニーズの寄与度は全体で0.7%のプラスとなりました。

輸出は海外経済減速でマイナス
一方、輸出関連では、中国や欧州など経済の減速で弱い動きが続いており、輸出は0.1%減で2四半期連続でマイナスとなりました。
米中の貿易戦争でも海外からのニーズが減速しており、半導体製造装置や金属加工機械など中国向けの輸出が落ち込みました。
輸入では1.6%増と2四半期ぶりの増加となりましたが、1月〜3月期の4.3%減からの戻りは鈍い状態で、輸出から輸入を差し引いたGDPへの寄与度は0.3%マイナスでした。
海外経済の見通しが見えにくい状況に、貿易活動が全体的に縮小しています。

経済財政相、景気の先行きは各種の政策を用意
茂木経済財政相は、8月9日発表されたGDPを受け、海外経済の減速で輸出はマイナスとなったものの、個人消費や設備投資は堅調に増加し緩やかな回復を示す結果となったと発言しました。
景気の先行きに関しては、海外経済の影響は残るものの、雇用や所得環境の改善が続く中、各種の政策の効果もあり、緩やかな回復が続くことが期待されると指摘しました。
今年10月には消費税が引き上げられることを控え、経済運営に万全を期すと自信を持った発言が期待されます。


[2019.8.16]

人手不足が原因で24時間営業できず時短営業も
深刻な人手不足や時短店の実施など、コンビニエンスストアの事業モデルが転換期を迎え始めており、全店一律の運営見直しや作業効率化などに取り組み始めています。
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コンビニエンスストアは、これまで大量出店と24時間営業を売りに全国一律で店舗の運営が行われてきましたが、今年度より出店戦略や立地移転などに重点を置き、店舗運営を支えた戦略が見直しされるようです。

1日18時間労働も
この転換期問題を推進したと見られるのは、今年2月に東大阪市のセブンイレブンのオーナーが人手不足から24時間営業を諦め時短営業を始め、コンビニエンス本部との契約問題に発展しメディアでも大きく伝えられたことにあります。
このコンビニエンスストアオーナーは人手不足から1日18時間労働など問題となり、コンビニエンスストア本部は契約違反と違約金を要求するなど、経済産業省は加盟店の人手不足の実態調査とコンビニエンスストアチェーンの労働改善に行動計画を要請する事態にまでなりました。

61%のオーナーが人手不足を懸念
経済産業省の「コンビニエンスストア調査2018」によると、人手不足について61%のオーナーが不足と回答し、フランチャイズに加盟したことへの満足度も低下していることが判明しました。
加盟店のオーナーが契約更新を新たにするとの回答には45%と5割を切り、契約が更新されなければ社会的なインフラの維持も困難になることになります。
国内のコンビニエンスストアは約5万5,000店舗と伸び率は鈍化しており加盟店を集め大量出店は困難な状況となっています。

消費増税に備え、キャッシュレスに対応
コンビニエンスストアは、人手不足対策として今年10月の消費増税に伴ないキャッシュレス決済のポイント還元に備え、スマートフォンなどのバーコード決済を進めており、ファミリーマートは7月1日より、「ファミペイ」を導入しポイント還元しており、ローソンでも同日より「Line Pay」や「楽天ペイ」、「d払い」、「PayPay」などを利用出来るよう利便性を高めています。
一方、最大手のセブンイレブンも7月1日よりスマートフォン決済「セブンペイ」を導入したものの、セキュリティの甘さを突かれ不正が相次ぎ1ケ月後には異例の廃止を発表するなど、競合によるサービス向上は今後も相次ぐと考えられます。


[2019.8.13]

消費者心理、10ケ月連続前月割れ
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内閣府が7月31日発表した7月の「消費動向調査」によると、消費者心理を表す消費者態度指数(2人以上の世帯)が前月から0.9ポイント低下し、37.8となりました。
前月を下回るのは10ケ月連続で、平成26年4月の消費税5%〜8%に引き上げられて以来、5年3ケ月ぶりの低水準となりました。
消費者態度指数は、「暮らし向き」や「収入の増え方」、「雇用環境」、「耐久消費財の買い時判断」の4つの指標で判断されますが、7月はいずれも前月より低下しました。

賃金、年金があてにならず相次ぐ値上げが要因
内閣府によると、消費者態度指数の低下は「賃金や年金が大きく増える見通しがなく、身の回りの生活費必需品の値上げ、10月からの消費増税が消費者心理を悪化させたのでは」と分析しています。
ただ、内閣府では同指数の下げ幅は低いとして消費者心理の基調判断は「弱まっている」と据え置きました。
物価水準の変動を加味しない名目賃金は、増加傾向にあるものの、相次ぐ値上げで物価上昇のペースに追いつかずに実質の賃金が伸び悩んでいるのが現状です。
「老後生活資金2,000万円」の公表で、社会保障に対する不安も若者を中心に節約志向となっています。

日銀物価目標2%、失速すればさらなる緩和措置
物価の見通しでは、今年7月から1年後の物価に関して「上昇する」が87.1%と最も多く、「変わらない」は7.2%、「低下する」は、わずか3.7%に留まりました。
日銀では、7月30日の金融政策決定会合において、物価2%目標に向け、失速した場合は追加の金融緩和措置を講じると表明し、賃金が上昇しないまま、消費者にとっては物価は家計に大きく影響するため「下がって欲しい」との違和感が生じています。

「家計調査」や「月例経済報告」では「持ち直し」?
総務省が毎月発表している「家計調査」によると、2人以上の世帯での消費支出は今年5月まで6ケ月連続前年同月を上回っており、内閣府の7月の「月例経済報告」でも個人消費について「もち直している」との見解を維持するなど、各省庁部署によっても見解は異なります。
今年4月からは生活必需品が相次ぎ値上げされ、8月1日からも永谷園やキッコーマン、自動車用タイヤなどが値上げされ、人手不足で物流コストや原材料費の高騰での値上げは理解できるものの、家計にとっての影響は大きくあります。
安倍政権は、10月の消費増税を控え、軽減税率導入やポイント還元、プレミアム商品券など打ち出しますが、どこまで対応できるかが注視されます。


