事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


北海道胆振東部大地震、関西国際空港被災が影響
内閣府が10月9日発表した「9月の景気ウォッチャー調査(街角景気」によると、街角の景況感を示す現状判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が、前月から0.1ポイント低下し48.6になりました。
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特に北海道では、胆振東部大地震や余震、台風21号による関西国際空港の被災の影響が響いており、地域別で北海道は11.6ポイントも低下しました。
ただ、内閣府では、基調判断を復興ニーズも配慮してか「緩やかな回復基調が続いている」と据え置きました。
景況感の好不況の分かれ目となる50.0を下回るのは9ケ月連続となりました。

家計動向関連DI、サービス・住宅関連がマイナス大
内訳を見ると、家計動向関連DIは、1.1ポイント上昇したものの、サービス関連がマイナス2.6、住宅関連が同2.3ポイント全体を引き下げました。
特に北海道の胆振東部大地震によって宿泊施設などの大規模なキャンセルが大きく響きました。
企業動向関連DIでは、米中貿易摩擦の影響で製造業がマイナス2.0、非製造業は0.7ポイント上昇しました。
製造業では、原油や現資材の高騰、人手不足による賃金上昇がマイナス要因にもなりました。
一方、景気の先行きに関しては、家計や企業活動の影響が長引くことが懸念されていますが、訪日外国人客を含む国内旅行・観光など回復に期待する声が多く見られました。

日銀、短観も3期連続悪化
内閣府の「景気ウォッチャー調査」は、地域の景気に深い動きを観察できる人々の協力を得て、11の地域ごとに景気動向を的確に把握し、景気動向の判断に利用されています。
日銀でも、短観(全国企業短期経済観測調査)を四半期ごとに全国の約1万社を対象に業況や経済環境の現状・先行きを調査していますが、10月1日の短観では、景況感は3期連続で悪化しており、相次ぐ台風被害や地震などの自然災害や、米国の貿易摩擦による原油高を要因としています。

リアルタイムで動向わかる「消費者マインドアンケート調査」開始
「景気ウォッチャー調査」は、ある人々を対象に調査していますが、インターネットがほぼ普及しスマートフォンでも気軽に調査が行える時代。
内閣府では、平成28年9月から調査対象を選ばない「消費者マインドアンケート調査」をし始め、内閣府のウェブサイトには掲載されますが、マスコミでの報道はありません。
質問数も「暮らし向き」と「物価見通し」のみで、スマートフォンでも1分かからず解答可能でき、毎月20日に締め切り22日には結果が公表され、速報性のある調査と考えられます。
こうしたリアルタイムの調査、対象も限定しなければ実感も湧いてくると考えられ、今後も結果を注目すべきでしょう。


[2018.10.19]

世界成長率3.9%から3.7%へ下方修正
IMF(International Monetary Fund:国際通貨基金)は10月9日、世界経済の成長率の予測を、貿易摩擦のエスカレートや新興国での通貨安、圧力を背景に2年ぶりに下方修正しました。
世界経済見通しで、今年と来年の世界成長率を3ケ月前の3.9%から3.7%に引き下げました。
IMFは、10月11日からインドネシアのバリ島で年次総会を開催し、日本からも日銀の黒田総裁、麻生財務相が出席しました。
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世界経済は、平成23年以降最高だった29年並みのペースになるものの、米国の貿易摩擦やブラジルやトルコの弱さが隠れていることを示唆しました。

IMFの目的とは、国への融資や雇用・所得の増大、為替の安定
IMFは、昭和19年7月に米国で連合国国際通貨金融会議で創立が決まり、同会議で調印されたIMF協定によって昭和22年3月より業務を開始した国際機関です。
今年9月末時点のIMF加盟国は189ケ国で、IMFの主な目的は加盟国の為替政策の監視や、著しく収支が悪化した加盟国への融資を通じて国際貿易を促し、加盟国の高水準の雇用と所得の増大、為替の安定など寄与することになっています。
この目的がありながらも米中の関税引き上げ戦争や、イランへの原油輸出規制など、IMFの目的外のことが現実に起こっています。

米国、関税引き上げれば世界のGDP、0.8%低下
IMFでは、貿易戦争が継続すれば、世界の成長率にかなりの打撃になると分析しており、米国が世界的に関税を引き上げれば2020年の世界のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は0.8%押し下げられると試算。
IMFの予想下方修正は幅も広く米国の関税引き上げと、他国からの報復関税、原油輸出の規制など、サプライチェーンの混乱で日本にも大きな影響が出てきます。
日本の今年の予測成長率は1.1%と7月から0.1ポイント上方修正されましたが、来年は0.2ポイント下方修正され、米国の関税措置が発動されれば1ポイント強悪化する懸念があります。

日本、貿易黒字は50ケ月連続だが黒字幅は2割強減少
財務省が10月9日発表した8月の国際収支統計によると、日本の貿易の状況を示す経常収支は1兆8,384億円の黒字で、黒字は50ケ月連続です。
ただ、黒字幅は前年同月から23.4%も減少しており、要因は米国のイランに対する輸出規制の脅しで、他国の原油産出国では原油価格が上昇。
日本エネルギー経済研究所石油情報センターが10月3日に発表したレギュラーガソリンの全国平均価格は1リットル155.2円と3年10ケ月ぶりに高騰しました。
11月5日には米国はイランに輸出制裁を断言し、ロシアも増産を見送ったことから今後も上昇傾向となる予測です。


[2018.10.16]

住宅ローン、銀行・信金・フラット35の貸出額が減少
住宅金融支援機構は10月2日、今年4月〜6月期の業態別の「住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移」を発表。
この期間、金融機関などの住宅ローンの新規貸出額は4兆7,644億円と、前年同期から4.2%減少しました。
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新規貸出額の内訳をみると、国内の銀行が5,441億円と同3.6%減、信用金庫が3,711億円の同12.7%減、住宅金融支援機構の「フラット35」も5,411億円で同13.6%減と大きく減少しました。
一方、最も増加率が大きかった金融機関は、住宅専門会社などで556億円と同23.3%増加、労働金庫も4,589億円と同11.8増加しました

住宅着工戸数、8.5%増加、消費税増税前のニーズ?
国土交通省によると、今年4月〜6月期の住宅着工戸数は年率換算すると96万8,000戸と前年同期から8.5%増加しています。
今後の先行きについても、2019年10月の消費税の引き上げで駆け込みニーズの顕在化が予測でき、増加は維持される可能性が高いと考えられます。
これは過去、平成9年4月の消費税の引き上げ3%から5%、平成26年の5%から8%時前の2四半期前に住宅ローンの貸出が増加したことでで裏付けられます。
来年10月の消費税増税で来春より販売が上昇することが予測されます。

