事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


前年同月からは販売増、先月からは減少
株式会社不動産経済研究所は9月14日、8月の「首都圏のマンション市場動向」を発表。新規でのマンション発売は、前年同月から6.9%増え、2,101戸と2ケ月連続増加しています。ただ、前月からは、38.7%減り、契約率も好調とされる70%を下回り68.2%に留まっています。
1戸当たりの平均価格は、前年同月から2.3%(132万円)上昇し5,795万円。1平方メートルあたり単価は同9.1%(7万3,000円)アップし87万1,000円となっています。
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首都圏の販売シェア、東京が6割超え
新規発売マンションを地域別で見ると、東京都区部が1,067戸と前年同月から71.3%も増加。東京都下でも208戸と同35.9%増えています。
一方、神奈川県は383戸と同38%減少、埼玉県は319戸で同8.9%減、千葉県が124戸で同44.1%減となり、東京のシェアは6割を超え、東京だけが前年から発売が増加しています。
地域別平均価格では、東京都区部が6,947万円、東京都下が5,560万円、神奈川県が4,599万円、埼玉県が4,235万円、千葉県が3,967万円と上場傾向にあるのは東京のみで、他県では最大神奈川県が2割強下落しています。

マンション購入予定者、投資バブルに警戒感?
新築マンションは、5,000万円を超えた頃より「高い」とのマンション購入ニーズ者離れが表れ始めました。人口減少社会に突入し、東京オリンピック・パラリンピックを控えた投資熱が活発となると同時に、投資バブルに対しての警戒感も表れました。
ここ数年の新築マンションの市況低迷で、新規発売を先送りにしたり、販売開始が遅れる事例も目立ちました。ただ、新築マンション価格の高騰はいづれ高止まりすることは予測されており、今後は打開する時期に入ると思えます。予定価格を早めに公開し、集客を狙う動きもあり、マンション購入ニーズ者に、十分に手に届く範囲であることを知らせるよう変化が見られます。

東京都区内新築マンション、3棟に2棟は駐車場なし
一方、都心新築マンションでは、カーシェアリングの普及もあり自動車を常に必要としない生活が広がりつつあり、マンションから駐車場が消えつつあります。マンション駐車場の設置率は低下傾向にあります。
株式会社不動産経済研究所によると、新築マンションの駐車場設置率は今年上半期(1月〜6月)、東京都下で46.5%と初めて5割を下回りました。首都圏全体では平均42.2%でしたが、東京都区部では29.5%と設置率は低い傾向です。
駐車場設置率低下には、カーシェアリングの利用のほか、マンション価格高騰で自動車購入代金を住宅ローンに充てるという世帯が増加していると同研究所は分析しています。「若者の車離れ、酒離れ」の裏付けとなっています。


[2017.9.22]

総額30兆円、中堅・中小の成長企業でも契約
銀行が事前に設定した金額内で、いつでも融資してもらうことができるコミットメントライン(融資枠)契約を締結する企業が急増しています。コミットメントライン契約する企業は、今年7月現在、11,580社に上り、総額は約30兆円に達しました。
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契約急増の要因として、コミットメントラインは、これまで一部の大企業に限られていましたが、中堅・中小企業でも業績が回復し成長する企業が増え、裾野が広がったと思われます。
コミットメントラインは、企業にとって資金繰りなど急な資金ニーズに役立つ仕組みである一方、銀行にとってもマイナス金利政策時代に手数料が収益となるため積極的に企業へ営業攻勢をかけています。

初回審査を受けたらその後は審査なく融資可能
コミットメントラインは、契約時に審査を受け、その後は契約した上限額までは何回でもほぼ審査もなく融資が受けられます。これまでコミットメントラインは、大企業のみのイメージでしたが、契約額を契約数企業数で割ると、単価は前年から減少しており、少額のコミットメントライン契約が増えていることがわかります。
東日本大震災の復興や東京オリンピック・パラリンピックに向け、各々の地域で復旧・開発が進んでおり、特にゼネコンの下請けとなる中堅・中小建設業では、利便性の良い仕組みと捉えています。

売上時期が特定、支払いサイトが長い建設業には魅力
一般に中堅・中小建設業では、売上が4月〜6月に集中したり、支払いサイトが締め後、180日後払いなど長いのが当たり前であり、季節により資金繰りに振れがあるため、コミットメントラインは毎回審査を受けることなく短期でも融資が受けられることが魅力となっています。
また、契約する企業のなかには、M&A(企業の合併・買収)のチャンスがあった時に、通常の融資では時間がかかりすぎ、チャンスを逃すことなりますが、融資枠があればすぐに決断、出資できると機動性を評価する声も多くあります。

企業、銀行にとってメリット・デメリットあり
コミットメントラインは、企業にとって機動性があり、自由に資金調達ができる魅力的な仕組みであると言えますが、融資枠に対しての手数料も融資額が高くなるに比例して高額になってきます。企業にとっては大変利便性の良い資金調達法でありますが、銀行にとっても低金利政策が続くなか、手数料を収益にできるという、各々のメリット・デメリットがあることを注意しなくてはなりません。
ここ数年で資金調達は、インターネットの普及でクラウドファンディングやソーシャルレンディングなど、新たな資金調達の手法が選択肢として認められてきました。企業の目的や事情など十分に考慮して最適な資金調達法を選択することが重要となります。


[2017.9.21]

優勝セール、関西からも集客
9月18日、プロ野球の広島東洋カープがセ・リーグ連覇を決め翌19日から、地元広島は歓喜の時を迎えました。広島の老舗百貨店「福屋」の八丁堀本店と広島駅前店には開店前から長蛇の列。「祝!カープ・セリーグ優勝」垂れ幕に、8度目の優勝にちなみ800円均一の婦人雑貨セールが始まり、広島だけでなく関西からも多数のファンが駆けつけました。
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セールは、そごう広島店でも本館1階の婦人雑貨売り場が大混雑状態。広島の中心市街地にある商店街でも長蛇の列ができており、セーリ商品の売れ行きは好調です。

デパート・商業施設でセール開始、銀行は金利上乗せ
一方、広島市のイズミのゆめタウン廿日市では、18日当日に連覇を決める瞬間を共有しようと、2台の大型モニターの前には二重、三重の人の輪ができ、連覇決定後には大歓声とともに、食料品や衣料品などを中心にセールが始まりました。
広島三越でも連覇直後に、催事場で開催中の北海道展で「カープ優勝海鮮丼」を販売。19日からは本格的に各地でセールが始まります。
広島市内のもみじ銀行では、朝から準備に追われ、カープが優勝すれば金利を上乗せする「カープV預金」が、すでに過去最高の1,981億円に達し2,291億円に上ります。マイナス金利政策で経営が厳しいなか、広島カープ応援者を支援するとしています。
湯崎広島県知事は、「県民に感動、元気をくれた」、松井広島市長は、「強さが本物になた証」と絶賛。昨年の同時期に比べ人出は約3倍、売上は約2倍となっています。アベノミクスが羨む地方活性化となっています。

