事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


異例の視聴率22%、その理由は
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7月19日よりTBS系のテレビドラマ「半沢直樹」の続編がスタートし、動画はYouTubeなど「見たい時に好きな動画を見る」が常識的なった時代に地上波では異例の視聴率22%をあげました。
何故、この時代に地上波ドラマが高視聴率を得たのかは、銀行と証券会社の間で起きる防火壁とも言えるファイアーウォール規制の撤廃に関する動向であり、ノンフィクションのドラマながらのストーリーであっても私たち個人や企業にとっても影響しかねない問題が起こっています。

海外金融機関との情報共有は承認、それが国内でも
これは、自民党が今年6月に公表した「ポストコロナの経済社会に向けた成長戦略」の中で、これまで海外の金融機関との競合を考慮し、海外業務での規制緩和が検討されるという銀行・証券会社の了解でしたが、国内業務でも「検討する」との文言が加わったためです。
これまで銀行や証券会社がグループ会社同士であっても、顧客の同意なしに顧客情報を共有することはできないことになっていますが、ドラマ「半沢直樹」では、証券会社が得た案件の情報が親銀行に漏れてしまい、その真相を突き止める銀行から出向した行員「半沢直樹」を描いています。

顧客にとっては、銀行・証券会社の情報共有が利便性あり
銀行は顧客が企業買収のため資金調達を検討する場合、借入先は銀行であり、株式や債券の発行など銀行と証券会社の両分野に跨るなど複数の方法があります。
この場合、銀行はグループ企業の証券会社と連携して総合的な提案ができるため、顧客にとっては優位となりますが、銀行系列でない独立系の証券会社にとっては、単独で資金調達するなど時間や手間もかかり競争力に劣る可能性も低くありません。
銀行と証券会社の境界争いは昔から存在しており、この「半沢直樹」ドラマで久しぶりに表舞台に上がってきました。

顧客の情報、銀行・証券会社が共有すれば危機も
銀行は、資金の流れを通じ、顧客の詳細な情報を持つ強力な機関であり、この銀行を利用する個人や企業にとっては情報が証券会社や投資信託銀行など共有されれば危険とも言えるでしょう。
自民党のファイアーウォール規制撤廃案は、成長戦略との意味でもあり、銀行が持つ顧客情報をグループ企業と共有し収益を得るようなことになれば、顧客にとっては好ましいことではなく、今後の行方に注視が必要です。


[2020.7.28]

中小企業や住宅ローンのリスケジュールが急増
金融庁は6月26日、金融機関におけるリスケジュール(条件変更)の取り組み状況について発表し、中小企業や住宅ローンのリスケジュール申請数は約15万件になったことが明らかになりました。
金融庁は3月6日に、新型コロナウィルス感染拡大に伴う中小企業の資金繰りや住宅ローン返済支援を行うため、麻生金融相が「既往債務の元本・金利を含めたリスケジュールについて迅速かつ柔軟に対応すること」と公表しました。
この対応により、平成25年3月に終了した中小企業金融円滑化法のリスケジュールが事実上復活したことになりました。

リスケジュールの申請金融機関、地銀が圧倒
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金融庁によると、3月10日から5月末日までの中小企業によるリスケジュール申請件数は、115,697件で99.8%が承認されています。
詳細では、3メガバンクにりそな銀行、新生銀行、あおぞら銀行など主要行で17,845件ですが、地銀が97,501件、信金や信組では24,275件と急増しています。
一方、住宅ローンのリスケジュール申請件数は、主要行が3,041件に対し、地銀が10,082件と地方経済の悪化が懸念されます。

各地銀でも中小企業支援に重点
リスケジュール申請件数の約8割は地銀に寄せられ、地銀でも融資先の支援を急いでおり、山口銀行は販売が急減した事業者に別の事業者を引き合わせ、販路の拡大につなげています。
また、京都銀行は、地域内の他の金融機関や自治体と連携し、人員の相互派遣で窓口の混雑を緩和しています。
安倍政権は、地銀へ公的資金を投入しやすくする改正金融機能強化法を6月12日に可決、成立させ、申請期限も令和7年3月末まで4年延長しました。

企業全体の99.7%が中小企業
中小企業や小規模事業者は、国内企業数全体の99.7%を占め、全従業員の3人に2人以上は中小企業で働いているのが現状で、国は様々な資金繰り支援策を相次いで創設しています。
ただ、メディアでは、「もう限界を超えた」と事業者の声を取り上げ、解雇や破綻などの報道が多く目につきます。
リスケジュール他、雇用調整助成金など国が認めた制度を知らぬ経営者も多く、面倒な書類手続きや申請法など、専門家の意見を聞くことも復活への第一歩となります。


[2020.6.30]