消費税増税で「ローン減税」、「すまい給付金」を拡充
消費税の引き上げに伴い来春頃からの駆け込みニーズと、引き上げ後の反動が予測されますが、安倍政権は駆け込みによる経済への影響を考え住宅「ローン減税」と「すまい給付金」を導入します。
「住宅ローン減税」は拡充が検討されており、「すまい給付金」は、世帯収入額によって最大30万円を50万円に拡充される予定で、駆け込みニーズと反動減の規模をある程度、一定分抑制する効果が期待されています。
ただ、住宅含め、様々な製品やサービスに施策拡充によって、一定の駆け込みニーズと反動減が生じることは避けられません。

日銀、長期金利を上昇
住宅ローンも消費税増税に伴い、駆け込みニーズで増加が予測されますが、日銀の金融政策決定会合ではゼロ金利ベースは維持しつつも変動幅を初めて打ち出しました。
この決定が行われた今年7月31日の長期金利は0.05%でしたが、10月に入り米国の長期金利が景況感指数や雇用情勢が堅調で急上昇し、それに合わせるよう日本の長期金利も0.155%まで上昇しました。
この状況下、メガバンクは5ケ月ぶりに住宅金利ローンを引き上げ、住宅金融支援機構が供給する「フラット35」も2ケ月連続で上昇しました。
住宅の購入は、耐久消費財や運輸、小売業にとっても経済全体への効果は計りしきれないもので、今後の住宅ローン金利の動向が注目されます。


[2018.10.12]

消費者態度指数4ケ月ぶりに改善!が、肝心の「暮らし向き」は悪化?
消費者態度指数、「収入の増え方」、「耐久消費財の買い時判断」は改善したが・・
内閣府が10月2日発表した「9月の消費動向調査」によると、2人以上の世帯の消費者態度指数は、前月から0.1ポイント上昇し43.4となり、4ケ月ぶりに前月を上回りました。
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ただ、消費者態度指数を構成する「収入の増え方」や「耐久消費財の買い時判断」は改善したものの、「雇用環境」は横ばい、「暮らし向き」は0.2ポイント悪化となりました。
内閣府では、消費者マインドの基調判断を「弱い動きが見られる」と据え置きました。

「暮らし向き」マイナスは家計に直結
「消費動向調査」は、消費者の意識や物価の見通しを把握し、景気動向判断の基礎資料を得ることを目的にしていますが、「暮らし向き」のマイナスは、家計収入や雇用環境など今後、半年間の見通しについて世帯がどのような意識、判断を持っているかを示したものです。
「収入の増え方」は、人手不足から上昇傾向にあり、「耐久消費財の買い時判断」は、来年10月の消費税増税前もあり理解できますが、「暮らし向き」は、国民にとって一番生活に密着した部分であり、マイナスを示すには懸念が残ります。

3人に1人は今後も物価「上昇する」
一方、今後1年後の物価に関する見通しでは、「(2%〜5%未満)上昇する」が全体の34.3%と、日銀が目指す2%上昇まで「金融緩和を継続」を、3人に1人が支持したのか、円安で輸入品価格が上昇する懸念かを予測しています。
米トランプ大統領がイランに対し原油禁輸制裁を発動するかの懸念から原油価格の上昇も目立っており、資源エネルギー庁が9月27日に発表したレギュラーガソリンの小売価格は、全国平均で1リットル当たり154円30銭と、前回調査から再び上昇し、今年最高値を更新しました。
米国のイラン経済制裁を11月に控え、運輸業や自動車を利用する営業など、さらなる値上がり、供給不安が予測されます。

タバコもまた値上げ、半分以上が税金へ
10月1日からは、ガソリン始め電気やガス、小麦粉、タバコなど生活に身近なものも値上がり「暮らし向き」は、より厳しくなることも想定されます。
特にタバコの値上げ幅は、1箱最大40円アップとタバコ1本吸うのに半分以上が税金に吸い取られていくようで、禁煙者にとっては「良いこと」であっても「喫煙者」にとっては「文句言ってもしょうがない」が日本文化でしょう。「税金は取れるところから取る」模範例です。
ただ、食品や日用品、エネルギーはタバコとは異なり生活必需品でもあり、高齢の年金生活者や貧困層にとっては大きな損失となります。
消費者態度指数は、全体には改善されたものの、「暮らし向き」はマイナスとなることで、その理由、それに対しての施策が明示されることが望まれます。


[2018.10.9]

3期連続悪化、9年半ぶり
日銀は10月1日、9月の全国企業短期経済観測調査(短観)を発表しました。
企業の景況感を表す業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、大企業の製造業でプラス19と、前回6月調査のプラス21から悪化し、3四半期連続で悪化が続きました。
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3期連続の悪化は、リーマン・ショック後に過去最低を記録した平成21年3月以来9年半ぶりとなりました。
安倍政権も9月の月例経済報告で、国内景気は「緩やかに回復」との判断を維持しましたが、多国間での貿易問題による世界経済への影響や、相次ぐ自然災害に留意する必要があると認めています。

日銀短観、業況判断DIとは・・
業況判断DIは、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた数値で、全国の上場・中小企業動向を的確に把握し、金融政策に生かすことを目的に調査しています。
短観は、企業の売上高や雇用者数、金融機関からの借入金などの「計数調査」と、生産や設備投資、雇用などの「判断調査」によって構成されています。
主要企業の業況判断DIは、景気判断の指標として株式市場などにも大きく影響が出る指数です。

相次ぐ災害や米国のイラン原油輸出規制が大きく影響
9月のマイナス分は、相次ぐ豪雨や台風に北海道地震など自然災害による影響や、輸入に頼る原油が有力産油国のイランの供給が、米国の経済制裁で落ち込む懸念に、指標油種は4年ぶりの高値が影響しています。
さらに、米中貿易戦争の攻防による世界経済への影響や、日米2国間でのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)を米トランプ大統領は迫ってきており、自動車などの輸出、農産物の輸入への関税などの駆け引きが影響しています。
9月の日米首脳会談では、新たにTAG(Trade Agreement on Goods:物品貿易協定)という関税を両国で引き下げる交渉でとりあえず合意しました。