経済効果、昨年から70億円上昇
関西大学の宮本名誉教授によると、広島東洋カープのセ・リーグ連覇による経済効果は、観客動員が増えたことなどから昨年より70億円上回り401億円に上ると試算しました。同教授によると「カープ女子」、「観客動員」増加の影響が最も大きいとしています。
主催試合の観客動員は好調で、入場料や応援グッズは飛ぶように売れ、百貨店やスーパー、商店街でのセール、優勝パレードなどのほか、新たな投資が増えることも前年から大幅増の要因となっています。

地元でもチケット入手は困難
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広島東洋カープの本拠地、マツダスタジアムの年間観客動員数は、平成27年に初めて200万人を突破。地元旅行会社によると、チケット入手は困難な状況で、阪神タイガース戦(甲子園球場)や巨人戦(京セラ大阪ドーム)など、日帰りビジター観戦ツアーを企画するとすぐに満員となるといいます。
プロ野球やJリーグなどスポーツは、憧れを与えるだけでなく多くの経済効果をもたらし地域を活性化してくれます。3年後には東京オリンピック・パラリンピックが開催され、日銀によると、その経済効果は25〜30兆円と試算されています。東京だけに留まらず日本全体に経済効果が波及できるよう、今からしっかり施策を練り、予測以上の経済効果が期待されます。


[2017.9.20]

前年同月から物価0.5%上昇
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総務省が8月25日に発表した7月の消費者物価指数は、前年同月から0.5%上昇し100.1となりました。電気代などエネルギー関連が上昇の追い風となっています。プラスとなるのは7ケ月連続です。
消費者物価指数とは、消費者が購入する製品やサービスなどの物価の動きを把握するための指標で、毎月総務省から発表されています。7月の100.1は、価格変動の多い生鮮食品を除いた500品目以上の価格を集計し、算出されています。
消費者物価指数は、指数の変動により物価が把握できるため、国民の生活水準を示す指標の1つとなっています。

日銀、金融緩和政策もまだ効果でず
消費者物価指数は、国民のお金回りが良くなり製品やサービスを購入する人が多くなれば上昇率は高まり、逆にお金回りが悪くなると購入する人が減り、上昇率が下降する傾向にあります。
日銀では、大規模な金融緩和を4年前から行っており、物価の上昇率2.0%を目指していますが、消費者の節約志向の改善にはまだ届いていません。
スーパーやコンビニエンスストアでは、根強い消費者の節約志向から日用品や加工食品など値下げする動きが広がっており、プライベートブランド化などコスト削減で値下げ原資を捻り出している状況です。

ビールやコメ、牛肉も値上げで物価指数は上昇
7月の上昇の要因には、エネルギー関連が中心でしたが、6月に値上げしたビールやコメ、牛肉なども後押しとなっています。生鮮食品では、イカが前年から17.3%も上昇するなど魚介類全体で上昇傾向にあります。
一方、下落で目立つのは家賃や通信料で、KDDIの格安プラン導入で8月の通信料は前年から5.4%下落しました。7月の2.3%下落からマイナス幅が拡大しています。携帯電話料金値下げの影響が、今後の物価指数に響きそうです。

格安スマホのシェア、急拡大
総務省では、消費者物価指数に格安スマートフォンの料金を反映させることを検討しています。格安スマートフォンのシェアは、平成26年4月には0.6%でしたが今年3月時点で7.4%に拡大しました。利用者が増えたことで総務省は、指数算出において無視できないと判断しています。
携帯電話の通信料が消費者物価指数全体に占める割合は、生鮮食品を除くベースで2.4%と、家賃や電気代などに続く大きさになっており、物価全体に与える影響も大きくなっています。今後の格安スマホプランなど各社の競合が予測されます


[2017.9.19]

東京オフィス空室率、3ケ月ぶりに悪化
オフィス仲介の三鬼商事が今年9月7日発表した東京のビジネス地区(千代田・中央・港・新宿・渋谷区)の8月時点のオフィス平均空室率は3.35%と前月から0.13ポイント上昇。3ケ月ぶりに悪化しました。
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8月は、大規模なビル、港区赤坂の「赤坂インターシティAIR」1棟を含め新築ビルが満室になるなど満室になったものの、既存ビルでは、大型成約もあり、大型空室の募集が開始され、その影響で東京ビシネス地区全体の空室面積が1ケ月間で約1万坪増加しました。
新築ビルの8月時点での空室率は、18.99%と前月から6.50ポイント下がりましたが、一方、既存ビルの空室率は、前月から0.18ポイント上昇しています。これは、既存ビルから新築ビルへの移転に伴う解約の影響が大きいことが要因となっています。

賃料は44ケ月連続上昇
東京のビジネス地区のオフィス平均賃料は、3.3平方メートル当たり1万8,957円と前月から上昇。上昇は44ケ月連続で平成21年12月の1万8,978円以来、7年8ケ月ぶりの高水準となりました。新築のオフィス平均賃料では、2万7,024円と前月比30%増となりました。
一方、大阪のビジネス地区の平均空室率は、3.96%と同0.13ポイント低下。自社ビルからの移転がなどの成約が目立っています。大型の成約はありませんでしたが、解約が少なかったため大阪ビジネス地区全体での空室率は、1ケ月で約2,700坪減少しています。

大阪ビジネス地区は投資額が最大
ただ、大阪ビジネス地区では心斎橋プラザビルなど4物件、大型の取引が成立したことで大阪圏の投資額は3,810億円と全体の17%を占め、平成20年以来最大の投資額となりました。
日本において商業用の投資額は、平成27年、28年と2年連続で減少しましたが、今年上半期では前年同期から2ケタ成長になり、大型の取引も散見され、前向きな要因が増加しています。
日本の商業用不動産投資額は前年比から増加し、3兆7,000億円〜4兆円になる見通しです。

上野に初の百貨店とパルコ同居の構想ビル建設
大丸松坂屋百貨店やパルコを傘下にするJ・フロントリテイリングは、松坂屋上野店南館の跡地に今年11月、パルコや映画館、オフィスが入居する23階建ての高層ビルを建設します。
平成24年、連結子会社としたパルコと百貨店事業の連携は初めてとなります。この再開発は松坂屋銀座店跡地に開発した「ギンザシックス」に続くもので、百貨店から脱却する事業を実現化。入居するテナントから賃料を収益源とする方針です。
景気回復の伴い日本経済が本格的に回復した場合、東京都心のオフィス賃料が上昇したりするなど、大阪や名古屋、福岡を始め東京に続くと予測されます。