日銀、資金循環統計で0.5%減少が判明
日銀は6月25日に発表した令和2年1月〜3月期の資金循環統計によると、家計が保有している金融資産残高は、3月末時点で1,845兆円と前年同月から0.5%減少したことが明らかになりました。
要因としては、新型コロナウィルスの感染拡大で2月以降の株価の大幅下落が響き、年度末の3月末にはリーマン・ショック以来11年ぶりのマイナスとなりました。
世界的にも株価が急落し、保有する株式や投資信託の評価損が大きく影響を与えました。

株式や投資信託で資産減少
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家計の金融資産は、令和元年12月末に1,907兆円と過去最高を記録しており、株式などの残高は前年同月比11.9%減の178兆円、投資信託が同11.7%減の63兆円となりました。
一方、現預金残高は同2.1%増の1,000兆円と過去2番目の高い水準となり、5月に入り自粛も徐々に解除され、1人10万円を配る特別定額給付金も順次配布されており、4月〜6月の家計の金融資産は増加する可能性があります。
また、企業の金融資産残高は同10.6%減の1,167兆円で、株価下落が大きく響いていますが現預金残高は183兆円と過去最高を記録し、手元資金を蓄える姿勢が伺えます。

将来への不安、経営者や役員が7割超え
将来の家計について不安を感じている人も多く、生命保険会社の「家計に関するアンケート調査」によると、不安を感じる人の割合を職業別で見ると、会社役員や経営者が77.3%と最も高く、自営業・自由業が75.8%と続きました。
会社員の71.6%や公務員の60.6%に比べ高く、営業自粛の影響を大きく受けている経営者層に不安が広がっていることが浮き彫りになっています。
不安を感じる理由については、給与・収入の減少が62.2%と高く、日用品・衛生用品の負担が46.7%、医療費の増加が42.5%と続いています。

将来に備え、家計の見直しが必要
このような時期に現預金は手厚く保有することが重要であり、株式や投資信託は余裕資金の範囲内で投資することも検討すべきです。
保険なども各家庭で最小限に絞ることも大切であり、特に年金など老後の資金に関わるものは優先順位を十分に考えることが重要です。
日本は6月に入り東京都をはじめ、自粛要請が徐々に解かれ経済が周りはじまましたが、再び感染者が増加傾向にあるのも実態であり、経済と自粛のバランスが難しい状況にあります。


[2020.6.26]

農林漁業などにと特例措置を決定
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政府系の金融機関の日本政策金融公庫は、6月15日、新型コロナウィルス感染症で影響をうけた農林漁業などの特例措置を取り扱っていますが、セーフティネット資金の償還期間を現行の10年から15年に延長したことを公表しました。
安倍政権は、新型コロナウィルスの影響拡大に伴う令和2年度第2次補正予算案を閣議決定し、農林水産関連の総額を685億円、農家の経営持続を向けた資金を上限150万円の新たな補助金、肉用牛繁殖農家向けの奨励金が柱となるよう決定しました。

農林漁業者対象に補助金200億円を計上
中小企業を含む農林漁業者を対象に新設する経営継続補助金は200億円を計上し、新型コロナウィルスの影響に向け、省力化器械の導入など生産、販売方式の転換に必要である経費に100万円、消毒、換気設備など感染拡大防止対策に50万円の計150万円を上限に助成されます。
日本政策金融公庫では、引き続き影響を受けた農林漁業者などからの融資や返済に関する相談に迅速かつきめ細やかな対応を行うとしています。

融資限度額を600万円から1,200億円へ
日本政策金融公庫によると、農林漁業セーフティネット資金の対象者は、新型コロナウィルス感染症により、経営の維持安定が困難になった事業者で、具体的に融資限度額を引き上げ通常の600万円から1,200万円に改善しました。
今回の特例措置により、追加で償還期限が10年から15年に延長されます。
具体的な特例措置として、対象事業者は新型コロナウィルス感染症の影響で経営に影響が発生したことを同公庫が確認した事業者であり、金利負担の減免や無担保措置を実行するものとしています。

コロナを契機に生活様式が変わることも
日本政策金融公庫では、迅速かつ細やかな対応を行なっており、農林漁業者向けのセーフィティネット資金を用意し、新型コロナウィルスにより経営の維持安定が困難となった場合に、農林漁業の融資限度額引き上げや償還期間の延長を示しています。
農業者向けには、農業経営基盤強化資金や経営体育強化資金、林業者向けには農林漁業施設資金、漁業者向けには漁業経営改善支援資金や農林漁業施設資金などを用意しています。
新型コロナウィルスを契機に国民の生活様式や外食、中食、自炊といったニーズの変化が見直しされ、農林水産業への対応にも変革が起こる予測です。


[2020.6.23]