この先の見通しも変わらず
3ケ月後の先行きについては、大企業の製造業はプラス19と横ばいの見通しとなっており、多国間での貿易交渉がどのような動向となるかによって影響も出ると考えられます。
非製造業では、自然災害は復興へのニーズがあるものの一時的なため、回復が想定されています。
米国発の貿易摩擦や米国ファースト、中国の景気減速の影響など、日本は製造業を中心に設備投資ニーズの低下に繋がるリスクもあり、グローバル的な経済動向が今後も注視されます。


[2018.10.5]

「#Me To」運動、世界的に拡大
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セクハラやパワハラなど、企業が従業員に訴えられ損害賠償を請求された際に、賠償金を備える「ハラスメント保険」の販売が急増しています。
数年前、米国で女性の勇気あるセクハラ告発に「#Me To(私も)」運動を発端とし全世界に拡大し、日本でもここ数年で、企業の経営者・管理者のほか、自治体、行政にまで告発する従業員、職員の報道が多くなってきました。
これは、「日本人はおとなしい」から「言いたいことは言う」と、日本の文化も少しずつグローバル化しているのではとも考えられます。

企業側、「損害賠償金や慰謝料、訴訟費用」を保障
「ハラスメント保険」は、正式名称「雇用慣行賠償責任保険」で、セクハラやパワハラに対し、管理責任や不当解雇を巡り、企業が従業員から訴えられた訴訟が対象となっており、損害賠償金や慰謝料、訴訟費用などを保障します。
保険会社は、企業に保険商品を販売し、保険料は企業が負担しますが、該当本人に負担なければこの問題は解決しないと考えられます。
例として、今年の報道でも、上司から度重なる暴言で退職した従業員が慰謝料を運送会社へ請求し、約200万円の保険金が支払らわれ、飲食店男性店長から長期に渡り、体を触られると言うセクハラを受けた女性従業員へは、約90万円の保険金が支払われた事例があります。

セクハラ・パワハラ保険加入企業、前年度の5割超え
三井住友海上火災保険と、あいおいニッセイ同和損害保険を傘下にもつMS&ADインシュアランスグループホールディングスによると、「雇用慣行賠償責任保険」の販売件数は、平成29年度に約2万件と前年度比で5割を超え、現在も問い合わせが多く今後も増加する見通しです。
これは、2年前に比べ2.5倍以上の伸びとなっており、企業の従業員の権利意識の高まりで、訴訟などのリスクの認識が中小企業にも浸透し始めていることがわかります。
中小企業においても人手不足などを原因とするトラブルなども、企業の懸念を強め保険商品購入を促しています。

厚労省、「法整備」か「ガイドライン策定」議論開始
厚生労働省の労働政策審議会は9月25日より、セクハラ、パワハラ対策の本格的な議論を始め、企業に義務付ける「法制化」するか、法的強制力のない「ガイドライン」に留めるか年内に具体案をまとめるとしています。
議論は、労使各々の代表と有識者らが参加し、労働者側は「法整備が必要」と主張し、経営者側は「ガイドライン策定が現実的」と白黒ハッキリ別れた意見で、年内に具体案が出されるか懸念されます。
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ただ、パワハラ被害は年々増加しており、全国の労働局へのパワハラ相談は約7万2,000件と6年連続で最多であることも事実であり、「心の病」で労災認定された労働者も増加していることから、今後の相互の論議が注目されます。


[2018.10.2]

都心3店舗に経営資源を集中
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三越伊勢丹ホールディングスは9月26日、伊勢丹相模原店など不採算店舗3店を閉鎖することを発表。
地方、郊外店舗は、バブル崩壊後から減収が続いており、訪日外国人客の恩恵も及んでおらず、今後は富裕層などニーズが見込める都心の3店舗(伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店)に経営資源を集中させ、収益力を高めるとしています。
閉鎖予定の店舗は、伊勢丹府中店と相模原店が2019年9月末に。新潟三越は2020年3月22日に閉鎖し、3店舗合計の従業員853名は原則、配置転換するとしています。

三越伊勢丹全23店舗中、都心3店舗で売上高の半分に
3店舗の売上高は、いづれも平成8年度がピークで、平成29年度の売上高は、相模原店と新潟三越がピーク時の約5割減、府中店が同約4割減と縮小しました。
一方、都心3店舗の売上高は堅調に維持しており、現在23店舗ある三越伊勢丹ホールディングスの百貨店事業の売上高のうち3店舗で半分に至るといいいます。
全体では売上高が減少する中、都心店舗だけは訪日外国人客の恩恵も受け、増加傾向を維持しています。

百貨店全体の売上高は3年ぶりに前年度から増加、ただプラスは0.1%
地方店舗では、三越伊勢丹ホールディングス傘下の福岡の岩田屋三越が2019年3月21日に新館を閉鎖することをすでに発表。本館を規模縮小し、コスト削減し、収益改善を図る計画です。
三越、伊勢丹に限らず百貨店全体の売上高は平成29年度は前年度比0.1%増と3年ぶりに前年を上回ったものの、地方、郊外店舗は、今後も苦戦が予想されるのは予測できます。

都市部と地方の百貨店の売上高、倍以上の開き
日本百貨店協会によると、札幌、仙台、東京、横浜、名古屋、京都、大阪、神戸、広島、福岡10都市の百貨店の今年7月の売上高は、3,630億1,697万円と、他地方、近郊の百貨店合計1,501億8,358万円と倍以上の開きがあります。
都市部の売上高は前年比1.2%増に対し、地方は同2.3%減と地方の百貨店は閉鎖が相次いでいるのが実情です。
百貨店の売上高は3年ぶりに前年比プラスに転じたことは喜ばしいことですが、内訳では都市部に集中し、訪日外国人客に下支えされているのも現状で、「地方創生」を掲げる安倍政権、残りの任期3年で新たなビジネスモデルを構築できるかが注視されます。


[2018.9.28]

リーマン・ショック、日本には関係ない?
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世界的な金融危機を起こしたリーマン・ショックから9月15日で10年が経ちました。
当初は、米国の低所得層の住宅ローン・サブプライムローンが破綻しても日本には影響はないと誰もが思っていましたが、信用力の低い借り手に高い手数料で貸し出したサブプライムローンは、証券化という取引によって債権を保有する銀行、投資銀行が大きな損失を抱えました。
結果、リーマン・ブラザーズ始め投資銀行は破綻し、企業へ貸し出した資金は一斉に回収され、中小企業なども破綻に追い込まれました。
これは、米国の銀行では自己資本の12.5倍までしか融資できないルールがあり、サブプライムローンの破綻で不良債権が増加し、企業などへ貸し出す資金を絞るしか方法はありませんでした。