[2019.8.9]

昭和28年以来の女性の就業者数
総務省が7月30日発表した今年6月の労働力調査によると、女性の就業者数が3,003万人と昭和28年以来初めて3,000万人を突破したことを発表しました。
前年同月からも53万人増え、就業者全体の伸びでも約9割近くを女性が占め、総務省では専業主婦らが新たに就業についたとみており、6月の完全失業率も2.3%と前月から0.1ポイント低下しました。

日本の就業者、44.5%が女性に
日本国内での就業者は、今年6月に男女合わせ6,747万人となり、全体の44.5%が女性が占めるなど平成21年に比べ2.6ポイントも上昇しました。
欧米の主要先進国では、女性の就業率は40%台後半と日本もその水準に近づきつつあります。
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女性就業者を年代別で見ると、65歳以上の高齢者の伸びが目立っており359万人と平成21年に比べ145万人増加し、全体の17.7%となりましたが、同年代の男性は34.3%と比べまだ低く、これからの増加が大きく見込まれています。
日本は人口減少が続く中、深刻な人手不足に女性や高齢者の働き手の存在感が増しています。

「女性の活躍」アベノミクス育児休業制度が効果?
これまで、女性が就業する場合、30歳前後に結婚や出産を機に会社を辞め、就業率が下がる傾向がありましたが、アベノミクスの「女性の活躍」が少しずつ効果を出してきたのか育児休業制度などが大企業を中心に拡大しています。
ただ、女性の働き方の多くは非正規雇用であり55%を占め、男性の非正規雇用の23%の2倍以上となっています。
日本国内での人出不足を補うには女性就業者の雇用は十分な効果ではあるものの、非正規が過半を超え、女性管理職などの割合は欧米に比べ異常に低く、米国は43.8%、フランスは32.9%と高いものの、日本の女性管理職の割合はわずか12.9%にすぎません。

安倍政権・・女性は何人?
日本は年功序列や終身雇用などが保証されていましたが、アベノミクスの「働き方改革」である長時間残業や、女性には出産、育児で休職や短時間労働の働き方が未だ主流です。
女性就業者が昇進するには依然として不利になりやすく、それは安倍政権の大臣らメンバーを見ても分かる通りです。
人口減少は止められず、安定した経済成長を維持するには働き手の多様化が欠かすことが出来ず、勤続年数ではなく従業員の能力の応じた評価を徹底する施策こそが「働き方改革」と言えそうです。


[2019.8.6]

三井不動産、森トラスト、積水ハウス相次ぎ高級ホテル運営
日本の不動産大手各社が、国内で客室単価が3万円以上の高級ホテルの運営に相次いで参入しています。
三井不動産は、令和2年に東京・フォーシーズンホテルや京都二条ホテル、令和4年には東京・ブルガリホテルを開業予定で、森トラストは、令和2年に東京エディション虎ノ門やJWマリオットホテル奈良、ヒルトン沖縄瀬底リゾート、令和3年には東京エディション銀座を開業させます。
また、住宅メーカーの積水ハウスも令和3年にW OSAKA、令和4年にはウェスティンホテル横浜、令和5年にはザ・リッツ・カールトン福岡を開業し運営する計画です。

欧米からの訪日客が2桁伸び
不動産各社が高級ホテルに力を入れるのは、欧米からの訪日客が年々増加傾向にあるためで、日本政府観光局では、米国からの訪日客は平成30年に前年から11%伸び、約152万で7年連続2桁で伸びています。
欧州からもドイツやイタリアなどからの訪日客が前年から2桁増で、欧米圏からの訪日客は全体の伸び率8.7%を上回っています。
安倍政権では、令和2年の訪日外国人客4,000万人、日本での消費額8兆円を目指しており、日本で不足する宿泊施設に商機が大きくありそうです。

宿泊費、欧米圏訪日客はアジア圏訪日客の倍以上
国土交通省観光庁によると、欧米からの訪日客は中国や韓国などアジア圏の訪日客に比べ滞在日数が長く旅行費の中でも宿泊費が多い傾向があります。
1人当たりの宿泊費は、アジア圏で2万〜6万円ですが欧米圏では7万〜10万と宿泊施設、宿泊費を重要視しています。
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令和2年の東京オリンピック・パラリンピックまで1年を切り、欧米からの訪日客が一層見込まれており、米ヒルトンアジア地区最高責任者は、日本は令和12年には訪日客6,000万人を目標に掲げており、日本において高級ホテル市場は今後も伸びると予測しています。

ホテル事業者、出店リスクを抑えられるメリット
日本で不動産会社が高級ホテルを所有・運営する例は世界的にも多く、優良な高級ホテルを不動産会社が用意するため、ホテル事業者にとっては出店リスクを抑えられるメリットがあります。
日本は人口減少で住宅市場やオフィス市場も一部の大都市以外では伸び悩みも見られ、ホテル事業は不動産会社にとって収益確保に欠かせなくなっています。
高い稼働率を維持することで、同じ土地をオフィスビルとして活用するよりも高級ホテルにより高い収益が望めそうです。


[2019.8.2]

内閣府、日本型雇用形態を見直し
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内閣府は7月23日、令和元年度の年次経済財政報告(経済財政白書)を公表し、企業の生産性の向上に向け、日本型の雇用の見直しを訴える内容を示しました。
内閣府では、日本で働く性別や国籍にかかわらず多様な人材が活躍することにより、企業の収益率が高まると分析しており、解雇規制の緩和など構造改革を進めるなど具体的な見通しまでは描けないものの、既存の政策の正当性を補強する意思を強く示しました。
同報告では、労働市場の多様化を主にテーマとしており雇用の状況と企業の生産性、多角化に検証したものになっています。