旅行時期の分散で混雑も避けられ、感染リスクも減少
国土交通省観光庁が6月16日公表した令和2年版の観光白書によると、新型コロナウィルスの感染拡大を防ぎ旅行ニーズを回復させるための課題として、休暇の取得推進や休暇時期の分散のほか、少人数での滞在型など新たな旅行スタイルの普及を盛り込みました。
観光庁の令和元年の調査によると、日本では大型連休がある5月のゴールデンウィークや8月の夏季休暇に旅行が集中しがちであり、国内旅行消費額は、8月が約3兆6,000億円、5月の約3兆円と続きます。
ほかの月では平均約2兆円と消費額の差が大きく、旅行ニーズが平準化されれば観光地の混雑も避けられ、感染のリスクも抑える効果が期待できるとしています。

新たな旅行スタイル、ワーケーションやブレジャーも
観光白書では、新しい旅行スタイルの普及を検討課題と位置づけ、特定の地域に長期間滞在するような旅行などを促し、リゾート地などでテレワークしながら休暇を取るワーケーションや、出張と休暇を組み合わせるブレジャーも例示しています。
観光業界ではコロナ禍で大きな打撃を受け、今年4月の訪日外国人客は、前年同月から99.9%減とほぼゼロにまで落ち込んでいます。
4月末時点での調査では、宿泊業の9割が5月、6月の予約が7〜9割減少する見込みと回答しています。
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渡航禁止が続けば損失130兆円
新型コロナウィルスの影響で観光業が苦境に立たされているのは日本だけでなく、世界各国で影響をもたらしており、国連では今年12月まで各国の渡航禁止が継続すれば約130兆円の損失が出ると試算しました。
各国では、観光支援策を打ち出していますが、市場の急回復は望めなく、各国では日本同様、近場の国内旅行ニーズを喚起し、難局を乗り切る方針です。
各国ともLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)の普及や、ビザ緩和を追い風に世界の観光客数は平成20年から10年連続で増加し、観光は、平成30年のOECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)加盟国などGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)の4.4%を占めていました。

観光庁、まずは国内旅行を喚起
このような状況下において、観光庁では新型コロナウィルスが落ち着き次第、国内観光のニーズを喚起させることが第1歩だと考えており、休暇の取得時期が日本人の旅行の疎外となっていると示しています。
観光庁では、休暇を分散させることが重要で、人数ベースでは伸びていない国内旅行も消費単価や消費額では増加傾向にあるため、付加価値や差別化が重要だとしています。
今夏の国内旅行や、帰省が例年通り集約されぬよう期待されます。


[2020.6.19]

少子高齢化の進展で、日本の市場規模は縮小
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日本は少子高齢化により人口減少が急速に進んでおり、今後も人口が減少することが立証されており、市場規模も縮小すると考えられています。
市場規模の縮小で、顧客減少により事業者ごとの競争も激化し、これまで通りの収益が得られなくなり、収益を維持するにはさらに大きな市場を求め、海外進出を考える中小企業経営者も少なくありません。
大企業や中小企業など規模にかかわらず、潜在的な市場規模が見込まれる海外ニーズを狙い、海外進出する企業は増加傾向です。

複数の地銀が資金や人材を集め、中小企業の海外展開を支援
JETRO(Japan External Trade Organization:日本貿易振興機構)では、海外進出に伴う事業のマッチングなどを支援していますが、民間でもその動きが活発になってきました。
複数の地銀が資金や人材を集結し、中小企業の海外での新たな販売開拓を支援する取り組みが始まっています。
山口銀行などを傘下に持つ山口フィナンシャルグループと、青森県地盤のみちのく銀行は6月10日、コンサルティング会社などと連携し、東南アジアを中心に29ケ国に拠点を開設しました。

地銀単独では限界も
各国の拠点では、日本の商品やサービスを求める現地の企業とマッチングさせますが、新型コロナウィルスの影響で海外へ出張できない状況を踏まえ、オンライン商談の支援も検討しています。
これまで地銀は、取引先の中小企業の海外進出を支援するため、東南アジアに自前の拠点を設けてきましたが、地銀1行では資金や専門人材、情報収集力などで限界もありました。
よって、複数の地銀が手を組むことにより、コストを押さえながらより強力な体制を整備します。

中小企業経営者、海外進出を諦めるケースも
新型コロナウィルスの影響で、海外との人の往来が難しくなっており、地方の中小企業の海外ビジネスにも逆風となっています。
ただ、日本の市場規模縮小で海外市場をに活路を求めることは今後も中小企業の生き残り作の一つとも考えられ、山口フィナンシャルグループなどは、単独主義にこだわらず、他の地銀との協業によって取引先の中小企業の海外での事業を支援します。
中小企業経営者にとっては、海外進出の壁は高く、諦めてしまう経営者も多く、今後、この流れが全国的に拡大することが期待されます。


