事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


分譲マンションの購入理由「立地環境」が7割
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国土交通省は4月16日、「平成30年度住宅市場動向調査」の結果を取りまとめ発表し、現在居住している住宅を選択した理由のうち「住宅の立地環境がよかった」と答えた購入者が分譲マンションで72.3%に上ったことを発表しました。
同省では、今後の住宅政策の企画立案の基礎資料とすることを目的に、平成13年度から毎年調査を実施しており、平成30年度は注文住宅867件、中古住宅1,176件、分譲住宅627件の住宅購入者を集計したものです。
調査は、平成29年4月〜30年3月に購入、住み替え、建て替えなど行った世帯を対象とし注文住宅、中古住宅は全国を、分譲住宅は三大都市圏を対象としています。

日本の文化?新築住居の購入6割超え
一方、注文住宅購入者は「信頼できる住宅メーカー」が50.7%と半数を占め、分譲戸建て住宅購入者は、「一戸建てだから」が54.1%と最多となりました。
注文住宅や分譲戸建て住宅、分譲マンション購入者が中古住宅を選ばなかった理由としては「新築が気持ち良い」が注文住宅で61.5%、分譲戸建てで66.8%、分譲マンションで60.6%といづれも過半を超えました。
また、中古戸建て、中古マンション購入者が中古を選んだ理由としては「予算的に中古が手頃」が中古戸建てで66.6%、中古マンションで70.6%と7割を超えました。

相次ぐ建築違法住宅に保障は?
住宅購入者にとっては一生に一度の高い買い物であると言われる住宅ですが、大手住宅メーカーの大和ハウス工業は4月12日、30都府県の戸建て住宅と賃貸共同住宅の計2,000棟で建築基準法に違反する恐れがあると発表しました。
また、賃貸共同住宅メーカー大手のレオパレス21でも違法建築が発覚し、最大で1万4,000人が転居を迫られるなど、住居者はもとより、住宅に投資したオーナーへの補償がどうなるのか注目されています。
レオパレス21は東京・銀座の歌舞伎座タワーに本社を構え、売上高は1,200億円と右肩上がりで、社長は現在も目黒区に土地価格だけで約13億円の豪邸や渋谷区にも高級分譲マンションを所有するなど資産総額は数十億と推定されています。

マンション、新築・中古とも価格上昇傾向
一生に一度の買い物である住宅は、購入価格が平成26年度比で分譲マンションが25.9%、中古マンションも31.7%と上昇傾向にあります。
住宅の購入にあたっては、景気の先行き感や、家計収入の見通し、地価・住宅価格の相場、住宅取得時の税制優遇、金利動向などをじっくり検討する必要があります。
令和2年には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、東京・築地の選手村は高層マンションとして販売される予定で、立地の良さからさらに価格上昇との声も聞かれますが、3年、5年、10年先を見通し、住宅購入を考える必要もあります。


[2019.4.23]

米中貿易戦争、原油高、中国経済の減速が要因?
日銀は4月10日、3月の国内企業物価指数(平成27年=100)が101.5で前月から0.9%、前年同月から1.3%上昇し、27ケ月連続で上昇していることを発表しました。
米中貿易戦争や原油価格の上昇などを要因に、非金属市況の改善などで企業物価指数が上昇したとみています。
日銀でも「米中貿易交渉の進捗期待や、中国経済の減速への懸念が和らいだことが背景にある」と分析し、平成30年度(平成30年4月〜31年3月)企業物価指数は、2.2%上昇と2年連続上昇したことを公表しました。
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企業物価指数、国内・輸出・輸入の3種から変動を測定
総務省統計局によると、企業物価指数とは、企業間で売買する物品の価格水準を数値化した物価関連の経済指標を表しており、物価の変動を測定する数値です。
企業物価指数には、「国内企業物価指数」と「輸出物価指数」、「輸入物価指数」の3種あり、物価指数の算出にはこれら3つの価格を日銀が毎月実施する価格調査において公表されています。
企業物価指数は、卸売段階での最終製品の前の企業間で売買される原材料や中間製品の価格変動を指数化しているため、消費者物価指数を予測する指標としても注目されています。

すでに生活に必要な800点以上が値上げ
この企業物価指数の上昇を背景に、消費者へも影響が出ており4月1日からはペットボトル飲料や乳製品、食塩など生活必需品約800点以上が値上げされました。
値上げの背景には、原材料の高騰や人件費、流通コストの上昇があり、10月の消費増税を前に消費者としては厳しい状況となります。
さらに、5月にはポテトチップスや大型ペットボトル飲料、6月には食用油やインスタントラーメンの値上げがすでにメーカー各社から発表されており、スーパーなど小売店では大量仕入れし、値上げを先延ばしする対策しかとれていません。

食料自給率は4割、「輸入物価指数」が値上げに影響
農林水産省によると、日本の食料自給率は約4割で世界の中でも低く、現在でもその割合は減少傾向にあり、食料は輸入に頼っているのが現状です。
日常、生活で使用される小麦や大豆、砂糖などはほとんどが輸入品であり、「輸入物価指数」が上昇すれば、いづれ消費者にその影響が出てきます。
企業物価指数が上昇すれば、生活に必要な食料品などは消費者に直接影響を与え、さらに消費増税で値上げ感が増すばかりであり、安倍政権による軽減税率やポイント還元などの施策で乗り切れるか今後の動向が注視されます。


[2019.4.19]

「東北」「北陸」「九州・沖縄」が景気判断引下げ
日銀は4月8日、全国の日銀支店から収集された情報をもとにまとめた地域経済報告「さくらレポート」を発表し、全国9つの地域のうち「東北」や「北陸」、「九州・沖縄」の3地域について前回1月の調査から景気の判断を引下げました。
その要因としては、中国経済の減速や半導体製造装置に対するニーズの弱さが挙げられており、3地域同時に景気判断を引下げるのは平成25年1月以来、6年3ケ月ぶりとなりました。
日銀は、「海外経済の減速が輸出や生産に影響している」との声は、全地域で聞かれたと指摘しました。
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景気判断引上げ「北海道」だけ、地震の影響が解消
ただ、各地域の景気の総括判断では引き続き「拡大」または「回復」としており、3地域のみが輸出や生産で海外経済、主に中国の影響を受け、「北海道」だけが昨年の地震の下押し圧力が解消したことから景気判断を引上げました。
他、5地域についての景気判断は据え置き、「拡大している」、「緩やかに回復している」、「回復している」と判断しています。
日銀によると、各地域の判断は、企業や家計など所得から支出へ前向きな循環が働き、国内ニーズの堅調な動きが続いていると分析しており、個人消費や雇用、所得環境の改善など、振れを伴いながらも緩やかに増加していると指摘しています。