[2017.9.18]

用地買収、手間も資金も必要ない河川上に首都高建設
東京・日本橋の真上を通る首都高速道路について、国土交通省は7月21日、東京都や首都高速道路株式会社と地下化に向けた協議を本格化させる方針を示しました。
東海道の起点となる日本橋の上に首都高が建設されたのは昭和38年。東京オリンピック開催に向けインフラ整備が急務で、用地を買収する手間も資金も必要ない河川の上に首都高を走らせました。
国の重要文化財でもある日本橋の真上を首都高が走り、当時は景観を損ねたと批判は強くありました。日本橋の首都高地下化は、これまで何度も構想が浮かんでは消えを繰り返してきました。ただ、今回は、7月に石井国土交通相と小池東京都知事が記者会見で地下化を検討すると表明したことで現実化が帯びてきました。

地下化区間は約2km、後期は最大20年
日本橋の首都高地下化は、竹橋ジャンクションと江戸橋ジャンクション間の2.9kmで、中央区内の区間を想定しています。平成32年の東京オリンピック・パラリンピック後に着工を予定。計画策定と工事実施期間を含め10〜20年単位のプロジェクトとなります。
現在、竹橋と江戸橋ジャンクション間の交通量は1日約10万台あるため、既存の高架道路を使用しながら同時に地下でトンネル工事を進めるとしています。工事には地上と地下に作業用地が必要となり、日本橋周辺の開発事業などと一体で工事できれば効率よく、コストも削減できるでしょう。
財政難が深刻な日本において、日本橋の首都高地下化への予算は、小泉政権時代に約5,000億円と言われていましたが、現在は環境が大きく変わっており、建設資材や人件費などの高騰などで到底5,000億円では済まないのは想像できます。

地下化よりも日本橋に首都高は必要?
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日本橋の首都高地下化によって最も地元が歓迎していると思えるなか、日本橋の老舗和菓子店の店主は、本当に地下化が唯一無二の選択なのかと疑問を訴えます。
日本橋の首都高は建設からすでに半世紀が過ぎ、老朽化も進んでおり、首都圏直下型地震が起きれば非常事態になることは間違いありません。また、江戸時代のように日本橋が蘇ることには賛同しますが、地下へ移すには巨額な予算や長い工期がかかる懸念があります。
店主曰く、首都高の日本橋で乗り降りする車はほとんどなく通過地点となっているとのこと。東名高速や中央道、関越道、東北道、常磐道を行き来する車は日本橋を通過することで渋滞発生する場合もあります。ただ、これらの高速道を結ぶ首都高の都心環状線、中央環状線、外環道はすでに開通。一番外側の圏央道も完成間近で、全て完成すれば都心環状線位入る必要はなくなり、通過する車も1時間に数台になるのではとも考えられます。

首都高速、償却後には通行料が無料のはずが値上げ
首都高は建設後、償却後には無料となるはずが、逆に値上げになるなど、日本橋地下化でさらなる値上げも予測できます。
東京アクアラインの場合、建設費1兆4,400億円で通行料は片道4,000円。1日の交通量3万5,000台と需要予測を立てましたが、現実は交通量1日1万台。交通量に料金、メンテナンス費では建設費回収は絶望的でした。結果、通行料を大幅に値下げしましたが元はまだ取れていません。
民間企業では、赤字となる事業は進めませんが、公共機関では赤字でも進めることができます。赤字が出ても最終的には税収があるからで、最後は国民が負担するため日本橋の首都高地下化を進めても問題ないと判断できるのでしょう。
首都高の地下化か撤去か、公共機関は様々なビッデータを保有しているのですから、民間企業へ指示するように、自らで様々なデータを照らし合わせ緻密な議論を期待します。


[2017.9.16]

リスケは現在も金融機関で柔軟に対応
平成21年12月の中小企業金融円滑化法の施行を機に、企業は銀行など金融機関へリスケジュール(条件変更)を申請し、倒産件数は以降、減少に転じました。金融庁では、前年のリーマン・ショックを受け、日本企業の危機に対応し、同法を成立させましたが、同法は時限立法で平成25年3月で同法終了となりました。
この間に、企業はリスケジュールによって体力を温存、新たな事業・市場の開拓、同業同士の統合・再編などで、事業の再生を図ることになると金融庁を始め、有識者やアナリストなどは読んでいましたが、結果は、同法終了後も金融機関では金融庁の要請で柔軟な対応を継続することとなり、現在も倒産件数は減少傾向にあります。
この間に、IT(Information Technology:情報技術)化の加速や、IoT(Internet of Things:モノのインターネット化)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)を活用した事業が急速に進み、出遅れる中小企業が目立っています。

8年ぶりに企業倒産、前年超え
企業の倒産件数は、減少傾向にあったものの、今年上半期(1月〜6月)の倒産件数は4,247件となり、8年ぶりに前年同期を上回りました。今年6月には、自動車のエアバック製造大手のタカタが民事再生法の適用を申請、上場企業の倒産は1年9ケ月ぶりになるなど、倒産動向の潮目が変わりつつあるようです。
今年春先には、消費者が被害となる倒産が続き、メディアでも大きく報じられました。航空券の発券トラブルが公表された「てるみくらぶ」や、エステサロンの「グロワール・ブリエ東京」、格安ピザチェーンの「遠藤商事」など話題となりました。これら企業は事業拡大中であり、金融庁の担保に頼らない「事業性の評価での融資」を金融機関に求めていますが、結果を見ると、その難しさが感じられます。

企業の成長急ぎすぎ、人手不足の倒産増加
「グロワール・ブリエ東京」と「遠藤商事」の倒産要因は、人材不足によるものです。店舗数を急速に加速する一方、店長候補の人材が確保できず、労働環境に不満を持つ従業員も退社するなど、成長を急ぎすぎた感があります。
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人手不足が要因の企業倒産は、今年上半期に49件発生、4年前の同時期の2.9倍にも増加しています。業種別では、サービス業が全体の30.6%でトップ。次いで建設業となっています。
また、非正社員に対する人手不足感が最も高い飲食業の倒産が、前年同期から24.1%増加していることが注目され、景況感が良い情報サービス業の人手不足も高く、影響が今後どうなるか注視されます。

何年も繰り返すリスケに問題も
企業は、金融機関に対してリスケジュールを申請し柔軟に対応してくれることから、何年もリスケジュールを繰り返す企業も問題視されています。この間にも経営者の年齢は高齢化しており、リスケジュールを行ったにも関わらず倒産に至った企業の倒産件数は今年上半期に250件に上り、前年同期を28.9%上回りました。
リスケジュール期間中に、事業の拡大や新事業への移行などが進まず、事業継続を断念するギブアップ型倒産も増え始めています。大企業でも東芝やジャパンディスプレイなどの動向も下請けとなる中小・零細企業に関わってくるため、この先の動向が注目されます。