女性、高齢者、外国人労働者で生産性アップ
年次経済財政報告は、労働の多様化をテーマにしており、雇用の状況や企業の生産性を多角的に検証し、日本の少子高齢化、人口減少で人手不足が深刻な中、女性や高齢者、外国人など様々な働き手が活躍出来るよう実証的に示しています。
企業の売上高利益率は、従業員の性別や国籍であるなど多様化するほど上昇する傾向があり、従業員の多様性が企業では、生産性が平成25年〜27年度の期間で約5%ほど高まっています。

企業の認識で生産性は下降することも
年次経済財政報告では、女性や外国人を受け入れる環境整備も重要とのデータも示されており、柔軟な働き方により意識的に認識しなければ生産性は逆に下がるとしています。
従業員の多様性が長時間労働や年功序列型の賃金制度など日本古来の制度の雇用慣行を見直す必要があるとしています。
ただ、生産性の向上を主題としながらも、労働力の流動化に関わる規制の見直しについては言及されていないのが実態です。
解雇による金銭の問題など反発が大きくなるテーマに関しては避けた報告書となりました。

時代と共に大きく変わった経済白書
昭和31年には旧経済企画庁が白書に「もはや戦後でない」と示し流行語にもなりましたが、復興から近代化へ進む日本の経済の進路を示したものです。
また、平成5年にはバブルについて「経済的に大きなコストをもたらす」と言及し、政策対応も旧大蔵省と激しく議論がなされました。
現在、令和の時代になり、新たな日本経済と副題をつけた今年度の白書に、これまでの経済白書の時代の面影は見られません。


[2019.7.30]

日本での消費、中国・台湾・韓国が過半ごえで日本経済に貢献
国土交通省観光庁が7月17日発表した、「訪日外国人消費動向調査」によると、今年度4月〜6月期の訪日外国人旅行消費額は、前年同期から13.0%増の1兆2,810億円と過去最高額に達したことが明らかになりました。
平成31年上半期(1月〜6月)においても外国人の日本での消費額は2兆4,326億円といづれも過去最高額の消費額を更新しています。
訪日外国人旅行消費額を国・地域別にみると中国が全体の36.7%を占める4,706億円と最も貢献度が高く、次いで台湾の同11.4%の1,457億円、韓国の同9.6%の1,227億円と過半以上がアジア圏で多く占めました。

中国経済の減速懸念、日本では堅調
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中国国内経済は、メディアでは減速懸念が報じられているものの、日本での消費は堅調に伸びています。
一方、一人当たりの旅行支出を見ると、平均では前年同期から7.8%増の15万7,000円となっていますが、国・地域別ではフランスが同19.6%増の24万2,000円と最も多く消費し、次いで英国が同7.9%増の23万5,000円、オーストラリアが同12.7%と減少したものの23万2,000円と平均を大きく上回りました。
日本での消費先では、買い物代が5万6,000円、宿泊費4万6,000円、飲食費が3万4,000円と次ぎましたが、欧州では宿泊代に多く予算を取っているのに対し、買い物では未だ「爆買」の余韻のある中国が12万4,000円と最多でした。

日本での世界的イベント目白押しに期待
今年はラグビー・ワールドカップ、来年は東京オリンピック・パラリンピックが開催され、全世界から訪日外国人客が訪れ、安倍政権目標の年間訪日客に4,000万人、消費額8兆円が現実味を帯びてきています。
ただ、これまで前年比で大きく訪日客に影響を及ぼした韓国は、日韓関係が日々悪化する中、航空便の運休や両国イベントの中止など暗雲も漂っています。
今年4月〜6月の韓国からの訪日客は、前年同期比で5.6%減少し177万1,000人と、これまで連続して2桁で伸びていた韓国からの訪日は減少に転じました。

韓国からの訪日、キャンセル相次ぐ
訪日外国人客の日本旅行を手がける大手の大阪の旅行代理店によると、7月以降は韓国からの訪日のキャンセルが続き、昨年同時期の半分程度と言います。
国土交通省観光庁では、韓国からの訪日客について「影響は一時的」と楽観的な見方を示しましたが、日韓関係は日々悪化傾向にあるのはメディアでも報じられています。
同庁では、「訪日客により長く日本に滞在してもらい、宿泊、飲食を増やす為、体験型の観光を提示しなければならない」と指摘していますが、これはメディアでもここ数年報じられており、理解しているのであれば同庁が積極的に訪日・体験プロモーションを実行すべきと考えられます。


[2019.7.26]

メガバンクの変動型との金利差も最少
住宅金融支援機構の全期間固定型住宅ローン「フラット35」の金利が7月1日、過去最低を更新する1%を割りました。
日銀の異次元金利政策により住宅ローン金利は低水準が継続していますが、全期間固定型の「フラット35」とメガバンクの変動金利型住宅ローンの差も過去最少の水準となっています。
35年間、1%を割る固定金利により「フラット35」の優位性は増しており、金利を固定化する好機とも言えますが、新規での借り入れか借り換えかで選択肢は利用者により異なるようです。
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民間の金融機関では難しい長期固定型での低金利
「フラット35」は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携した長期固定金利型の住宅ローンで、民間の金融機関での長期固定型の住宅ローンの提供が難しいことから、これを補う住宅ローンが住宅金融支援機構の「フラット35」となります。
「フラット35」は、返済する全期間が固定金利に設定され、融資の実行時の金利が35年変わらず継続するもので、毎月の返済額は確定し、返済中に金利が上昇しても「フラット35」では金利は変わらぬため、将来的な家計のシミュレーションを立てやすいのが特徴となっています。