米国ドル、世界の基軸通貨が敗因
米国で起きた住宅ローンの破綻は、米国内だけにとどまらず全世界へ金融危機を引き起こし、日本も例外ではありませんでした。
これば、米国は世界最大の輸入国であり、国際通貨が米国ドルにあったからでもあり、米国が景気悪化で輸入が減少すると、世界中の輸出国に大きな影響を与えます。
米国ドルは、世界の基軸通貨として世界中で使用され、米国の金融機関が貸し渋りを余儀なくされ、世界中に米国ドルの流通が減少することで、世界中の資金の流れが止まったと言ってもいい状況となりました。

「Made in JAPAN」、格安の途上国製品にシフト
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日本企業にとっても自動車や家電製品など高品質の「Made in JAPAN」は、格安な途上国製品にシフトし、米国において自動車の購入資金や企業の設備投資資金などを借り入れることは困難となり、結果、「Made in JAPAN」製品に対するニーズも落ち込みました。
さらに、日本円が安全通貨との認識が広まり日本円が大量に買われ、円高となり、日本の輸出企業にとっては大打撃を受け、株価も大きく低下。
投資家が日本株を売り払い負債分を補ったことも大きく影響しました。
なぜ、米国人の低所得者層の住宅ローンの破綻で日本企業が影響するのか、当時は誰もが予測することはできませんでした。

リーマン破綻後、3年無政策状態へ
リーマン・ショック後には自民・麻生政権から前民主党に政権が変わり、日本の景気は過去最悪とも呼ばれ、3年後には安倍政権が誕生し、ようやく景気回復の経済指標も発表されるようになりましたが、現実、国民に広くその恩恵は行き渡っているかといえば否定の声も多く上がります。
リーマン・ショック後には、経済対策として新たな国債を発行し続け、日銀も金融機関から買い取りる始末。日本の債務残高は1,000兆円を超え、超高齢化社会を迎え、財政悪化に歯止めがかからない状況に、これまでにない大胆な施策が求められています。


[2018.9.25]

セブン、イオン銀行に次ぐ小売業の銀行事業参入
金融庁は今年8月10日、コンビニエンスストアのローソンが申請していた銀行業の免許を交付し、9月5日にはローソンが10月15日より銀行サービスを開始すると発表しました。
小売業の銀行事業参入はセブン銀行やイオン銀行など既に展開しており、ローソンの銀行事業参入で大競合が始まろうとしています。
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これまでローソンは、地銀などと提携しATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)を運営してきましたが、手数料は幾つものの銀行が出資していたため独占できませんでした。
そこでローソンは、銀行免許を取得し、金融ビジネスを強化し、収益を上げることを目指しました。

ローソン銀行、三菱UFJの金融事業、物流ノウハウ取り入れ差別化
消費者にとってはコンビニエンスストアでも銀行のATMでもどこでも現金の引き出しや預け入れが可能で利便性がよくなりますが、ローソンが三菱商事の子会社となっていることで、商社の物流や三菱UFJフィナンシャル・グループの金融技術を活用し、他にはないコンビニエンスストアの運営が進められると考えられます。
経済産業省の商業統計ではコンビニエンスストアは飲食料品小売業に定義され、商品を仕入れ、販売することで収益を得る基本的なビジネスモデルです。
ローソンでは、このビジネスモデルに三菱商事の金融事業の要素を取り込み、セブンイレブンにはない新たな取り組みを取り入れ、消費者満足を高め、収益向上を目指します。

ローソン、医薬品販売やモバイル決済も展開
ローソンの店舗によっては医薬品を取扱う店舗もあり、営業時間の半分以上を医薬品販売の登録販売者を常駐させる必要がありますが、ローソンでは、すでに登録販売者を確保しつつ、医薬品販売を取扱う店舗を増やし、ライバル店との差別化を図ります。
これは、消費者にとっても、ローソンで医薬品が買えるのであれば利便性もよく、足を運ぶ機会も増える可能性も大きくあります。
また、ローソンは平成29年1月にライバル店に先駆け、中国のIT(Information Technology:情報技術)企業、アリババのモバイル決済システム「アリベイ」を導入しました。
中国からの訪日客が急増する中、中国本土では主流となっている決済方法、スマートフォンでの決済をローソンでも可能にし中国訪日客の利便性を図りました。

フィンテック技術の活用も期待
ローソン銀行の設立によって三菱UFJ銀行の「MUFGコイン」の開発など、FinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)技術の活用も期待され、他の小売業銀行やネット銀行はないサービスも提供されると予測できます。
特に地方の過疎地などでは、ローソンがあれば飲食料品販売の他に、医薬品の販売や介護相談などの機能を備えたヘルスケアローソンの店舗も展開。
さらに、インターネット通販の荷物の受け取りや配送、銀行機能が加われば、その地域に住む住民にとって満足度は大きく高まり、地域活性化にも期待がかかります。


[2018.9.21]

スマホ急速な普及でネット上には膨大な個人情報が蓄積
スマートフォンの急速な普及により、インターネット通販やオンラインサービスなどインターネットを介して膨大な個人のデータが生成されています。
インターネットの他にも「Suica」などのICカードやクレジトカードなど、現金第一主義の日本においてもキャッシュレス化が進みつつある予感があります。
ただ、これらのデータは「いつ、誰が、どこで、何を、購入したり、性別や年齢、交通網の駅の利用」などのビッグデータが蓄積され、データ活用には安全性や透明性の確保が必要となります。

個人同意の元、企業がビッグデータ活用の実証実験開始
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このビッグデータをコントロールし販売につなげたい企業と、個人情報を守りたい個人の間で合意の元、どのようにデータを扱うかはこれまで各国で模索されてきました。
日本は、この課題を解決するため「個人銀行」の検討が進み、事業者の持つビッグデータを個人同意の上で収集し管理、企業へ提供する実験が日立製作所や日立コンサルティング、東京海上日動火災保険、日本郵便など6社によって進められています。
個人情報は今後、確実に普及するIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)を見据え、世帯構成や家庭での電力使用量、個人の活動量までセンサーから生成されるデータも取り扱われます。

ネット広告費20兆円へ、テレビ広告費抜く勢い
膨大な情報を持つビッグデータは、消費やサービスを販売する企業にとっては莫大な利益を生む可能性があり、現状でもインターネット上では個人の嗜好に合わせた広告を表示することで広告費は20兆円規模に達しています。
平成30年、世界の総広告費に占めるインターネット・デジタル広告の割合は、38.3%となり、テレビ広告費の35.5%を初めて上回る予測です。
スマートフォンの普及により、「Youtube」などの動画サイトや音楽配信サイトが無料で提供され、さらにSNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)広告費も加わり、デジタル広告はさらに拡大の余地があります。