[2017.9.15]

日本初のJアラート発信
平成29年8月29日午前5時58分頃、北朝鮮が日本の上空を飛び越えるミサイルを発射。日本ではじめてJアラートが発信されました。
北朝鮮は平成27年頃よりミサイル発射が増え始めましたが、これまで多くのミサイルは日本海側に落ちるもので、今回は日本上空を通過するという大胆な狙いで、鉄道などの交通機関にも影響が出ました。
今回は、事前予告もなく日本本州を中心にJアラートが発信されたことが特徴であり、さらなる緊張感を高めました。

日本円、主要16通貨に対し上昇
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北朝鮮ミサイルが日本上空を通過したという情報が流れ、8月29日早朝の外国為替市場では、円相場が1ドル108円台前半に上昇。米国の経済・金融情報配信会社・ブルームバーグによると、円相場は7時36分の時点で、主要16通貨全てに対して上昇したと言います。一時は108円54銭と4月18日以来の円高・ドル安となりました。
北朝鮮のミサイルが日本上空を通過し、日本が危機にさらされたのに対し、日本円を買うとは疑問にも思えます。
これは有事の際、為替の世界では動物的な動きをとることが多く、今回は「日本への影響を考えず」に低リスクの日本円を買うと言う行動に出ました。東日本大震災時にも日本円は1ドル70円台に突入するなど円高となった経緯があります。
かつて有事の際には、ドル買いがセオリーとされていましたが、米国同時テロ911以降はドル売りに変わってきています。


ミサイル発射で円高に?
北朝鮮によるミサイル発射や核爆発実験などがメディアにて報じられるたびに、為替は円高に振れますが半日程度で値を戻すというパターンが続いています。
北朝鮮のミサイル発射で日本上空を通過した時点での為替を見てみると、過去5回発射のうち、3回は前営業日の終値に対し円高に振れますが、終値は前営業日より円安の水準となりました。
このように北朝鮮からミサイルが打たれても、短期的に円高に振れることがあってもすぐに取り戻されるという結果となりました。FX(Foreign Exchange:外国為替証拠金取引)など超短期取引でもしていない限り、投資ポジションは焦らず控えた方が良さそうです。


株価も同様の動き
為替同様に、日経平均株価について動向を見ると、こちらも為替と似た傾向が見られ、過去5回のミサイル発射のうち4回が、前営業日の終値に対しマイナスに触れますが、終値では前営業日より上昇しました。ただ、今回のミサイル発射では、初めて前営業日よりも下落しており、過去と何か異なることがあるのか気になります。
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今後も北朝鮮情勢は見通しが立たず、米国とのチキンレース状態。駆け引きは当面続きそうで、有事の際には慌てず投資行動は控えた方が良さそうです。
北朝鮮のミサイル発射で、日本海で待機する海上自衛隊イージス鑑が迎撃ミサイルPAC-3を打ち込めば、為替や株価がどう変化するかは気になるところです。


[2017.9.14]

長雨、日照不足が景況感押し下げ要因に
内閣府は9月8日、8月の景気ウォッチャー調査を発表。景気の現状判断DI(Diffusion Index:指数)は49.7ポイントと前月から横ばいとなりました。
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家計関連では、8月は長雨や日照不足の影響が大きく、東日本を中心に客足が伸び悩み、小売り・レジャー関連の景況感を押し下げる結果となりました。
ただ、都心の百貨店などは訪日外国人客や富裕層の消費心理は活発化しており、好調に推移しました。

家計関連は悪化、企業動向・雇用関連は改善
現状判断DIの内訳では、家計関連が前月から0.3ポイント悪化しましたが、企業動向関連は同0.9ポイント増加、雇用関連も同0.3ポイント改善しました。
家計動向関連では、気候変動の影響が大きく、ゲリラ豪雨や雷雨など東日本を中心に見通しのつかない天候が続き、旅行業ではキャンセルが相次ぎました。
夏の定番であるかき氷やアイス、ソフトドリンク、ビールなどは例年になく伸び悩みが目立ちました。

西日本は夏らしく、景気好調
一方、西日本では比較的雨も少なく、猛暑日が続き、夏の定番商品は好調で、お盆休みの日並びも良かったおかげで来客数も多く、訪日外国人客の消費も好調でした。
ただ、小売業では原材料費や人件費の上昇分を商品価格に上乗せしにくい状況にあります。消費者の価格志向も厳しく、未だ節約志向が強まっているようです。

景気の先行きは家計・企業動向関連で改善
景気の先行き判断DIでは、51.5ポイントと、前月から0.2ポイント上昇し2ケ月ぶりに改善しました。
先行きの景況感は、今年に入ってから持ち直しが見え始め、3ケ月連続で節目となる50.0ポイントを上回っています。
先行きの景況感の内訳をみると、雇用関連が悪化するものの、家計関連や企業動向関連は改善の見込みです。特に家計関連は節目の50.0ポイントを6ケ月ぶりに上回る見込みです。

企業動向、雇用関連が牽引し先行きは改善傾向
景況感は今年、企業・雇用関連が牽引役となり持ち直しの動きがみられます。企業の受注も好調を維持し、人手不足が懸念されていますが、人材確保に向け求人条件を見直す企業も出てきています。家計関連でも、天候に左右される状況は続きますが、先行きについては改善傾向にあります。
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ただ、今年度は北朝鮮情勢が緊迫化していますが、景況感には今の所関与はないようです。ただ、8月末の北朝鮮ミサイルが日本上空を通過するなど情勢は一段と緊迫。金融市場にも不安定な動きが見られ、今後の景況感に影響を与える恐れもあります。


[2017.9.13]

従業員の離職、採用難で中小倒産も
人手不足による中小企業経営の影響が深刻化しています。従業員の負担が増すばかりでなく、離職や採用難で事業ができなくなり「倒産」に追い込まれるケースも増えています。
厚生労働省によると、今年6月の有効求人倍率は、1.51倍と43年4ケ月ぶりの高水準記録を更新。さらに正社員の有効求人倍率は1.01倍と1倍を超えるのは調査開始以来初となっています。何が原因で人が集まらないのか、IT(情報技術)やIoT(モノのネット化)、AI(人工知能)関連の影響が垣間見れます。

4割超えの企業が人手不足を実感
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帝国データバンクが8月24日に発表した「人手不足に対する企業の動向調査」によると、有効回答企業1万93社中、45.4%が正社員が不足していると回答。これは、半年前から1.5ポイント増加し、1年前からは7.5ポイントも増加した結果となりました。
正社員の人手不足は、平成18年5月の調査開始以来過去最高を更新しました。アベノミクスの成長戦略を進める上で、人手不足は成長を抑制することにもなります。さらに、人口減少に伴い生産年齢人口は減少しており、「働き方改革」の進捗は重要性を増してきました。