「買取型」から「保証型」へ増加傾向
「フラット35」は、住宅金融支援機構が金融機関から債権を買い取る「買取型」と、利用者が万が一返済できなくなった場合に保険を住宅金融支援機構が提供する「保証型」があります。
これまで300以上の金融機関では「買取型」を扱っていましたが、ここ数年、「保証型」の伸びが目立っており、平成30年度(平成30年4月1日〜31年3月30日)の「保証型」での新規の融資額は前年度から75%も伸び2,420億円に上っています。
これは、「保証型」が金融機関の自由度が高く、住宅ローンの頭金など厳しい条件を付けることで「買取型」よりより低い金利で融資できるためです。

さらに金利優遇される「フラット35S」
「フラット35」において「買取型」も「保証型」も省エネ性能により一定基準を満たした住宅の場合には「フラット35S」と呼ばれる商品があり、金利の優遇がさらに拡大し、最大で10年間、金利はさらに0.25%下がります。
この優遇が適用された住宅であれば、「保証型」の金利は0.7%台まで下がります。
住宅金融支援機構が今年4月に行った調査では、一般の住宅ローン利用者の約60%が変動型金利で、約25%が固定型金利を選択しています。
一方、金融機関が独自に提供する変動型住宅ローンや10年固定型金利も低水準で推移し、7月適用分では三井住友信託銀行は0.65%と魅力的な商品ですが、10年後には金利は上昇するのが一般的ということも忘れてはならないでしょう。


[2019.7.23]

ファーウェイ、米国内の研究所を縮小
米ウォールストリート・ジャーナル誌は7月14日、中国の通信機器の最大手であるファーウェイ(華為技術)が、米国内での事業を大幅に縮小すると報じました。
対象となるのは、同社の研究開発子会社である「フューチャーウェイ・テクノロジーズ」など約850人を雇用していますが数百人規模に減らす計画と言います。
これは、今年5月に米国が安全保障上のリスクを理由にファーウェィ製品を輸出規制リストに載せた影響であり、ファーウェイは米国内の拠点での研究開発を進めるのが難しい状況になっているのが原因です。
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ファーウェイ社員、大半が中国当局員?
一方、7月5日付けの英デイリー・テレグラフ誌は、同国シンクタンクのHJS(ヘンリー・ジャクソン・ソサエティ)が入手したファーウェイ社員の約2万5,000人の履歴書を分析したところ、同社社員の中に大量の中国人民解放軍や軍のハッカー、中国情報機関出身者がいることが判明しました。
米トランプ大統領は、数年前よりファーウェイが中国当局の情報機関に当たるとの認識を示しており、ファーウェイ含む中国のハイテク企業5社を禁輸措置対象イストに追加しました。

米国、G20で規制緩和もファーウェイは除外
米国務長官は、ファーウェイに対し「米国の国家安全保障、外交政策上の利益に反する行為を行なっている」と言論。トランプ大統領も今年6月のG20で保証と関係ない部分に関しては休戦したものの、ファーウェイに対しては輸出規制は続くと断言しました。
ファーウェイの通信技術がセキュリティ的に危険であることは米国では当に把握済みで、平成23年にはCIA(Central Intelligence Agency:米国中央情報局)が「ファーウェイが中国当局から助成金を得ている」と報告しており、これはファーウェイ創業者が中国人民解放軍出身者であることからもわかります。

NTTドコモがファーウェイ新機種発売?
では、日本の対応を見てみると、NTTドコモがテレビコマーシャルとともにファーウェイのハイエンド・スマートフォン「P30 Pro」を新発売したものの、米国がファーウェイ輸出の際に米商務省産業安全保障局への承認が必要となり、事実上は禁輸となっています。
同機種は、光学5倍レンズとデジタルズームを組み合わせた50倍ズームなど、他のスマートフォンに比べ一線を越す性能に一部マニア層から発売が待望されています。
これも、知的財産を利用した技術に加え、スマートフォンに不要な部品も組み込まれているなど、米国の言う中国当局による個人情報の不正取得が大きく影響していると考えられ、今後の動向が注視されます。


[2019.7.19]

日本版「トップガン」、空自「ファイターウェポン」 航空自衛隊の主力戦闘機「F15」を操るパイロットが憧れる教育過程である「ファイターウェポン」は航空自衛隊版の米映画「トップガン」養成所です。
1980年代に大ヒットした米映画・トム・クルーズ主演の米海軍の戦闘機パイロット養成のエリート機関です。
戦闘機のパイロットは、自衛隊でも数ある中、狭き門で、高卒で航空学校に受かるには約50倍の倍率を突破しなければならず、航空学生からの戦闘機パイロットへの道はさらにその半数と戦技過程に参加できるのはその頂点とも言えます。


スクランブル、半年で561回出動
防衛省総合幕僚幹部によると、平成30年度上半期(平成30年4月1日〜9月31日)に日本領空に接近した外国軍機などへ航空自衛隊機がスクランブル(緊急発進)した回数は561回に上り、前年同期比で統計を取り始めた平成15年以降2番目の多さになりました。
国別で見ると、中国機へのスクランブルが345回と最も多く、ロシアの211回が続きました。
中国機へのスクランブルは前年から58回増加し、沖縄本島から宮古島間の上空や対馬海峡上空など11回の特異な飛行も確認されました。
一方、ロシア機へは前年から56回減少したものの最新鋭戦闘機「スホイ35」が初めて確認されました。

女性初の戦闘機パイロット
航空自衛隊は平成30年8月に防衛大学出身の女性戦闘機パイロット・松島2等空尉を新田原基地(宮崎県)に配属し、資格訓練を経て航空侵犯のある航空機へのスクランブルの任務につきました。
「F15」によりマッハ2.5で対戦闘機戦等訓練を繰り返し、急上昇や急旋回、急降下などジェットコースターの100倍以上のG(Gravitational Acceleration:重力加速度)を体感し、肉体的、精神的にも相応なタフさが要求される戦闘機パイロットです。
松島2等空尉は、「子どもの頃、トップガンを見て自由に空を飛びたい」と夢を叶えました。