「ビッグデータを利用したい」日本企業19.2%、米国企業45.7%の差
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総務省によると、「情報銀行」に対する利用についての企業への調査では、「是非利用したい」、「やや利用したい」と答えた企業は日本が19.2%に対し、米国では45.7%と、米国企業は日本企業の倍以上にビッグデータを重要視しており、その費用対効果も裏付けられていると考えられます。
日本では、個人情報保護法案成立前の平成25年6月末にJR東日本の「Suica」の情報が企業に販売され、「問題あり」との指摘が同社に多数寄せられ、わずか1ケ月弱で販売を中止した経緯もあります。
今回の実証実験の結果を元に、安心で信頼できる「情報銀行」の利用条件を整理し、認定基準の改善案として提示することで「情報銀行」の実装を加速していく計画です。


[2018.9.18]

生産年齢人口の減少、歯止め効かず
安倍政権は9月5日、希望する高齢者が70歳まで労働できるように現行の65歳までの「雇用継続義務付け年齢」を見直す検討に入りました。
日本の生産年齢人口は15歳〜64歳となっているものの、急速に減少しており、外国人労働者に頼っているのが実情で、それでも滞在期限は迫っており人手不足に滑車がさらにかかることが予測されています。
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このため、元気で労働意欲のある高齢者に働いてもらいたいとの主旨で、65歳以上の高齢者を積極的に採用する企業へ助成金を拡充することを検討しています。
今後、安倍政権の「未来投資会議」などで経済界などの代表も交え議論する予定です。

安倍政権、70歳まで働けば社会保障費の補填にも
希望する高齢者が70歳まで働けるよう安倍政権が整備に乗り出すのには、生産年齢人口の減少を補い、さらに社会保障費の担い手を増やしたいという背景があります。
ただ、企業にとっては人手不足は解消されるものの、賃金の問題や企業が負担する社会保険料は労働者と折半するため、コスト増加など課題は残ります。
日本の生産年齢人口は昭和58年の約8,700万人をピークに減少に歯止めがかからず、高齢者人口がピークに達する2040年には約6,000万人を割り込む予測で、今後も少子化対策が先延ばしになれば外国人技術者や、移民にまで労働を担うことにもなります。

年金支給60歳から65歳へ、さらに70歳へ?
安倍首相は9月7日、自民党総裁戦が告示され、3期連続再任された際には「憲法改正」のみならず、65歳以上を対象とした「生涯現役時代」の雇用改革を始め「社会保障制度」の大改革を断行すると明言。
次期総裁任期のうち、最初の1年で65歳以上の継続雇用年齢の引き上げを検討し、その後の2年で社会保障制度全般の改革に取り組む決意を示し、70歳を超え、年金受給開始を選択できるようにすると宣言しました。
安倍首相は、「働き方改革」と「社会保障制度」を連動させる必要性を訴え、「国民の負担のバランスをしっかり考えたい」と述べています。

「働きたくても働けない」高齢者の生活保護世帯は半数超え
安倍政権では、年齢に関わらず柔軟に働ける高齢者の整備の一環として、現在は60歳〜65歳で選択できる公的年金の受給開始年齢を70歳を超えても可能とすることを検討しており、雇用が70歳まで延長されれば、長く働きたい高齢者にとっては選択肢も広がります。
一方、働きたくても働けない高齢者も多く、70歳まで働くことができず年金受給も70歳からになれば生活保護など最後のセーフティネットに頼る高齢者も少なくありません。
現実に厚生労働省によると、平成29年度の生活保護受給世帯数は164万810世帯と過去最高を更新し、このうち高齢者世帯は52.7%を占め、前年度から約2万8,000世帯増加しているのも現実です。
将来的に厚生労働省など国はどのような舵取りを取るべきか、今後も議論が繰り返されます。


[2018.9.13]

11年ぶりの伸び幅、設備投資増加率
財務省が9月3日に発表した今年4月〜6月期の法人企業統計は、設備投資額が前年同期から12.8%増加し、伸び幅がリーマン・ショック前の平成19年1月〜3月期の同13.6%増以来、11年ぶりの大きさになりました。
米中貿易戦争により関税引き上げで、製造業などでは、中国以外での生産や国内回帰など投資意欲は大企業中心に増しています。
最先端部品を中国に輸出、同国で組み立て米国へ輸出しているだけに日本企業にとっても大きく影響が出ます。
全産業の4月〜6月期の設備投資額は10兆6,613億円でした。

製造業の設備投資、前年から2割増
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設備投資全体の伸びを牽引しているのは、製造業で前年同期から19.8%伸びており、7年ぶりの伸び率です。
自動車関連企業では、生産増強に向け設備投資や省エネ化への研究開発費などの投資を活発にし、化学業界では、EV(Electric Vehicle:電気自動車)向けの電池素材など生産能力を増強する投資が目立っています。
半導体なども自動車に搭載されるようになり、半導体製造装置など能力増強に向けた設備投資が活発になっています。

市場予想を上回るGDP伸び率、個人消費
設備投資の原資となる経常利益は、世界的な経済回復を受け伸びており、4月〜6月期の全産業の経常利益は26兆4,011億円と過去最高額を更新しました。
4月〜6月期のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)でも設備投資は、1.3%増と7期連続して増加しており、個人消費とともに市場予想を上回った結果となっています。
9月10日に発表される4月〜6月期のGDP改定値は、法人企業統計の設備投資が反映されることになり、注視されます。

企業の内部留保、過去最高446兆円
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財務省が同日発表した平成29年度の法人企業統計では、企業の利益の蓄積となる29年度末の「内部留保」は、446兆4,844億円と前年度末から40兆円以上増え6年連続で過去最高を更新しました。
日本が昭和の時代、高度経済成長期であれば、この利益が国内設備投資に回り、下請けとなる中小企業へも大企業の恩恵が受けられましたが、平成の時代は急速なブローバル化で生産コストの安い国が下請けとなり、国内では賃上げにも慎重な姿勢を崩していません。
大企業では過去最高の利益、内部留保を保持しながらも十分な設備投資、賃上げなどにはまだまだ十分に振り向けられていないのが実情です。


[2018.9.10]