「情報サービス」の人手不足は7割
人手不足となる業種を見ると、「情報サービス」が69.7%と7割近くに達し、次いで「家電・情報機器小売」や「放送」、「運輸・倉庫」が6割以上を占めました。人手不足は10業種が5割以上となっています。
今年7月の国内景気は、東京オリンピック・パラリンピック関連の工事や、電子部品市場も好調に推移していますが、調査では半数近くが正社員の不足を抱える結果となりました。
一方、非正規社員でも「情報サービス」で8割近くが人手不足を感じてるなど「百貨店・スーパー・コンビニ」などでも消費者と直接接する業種で人手不足感が強くありました。

人手不足が新商品・サービスの開発に影響も
人手不足は、中小企業に限らず大企業も同様で、大企業では正社員の採用活動がより積極的になり、中小企業の人材確保、維持に大きな影響を与えています。さらに、賃金上昇に伴い企業の収益に対し厳しさが増しているほか、人手不足が新商品・サービスの開発に影響を与えてきています。
人手不足による倒産も増加しているなか、アベノミクスには「働き方改革」に性別や年齢関係なく、働きやすく、働きがいのある環境を整備することが一段と強まってきています。


[2017.9.12]

J―REIT創設以来の物件数、総資産額
東急不動産株式会社は8月31日、J―REIT(Real Estate Investment Trust:不動産投資信託、海外と区別するため頭に日本のJを追加))の開示情報を四半期ごとに調査・分析している「TOREIT四半期報告」を発表。調査によると、今年6月末時点の投資法人数は、58法人となりJ―REIT資産規模は前期末比35件増の3,574物件。総資産額は、取得金額ベースで16兆2,081億円とJ―REIT創設以来初めて16兆円を突破、過去最大となりました。
J―REITは、投資家から資金を集め、不動産などを購入し、その賃料収入などを分配するもので最近取得した物件の水準価格は、相続税の基準となる路線価の平均2.6倍にもなっています。目安としては通常1.5倍程度ですが、一部では10倍超えの物件もありました。

東京の路線価はバブル期超え
日銀の異次元金融緩和は続いており、市中に溢れる大量の資金は不動産市場に流入。東京の今年の最高路線価はバブル期を超えました。取引価格も高くなっており「新バブル」と言える状況です。
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J―REIT市場は、不動産市況の先行きを価格に織り込んでいく特性を持っており市況を予見する「不動産のカナリア」として期待されています。これは「炭鉱のカナリア」に例えられ、カナリアは有毒ガスを感知すると泣き止む習性があり炭鉱で働く人に異常を知らせるカナリアを同行させたという「危険の予兆」を知らせる意味があります。
平成20年の不動産ミニバブルでは、オフィス賃料は同年8月にピークに達したのに対して、J―REIT指数は、その前年5月に最高値をつけていました。このような価格の先行性はピーク時だけでなく、最終局面でも確認することができます。

不動産価格の予兆、日銀金融緩和で判断できないことも
J―REIT市場が「不動産のカナリア」となるためには問題もあります。1つは日銀の金融緩和であるJ―REIT買入れで、日銀は年間900億円J―REITを購入しています。これは、人為的な買い支えによるもので価格が実力以上に底上げされると予兆の判断を失う可能性があります。
2つ目には、今年4月以降に最大の投資家層・投資信託からの資金流出に見舞われ、東証REIT指数は一時、NAV(Net Aseet Value:投資信託の純資産の総額)の水準近くまで急落。オフィス市況とは関係なく警報を鳴らすリスクがあります。
REIT指数は今後、上昇か下落か、それに対しオフィス賃料の変動も起きるのか動向が注視されます。

将来の社会保障に不安、J―REITなら大型物件も少額で投資可能
日本では、少子高齢化で社会保障が社会問題となり、老後の生活に不安を感じる人も少なくありません。老後の生活の足しにしようと個人で不動産投資をしようと思うと商業施設から宿泊施設、物流施設、マンションなど投資への資金規模が桁違いとなるのが一般的です。
現在では、J―REITの普及によって、都心一等地の大型物件へも少額で投資することが可能になりました。J―REITは、証券取引所に上場しており、一般の有価証券と同様に売買ができます。投資額は10万円から100万円超えまであり、選択肢の幅も増えています。
都市部では不動産市況が過熱していますがピークアウトも考えておかないと資産を失うことになるため、様々なメディアから常に先端の情報を取ることが重要となります。


[2017.9.11]

伝統ある米国セスナ社を抜いてトップに
日本の自動車メーカーのホンダが開発した小型ビジネスジェット機「ホンダジェット」が平成29年上半期の小型機分野で、シェア世界一になりました。ホンダが航空産業に参入してわずか2年での快挙で、これまで24機を出荷し世界シェアは4割、伝統ある米国のセスナ社を抜き世界一となりました。
小型ビジネスジェット機は、約20人乗り程度で、平成13年の米国同時多発テロがあって以降、安全性、利便性からニーズが高まっています。ホンダジェットは、全長13m、翼幅12mで乗員含め最大7人乗りとなっています。

本田宗一郎氏「他人のマネするな」で主翼の上にエンジン搭載
ホンダの航空産業への参入は古く、昭和37年に社内報で小型機の開発を宣言。ホンダ創業者・故本田宗一郎氏の創業前からの夢でした。
本格的な研究は、昭和61年、米国で「ホンダ・エアクラフト・カンパニー」を設立しゼロからスタート。ホンダジェットの最大の特徴は、主翼の上に2基のエンジンを乗せ、空気抵抗が最大に抑えられる設計をしました。故本田宗一郎氏の「他人のマネをするな」の言葉通り、航空業界の常識を打ち破りました。これは、画期的な商品を生み出した米アップル社の共同創業者・スティーブ・ジョブズの「Think Difference(違いを考える)」の言葉にも共通しているように思えます。

「空飛ぶシビック」から「空飛ぶスポーツカー」へ
ホンダ・エアクラフト・カンパニーは、小型ビジネスジェット機でシェアトップとなたことで、「ホンダジェットは空飛ぶスポーツカー」と絶賛。開発時には「空飛ぶシビック(小型自動車)」と言われていましたが、最大時速は782km、最大運用高度は約1万3,100mと空気抵抗が減少し燃費も向上しました。
ホンダは、昭和39年までに自動二輪レースで成功を収め、新たなチャレンジとして自動車レース最高峰F1にも参戦。初の日本製F1マシンは昭和40年に初優勝。その後も優勝を重ね、昭和63年には歴史に名を残す年間15勝、ドライバーの故アイルトン・セナはドライバーズチャンピオンに輝きました。「勝った原因を追求し、その技術を新車に取り入れる」との故本田宗一郎氏の信念が航空業界にも生きました。