「死」と隣り合わせ
4月9日には航空自衛隊三沢基地所属の最新鋭戦闘機ステルス戦闘機「F35」が青森県沖で墜落し、防衛省では操縦士の平衡感覚を失う「空間識失調」に陥り、墜落したと報告しました。
戦闘機パイロットの任務が「死」と隣り合わせであることを改めて認識させた事件であり、パイロットの声は、何かあったら真っ先に命を落とす可能性のある職業ともいいます。
厳しい任務に向き合えるのは自衛官という誇りを感じているからで日本の「トップガン」も高いモチベーションを自衛官全体に浸透させていただくことを期待します。


[2019.7.16]

若年層に「持ち家」の欲求
平成31年3月下旬に発表された「日銀資金循環統計」によると、平成30年末の残高は約206兆円と家計が抱える住宅ローン残高が拡大していることがわかりました。
特に平成30年の20〜30代の負債残高は、総務省による現行調査が始まった平成14年以降過去最高となりました。
日銀の「マイナス金利政策の持続」や、「賃貸住宅よりも得」、など若者に「持ち家志向」が強く、住宅ローン残高が増加傾向にあります。
ただ、「賃貸より得」と答えた人が多いものの、住宅ローンを今後数十年返済する意識も高く、普段の消費は節約に勤める傾向が表れています。

30代、単身者の持ち家率も5割超え
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未婚の若者が増加する中、30代までの人が戸建てや分譲マンションなどを購入するケースも増え、日本総合研究所の国勢調査によると平成12年に46.6%だった30代の持ち家比率は27年には52.3%まで高まりました。
30代での住宅ローンを抱える世帯も増加し、総務省の家計調査(2人以上世帯)によると、世帯主が30〜39歳の家計の全負債額は平成30年に1.329万円と、調査開始以来最高額となりました。
一方、50代世代の負債額はほぼ横ばいで推移しており、持ち家比率の上昇は若年層に限られていそうです。

企業の住宅関連福利厚生費が減少したことも理由に
30代の住宅ローンが増加した要因として、日銀に金融緩和によるものが大きくありますが、企業による住宅関連の福利厚生費がピーク時の約3割減少したことにもあります。
経団連によると、低負担で賃貸住宅に住みながら貯蓄する機会も減り、住宅購入に踏み切るタイミングが早くなっていると推測しています。
ただ、頭金なしで住宅購入価格の100%を借りいれる商品も増えていますが、リクルートの3月の首都圏新築マンション契約者調査では平成30年の自己資金比率平均は18.8%と平成13年以来初めて20%を割っています。

若年層の持家化、より都心集中に?
30代にとっては、一般的に仕事を求め、大都市へ流出し人口集中は止まらず都心の不動産は価値が下がりづらいという見解が購入の動機にもなっています。
生涯のコストを考え購入しながらも、日常生活は節約を迫られる若者も多く、可処分所得に対する消費支出の割合を現す消費性向について、内閣府は若年層の消費は低下傾向にあると指摘し、住宅ローンで支出の余力が落ちていることを挙げました。
住宅ローンなど個人の債務は、政策の論点になりにくかったものの、低金利がもたらした若年層の債務増加は今後の政策にも影響を与えるかも知れません。


[2019.7.12]

米中貿易戦争、日本から中国への輸出が減
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日銀は7月1日、6月の短観(企業短期経済観測調査)を発表し、大企業製造業の景況感を示す業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、前回調査の3月から5ポイント下落し、プラス7で2四半期連続悪化となりました。
米中貿易戦争である、双方の関税引き上げ合戦に日本から中国への輸出が悪化し、それに伴い海外経済へも影響を及ぼし景況感の悪化につながりました。
今年10月には消費税が10%に引き上げることも決定しているため、景気の重しとある懸念が強まっています。

日銀短観とは
日銀の短観は、日本銀行が年4回、景気の現状と先行きについて企業に直接アンケート調査しており、全国の大企業や中小企業と製造業、非製造業に分け約1万社が対象となっています。
企業の現場の業績や先行きの見通し、設備投資などの状況や雇用などについて調査しており、直接聞き取り調査するため回収率も高く、調査結果は今後の景気動向を見通す上で重要な経済指標となっています。
短観は、企業経営者の考え方が集約されており、経済予測に一致した指数として各種の経済指標に活用されています。

G20、米中首脳会議は決裂回避
6月29日にはG20(20ケ国・地域)サミット(首脳会議)が閉幕しましたが、全世界で注目されたニケ国間での米中首脳会議では、米国がスマートフォンやパソコンなど新たに3,250億円相当を関税の対象にするか懸念されましたが、貿易協議は今後も再開すると決裂は回避されましたが、この先の見通しは立っていないのが現状です。
最先端の精密機械の部品のほとんどは日本製であり、米国が中国からの輸入に関税を引き上げれば当然日本企業にも影響は大きく、その下請けとなる中小企業への影響も懸念されます。

非製造業の見通し、人手不足・人件費高騰で悪化予測
大企業の先行き動向では、製造業がほぼ横ばいに対し、非製造業は今期改善したものの、人手不足や人件費の高騰など悪化がもみこまれました。
令和元年度、設備投資計画を見ると大企業の全産業で前年度比7.4%増と改善が期待されるものの、市場予想では8.3%増と下回る結果となりました。
ただ、収益増加を受けた大企業の設備投資意欲は強く、都市開発ニーズや人手不足解消のための省力化投資などのニーズの恩恵を中小企業支援へ打ち出すことが期待されます。


[2019.7.9]