影響は、やはり米中貿易戦争
日銀がまとめた企業の声では、米中貿易戦争の影響により、半導体製造装置など中国向けの輸出が減少しており、両国の合意がなければさらに減少すると予測しています。
工作機械向け部品の生産においても、中国の設備投資の減少から3〜4割程度受注が落ち込み、中国当局の景気梃入れでこれ以上の減少はないと見るものの、当面の持ち直しは期待できないとの声が多く挙がっています。
ただ、スマートフォン関連部品の落ち込みは今夏まで続く見通しですが、その後は5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)関連ニーズに牽引され5G製品関連部品などの生産が上向くと想定しています。

非製造業の設備投資は前年より増加の予測
一方、非製造業では人手不足対策として自動発注できる在庫管理システムの開発や、接客ロボット、無人レジ化などが検討され、設備投資は前年を上回るとの声が聞かれます。
また、訪日外国人客の増加を見込み、宿泊施設の新設や増設、低価格宿泊施設など差別化を図るための改装などのニーズが高まるとしています。
ただ、10月より消費増税が実施予定であるため、小売業にとっては軽減税率への対応など課題は多く、次回3ケ月後のレポートが注視されます。


[2019.4.16]

経産省、10年前に電力の買取制度導入、家庭や中小企業も参入
平成23年の東日本大震災による福島第1原子力発電の被災で、日本各地で停電が起きるなど電力のありがたさが身に染みましたが、この事故を契機に日本はじめ海外でも原子力発電と再生可能エネルギーの議論が盛んとなりました。
経済産業省では平成21年、電力のFIT(Feed-in Tariff:固定価格買取制度)を導入し、家庭の屋根や、空き地には数多いソーラーパネルが設置されました。
家庭では自宅の電気に利用し蓄電したり、中小企業などはFITの収入を期待し太陽光発電事業に参入し、設備投資してきました。

太陽光発電企業増加で電力買取価格、半分以下に
経済産業省によると、平成24年のFITは、10kW未満で42円でしたが、太陽光事業に参入する中小企業も増え、その分設備投資費も安くなるとさらに増加し、同時に参入企業の増加でFITも下落し、平成24年度は10kW未満の場合は42円でしたが24円に、10kW以上の場合は、同40円から同14円と半分以下に下落しました。
参入企業にとっては、採算の確保が困難となり逆風となって、事業転換を図る中小企業も目立っています。

太陽光発電企業の倒産、5年連続過去最高
帝国データバンクによると、平成30年度の太陽光発電企業の倒産件数は、前年度比17.1%増加し96件に達しています。
東日本大震災前の平成18年からの倒産件数は402件に上り、特に平成28年からはこれまでの倍近くに倒産が増加しており、5年連続過去最高を更新しており、FITが大きく影響してると考えられます。
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国や産業界から独立した第三者機関の環境エネルギー政策研究所によると、日本国内の自然エネルギーの全発電量は15.6%となり、太陽光発電は5.7%と太陽光発電業の撤退で衰退していくのか懸念されます。

買取義務保証期間が終了する「2019年問題」
太陽光発電のFITから、平成31年は10年が経ち、10年間の買取義務保証期間が終了する設備が出始める「2019年問題」が懸念されています。
経済産業省では、電力会社との相対取引は可能であるとしていますが、電力会社に拒否される可能性も残っており、FITとは異なりさらに買取価格が下落する可能性もあります。
日本最大の鉄道事業であるリニア中央新幹線の消費電力は、東海道新幹線の約3倍で、山梨のリニア実験線の電力供給元は新潟県の柏崎刈羽原発であり、太陽光発電含む再生エネルギーと原子力発電政策の行方が注視されます。


[2019.4.12]

先行指数指数、一致指数は久し振りの上昇
内閣府は、今年2月の景気動向指数を4月5日に発表し、速報値(平成27=100)年では景気に対し先行して動く先行指数指数は1月から0.9ポイント上昇し6ケ月ぶりに上昇、ほぼ一致して動く一致指数が0.7ポンント上昇し4ケ月ぶり上昇なりました。
一方、遅れて動く3ケ月後方移動平均指数は0.17ポインと下降し8ケ月連続の下降、7ケ月後方移動平均も0.33ポイント下降し9ケ月連続で下降しました。
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景気動向指数、景気の現状、将来の経済予測に重要な指標
景気動向指数は、生産や雇用など経済活動において重要であり、景気に敏感に反応する指標を統合し、景気の現状を把握し将来の経済予測に資するために作成される指標です。
景気動向指数には、指標の動きを合成し景気変動の大きさなどを表すCI(Composite Index:景気動向指数)と、DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)があります。
これまで景気動向指数は、DI中心の公表形態でしたが、近年の景気変動の大きさなどを把握することが重要となるCI中心の公表形態に平成20年4月より移行しています。

3月には「下方への局面変化」と下方修正
3月7日に發表された景気動向指数は、CIの落ち込みが厳しく基調判断は「下方への局面変化」に下方修正されました。
メディア各社では、景気回復の実感についてはアンケート調査を行なっており、乏しいままという意見が多く含まれました。
NHKが今年2月に行なったアンケート調査では、景気回復を「実感していない」が66%、日本経済新聞では「実感していない」が78%、共同通信では「実感していない」が78%、産経新聞が83.7%と7割以上が景気の回復を「実感していない」と応えています。

大企業、国内ニーズ拡大への事業展開を海外へ移行
日本は少子高齢化、人口減少により大企業では海外での収益に依存度を高め、将来の国内消費ニーズの拡大に事業展開がしにくくなっている状況です。
また、株主への配当の還元を重視する米国流の考え方が増え、結果、従業員への大盤振る舞い的な賃金上積みが期待できなくなっています。
平成31年3月期の上場企業の配当総額は、前年から9%増え、11兆6,700億円と6年連続で過去最高を更新するなど、収益が最高額になった上場企業でも、従業員の賃金待遇は、メリットは限定的と留まるなど、安倍政権の経済政策が問われています。