「小さな芽を生かす」ため、回り道や非効率も許容
ホンダのように製造業にとってコストの削減や効率化は不可欠であるのが常識ですが、ホンダでは小さな芽を生かすため、回り道や非効率を許容する度量がなければ時代の変化に生き残ることはできないとしています。
クリエイティブは、個の発想から生まれ、それを生かすこと。よって、ホンダ技術研究所には、強烈な「個」を持つ技術屋集団と言われています。そこにホンダの「技術屋王国」の基盤が見えます。
ホンダジェットは、日本では空港の発着枠があるため日本市場参入には時間がかかりそうですが、この課題に技術屋集団はどう対応し、日本の空にホンダジェットを飛ばすのか期待されます。


[2017.9.9]

景気動向調査は上昇中
帝国データバンクは9月5日、8月の「景気動向調査」を発表。8月の景気DI(Diffusion Index:判断指数)は、前月から0.1ポイント増え47.7となり、3ケ月連続で改善しました。
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調査は、8月18日〜31日、大企業2,159社、中小企業8,106社の計1万265社の有効回答によるものです。
雇用や所得環境が緩やかに改善するなか、家電製品や自動車など耐久消費財の買い替え時期に重なったことがプラスに影響しました。さらに3年後の東京オリンピック・パラリンピックニーズや災害復旧、復興工事が牽引しました。

日照不足:個人向けレジャー関連、農産物は低迷
今年8月は、例年にない長雨が続き、この影響で個人向けのレジャー産業が低迷。農産物も日照不足で価格は高騰、出荷も低迷しました。一部の産業や地域で長雨、ゲリラ豪雨の影響が大きくありましたが、耐久消費財の販売が好調だったためトータルで見れば平成26年4月の消費税引き上げ以降、最高を記録しました。
今後の景気予測は、輸出産業が好調な上、国内では設備投資や個人消費拡大が期待されていることから回復傾向が継続するとみられます。
7月には訪日外国人客が268万人と過去最高を記録し、中国人富裕層が「爆買い」は落ち着きましたが、医薬品や食品など日常品の購入は堅調で、欧米人では地方での体験型旅行にシフトしています。

土地価格は最高値を更新
一方、不動産市場では、宅建業者が過去最高の景気を実感しているといいます。全国宅地建物取引業協会連合会は、8月29日に不動産市場DI調査を行い、7月1日時点の土地価格が調査依頼最高値を更新。これまで7回の調査で連続プラスとなっています。
地域別にみると、北海道・東北・甲信越地区が10ポイント、関東地区が7.7ポイント、中部地区が6.8ポイント、近畿地区が18.3ポイント、中国・四国地区が0ポイント、九州地区が20.2ポイントと、特に近畿・九州地区の土地価格が上昇しました。
調査は、全宅建モニターで有効回答数は353。東京オリンピック・パラリンピック開催による不動産市場への影響では、全体の約65%が開催に向け市場は拡大するものの、その前後には悪化すると回答しました。

電子部品、自動車部品の輸出は安定、東京五輪に向け都市開発は活発
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今後の見通しとして海外経済が緩やかに改善されるとの予測から、日本の半導体や電子部品、自動車関連部品の輸出は安定を見越せ、国内では東京オリンピック・パラリンピック関連や都市部の大型開発、人手不足対策への設備投資が活発になると予測できます。
一方、北朝鮮の暴走で、日本や米国、韓国、中国、ロシアの情勢が注視されます。国同士の対話による解決か武力行使か、70年平和ボケした日本にとって戦後最大の危機と言えるでしょう。各国の政府などの考えと、現場での死をかけた行動には差があり、尖閣諸島を守る日本の海上保安庁の船体に中国船が突進、衝突したビデオが海上保安庁から流出した例もあります。日本の外交交渉力が問われる時です。


[2017.9.8]

悪質なら行政処分も
金融庁は9月1日、過剰な広告や貸付が問題となっている銀行カードローンに関して、同日からメガバンクを始め地銀など立ち入り検査することを発表。銀行による貸付への審査などの実態を調査し、悪質と判断すれば行政処分も課すと厳しい検査となりそうです。
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銀行カードローン残高は、昨年度末で5兆6,793億円と5年間で約7割増加、19年ぶりの高水準となりました。銀行など金融機関にとっては、日銀のマイナス金利政策下の中、10%を超える利ざやのあるカードローン事業は魅力的なことがわかります。

「借入れ限度額800万円、無担保、使用用途は自由」の魅力
銀行カードローンは、テレビコマーシャルやネット・車内広告、街の看板などで見られるように、利用限度額は500〜800万円で無担保、しかも使用用途も自由で借りれます。その分、利息は消費者金融並みの高さで3メガバンクでも最大年利14%を超える高金利です。
金融機関にとっては、住宅ローン金利は1%に満たない低水位が続き、中小企業などへの貸し出しには先行き不透明から消極的。カードローン事業を伸ばすことが収益に直結することはわかるものの、再び多重債務者などが問題となりそうなことから、今回のように金融庁に睨まれることになります。

借入れ理由、生活苦が5割超え
金融庁の「貸金業利用者に関する調査・研究」によると、銀行カードローンを利用する理由として「生活費不足」が全体の38.1%を占め、次いで「冠婚葬祭費」6.5%、「医療費」5.6%、「住宅ローン」4.1%と、全体の5割以上が生活苦によるものです。
アベノミクスの掲げる「賃金上昇」、「働き方改革」のスローガンとは、かけ離れた結果となっているのが実態でしょう。パソコン操作、インターネットが当たり前のように普及し、高度なセンサーやIoT(Internet of Things:あらゆるモノのインターネット接続)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)の応用能力・技術がより加速すれば、単純作業などの「人の手」は不要となるのは見えています。

失業率、求人倍率は好調、景気も改善傾向だが・・
アベノミクスでは、完全失業率は低水準で推移し、有効求人倍率は高推移。景気は緩やかに改善と言いますが実態は資金ニーズの高い人が増加している状況です。新たな成長分野・産業へ「人やモノ」を移動させエンジンを回さなければ状況は悪化するまでです。
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最高裁判所の司法統計によると、昨年度の自己破産件数は平成15年をピークに減少傾向でしたが13年ぶりに181人ですが増え、増加に転じました。その元凶が銀行カードローンであるのなら、全国銀行協会はカードローンに関し自主規制していますが、貸金業法同様の規制がなければ多重債務者問題が再び訪れることになりかねません。


[2017.9.7]