中途解約9,500円を1,000円に、端末割引2万円まで
総務省は6月18日、携帯電話料金に関する有識者会議を開き、現在各社が中途解約の場合の違約金を9,500円としているものを上限1,000円にし、通信セット契約の端末値引きを2万円までとする方針を示しました。
今秋には通信事業法が改正され、2年(契約)縛りの是正や、通信料金の値下げ、携帯電話会社の乗り換えもしやすくなるとしています。
この背景には、平成30年8月に通信行政に詳しい菅官房長官が講演にて、「通信料は4割程度下げられるのでないか」との発言により、9月には有識者会議が設置され、値下げに関する議論が一気に加速しました。

携帯大手3社、競争力なく料金はほぼ横ばい
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現在、携帯電話会社大手3社では通信料や端末料金がほぼ差がなく、今年は楽天が携帯電話事業に参入するものの、消費者のみならず安倍政権からも高い通話料などについて問題提起されていました。
また、契約の際には、2年契約を結ぶ代わりに高額なスマートフォンを大幅値引きにする手法で他社への移行を防ぐなど、消費者としては選択する余地が実質なかった状況です。
菅官房長官の発言により、約1年で法改正されるなど、携帯電話会社の意見はほとんど取り入れられなかったことになります。

スマホ解約率、2年縛りで1%に満たず
これまで顧客を囲い込みしてきた携帯電話会社では、平成30年度のスマートフォン解約率はわずか1%に満たず、現在のビジネスモデルでは解約違約金がかかることもあり、独占状況です。
今秋の法改正により、安倍政権が期待しているものは途中解約とも見られ、1,000円で解約できれば新たな携帯電話へ移行することが見込まれ、携帯電話会社同士の競争も増加してくると見ています。
ただ、セット販売では端末の値引きが2万円までと減り、乗り換えの場合には新たな端末が値上げすることにもなります。

楽天の新規参入で競争力上がるか
消費者に乗り換えを促す安いプランが今以上に出るかは、楽天の新規参入であり、大手3社に対抗するため消費者にお得なプランを用意し新規参入されると考えられます。
大手3社でも端末料金が大幅に値引きしなくて済むため、より対抗意識の高いプランも考えられ、今秋以降は4社による競争によって実質携帯電話の料金は下がると安倍政権も見ています。
今年4月には、米国や韓国では次世代モバイル通信規格の「5G」が進んでおり、日本でも9月より実証実験が行われるだけに、携帯電話をめぐる競争は今後も激化が予測されます。


[2019.7.5]

予算や支援策、複数省庁の窓口を一本化
経済産業省は今年6月に、医療や介護などヘルスケア産業でスタートアップする企業を一元的に支援するため、支援策の情報をまとめる運営組織を設立しました。
スタートアップ企業へは、補助金の申請から資金調達、投資家・大手企業との繋ぎ役を担い、新企業への参入や創出を後押しする方針です。
医療や介護分野は、厚生労働省の管轄となり複数省庁に予算や支援策があるため、体制を一元化してスタートアップ企業を支援しやすく体制を整えます。

ヘルスケア産業の市場規模は6年後には約8兆円拡大
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経済産業省によると、ヘルスケア産業での市場規模は平成28年の約25兆円から、高齢化が急速に進み令和7年には約33兆円に膨らむと推測しており、その後も拡大が見込まれています。
ヘルスケア産業は、安倍政権も育成の柱としているものの、これまでは研究開発など多額の投資額が必須であり、短期での成果も出にくいことから新規参入が進みませんでした。
運営組織での情報一元化で、効率よく成果の上がる支援策が提供できるか今後、注視されます。

AI、ICT、ロボット化、シニア採用で人手不足を解消
一方、厚生労働省では5月29日、令和22年までを見据え、社会保障改革案を新たに大きな柱の1つとして「医療・福祉サービス改革プラン」を発表しています。
同省では、ここ数年のヘルスケア産業での人手不足に対応するため、改革プランではAI(Artificial Intelligence:人工知能)やICT(Information and Communication Technology :情報通信技術) 、ロボット化、シニア人材の活躍など、経営拡大で生産を高める医療・介護ニーズに対応する構想です。

人手不足、要因は低賃金
ただ、これらの技術開発やシステム稼働化には時間も手間も大きくかかり、数年でこれまでの問題が解決するわけでなく、一番の問題として、医師や看護師、介護士など人手不足となるのは低賃金となっています。
安倍政権は、平成29年12月の臨時閣議で医療・介護、障害福祉の人材確保に処遇改善を決め、外国人技能実習生の在留資格も認める方針を明記しました。
介護人材では、勤続10年以上の介護福祉士には公費1,000億円を投じ、今年10月より、月額平均8万円を賃金を上げるとしており、現実的に人手不足解消となるかが注目されます。


[2019.7.2]

「人間中心」のAIへ活用
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G20(Group of Twenty:20カ国・地域)貿易・デジタル経済相会議が6月8〜9日茨城県つくば市で行われ、G20として始めてAI(Artificial Intelligence:人工知能)に関する議論が行われました。
AIは、人権や雇用などに配慮する「人間中心」の開発を指す原則を声明に盛り込み、自由なデータ流通の重要性も確認されました。
企業や行政などAIを活用することにより、生産性は向上するものの雇用を奪われるなどの懸念もあり、技術の革新と投資が促される「人間中心」のAIの環境を提供すると会合で一致しました。

国際的なAIの定義はなし
AIは、人間の脳が行う知的な作業をコンピュータで模倣したソフトウェアやシステムで、人間の行う自然な言語を理解したり、論理的な推論を行い学習するコンピュータ・プログラムです。
ただ、現段階でAIについて厳密な定義は国際的にも定まっておらず、AIは人工的に作られた人間のような知能を持つものとし、人間を超えるかは定まっていません。
ただ、米Googleが多額のAI研究費を投じ、韓国のプロ囲碁棋士を破った報道は記憶にも新しいもので、AIの学習能力を世間に見せしました。