[2019.4.9]

国民投票で「EU離脱」も離脱承認案は決まらず
英国は、平成28年6月に行われた国民投票で「EU(European Union:欧州連合)離脱支持」の結果により、29年3月にEU大統領に離脱を通告し、31年3月末でEU法が適用されなくなります。
ただ、離脱期日を過ぎても詳細な離脱案はまとまらず、EUは、英国議会での離脱承認案を5月22日まで延期を求める方針を示しています。
米国では、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)を離脱し、メキシコとの国境に壁を作り移民を受け入れない方針を示していますが、英国でも移民は増加傾向にあり、これも1つのEU離脱の理由となっているのか推測されます。
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日本・EUのEPAで輸出入は円滑に
日本とEUは、EPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)が制定されており、「ヒト・モノ・カネ」の流れが円滑に取引されていますが、英国のEU離脱によって今後は英国との輸出入に関税がかかることになります。
2月1日に財務省関税局が発表した、日本と英国の貿易関係について、移行期間が設けられれば2020年12月末までEPAが適用され、移行期間が設けられない場合は、3月末で英国とのEPAは適用されなくなるとしています。

英国進出の日系企業は700社超え
東京商工リサーチによると、3月25日現在、英国に進出する日系企業は707社、5,485カ所の拠点で展開しています。
業種別で見ると、輸送に付帯するサービス業や自動車、機械器具製造業、卸売業など多岐にわたり、すでに証券会社や金融機関はオランダで免許を取得し、自動車でもホンダが撤退を発表し、トヨタ自動車、日産自動車も追い打ちをかけそうです。
ただ、菅官房長長官は3月28日、英国のメイ首相がEU離脱で辞任するとの発言に「日英同盟以来の親密な関係が築かれている」と、述べています。

すでに英国離脱日系企業も
英国のEU離脱により、日系企業は英国で生産した「モノ」をEU加盟国へ輸出する際に関税がかかることになり、生産拠点をEU他国へ移す動きも目立ってきています。
当然、拠点の移動で設備投資費用はかかりますが、影響は英国の現地子会社であり、英国人の雇用の影響の方が大きいと考えられます。
短期的には、日本経済にも影響は出る予測ですが、一時的なものと推測する有識者がほとんどです。


[2019.4.2]

住宅ローン、新規貸出額は前年度から4.7%増加
国土交通省は3月20日、平成30年度(平成30年4月〜31年3月)の「民間住宅ローンの実態に関する調査」の結果を発表し、新規貸出額は前年度から4.7%増加したことを発表しました。
同省では、民間金融機関の住宅ローンの供給状況の実態・動向を把握し、住宅政策の施策のため、民間の1,303の金融機関の協力のもと、平成15年度から調査を開始しています。
調査期間は、平成30年10月から12月に個人向け住宅ローンの実績や、住宅ローンの商品ラインナップ、賃貸住宅の購入に伴う融資などが調査項目となっています。

新築向けの住宅ローン「新築住宅」が圧倒的
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新規住宅ローンの貸出額の使途別シェアでは、「新築住宅向け」が全体の69.0%と最も多く、「中古住宅向け」が同18.4%、「借換向け」が12.6%と、「マイホームの購入は新築」という日本ならではの文化が圧倒的に多いものの、「中古住宅向け」は、4年連続して増加しています。
国税庁によると、住宅ローン控除について、新築でなくとも一定の要件である、築年数が20年以下、耐震基準のいづれかが満たされれば中古住宅にも控除は適用できるとしています。

超低金利で「変動型金利」が半数
金利タイプ別では、「変動型金利」が全体の50.7%と超低金利が維持されるなかもっとも多く、前年からも0.5%伸びています。
次いで「証券化ローン」が同11.9%、「全期間固定金利型」が同6.2%と減少傾向です。
「証券化ローン」は、民間の金融機関が個人に貸出した住宅ローンを住宅金融支援機構に売却し、住宅ローンを証券化し市場から資金を回収するもので、金融機関は住宅ローンを離すことでリスクがなくなるメリットがあり、代表的なものに「フラット35」があります。

首都圏住宅は上昇傾向
2020年東京オリンピック・パラリンピックを目前に、首都圏ではホテルなど宿泊施設やマンション、大型商業施設、交通インフラなど建設ラッシュが盛んであり、人手不足による賃金高騰や建設資材の高騰など住宅も上昇傾向にあります。
ただ、日本は少子高齢化・人口減少により「空き家問題」が課題となっており、総務省によると平成25年時点の全国の空き家数は把握しているだけで約820万戸と、地方だけでなく人口集中する首都圏でも増加しているとしています。
安倍政権は、「空き家問題」対策に譲渡所得から特別控除をできる制度を適用するなど、中古住宅リノベーションなど今後の「中古住宅」の販売動向が注視されます。


[2019.3.29]

ベースアップ騒がれるものの、実態は20年前から9%減少
日本国内の賃金はここ数年、安倍政権から企業へ「賃金アップ」を要請するなどベースアップが継続してると言われていますが、過去20年間の日本国内労働者の時給は9%減少しており、主要国では唯一のマイナスとなりました。
産業界ではグローバル化が急速に進み、国際競争力の維持を理由に賃金を抑えてきたためとみられますが、低賃金を温存するため、生産性が向上せず、効率化が進まない「貧者のサイクル」から抜け出せない状況にあります。

労働額は先進国で日本だけがマイナスへ
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OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)によると、民間企業の残業代を含めた総収入について1時間あたりの労働額は、国際的な比較が可能な平成29年と9年に比べ、20年間で日本は9%下落しました。
OECDによると、英国は87%、米国は76%、フランスは66%、ドイツが55%増加したのに対し、唯一日本だけがマイナスとなり、日本の平均年収は、米国の約3割下回る結果となりました。
日本は金融危機に直面した平成9年をピークに労働額が減少し、大企業では定期昇給など1%台の増加を維持したものの、非正規社員も増加し、一人あたりの時給は減少しました。