仮想通貨を発行して資金調達
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IT(情報技術)と金融を組み合わせた「フィンテック」は、金融の形態を次々に変えていきます。国内のベンチャーキャピタル3社が、仮想通貨を発行して資金を調達する「新規仮想通貨公開(ICO=イニシャル・コイン・オファリング)」へ投資することが分かりました。投資総額は計20億~30億円になる見通しです。少し前は考えもしなかった新しい資金供給の手法です。

DeNAを発掘したNTVPなどが名乗り
投資する3社は、日本テクノロジーベンチャーパートナーズ(NTVP/(株)日本テクノロジーベンチャーパートナーズ:東京都世田谷区 村口和孝無限責任組合員)、ABBALab((株) ABBALab:東京都千代田区 小笠原治社長)、そして、金融情報会社のフィスコ((株)フィスコ:東京都港区 狩野仁志社長)。NTVPは、ディー・エヌ・エー(DeNA/(株)ディー・エヌ・エー:東京都渋谷区 守安功社長)などの新興企業を発掘したこと知られます。ABBALabは、情報とあらゆるモノをつながるIoT分野に強い企業です。

投資第一弾はテックビューロ
3社は、新規仮想通貨公開(ICO)を引き受け、仮想通貨やトークン(代替通貨)を購入する見返りに資金を供給します。投資の第1弾として、仮想通貨取引所大手のテックビューロ(テックビューロ(株):大阪府大阪市 朝山貴生社長)が候補に挙がっており、早ければ今秋の実施となりそう。1億円でICO投資を始め、10億~20億円まで規模を増やす予定です。

初の試み、どんな形態が生まれていくか
これまでベンチャーキャピタルは、未上場の企業に出資し、上場(株式公開)させることで、投資リターン(利益)を得るのが通例でした。ICOでは、有価証券など株式が介在せず、どういう形態で利益を得るかのルールもありません。日本では現在、金融商品取引法による規制もかかりません。どんな形態が生まれていくか、何もかもが初めての試みとなります。


[2017.9.6]

空き家対策に私鉄系不動産会社
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人口減少や都心回帰で空き家の増加が問題となるなか、関西の私鉄系不動産会社が、その対策に乗り出しました。沿線住宅地の空き家増加が問題化するなか関西の私鉄系不動産会社が対策!見回りサービスからリノベーションまでを維持するという大目標もあり、空き家の見回りサービスから、不動産仲介、中古物件を大規模改修して再販するリノベーション事業まで積極的です。

エリアのブランド守り資産活用しやすく
近鉄不動産(近鉄不動産(株):大阪府大阪市 赤坂秀則社長)は、今年6月、奈良市の学園北、百楽園、西登美ケ丘の3地区で、「空き家・空き地サポートサービス」を始めました。全3099区画のうち、空き家は約100軒。月額3000円で、戸建て住宅の専門知識を持った社員が月1回巡回し、家主向けに、建物や敷地の状況を報告します。住宅診断や草取りを追加したプレミアムコース(月5000円)も用意しました。担当者は「空き家が増えると治安にも影響する。エリアのブランドを守り、資産活用しやすくしたい」と話しています。

「沿線で空き家が増えるのはマイナス」
阪急不動産(阪急不動産(株):大阪府大阪市 諸冨隆一社長)も、阪急・阪神沿線の空き家に関する相談窓口を設置しました。見回りサービス、売買仲介、賃貸管理など、空き家に関する"何でも屋"です。リノベーション事業も積極的で、分譲マンション1戸単位のリノベ事業を本格化させ、「スタイルズ」という新ブランドを打ち出しました。こちらの担当者も、「沿線に空き家が増えるのはマイナス。中古物件でも利用価値があるものにしっかりと手を入れ、売っていきたい」としています。

首都圏でも同様の動きが
関西では、このほか、京阪電鉄不動産(京阪電鉄不動産(株):大阪府大阪市 道本能久社長)、首都圏では小田急不動産(小田急不動産(株):東京都渋谷区 雪竹正英社長)や京王グループが、空き家対策のビジネスに進出しています。


[2017.9.5]

投資者の保護を目的に法案成立
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日本の金融市場を取り巻く環境の変化に対応するため平成18年6月7日、国会にて「証券取引法等の一部を改正する法律」、「証券取引法等の一部を改正する法律の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律」が可決・成立し同年6月14日に交付されました。
この法案の柱となっているのは、「投資性が高い金融商品・サービスに対して投資者の保護を構築」することや「開示する内容の拡充」、「金融商品取引所の自主規制を強化」、「不公正取引などへの厳正なる対応」をするとの4つが中心となり金融商品取引法となりました。

日本経済の発展に法案改正
金融商品取引法は、株式や投資信託、国債などの有価証券やデリバティブなど金融関連商品、仮想通貨、金融サービスにおいて日本経済の発展と投資者保護や利用向上を目的とし、平成19年9月30日、従来の「証券取引法」を「金融商品取引法」に名称変更し改正、施行されました。
金融庁より免許・許可・登録を受けた金融商品を取り扱う金融機関など銀行、代理業者、証券・生命保険会社など金融取引業者は、投資者の意向などを充分に確認、把握し、金融商品の内容やサービスを丁寧に案内、投資へのリスクについて投資者に案内します。

新しいFinTech、IoT、AIによる被害も
近年、日本の金融市場は、FinTech(Finance=金融とTechnology=技術を組合せた造語)やIoT(Internet of Things:あらゆるものがネットにつながる仕組み)、AI(Artificial Intelligence:人工知能)などが活用され環境は大きく変化しています。
技術の進展の早さに金融商品取引法に適用されない新たな金融商品も誕生し始め投資者に被害、迷惑が出るケースも見られるようになりました。

投資は「うまい話には乗らない」
「貯金から投資」は、大きな目で見るとこれまでの金融機関から預金を通じ企業へ融資する「間接金融」から、証券会社などを通じて投資家から資金が供給される「直接金融」にシフトすることとなります。
近年、特定投資家向け金融商品を一般投資者、特に高齢者をターゲットとした被害が多発。金融商品取引法は改正後も経験の乏しい高齢者へ販売、投資額が返らない例が多発。大切な事は、一般投資者自身の自衛です。「うまい話には乗らない」を肝に命じることが重要です。


[2017.9.4]

小口投資で投資初心者にも安心
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日本クラウド証券株式会社が運営するクラウドバンクは、インターネット上を介し、資産運用したい投資家と資金需要のある企業をマッチングさせる投資型のソーシャルレンディングサービスです。
クラウドバンクは、投資家から小口資金を集め、ファンド(集めた資金を投資、分配する基金)をつくり、投資案件に投資し、収益を投資家へ分配します。平均利回りは、6.78%(平成28年運用実績値)と高く、投資初心者からエキスパートまですべての投資家に最適なソーシャルレンディングサービスです。