ロボットとは異なるAI
産業界では、AIやロボットなど設備投資が急速に進み、その効果も現れ始めていますが、製造業などで人間の代わりに働くロボットは、プログラムなど外部からの情報によりその働きを実現するものでAIとは異なります。
AIは、自ら考える力が備わっていることであり、極端には人間の手を離れても自発的に発展して行くもので、その元になるビッグデータが多いほどより人間に近く、また人間の脳を超えた答えを出します。
これまでAIにより奪われる職種として一般事務や受け付けや建設作業員、製造組み立て工員、小売り業など挙げられていますが、コストのかかる税理士や司法書士、公認会計士など国家資格といえども今後、衰退は避けられない状況にあります。

AIに奪われない業種も
一方、人とのつながりを重視する業種ではAIが導入しにくい業種もあり、経営コンサルタントやアート・インテリアディレクター、ゲームクリエーター、美容師などはAIには置き換えられないと考えられています。
AIが行うよりも人間が実行した方がはるかにコストパフォーマンスが高い場合もあり、AIに仕事を奪われる可能性は低いと考えられています。
世界的にも認知されているのは、2045年にはAIが人間の頭脳を超え始めると言われ、警鐘を鳴らす有識者もいますがAIの発達は想像を超え、進んでいることには間違いありません。


[2019.6.28]

児童・生徒数減少、市町村合併で学校が廃校増
日本は少子、人口減が深刻な状態であり、平成の時代にこの課題を解決することが出来なかったため、児童・生徒数の減少や市町村合併などにより多くの小学校や中学校が廃校しており、この施設の有効活用が求められています。
近年では、過疎地での賑わいの復活や雇用の創出を狙う地域の自治体や企業、住民が連携し廃校の有効利用について成功例の実績も増えつつあります。
総務省によると、14歳以下の子どもの数は2055年には昨年の3分の2に減少すると推測しており、今後も公立学校などの統廃合は増加すると見られ、国も自治体の廃校の有効利用を後押しする支援が始まっています。
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廃校をどう利用すれば・・地域自治体の悩み
文部科学省では、ウェブサイトで「みんなの廃校プロジェクト」を立ち上げ、オフィスや社会福祉施設、工場など活用の用途別に利用事例を紹介しており、平成30年には自治体と企業など民間団体をつなぐ「マッチングフォーラム」に200名以上が参加しました。
同省では、多くの廃校が発生し、地域の自治体など活用が検討されるものの、「地域からの要望がない」や「施設の有効活用が分からない」と言った課題が浮き彫りとなっています。
そこで、地域の自治体の希望に基づいて活用方法や利用者を募集している未活用の廃校などの情報を集約し、一覧にして公表を始めています。

校舎は地域の身近な施設、シンボル的な存在
文部科学省では、地域の児童・生徒数が減少することで学校が他の学校と統合されたり、廃校となることによって学校として機能しなくなることを廃校と定義しています。
同省では、学校施設は地域の住民にとって身近な公共施設であり、校舎などは地域のシンボル的な存在である場合も多く、廃校となった後も可能な限り地域のコミュニティの場として活かすことが重要と考えています。
平成30年5月1日現在、14年度以降の廃校について施設が既存するするもののうち約7割以上が福祉施設や体験交流施設などに活用されています。
ここ数年では、地域の自治体と企業が連携し、創業のためのオフィスや地元特産の加工工場としても廃校が有効活用されています。

国への少子化対策「質・量ともに十分ではない」が6割超え
内閣府が平成30年12月に全国の20〜59歳の男女1万1,889人に行った「政府や自治体の少子化対策」についての調査によると、結婚や妊娠、出産、子育て支援などへの評価は、「質・量ともに十分ではない」が61.7%と最も高い水準となりました。
厚生労働省の人口動態統計でも、平成30年の出生数は91万8,397人と過去最少を記録した一方、亡くなった数は136万2,482人と同様に増加記録を更新し、日本の人口減少に滑車がかかっているのが実態です。
平成では出来なかった少子対策が令和の時代に本腰を入れ、政策に取り組むことが望まれています。


[2019.6.25]

「災害大国日本」を認識、その備えを
平成30年は、6月の大阪北部地震や、7月の西日本大豪雨、9月の北海道胆振東部地震など自然災害が相次ぎ発生し、企業にとっても事業所や工場など被災するなど「災害大国日本」であることを思い知らされました。
安倍政権の地震調査研究推進本部でも、今後30年以内にマグネチュード8〜9クラスの巨大地震が起きる確率は、南海トラフ沿いで70〜80%と予測しています。
気象情報も年々、異常気象の予測ができる時代となってきましたが、その時に経営資産への影響を最小限にとどめ、事業の継続・早期復旧が求められてきます。

「BCP」経営基盤が脆弱な中小企業には必須
経済産業省中小企業庁によると、BCP(Business Continuity Plan:事業継続計画)は、企業が自然災害や火災、テロ攻撃など緊急事態に遭遇した場合に事業資産の損失を最小限にとどめ、事業の継続、早期復旧を可能とするために緊急時における方法や手段などを予め取り決めておく計画としています。
緊急事態は突然発生し、有効な手段を取らなければ中小企業にとっては大企業に比べ経営基盤が脆弱なため、廃業に追い込まれる可能性も高くなります。

「BCP」策定企業はわずか15%
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東日本大震災では、特に自動車関連企業が原料から消費者まで全工程に繋がる供給網であるサプライチェーンが寸断し、日本国内のみならず、全世界経済にも影響をもたらしました。
帝国データバンクが6月13日発表した「BCPに対する企業の意識調査」によると、BCPの策定において「策定している」と答えた企業はわずか15.0%に留まり、「策定の意向あり、策定中、策定を検討中」が45.5%と半数を割り、BCP策定が進んでいないことが浮き彫りとなりました。
BCPを策定していない企業の理由としては、「策定に必要な知識・ノウハウがない」が43.9%と最も高くなっています。