最低賃金がくの決め方に疑問?
現在の日本の賃金は、最低賃金が決められ、すべての企業が従業員に支払う最低限の時給で、正規社員だけでなく、非正規社員や派遣社員、パート、アルバイトも対象になっています。
厚生労働省では、地域により最低賃金額を4ランクに分け、目安額を示し各地域が最低賃金を決めており、最低賃金を下回れば雇用する企業に罰金が科せられます。
国内の平均時給は、875円ですが、地域別に見れば東京都が985円と最も高く、鹿児島県は761円と224円もの開きがあり、このランクシステムを継続すれば地域間の賃金格差は広がるのが予測できます。

地方、東海4県では賃金問題解決への成功例も
安倍政権は、来年度より新たな在留資格で外国人労働者の受け入れを拡大していきますが、外国人労働者は時給の高い都市部に集中し、地方の人手不足は解消されない懸念もあります。
ただ、人手不足が大きな課題となる企業において、愛知や岐阜、三重、静岡県の東海4県では、外国人従業員が働きやすく、暮らしやすい環境を整えるため、10年前に地元経済団体の協力で「適正雇用と日本社会への適応を促進するための憲章」を策定し、現在でも外国人労働者は増加傾向にあり、取り組みも進んでいます。
こうした新たな取り組みによって、各地域においてもグローバル化の1つとして日本の賃金水準についての議論が期待されます。


[2019.3.26]

切符無しでキャッシュレスで新幹線乗車可能に
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JR東海は、2020年前半にも東海道新幹線をスマートフォンで表示するQRコードで乗車できることを発表しました。
東京五輪を目の前に、東京・新大阪間でIC(Integrated Circuit:集積回路) 乗車券を持たない乗客でも、紙の切符を使用しないチケットレス乗車ができるようになる予定です。
安部政権は、2020年に訪日外国人客数4,000万人、消費額8兆円を目指しており、この目標に向け各々企業も対応を本格化させています。

航空機に続き新幹線もキャシュレス
スマートフォンを利用し、新幹線に乗車するには、インターネット上で列車を予約し、スマートフォンに表示されたQRコードを新幹線改札口でかざし乗車できる仕組みとなります。
現在は、「Suica」などIC乗車券が必要となり、訪日外国人客には使いづらいという声が多く上がっていました。
QRコードを使用した交通機関は、すでに国内の航空会社でも取り入られており、鉄道でスマートフォンを利用し乗車できるシステムはJR東海が初となります。

Made in JAPANの技術、国際規格に
QRコードは、平成6年にデンソーウェーブによって開発された2次元コードで、バーコードとは異なり、平面上に縦横に配置した白黒のドットパターンを表現し、格納できるデータ量が飛躍的に拡大しました。
平成12年には、その利便性から国際規格にもなり世界的に広がり、日本の技術力の高さを保持しました。
近年は中国でQRコードが急普及し、屋台の低価格の商品でも気軽に使用出来ると先進国問わず後進国にも拡大している状況で、訪日外国人客数でトップの中国観光客に対し、日本の店舗も対応が急速に進められています。

SNSで日本人でも知らない観光地でキャシュレス決済
日本政府観光局によると、平成31年1月の訪日外国人客数は、前年から28%も増加したベトナムに続き、中国も同19%伸びており、東海道新幹線を利用し、日本人でも知らないような観光地以外でもSNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)を利用してQRコード決済可能な店舗も増加傾向にあります。
さらに、twitter(ツイッター:140文字のコミュニケーション・ツール)を活用し、新幹線のダイヤの乱れ、遅延情報を英語や中国語など4ケ国語で配信するサービスを3月16日から開始しました。
東海道新幹線では、平成30年12月までに全17駅で74言語に対応する携帯通訳機を350台配置するなど、日本の「おもてなし」が新たに加わっています。


[2019.3.22]

事業規模小さいほど、保険加入の意識は低く
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日本損害保険協会が、3月11日に発表したサイバー攻撃に備える「サイバー保険」調査において、加入率が12%程度にとどまったことが判明しました。
このなかでも、事業規模の小さい中小企業や小規模事業者ほど加入が限られ、サイバー攻撃への危機感への意識が低いことがわかりました。
同協会が「サイバー保険」の加入に関してのアンケート調査は初めてで、国内1,113社から回答を得ています。

「サイバー保険」加入の検討なしが7割超え
日本国内企業では、サイバー攻撃による顧客情報などの漏洩が相次いでおり、損害保険会社では賠償責任やシステムの復旧費など保証する「サイバー保険」の販売を強化しているものの、企業では「検討したこともない」が73%に上りました。
従業員規模別では、1,000人以上の企業が加入率30%に対し、50人未満の企業では5%と、規模の小さい企業ほど加入率が低いことがわかりました。
また、自社がサイバー攻撃に合うかの問いに対し「可能性はない」や「わからない」が61%に達するなど、サイバー攻撃にはあわないと考える企業が多いことが判明しました。

日本の企業・行政はサイバー攻撃のカモ?
国内企業へのサイバー攻撃は急増しており、世界からも日本企業・行政はカモとされているのが現状で国内ネットワークに向けられたサーバー攻撃は平成30年に約2.121億件にも上っています。
サイバー攻撃に備えることは企業にとっては急務であり、現状とリスクを把握し「サイバー保険」などに加入するなど備えることが重要となります。
「サイバー保険」は、サイバー攻撃により、企業に生じた第三者に対して損害賠償責任のほか、サイバー攻撃時に必要となる費用や自社の喪失利益を包括的に保障してくれる保険です。

北朝鮮の経済制裁かわすサーバー攻撃、580億円も流出
日本では、仮想通貨交換業者の「コインチェック」が北朝鮮からのサイバー攻撃で約580億円が流出し、国連の専門家は「明らかに北朝鮮のサイバー攻撃」と指摘しました。
国連によると、サイバー攻撃が北朝鮮への経済制裁逃れの手口になっていると指摘され、国内でも平成27年に日本年金機構がサイバー攻撃を受け、約125万件の年金情報が流出するなど国内でもサイバーセキュリティ対策の転換期となりました。
サイバー攻撃者は、同機構の職員に悪意のあるソフトウェア・マルウェア付きのメールを送りつけ感染させ、ファイルサーバーから情報を盗み出すなど、大企業、中小企業などもはや他社ごとではない時代となっています。