予約だけでも100万枚近くに
音楽情報サービスなど提供するオリコン(Original Confidence)は9月1日、9月16日で引退する歌手の安室奈美恵さん(40)の最後のツアーを収録したDVDとブルーレイディスクが8月31日現在、累計109万1,000枚を売り上げたことを発表しました。
この作品は、8月29日に発売された「Namie Amuro Final Tour 2018 Finally」で、今年2月〜6月、国内とアジアで計23公演が行われたラストドームツアーと、昨年9月の25周年沖縄ライブを収録したもので、予約だけでも100万枚近くを受けていました。

ネットで音楽、映像配信の時代に、あえて購入
インターネットなしでは考えられない時代に、スマートフォンという小学生でも所有し使用する世の中、これまでのCDやDVDは売れなくなり、販売額は急減。
インターネット上の音楽配信や「ユーチューブ」など動画で手軽に見れるようになり、購入する必要がなくなったと言っても過言ではありません。
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アーティストの稼ぎ柱は、テレビの視聴率も低下する中、「ライブ」が主な収入源となっているのが現状です。
この状況の中、音楽ソフトで100万枚を超える売り上げを達成する安室奈美恵さんの「引退」の影響があるものの、人気度は桁違いでしょう。
昨年発売された安室奈美恵さんのベスト盤CDも、これまで227万枚以上を売り上げています。

「嵐」も抜いた9年ぶりの販売記録
オリコンによると、これまで音楽映像作品の売り上げが過去最高だったのは、アイドルグループ「嵐」が平成21年に発売した「5x10 All The Best! Clips 1999-2009」の90万4,000枚で、音楽ソフトの売り上げが右肩下がりの中、安室奈美恵さんが9年ぶりに記録を更新しました。
この安室奈美恵さん引退に関わる経済効果は、CDやDVD並びにコンサートチケット、関連グッズ・アパレル、移動、宿泊、飲食費など1,000億円単位と予測されています。
「引退」という安室奈美恵さんの見納めがファン心理に大きく影響したと考えられます。

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「SMAP」5人で解散も経済効果は636億円
これまで、アイドルグループ「SMAP」が解散した平成28年、様々な経済効果を分析する関西大学の宮本教授が試算した経済効果は636億円と発表しました。
「SMAP」5人のメンバーをも抜く、安室奈美恵さんの人気度が計れます。
8月29日には、朝日新聞朝刊(全国版)に「これからもあなたの音楽を愛し続けます」とのメッセージと3,000名以上のファンの名が記載された一面広告が掲載されるなど、お小遣いを使いながらもファンからのメッセージも伝えられています。
「40歳になったら引退」を実行した安室奈美恵さんの意思がファンの心を見事に捉えました。


[2018.9.5]

住宅ローン「信金」は急減、「フラット35」は急増
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住宅金融支援機構は8月28日、「業態別の住宅ローン新規貸出額及び貸出残高の推移」を発表。今年第1四半期(1月〜3月)の主な金融機関の住宅ローンの新規貸出額は5兆8,864億円と、前年同期比から9.2%減少しました。
貸出元の内訳をみると、信用金庫が同16.4%減、住宅金融支援機構「フラット35(買取型)」が同16.0%減と大幅に落ち込んだ一方、住宅金融専門会社などが同33.3%増と牽引する形となりました。
ただ、「フラット35(保証型)」に関しては平成28年度から増加傾向にあり、今年第2四半期(4月〜6月)の実績では1,484戸と前年年同期比162.4%と大幅に成長しています。

「フラット35」2年度連続、申込み件数ゼロも
「フラット35」には「買取型」と「保証型」の2種あり、一般的には民間の金融機関が証券化を行うことで「買取型」より低利で全期間固定金利の「保証型」が選択されます。
この「保証型」は平成18年度から取扱いが始まったものの、平成20年のリーマン・ショックで金融市場が混乱し低迷し1件も申請のない年度もありました。
「保証型」は、民間の金融機関が融資率や返済負担率、団体信用生命保険などを独自に設定できるため、金融機関同士の競合も激しく住宅ローン利用者にとっては比較検討できるなどメリットがあります。

住宅ローン、いよいよ金利上昇?
日銀の異次元金融緩和により、住宅ローンは超低金利が維持されていますが、7月31日の金融政策決定会合で長期金利の変動幅は概ねプラスマイナス0.1%から上下その2倍に変動しうることを念頭に置いていると発言。
欧米では、景気回復基調で金融緩和が縮小傾向にある中、日銀も0.2%まで金利上昇がありうるということで、現実8月2日には一時0.145%と平成29年2月以来の高水準に上昇しました。
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査」では、平成29年度下半期(平成29年10月〜30年3月)は「変動型」が56.5%と3期連続増加していますが、金利上昇の懸念に全期間固定金利の「フラット35(保証型)」が増加してきたのかと考えられます。

返済は利息のみ「リ・バース60」申し込み前年同期比445%!
一方、住宅金融支援機構が同日発表した、住宅融資保険を活用したリバースモーゲージ型の住宅ローン「リ・バース60」の今年第2四半期の利用実績が98戸と前年同期比445.5%と急増しました。
「リ・バース60」は、60歳以上を対象にした住宅ローンで毎月の支払いは利息のみで、元金は利用者が亡くなった時に担保住宅の売却で一括返済するローンです。
総務省統計局によると、60歳以上の世帯では7割以上が住宅所有の現状に、元本返済分はリフォームやバリアフリー化などのニーズがあり、何より老後の生活資金の余裕が考えられます。


[2018.9.3]

正社員5割、非正社員3割が不足
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帝国データバンクが8月27日発表した「人手不足に対する企業の動向調査(平成30年7月)」によると、有効回答企業数9,979社中、50.9%が「正社員不足」と回答し、33.0%が「非正社員不足」と答えました。
平成30年度の有効求人倍率は、昭和時代の高度経済成長期に近い高水準を維持しており、失業率も四半世紀ぶりに低水準で推移する中、企業において人手不足は深刻な課題となっています。
企業は、優秀な人材確保難に加え、人件費などの上昇で収益への影響も表れてきた一方、求職者側には労働環境は明るい状況となり、就業機会の拡大や賃金上昇の好材料ともなっています。

人手不足は前年から増加、7月は過去最高を記録
正社員の人手不足の割合は、前年同月から5.5%増と高い水準を維持しており、7月としては初めて過半数を超え、過去最高を更新しました。
不足していると答えた企業を業種別にみると、ソフト・システム開発などの「情報サービス」が71.3%と最も高く、インターネット通販の急速な進展で「運輸・倉庫」が67.6%、主要都市の再開発や災害復興事業、東京五輪関連施設などの「建設」が66.3%と人手不足は高水準です。
一方、非正社員では、「飲食店」が82.9%と最も高く、「メンテナンス・警備・検査」が65.1%、「人材派遣・紹介」が60.0%と続き、企業にとっては深刻です。