自然災害以外にもセキュリティ、個人情報漏洩にも必須
日本は地震や台風、豪雨の他にも今後は、地球温暖化により異常気象によりどのような自然災害が起きてもおかしくない状況になっています。
動物ウィルスなど感染症や、不正アクセスなどの情報セキュリティ問題、個人情報漏洩など企業において緊急事態が発生した場合に早期復旧するためにBCPの重要性は高まっています。
BCP策定により、従業員のリスクに対する意識の高まりや、業務の効率化などの相乗効果があることも明らかになってきているだけに、国や自治体などBCP策定推進に向け、一層の取り組み支援が重要となっています。


[2019.6.21]

地方でも宿泊施設の設備投資増加
日銀は6月10日、「さくらレポート(地域経済報告:別冊)」を公表し、急増する訪日外国人客に対する企業や自治体の取り組みなど地域活性化に向けた課題をまとめました。
日本は高齢化や人口減が進み、特に地方では都心部に人口も流出しており、訪日外国人客ニーズを積極的に取り込んでいくとの声が大きく、宿泊業など設備投資の増加にも繋がっています。
令和2年には東京オリンピック・パラリンピック、7年には大阪万博と今後も訪日外国人客ニーズの増加は続くと考えられ、地域の住民や環境、文化など共生も課題となっています。

増加の要因?訪日客の6割がリピーター
平成30年の訪日外国人客数は、度重なる自然災害などキャンセルがあったものの3,119万人と過去最高を記録し、今年も5月末まで昨年以上のペースで増加がみられます。
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ここまで訪日外国人客数が伸びた背景にはリピーターが多く、日本政府観光局によると平成30年は観光目的の訪日外国人客のうち来日回数が2回目以上と答えたのは59.5%に上りました。
訪日回数が増えるほど地方を訪れる割合も高くなり、日本人でも知らなかった地域が外国人に大人気になるなど、メディアでも大きく報じられています。

Wi-Fiやキャシュレス決済、音声翻訳ツールの整備が鍵
「さくらレポート:別冊」では、人口が減少する地域では訪日外国人客ニーズで売上げを維持・拡大させるため、スマートフォンなどの情報源となるWi-Fi(無線LAN)の整備や、アジア圏では使用率の高いキャシュレス決済、音声翻訳ツールなど、設備投資額も大きくはなく国や自治体、企業が連携し助成が望まれます。
訪日外国人客ニーズは、これまで宿泊施設など、これまでの設備投資は平成25年から30年にかけ4.7倍に拡大しており、設備投資額が少なくて済む小売業やサービス業でも対応できる整備が急がれます。

日銀、観光は地域活性化に繋がる成長戦略
すでに、訪日外国人客が離島を訪れる回数が増加し、市内と離島を結ぶフェリーの就航便数が増加し、地域の雇用が安定し、新造船の導入にも繋がった例や、地域の古民家を相続人から借り受け宿泊施設に改装し、昔ながらの街並みに戻ったなどの報告もあります。
このような地域活性化には、国や自治体、企業などが連携し取り組む必要があります。
「さくらレポート:別冊」では、地域にとって観光は地域活性化につながる成長戦略の柱の一つとしまとめられ、これは安倍政権の「地方創生」にも繋がってきます。
地域活性に繋がった動きが、今後、さらに広がっていくかが注視されます。


[2019.6.18]

老後資金は2,000万円必要、金融庁「報告書」
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金融庁は6月3日、「高齢化社会における資産形成・管理」の報告書を提出し、国民から非難が殺到する論議となりました。
安倍政権が掲げる「人生100年」には老後の生活資金を賄うことができないため、夫婦の場合、約2,000万円が必要となる事を指摘し、そのために現時点からNISA(日本版Individual Savings Account:少額投資非課税制度)やiDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)などを有効に用いて、資産形成をするよう促しました。
麻生金融相も「100歳まで生きる前提で退職金を計算した人はいないよ」と今から考えないといけないと持論を公表しました。

「報告書」現役世代は投資すべき?
金融庁の報告書では、長寿社会を見据え、資産作りや金融サービスのあり方についてまとめており、この中で夫婦世帯において20〜30年で約1,300〜2,000万円の備えが必要との試算を盛り込みました。
報告書では、公的年金に加え、現役世代から長期の積立投資などで自助の取り組みを促す趣旨でまとめられました。
報告書をめぐり、年金制度の不備を示唆したものとして、国会では金融庁や厚生労働省からヒアリングを実施する姿勢を見せています。

麻生金融相「報告書は受け取らない」
日本は少子高齢化、人口減少が止まらず、財政も1,000兆円超えの債務もあり、将来的な年金支給が不足し今から投資など2,000万円が必要と公表されれば、国民誰でも不安となるのは当然で、メディアでも大きく報じ、国会では野党からの猛攻撃を受けました。
金融庁は、6月11日に老後の金融資産が2,000万円必要とする資産を盛り込んだ報告書を事実上の撤回に盛り込まれ、夏の参院選を懸念してか、麻生金融相は「国民に著しく不安や誤解を与えているとし、正式な報告書として受け取らない」とし、与党自民党からも「撤回」との厳しい意見が出されました。

財政赤字や賃金減少、消費税引上げ、国際経済減速・・不安要素
財政赤字や高齢化の増加、若年世代の賃金減少と今年10月には消費税引き上げが6月11日の経済財政運営の基本指針(骨太の方針)にも明記、経団連も夏の賞与が前年比2.5%減少と発表し、さらに国際経済の減速など不安要素も懸念されます。
報告書では、現役世代の年金水準はいずれ約50%に低下する見通しで、将来への不安を和らげるには現在の年金受給者への給付を抑え、将来世代に回す仕組みが課題となり、報告書の撤回だけに終わらず将来不安を払拭する政策に正面から取り組む必要があります。


[2019.6.14]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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