[2019.3.19]

中小・零細事業者の倒産、リーマンショック時同様に
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東京商工リサーチによると、平成30年に負債総額1,000万円未満の企業倒産件数は、前年から6.5%増加し521件と平成20年のリーマンショック直後の推移に戻ったことがを公表しました。
平成21年以降では、22年の537件に次いで2番目に多く、3年連続で前年を上回る結果となりました。
一方、負債額1,000万円以上の企業倒産は8,235件と前年から2.0%増加しましたが、平成21年から30年まで10年連続で前年を下回りました。
負債1,000万円未満の中小、小規模事業者の倒産は、平成27年を底に増加に転じています。

「破産」が9割
企業の「休廃業・解散」では、2年ぶりに前年を上回り、中小・零細事業者と取り巻く経営環境は中堅以上の企業に比べ厳しさが増している状況が明白になっています。
産業別で見ると、創業・設備投資がさほどかからない飲食業などを含む「サービス業」が241件と全体の46.2%お約4割を占めるなど半数を占めました。
形態別では、「破産」が同90.4%を占め、大半で負債1,000万円以上の倒産の「破産」はの構成比は10%上回り中小・小規模事業者ほど事業の立て直しが難しいことが示されました。

「サービス業」の倒産、過半数に
産業別では「サービス業」が全体の46.2%と半数を占め、「小売業」が同15.1%、「建設業」が同12.6%。「製造業」が同5.7%と続き、人手不足と言われる産業が前年から増加しています。
「生活関連サービス業」では、「娯楽業」が前年の32件から38件と増加が目立ち、増加率で見れば「農・林・漁・林業」で前年から200%増加しました。
他にも「金融・保険業」が同33.3%、「情報通信業」が同27.2%増となりました。

事業承継が重要
平成30年の企業倒産件数は、「負債1,000万円以上」が前年から2.0%減少し8,235件で、「負債1,000万円未満」は同6.5%増加し521件でした。
事業の改善・計画が遅れ、後継者難に事業承継が困難な企業は少なくなく、M&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)や事業譲渡など不可能であれば「倒産」や「休廃業・解散」に追い込まれることになり、平成26年より増加しているのも実態です。
平成30年の企業経営者の平均年齢は、61.3歳と上昇傾向にあり、生産向上や人手不足など高いハードルへの支援が急務となっています。


[2019.4.15]

景気動向指数、消費や輸出入など様々な経済指標を勘案
茂木経済産業相は3月5日、1月の景気動向指数について鉱工業生産が大幅な減少となったことに対し、「これまでの生産だけでなく、消費や輸出入など様々な経済指標を総合的に勘案して判断する」と述べました。
1月の鉱工業生産の減少は、米中貿易戦争による日本への影響が大きく、中国から米国へ輸出される半導体などの先端機器の部品は、日本が中国に輸出し、中国が組み立て米国へ輸出しているため、日本の製造業に大きな影響をもたらしました。
米中通商交渉は、3月内にも合意する可能性もあとしていますが、仮に合意に署名しても貿易戦争は終わることなく、中国からの関税全てを撤廃するのか、一部撤回かは未だ見通しが立っていないのが現状です。

景気動向指数、産業・金融・労働など28項目の指標を算出
景気動向指数は、景気全体の現状を把握し、将来的な動向を予測するなど重要な経済指標であり、産業や金融、労働など経済に重要な28項目の景気指標をもとに算出されています。
景気動向指数には、景気変動の大きさやテンポを表す「CI(コンポジット・インデックス)」と、経済指標のうち上昇を示す割合が数ケ月連続で50%を上回る時は景気拡大、下回れば景気後退と判断する「DI(ディフュージョン・インデックス)」があります。
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また、数ケ月先の景気動向を示す「先行指標」や、景気の現状を示す「一致指数」、半年から1年遅れで反応する「遅行指数」の3つの指標に大別されています。

「いざなみ景気」超え?6年2ケ月連続景気拡大
茂木経済産業相は、平成24年12月に始まった景気拡大が今年1月で6年2ケ月となり、平成14年からの「いざなみ景気」を超えたとの認識を示しました。
ただ、鉱工業生産指数は、前月からも3.7%低下し3ケ月連続のマイナスとなり、生産の基準判断は「緩やかに持ち直している」から「足踏みをしている」と下方修正されました。
足踏みとなる要因は、明らかに中国経済の景気減速であり、「Made in JAPAN」先端製品のニーズが鈍り生産の指標が下振れしているためです。

バブル期には米国の輸入対日比率は7割超えに
かつて日本は、自動車や家電製品などで世界中から信頼を受け、米国の貿易赤字に占める対日比率は昭和56年には70.8%を占めており、中国は平成29年に47.1%となっており、バブル期の日本を大きく下回っています。
ただ、日本は米国と同盟国となる一方、中国は敵対国でもあり、日本が防衛問題との貿易が解決の手段となりましたが、中国は防衛面でも米国と敵対し、「一帯一路」と世界戦略を通じ世界の覇権を樹立を狙うため、解決方法が見つかりません。
AI(Artificial Intelligence:人工知能)やIoT(Internet of Things:モノのインターンネット)など先端技術競争では、中国による米国の知的財産権の侵害は許されず、今後の米中貿易の結末が注視されます。


[2019.3.12]

中小企業の正社員、「不足」は6割に
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政府系の金融機関・日本政策金融公庫が2月26日発表した「中小企業の雇用・賃金に関する調査」によると、昨年12月時点で正社員が「不足」と答えた企業は全業種計で60.8%となり、前年から2.8%上昇しました。
業種別では、「運送業」や「建設業」、「情報通信業」の正社員「不足」が目立っています。
昨年12月に正社員を「増加」させた企業の割合は、全体の32.1%ありましたが、「減少」させた企業も19.5%存在しており、前年に比べ「増加」は1.3%上昇、「減少」は0.8%上昇でした。
「増加」した企業の業種別では、やはり「運送業」、「建設業」、「情報通信業」が目立っています。