チリも積もれば山になる投資
クラウドバンクは、一般の個人が少額投資でも、同様に集まった大口ファンドの資金を運用することで高利回りの配当が得られます。銀行など金融機関での投資とは異なり、クラウドバンクへ直接投資することで審査や回収のコストが削減され、そのメリットが投資家へ還元されています。
クラウドバンクの投資案件は短期間での運用が中心で、継続的な投資で複利効果が得られます。短期では高くない利回りも複利効果により、長期的に安定した資産を拡大する仕組みとなっています。
ソーシャルレンディングサービスは、すでに海外で一般のーザーが活用し、確かな実績を上げています。米国Google社の出資を受けるソーシャリレンディング事業者の貸付け実績は、これまで25億ドル超えとなっています。

投資は1万円から可能、分散投資でリスク抑制
クラウドバンクは、最低投資額が1万円から少額投資でき、平均利回り6.78%の運用をみながら投資額を増やすことが可能で、少額での分散投資もできます。運用期間は、3ヶ月〜6ヶ月と短期運用が中心で金融危機などのトラブルに対応しやすいのがメリットと言えます。
クラウドバンクの投資案件は、中小企業支援や再生エネルギー支援、カンボジアなど新興国支援などがありますが、例えば「新興国の何を支援するのか」がわからない場合がソーシャルレンディング上、ほとんどですが、クラウドバンクでは、「新興国でマイクロファイナンス(貧困者向け無担保低金利融資サービス)をつくり新興国をより成長させます」など丁寧に写真付きで紹介されています。

投資先には自然エネルギーファンドも
クラウドバンクの投資案件は、通常のソーシャルレンディングにみられる中小企業支援型ローンや不動産担保ローンなどのほか、新興国支援ローンや太陽光発電や風力発電、バイオマス発電などの自然エネルギーファンドがあるのが特徴です。
IT(情報技術)とFinanceを融合したFintech(フィンテック)が注目を集め、クラウドバンクは、Fintechの中核的な存在と注目されています。これまでの金融機関ではできない投資体験を提供し、今後も機能改善など期待されています。


[2017.9.2]

仮想通貨から円、ドルに換金も可能
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ここ数年、新たな投資商品としてビットコインなど仮想通貨が注目されています。仮想通貨とは、インターネット上で取引きが行われる電子通貨のことで、通常のお金のように紙幣などは存在しません。一般的には「仮想通貨」や「デジタル通貨」と呼ばれています。
インターネット上では、仮想通貨を取り扱う取引所が国内外にあり、仮想通貨から円やドルなどの法定通貨へ換金することができます。
仮想通貨は、新しい投資商品として仮想通貨に関わる法整備などがまだ充分に整備されていないものの、平成29年4月1日には、資金決済法の改正によって、仮想通貨に関する法律が施工し始められました。

新たな法律施行は「被害者に損失を与えないため」
現在は、仮想通貨を購入や売買するにあたり詐欺や犯罪などに使われるなど、仮想通貨利用者が大きい損失を被らないようにするための法律にとどまっているのが現状です。
仮想通貨は、商品の売買など決済に使用でき、購入や売買もできる投資資産です。税務上は、通貨として認められているものの国が発行し、保証している法定通貨とは異なりますが税金は発生します。

仮想通貨での「譲渡・取引・売買」に7月から消費税が撤廃
仮想通貨にかかる消費税は、平成29年3月31日に消費税法が改正。仮想通貨の譲渡に関わる消費税は、非課税とすることが盛り込まれました。この法案の改正によって、平成29年7月1日から仮想通貨の購入や売却による消費税は、非課税となり税金がかからなくなりました。
仮想通貨の代表格であるビットコインの場合、購入時と支払い時に消費税がかかり、「同じ商品の取引で二度税金がかかるのは問題」と考えられ、このことが仮想通貨の消費税撤廃の議論の始まりになりました。
仮想通貨に関する税金の撤廃は、NHKのウェブサイトでも特集が組まれ、注目度が高い報道となりました。

中国のパクリ仮想通貨も問題なし
平成29年8月1日、中国の法人事業者がビットコインキャッシュという新しい仮想通貨をつくる作業を始めたことによって、ビットコイン内で分裂が始まりました。ビットコインキャッシュが開始されればビットコインの価値が低減する可能性もあるため、日本国内の主な仮想通貨取引所は、市場混乱を避けるために一部のビットコイン取引を停止しました。
その後、約1カ月で大きな混乱もなく、投資先としての信頼感も回復しました。分裂直前の1ビットコイン価格は約30万円で推移していましたが、約1カ月で50万円を超え最高値を更新しました。

十分な法整備はこれから
仮想通貨は広がりを見せており、まだまだ法整備が追いついていないのが現状です。
平成30年の確定申告前には税金に関して多くの問い合わせが税務署に殺到すると予測されています。仮想通貨については随時、法案や是正措置など追加・更新される可能性がありますので情報を得て対策を講じなければなりません。


[2017.9.1]

試着用商品だけの売り場を設置
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小売業界でネットと実店舗の融合が進むなか、丸井グループ((株)丸井グループ:東京都中野区 青井浩社長)が、斬新な試みに乗り出します。東京の有楽町や横浜など10以上の店舗に試着用の衣料品と靴だけを置く売り場を設け、消費者は商品を試したうえで、ネット上で購入できるようにします。

注文は店頭のタブレットか自分のスマホで
対象は、靴とパンツのプライベートブランド「ラクチン」シリーズ。女性向けの試着品を置いた売り場を、東京・吉祥寺、静岡市、千葉県柏市、横浜市、さいたま市など各店に広げます。紳士向けシャツやスラックスなどを加えることも検討します。消費者は、売り場でサイズや色を確認し、店頭のタブレットを使い注文します。自分のスマートフォン(スマホ)で、後日に注文することも可能で、商品は最短2日で配送されます。配送料は無料です。

売り場面積3割減が可能?
ブーツやハイヒールなどはかさばるため持ち帰りたくないという消費者のニーズに応えることができます。また、在庫負担が減り、店舗の運営費用も圧縮できます。店舗内に商品在庫を置かない場合、売り場面積は約3割減らせるとの試算もあり、空いたスペースをテナントに貸すなどの有効活用も可能になります。顧客の電子情報が蓄積できる点も大きいです。

他社でも盛んなネットと実店舗の融合
小売業界のネットと実店舗の融合では、他社でも盛んです。パルコ((株)パルコ:東京都豊島区 牧山浩三社長)では、アパレルの通販企業が、売り場をショールームに活用しました。ホームセンター大手のカインズ((株)カインズ:埼玉県本庄市 土屋裕雅社長)は、工具の通販企業と店内の工房運営で連携しています。


[2017.8.31]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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