IT関連の人材不足、すでに17万人
また、今後のIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)やビッグデータ、AI(Artificial Intelligence:人工知能)、セキュリティなど産業の変革でエンジニアやプログラマーなどは不足するのは予測でき、経済産業省が平成28年6月に発表したIT関連の人材不足は平成27年末時点で約17万人が不足している状況で、5年後には20万人近くに達すると指摘しました。
無料通信アプリの「LINE」やフリーマーケットアプリ最王手の「メルカリ」では、外国人エンジニアを雇用し、国際化に積極的です。

在留外国人は256万人と過去最高
安倍政権は、企業の深刻な人手不足から平成31年4月から新たな在留資格創設による外国人労働者の大幅な受け入れを目指し、そのための業務を担う官庁が必須と考え、法務省は入国管理局をを改組、格上げし入国在留管理庁を新設する方針です。
平成29年末時点でも、留学生や技能実習生の増加に伴い在留外国人は約256万人と過去最高を記録。さらに、様々な産業で人手不足に対応するため、一定の専門性や技術を持った外国人労働者を受け入れる在留資格を設ける方針で、今後も在留外国人は増加傾向にありそうです。


[2018.8.31]

日本公庫、全国金融機関と129機関と連携、農業者へ融資促進
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日本政策金融公庫(日本公庫)・農林水産事業は8月24付けで北陸信用金庫と「CDS(Credit Default Swap:取引先の倒産に備える保険)に関する基本契約」を締結しました。
この契約締結で同公庫・農林水産事業が本契約を締結する金融機関は全国129機関に上りました。
この契約は、同公庫・農林水産事業が民間金融機関による農業分野への融資参入を促すためのもので、同公庫は民間金融機関が農業者へ融資資金の一定割合を信用補完することで、無担保・無保証の融資が可能になり、農業者ニーズに応えられる内容となっています。

農業経営アドバイザー、4,775名に
日本公庫・農林水産事業は8月24日、平成30年度前期の「農業経営アドバイザー研修・試験」を実施し、新たに217名が合格し、「農業経営アドバイザー」は全国で4,775名に増えました。
「農業経営アドバイザー」4,775名の内訳を見ると、、金融機関職員が1,532名、農協職員が1,202名、税理士・公認会計士が1,035名、公庫職員336名など、農業経営者からの要望に専門的に対応、経営を支援していきます。
日本公庫・農林水産事業では、資金面や人的面でも農業経営者を支援する方針です。

昨年の農業の景況DIは過去最高に、ただ、生産物・地域で格差
180829_1.jpg日本本公庫・農林水産事業が今年3月に、融資先農業者への「農業経営調査」によると、有効回答数6,711件で、平成29年の通年での景況DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、28年の過去最高値20.0を更新し、21.2と、好調な販売単価から景況感が上昇しました。
ただ、世界的な異常気象により、生産物や地域によっても大きな差があり、景況が悪化している部分もあります。
一方、今年通年の見通しでは、価格の先行きの不透明感から稲作、肉用牛を中心に慎重な判断が目立ち、昨年より12.6ポイント縮小し、8.6ポイントまで低下する見通しと言います。

安倍政権、農業経営者のために関連情報集約、開放へ
安倍政権は、農業の競争力強化のため、気象や土壌などに関しての情報を集約したデータベースを構築し、農業経営者へ開放する方針を示し、平成31年4月の本格運用を目指します。
貿易自由化は急速に進展しており、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)の発効や、EU(European Union:欧州連合)とのEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)も控えています。
さらに、米国は日本の自動車の関税引き下げに、日米2国間でのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)を要求し、農産品の市場開放を迫ってきています。
米中貿易戦争や、トルコのリラ急落などによる新興国の経済的な影響に、日本も他人顔ではいられなくなっています。


[2018.8.29]

全銀協の自粛「申し合せ」、結果を公表
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金融庁は8月22日、過剰な貸付が問題となった「銀行カードローンの実態調査結果について」を発表しました。
銀行カードローンは未だ貸付残高が増加傾向の中、同庁では、銀行における銀行カードローンの融資審査の厳格化や適正化を推進すべく昨年9月から調査を実施しました。
調査対象は、銀行カードローンを取り扱う全108行で、昨年3月に全国日本銀行協会より銀行カードローンに関して「銀行による消費者向け貸付に関わる申し合せ(申し合せ)」を行い、その結果を金融庁が公表したものです。
調査実施先の銀行では、検査を通じ業務運営の見直しを促し、多重債務の発生の抑制に一定の改善が見られたとしています。

年収証明書の提示、約9割の銀行で「必要」
過剰な貸付を防止するため、年収証明書の提示は、「申し合せ」前は全体の約1割の12行に留まっていましたが「申し合せ」後は、約9割の96行に増えました。ただ、残りの12行では年収証明書がなくても銀行カードローンが利用できることになります。
融資の上限枠の設定では、上限枠を設定している銀行は「申し合せ」前は約5割、58行に留まっていましたが、「申し合せ」後は、約9割の93行に増加しました。
残る1割に当たる13行のうち7行は今後設定を予定、6行は予定なしとなりました。

融資上限額「年収同額まで」が3行
融資上限額は、貸金業法が適用される消費者金融では年収の3分の1まに規制されていますが、今回の調査で回答がハッキリした銀行71行では、年収同額まで貸付可能とした銀行が3行ありました。
約8割に当たる59行では、年収の2分の1、9行が年収の3分の1まで融資の上限を設定しました。
金融庁では、この「申し合せ」が公表される前までは、ほぼ自由に貸付られいていたことから、一定の改善が認められるとしています。

他行、消費者金融からの借入状況、勘案しない銀行も
また、融資上限枠を設定している銀行でも、他校からの銀行カードローンや消費者金融からの借入状況を勘案していないケースも見受けられ、金融庁では、多重債務の発生を抑えるためにも、顧客の借入状況を把握する必要があるとしています。
特に地銀カードローンでは、顧客の状況変化を把握する体制が全行で「不十分」と指摘しており、整備取り組みへの強化を促しました。
消費者の資金ニーズは、これまで消費者金融は貸金業法で規制、銀行カードローンは金融庁からの指摘と、資金ニーズがなくならない限り、新たな供給手法が出てきてもおかしくない状況です。


[2018.8.27]