正社員の給与、「上昇」した企業は6割
一方、昨年12月に正社員の給与水準を前年から「上昇」させた企業は、全体の57.4%に上り、前年から2.9%上昇し、2年連続で「上昇」しています。
「上昇」の要因を見ると「自社の業績が改善」が36.2%と最も多く、「採用が困難」が25.4%と次いでおり、平成31年度についても51.8%の企業が「上昇」すると回答しています。
平成26年以降、安倍政権は異例の賃上げを大企業に要請する「官製春闘」を起こし、毎年約2%台の賃上げを実現しましたが、今年は数値目標を示さず本来の姿に戻った形となっています。

非正規社員の「不足」も4割に
人手不足が深刻化される中、正社員の過不足感を見ると、全業種で「不足」との答えが60.8%となり、平成29年実績に比べ2.8%上昇しています。
また、「適正」と答えた企業は34.5%に留まり、「過剰」は4.7%となっています。
非正規社員の過不足感についても、全業種で「不足」が全体の40.0%となり、「不足」の割合は同0.4%上昇しており、業種別では「宿泊・飲食サービス業」や、「サービス業」、「運送業」が目立っています。

トヨタ自動車労組1.2万円昇給要請、その下請け中小企業は?
大企業の春闘相場を牽引するトヨタ自動車の労働組合は、今春の基本給を一律に上げるベースアップの要求額は明らかにぜず、代わりとして定期昇給などを含む総額1万2,000円を要請しました。
ただ、傘下の自動車部品など中小企業グループの定期昇給はない企業が多く、賃上げ総額でも親会社には及ばないのが実態です。
日本の労働者の約7割が中小企業で働きながら、大企業と中小企業との賃金の格差は広がる状況であり、非正規社員も約4割、2,000万人を超える中、「働き方改革」での生産性向上や、収益を内部保留する企業から労働者への還元も進めなければ、「人手不足」も課題を残したままになると考えられます。


[2019.3.8]

経産省、自動車部本のサプライヤーを強化
経済産業省は、有識者や自動車メーカーを退職した技術者OBなどを業務に必要な機材や資材、原材料、サービスなどを供給するサプライヤーとなる、中小の自動車部品メーカーに派遣する新たな事業を4月より開始すると公表しました。
平成31年度予算案に組み込まれた約13億7,000万円を「中小企業・小規模事業者人材対策事業」に計上する意向です。
自動車産業は大きな変革期となっており、環境規制に伴い、これまでのガソリン車やディーゼル車に代わり、HV(Hybrid Vehicle:モーター付ガソリンエンジン自動車)やEV(Electric Vehicle:電気自動車)などエコカーが今後の主流となるためです。
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自動車部品、他分野への応用や異分野との連携も
経済産業省では4月以降、都道府県の産業支援機構や商工団体などを対象に新規事業を展開する支援団体を公募し、認定団体には技術者OBや有識者らを起用し、半年から1年、中小自動車部品メーカーへ派遣する方針です。
中小自動車部品メーカーに対して様々な相談に応じ、技術や技能を客観的に評価し、他分野への応用を促したり、異分野との共同プロジェクトを立ち上げ、競争力を高める狙いです。
今やEVは発電機のような位置付けであり、昨年9月の北海道胆振東部地震では、道内全体が停電の中、地元コンビニエンスストア「ポプラ」の9割以上がEVを発電機として装備していたため店舗も閉めず商品を供給できました。

世界各国でガソリン車、ディーゼル車廃止予定
平成29年に9,680万台だった世界の自動車販売台数は、数年で1億台を超えるのは予測でき、市場拡大の中でも英国やフランスなどはガソリン車、ディーゼル車を2040年までに販売中止にすると発表。
今後の自動車産業は、確実にエコカー志向となり、これまでの培われた整備、メンテナンス技術は活用出来なくなるのは見通せます。
経済産業省でも、すぐにガソリン車、ディーゼル車がなくなるわけではないが、中小の自動車部品メーカーの競争力を向上することで、日本の製造業にとって大きな課題となると指摘しています。

サプライヤー同士のM&Aも視野に
経済産業省では、中小の自動車部品メーカーでも後継者難が課題となっており、各都道府県の認定団体には、事業承継の支援センターや地域の金融機関とも連携し、サプライヤー同士のM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)なども後押しするとしています。
自動車産業では、エコカーの進捗が進み、自動運転もすでに実用化段階に入っているだけに、その技術、技能の習得が大きな課題となりそうです。


[2019.3.5]

軽減税率、自動車・住宅ローン減税、バラマキと何のための増税か
今年10月に消費税が10%に引き上げられる予定で、安倍政権では消費の縮小、悪影響回避のため、軽減税率やバラマキ策、自動車・住宅ローン減税が検討されています。
軽減税率やバラマキ策を、実行すれば巨額の財政が必要となり、何のための増税するのかが疑問も生じますが、特に軽減税率導入では、店内の飲食では消費税は10%、持ち帰りなら8%になるなど、小売店にとっては大きな混乱を招く可能性もあります。
一部のコンビニエンスストアでは、店内飲食を閉鎖することも検討され、すでに混乱が生じています。

軽減税率、何が8%で何が10%なのか
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大手広告代理店、電通の「消費税増税に関する意識調査」によると、ペットボトルや即席麺、缶詰など税率が8%に据え置かれる食品について、3割超えが増税前に数ケ月〜1年分買いだめすると回答しました。
調査では、どの品目が増税されるのか消費者に十分理解されていないと分析しています。
前回の消費税増税で、増税後に消費者購買心理が著しく低迷したため、安倍政権では中小の飲食店や小売店でクレジットカードなどで決済すれば、増税分の2%をポイントとして還元する方向で検討されています。

経産省、カード決済で加盟店手数料を引き下げに
経済産業省では、クレジットカード決済の手数料の上限を、現在の3%〜7%の加盟店手数料を上限3%にすることを求めており、カード会社にとっては収益減となります。
仮に3%に抑えることを実施すれば、カード会社は手数料の約15%程度のリボ払いを消費者に勧めてくることになるでしょう。
リボ払いは、毎月定額の支払いで利用することができ、「消費者の使い過ぎ」の懸念もあり、経済産業省の試算では、年間18万円カードで決済し、リボ払いを選択すれば、完済するのには、4年目まで伸び、手数料は3万4,125円としています。

信用情報センターCIC、リボ払い延滞は6年で7万人増加
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経済産業省が平成29年4月に発表した「消費市場とクレジット」のリポートでは、CIC(CREDIT INFORMATION CENTER CORP:日本信用情報センター)に登録された3ケ月以上支払いが滞った人は、平成23年には約93万人でしたが28年には約100万人に増加しています。
ここ数年、クレジットカード会社からのダイレクトメールや、インターネット通販などではリボ払いを選ぶと「ポイントプレゼント」などの広告が見られますが、毎月定額払いば安心としても手数料は高いことを意識するべきでしょう。


[2019.3.1]

航続距離の長さ、室内空有間の広さが勝因
ホンダの航空機子会社であるホンダエアクラフトカンパニーは2月20日、小型ビジネスジェット「ホンダジェット」が平成30年も世界納入機数で2年連続で首位になったことを発表しました。
平成30年は37機を納入し、航続距離の長さや、室内空有間の広さなどにより、競合機である米セスナ社の「サイテーションM2」の34機を上回りました。
全米航空機製造者協会が2月20日まとめた集計で、「超小型ジェット機」の販売で首位だったことが判明しました。

日本国内でも初納入
ホンダは、平成30年12月20日、「ホンダジェット」の「ファーストデリバリーセレモニー」を羽田国際空港の大型格納庫で行い、ホンダにとっては満を持しての日本凱旋となりました
「ホンダジェット」の初の国内引き渡しには国土交通省担当者も参列し、デリバリーセレモニーが行われ、千葉県の投資家に日本初の「ホンダジェット」オーナーが紹介されました。
ビジネスジェットやドローンに興味を持っていた同オーナーは、購入の最終的な決め手はテレビコマーシャルだったと言います。

ANAと連携しチャーター機用でニーズも
世界のビジネスジェット機の市場は703機と前年から3.8%増加しており、「ホンダジェット」は平成30年に燃料タンクを大きくし、航続距離を伸ばすなど「ホンダジェット・エリート」を発売し、ANA(全日空)とも連携し、海外でのチャーター機利用で日本から直接乗り継げるサービスを開始し、日本国内での運行も開始したことから2年連続首位に繋がったと見られます。
「ホンダジェット・エリート」の航続距離は、2,661kmに伸ばし、東京から北京までも直行でき、機体の標準価格も525万ドル(約5億9,000万円)とビジネス利用ではトップクラスとなりました。

整備拠点を世界へ拡大、自動車は英国から離脱
「ホンダジェット」は2年連続で好調な販売の反面、航空機事業部門では開発費などがかさんでおり、平成30年4月〜12月期は291億円の営業赤字となりました。
ホンダは、世界各地に整備拠点を増やし、機体の販売やメンテナンスを拡充し、収益化を安定させたい考えですが、自動車部門では、英国工場の自動車生産を2021年中に終了することを発表しています。
航空機部門、自動車部門ともブランドは日本の「ホンダ」であり、今後の営業展開が注視されます。


[2019.2.26]

高すぎる!私立大学の入学・授業費
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日本生活協同組合連合会の調査によると、子供の教育費負担が悩みであり、奨学金制度はあるものの、経済的に大きな負担となっていることがわかりました。
同連合会が平成28年9月〜10月、インターネッッットを通じ2,675人から回答を受け、大学などの入学費や授業費について「高いと思う」と回答した人は国立大学で26.7% 、私立大学では73.1%に上りました。
このことから、国立大学より私立大学の入学費、授業費について「高い」と不安を持つ保護者が多いことが判明しています。

子の教育費、保護者の7割が「負担」
子供の教育費について「負担」や「かなり負担」、「やや負担」と答えた保護者は45歳〜54歳で約7割に上り、将来の教育費の負担について「負担」と感じるかの問いには20歳〜40歳では約8割を超えました。
このため、国では奨学金という入学費、授業料を貸し出すシステムを構築しているものの、30代後半の保護者の約6割強が「知らない」との答えですが、現実、大学生の約半数が奨学金を利用しているのが現状です。
大学入学をめぐる情勢は、保護者時代とは大きく変わっており、学校を卒業、就職しても、毎月3万〜5万円の返済を迫られているのが実態です。

就職してくれれば奨学金は企業で負担
学校を卒業し、社会的人になっても奨学金を利用していれば初月給から返済が始まり、マイナスからのスタートなっています。
この矛盾に対して、奨学金を利用した新入社員の返済を助成する制度を設ける地方企業が増加しており、西日本でショッピングセンターを展開する「イズミ」や、北海道の「伊藤組土建」などが導入し、新入社員に導入しています。
地方の企業にとっては、都心の企業と異なり新入社員の獲得が難しく、この制度を活用し新入社員の呼び水にしたい考えです。

新入社員、すでに343万円の負債
奨学金を運用する日本学生支援機構によると、平成29年度に奨学金を利用した学生は129万人と、大学生1人当たりの貸与学は343万円と、新入社員としては負担が大きすぎる状況。
返済においても3ケ月以上滞納する学生は約16万人と、延滞3ケ月以上となると信用情報機関に登録され、クレジットカードがつくれなかったり、住宅ローンが組めない事例も多く聞かれます。
企業のほか、自治体でも奨学金返済を後押しする動き聞かれ、奨学金の肩代わりをする企業に、負担の半分を補助する制度も出てきており、この傾向が増加することで、日本の力となることが期待されます。


[2019.2.22]

戦後最大の景気回復?
安倍政権は1月29日、1月の月例経済報告で景気の総括判断を「緩やかに回復」と前月から据え置き、平成24年12月から始まった景気回復基調は戦後最大となったと指摘しました。
景気判断を据え置いたのは13ケ月連続で、1月の据え置きによってこれまでの平成14年2月からの最大73ケ月から74ケ月となります。
ただ、茂木経済財政・再生相は、中国経済の減速など、海外経済のリスクには十分注意するべきと述べています。
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企業の経常利益はバブル期の2倍に
法人企業統計によると金融保険を除く全規模産業の経常利益は、過去最高水準に達し、バブル期の2倍に近いレベルとなっています。
日銀の短観(企業短期経済観測調査)では、雇用人員の不足はバブル期に近い水準に達し、労働力ニーズも同水準で国内の製品やサービスニーズ判断もバブル期並みとなっています。
ただ、現実には労働力のニーズは引き締まり、企業が収益を上げており、モノが売れても設備が足りていないのが現状です。
景気の実態を表現する経済指標は好調である一方、国民全ての景況感は今ひとつが現実的です。