LINE、ヤフー手数料無料へ
LINEやソフトバンク・ヤフー連合が今後3年間、決済手数料を無料にすると発表したことから「QR(Quick Response:POSシステムで販売情報を迅速に生産に反映させる方式)コード決済」が新たなキャシュレス決済方法として注目されています。
日本においてキャッシュレス決済の手法としては、クレジットカードやJR東日本の「Suica」や「楽天Edy」などが浸透していますが、「QRコード決済」は一部店頭でしか目にすることはありません。
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中国、小さな屋台でも決済可能
「QRコード決済」は、中国でのスマートフォンの急速な普及により、同国のキャシュレス化を大きく進展させました。
大手ネット企業・テンセントの「微信支付(WeChatペイ)」と、ネット通販大手のアリババの「支付宝(アリペイ)」が人気となっています。
両者ともスマートフォンの画面にQRコードを表示させ、店舗のバーコードリーダーで読み込むか、商品のQRコードをスマートフォンで読み込み決済するだけで、百貨店やスーパーのほか、小さな屋台の飲食物も決済可能です。
決済では、利用者があらかじめ現金をチャージするプリペイド式でチャージは中国国内銀行に登録しておけば、インターネット上での決済にも利用できます。

日本国内、百貨店・家電量販店から地方中小小売店まで導入促進
安倍政権は、この「QRコード決済」を普及させるため、「QRコード決済」導入事業者に対して、補助金を供与し、中小の小売店には決済額に応じて時限的な税制優遇を検討するとしています。
日本では、中国人の観光客に対し「WeChatペイ」や「アリペイ」など百貨店や、家電量販店、ドラッグストアが導入しており、これを地方観光地などにも拡大させ、飲食や土産など消費を促したい考えです。

訪日外国人客の3割は中国
日本政府観光局が8月15日に発表した7月の訪日外国人客数は、前年同月比5.6%増の283万2,000人と7月としては過去最高を記録。
この中でも、国別で最も多かったのは中国で 同12.6%増の87万9,100人と全体の約3割を占めています。
安倍政権によるビザ(査証)緩和や、クルーズ船、LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の増便、新規就航など今後も中国からの訪日は伸びると予測され、「QRコード決済」が日本全国に普及すれば地方での経済活性化にも繋がる期待が持てます。


[2018.8.24]

2期連続、地価9割以上上昇
国土交通省は8月17日、主要都市の高度利用地全国100地区において、今年第2四半期(4月1日〜7月1日)の地価動向「地価LOOKレポート」を公表しました。
主要都市の地価は全体的に緩やかに上昇傾向が継続しており、上昇地区は100地区中95地区と前期調査から4地区増加し、2期連続して9割を上回りました。
オフィフ市況の好調や再開発事業の進捗による繁華性の向上、訪日外国人客による消費や宿泊ニーズ、利便性の良い地域でのマンションニーズなどを背景に投資も堅調となっています。

地価の動向を先行し把握することが可能な調査
「地価LOOKレポート」は、国土交通省が四半期ごとに全国の主要都市100地区を対象に実施され、平成20年から公表されるようになりました。
土地価格の調査では国土利用計画法に基づいた基準地価や、土地取引の基準となる公示地価、宅地の評価額の基準となる路線価などがあります。
ただ、いづれも調査は年1回で、3ケ月ごとに行われる「地価LOOKレポート」は地価動向を先行的に把握することができます。

3%未満の地価上昇地域が8割
調査によると、地価が3%以上6%未満上昇した地区は13地区で、1%から3%未満上昇した地区は82地区。横ばいが5地区と、下落した地区はなく、主要都市の地価は全体的に緩やかに上昇基調が続いています。
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3%以上6%未満上昇した地区を見ると、札幌市の駅前通り、東京の渋谷・表参道、横浜駅西口、名古屋市の太閤口・伏見・金山、大阪市の心斎橋・なんば・福島、神戸市の三宮駅前、博多駅周辺、熊本市の下通周辺となっています。
前回の調査では、ここに名古屋市の名駅駅前と広島市の紙屋町が加わっていましたが3%未満の上昇に留まりました。

リーマンショック後、下落は150地区中148地区
リーマンショック後の平成20年第4四半期(対象地区:150)には、2地区の横ばいを除き、148地区が下落、3%を超える下落地区は全体の約7割にも上りました。
一方、平成19年第4四半期に5地区あった6%以上の地価上昇地区は平成28年第3四半期を最後にありません。
今後も米中貿易戦争や、日米貿易交渉、トルコやブラジルの通過下落など、日本経済にも大きく影響がある可能性があります。
今後の地価動向が注視されまし。


[2018.8.22]

掛け金は非課税、将来の老後資金に若年層の加入が増加
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国民年金基金連合は8月15日、、8月中にも積み立てた掛け金を投資信託などで私的に運用するiDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)の加入数が100万人を超える見込みを発表しました。
iDeCoは、掛け金の全額が課税対象外となるため、所得税などを節税できるメリットがあり、何より将来的年金への不信もあるとみられ、若年層の加入も増加しています。

加入対象者を拡大、月数千から3万人へ増大
iDeCo加入者は、これまで月に数千人規模でしたが、昨年1月の制度改正によって、加入できる対象者が拡大し、これまで自営業者や企業年金のない企業の社員、主婦ら含め20歳〜60歳まで加入できるようになり、現在は月3万人がiDeCoに加入しています。
安倍政権は「人生100年」を推奨し、企業の退職年齢は「60歳から65歳、70歳」へと模索しており、若年層にとっても将来の老後生活が予測もできないでしょう。

節税枠を有効に利用するには若いほど有利
iDeCoの積立金は、自営業であれば年間約80万円まで投資でき、会社員は年間30万円まで、公務員はさらに少なくなります。
節税枠を有効に利用するのであれば年齢が若いほど有利となりますが、40代〜50代からの加入では、老後の蓄えには不十分です。
来年10月には消費税が2%引き上げられますが、国の借金は1,000兆円を超え、消費税増税だけではカバーできないのも国民にも十分理解されているでしょう。

加入対象6,500万人に加入者はわずか100万人
日銀の異次元金融緩和で金利は住宅ローンなど変動型ではおおよそ0.5%が続く中、銀行など金融機関に預けても利子は数円から数十円が実態でしょう。
iDeCoは、60歳まで解約できないため、金融機関にとっては顧客との長期取引が魅力となり、金融機関では、独自のサービスや手数料無料など競合状態です。
iDeCoは、20歳〜60歳の現役世代、約6,500万人が対象となっておりますが、まだまだ未加入者は多く、来年夏からはiDeCo商品説明も解禁するため、金融機関同士の顧客獲得競争がさらに加速すると予測できます。


[2018.8.20]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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