企業は収益大幅増加に対し、賃上げ・設備投資には消極的
企業にとって景気回復でニーズが増加しても、この先の見通しが立たないという懸念もあり、日銀短観からのレポートがあり、内部保留も豊富であるのに、業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、バブル期には達していません
消費者態度指数からもわかるように、今後の暮らし向きや収入の増え方、将来の老後生活資金など、現在の数値は43.7ポイントであり、バブル期や、リーマンショック前の水準も大幅に下回っています。
大企業の正社員でも国が企業に賃上げを要請する程、企業は賃上げには消極的であり、中小企業にとっては論外とも言える内容です。

日本企業、グローバル製造業PMIでは懸念予備軍に
日本は少子高齢化や人口・生産人口の減少、労働者の人手不足、財政の破綻懸念と先行きが懸念されており、世界経済の「瞬間風速」を計測するグローバル製造業PMI(Purchasing Managers'Index:購買担当者景気指数)に歯止めがかかっていません。
日本は景気回復というものの、製造業PMIは、公表された31ケ国中10ケ国が50.0を割っており、日本に加え、メキシコやタイ、ロシア、ドイツなども50.0割れの予備軍とされています。
製造業PMIが50.0を割れれば金融市場が崩れ、日本でも株式市場が大きく影響を受けるというリスクも警戒しなければなりません。


[2019.2.19]

米アップル「iPhone」中国販売が苦戦
米IT(Information Technology:情報技術)大手のアップルは、1月29日、平成31年度の第1四半期決算(平成30年10月〜12月)の売上高が前年同期から5%減少し843億ドル(約9兆2,000億円)に落ち込み、主力のスマートフォン「iPhone」の売上高が同15%減少したことを発表しました。
要因は、世界最大のスマートフォン市場である中国への販売に苦戦していることで、その「iPhone」の主要部品を輸出する日本企業にも影響が出てきました。
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次世代通信網、5Gの進捗に影響も
米国は、平成30年12月には中国製品に対しさらなる追加関税を見送ったものの、米国の通称協議の期限である3月1日までに、米中首脳会談はあり得ないと否定しています。
このことで、ますます米中の貿易戦争は過激化し、その影響は日本ならず世界的にも経済的にダメージを与えることにもなり得ます。
日本では来年から本格的に次世代のインターネット通信網5Gがインフラ整備され、インターネットだけでなく、自動車や家電製品などにも通信で繋がり利便性が良くなる生活が期待されるものの、米国は5Gでは現在、通信機器大手の中国・ファーウェイを排除する方針で、同盟国である日本でも同様の施策がとられることになります。

米国、「許せぬ、中国の知的財産権」コピー製品ばかりが拡大
ここまで米中貿易戦争が深刻化しているのは、何より中国の知的財産権の不法な侵害であり、米国でなく、日本でも自動車や家電製品、軍事などの技術仕様が中国に流れ、安い人件費で同様製品のコピーを製造し全世界に販売していることです。
今後、成長が期待されている5Gの先端を行く中国のファーウェイが排除されることになり、同社に先端部品を輸出している日本の中小企業にも大きな影響が出る可能性も出てきています。
日本の10倍の市場のある中国を、日本とし排除することは国ととしては当然のことですが部品などを輸出する中小企業にさらに大きな影響が出る可能性もあります。

日本からの輸出、欧米はプラス、中国はマイナス
財務省によると、平成30年12月の日本からの輸出は、対米で1.6%増、対EU(European Union:欧州連合)で3.9%増となる一方、対中国へは7%減と日本企業の中国に対する影響が大きいことがよくわかります。
特に中国向けの通信機などは67.1%減、液晶関連製造装置も34.3%減と大きく落ち込み、米中貿易戦争の影響がすげに出てきています。
日本は、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)やEUとのEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)を発行し、米国からは2国間だけのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)を迫られ、今後の輸出入動向が注視さてます。


[2019.2.15]

副業でGDPも上昇
安倍政権が掲げる「働き方改革」について経団連が初の意識調査を行ったところ、副業を認める企業は全体の5割強に上ったことがわかり、5割の企業が副業を認めれば賃金が約5兆円押し上げ、消費拡大でGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)を0.2〜0.3%引き上げる効果があると言います。
調査によると、副業を認める企業の理由として「社員のモチベーションが上がる」や「能力の向上、アイディアの創出」が約3割を超えました。
企業としては、社内業務だけでは身につかない技術を身につけられるとの期待が強いようです。
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経団連企業、4割が副業反対
総務省やリクルートワークス研究所の調査によると、約2,200万人が潜在的に副業を希望していると試算しており、副業での平均年収は約50万円と、5割の企業が副業を実施すれば全体で賃金を5兆円引き上げると見ています。
ただ、経団連の調査では約4割強の企業が「今後も副業は認めない」と、その理由については、「従業員の総労働時間が把握できない」や「従業員の健康管理が図れない」という意見が多く見られました。

土日だけの勤務も可能
中小企業にとって深刻な人手不足に人材派遣業への問い合わせが相次いでおり、土日だけの勤務でもお願いしたいとの声も多く聞かれています。
本来、人材派遣での求人は週5日フルタイムでの勤務が原則ですが、土日だけでも可能との条件変更で応募が集まりやすくなり、人材派遣業の「エン・ジャパン」によると求人数は平成30年秋頃より前年から3割求人が増加してるといいます。
これは、「働き方改革」が今年4月より大企業から施行され徐々に中小企業にも適応されることから、副業承認の企業の正社員からも広く応募が集まっているとしています。

収入源の複数化でリスクヘッジにも
副業のメリットは何より収入が増えるだけでなく、収入源の分散ができるメリットがあり、今の世の中、大企業でも破綻する可能性もあり、収入源が複数あれば生活へのリスクヘッジにも繋がります。
精神的にも余裕ができ、家計にとっても支援となり、業務委託など働くことで責任感も創出され、頑張りがえもあり、副業は今後も増加傾向に進むと考えられます。
副業は、世間的には「おこずかい稼ぎ」と思われがちですが、収入面だけでなく様々なメリットがあることもあり、それが消費拡大につながることが期待されています。


[2019.2.12]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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