[2020.6.16]

大企業、人手不足は解消?人手は過剰気味
内閣府と財務省が6月11日発表した4月〜6月期の法人企業景気予測調査によると、大企業の製造業やサービス業で従業員が「過剰気味」と答えた企業の割合が「不足気味」を上回りました。
これまで、小売業や物流業など「人手不足」が深刻で、十分なサービスが提供できない企業が多かったものの、新型コロナウィルスの影響により逆転した形となりました。
これまで女性や高齢者のパート雇用拡大の受け皿であった業種が、雇用を抱えきれなくなった姿が浮かびます。

景況感は過去2番目の低い水準
法人企業景気予測調査では、大企業の景況感を示す指数がマイナス47.6と新型コロナウィルスの影響で過去2番目に低い水準となり、特に自動車など景況感が大幅に悪化しました。
この影響は、自動車部品などを製造、生産する下請けとなる中小企業や小規模事業者にも大きく影響が出ており、中堅企業はマイナス54.1、中小企業はマイナス61.1といづれも過去最低となりました。

景気の受け止め、「下降した」
法人企業景気予測調査は、内閣府と財務省が資本金1,000万円以上の企業を対象に3ケ月ごとに調査しており、今回は約1万社から回答を得ています。
景気の受け止めについても、「上昇した」と答えた企業の割合から「下降した」と答えた割合を差し引いた指数は、大企業でマイナス47.6と平成16年度の調査開始以来、2番目に低い水準となりました。

10月からはプラスに転換
今回の調査において内閣府、財務省は大企業の景況感は過去2番目に低い水準となったものの、今後は回復し、年内にはプラスになる見通しとしています。
大企業の景況感は、マイナス47.6でしたが、7月〜9月期の景況感ではマイナス6.6、10月〜12月期はプラス2.3の見通しとなっています。
大企業が潤えば、海外貿易の停滞で下請けとなる中小企業、小規模事業者へも恩恵がもたらせると考えられますが、今後の動向が注視されます。
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[2020.6.12]

6月も5日間で27件が破綻
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東京商工リサーチによると、新型コロナウィルスに関連した経営破綻が、2月に2件、3月に23件、4月は84件・5月は83件と急増し219件に達したことを発表しました。
同社によると、6月も5日現在で27件と急増が止まらぬ状況であり、6月、7月も急増の懸念が残ります。
都道府県別では、東京都が47件と最も多く、次いで大阪府の20件、北海道が17件となっています。

人手不足、消費増税、暖冬、さらにコロナで致命的に
業種別では、宿泊業や飲食業が共に34件となり、外出自粛や休業要請の影響に加え、訪日外国人客の消失などが経営にダメージを与えました。
国内企業は、これまで人手不足や消費増税、暖冬に加え、新型コロナウィルスが致命的となり、業績悪化に活車をかけました。
休業した事業主など、国の助成・補助金や融資などの支援策を活用せず、そのまま倒産、廃業を決断する経営者も多く、表面化した経営破綻の数字以上に、数倍の企業が水面化に隠れてると考えられます。

解雇、雇い止め、2週間で倍増
厚生労働省は6月5日、新型コロナウィルスに関連した解雇や雇い止めが見込みを含め、6月4日現在で2万540人に上ったと発表しました。
5月21には1万人を超えたという報道から、わずか2週間で倍増しており、雇用情勢が急速に悪化している実態が鮮明になりました。
安倍政権は、雇用維持策を相次いで打ち出しているものの、歯止めがかかっていないのが現状です。

生活保護、東京23区内で3割増加
一方、最後のセーフティネットと言われる生活保護の4月の申請について、メディアが東京23区を調査したところ、4月は9,680件と前年同月から31%増加し、全国ベースでも前年を大きく上回る可能性も懸念されます。
国では、コロナ対策として特別定額給付金や家賃支援給付金、学生支援緊急給付金、持続化給付金、ひとり親世帯臨時特別給付金、雇用調整助成金、子育て世帯への臨時特別給付金、自治体別の休業協力金、住居確保給付、働き方改革推進支援助成金のほか、融資や貸付など様々な支援策を打ち出していますので、諦めず利用できるものは申請するべきでしょう。


[2020.6.9]

「急速に悪化」から「下げ止まりの動き」内閣府コメント
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内閣府は、令和2年5月の二人以上世帯の消費者態度指数が4月の21.6から2.4ポイント上昇し、24.0になり、5ケ月ぶりに前月を上回ったことを公表しました。
内閣府では、5月の消費者指数を見る限り、基準判断は依然として厳しいものの、前月の「急速に悪化している」から「下げ止まりの動きが見られる」と消費者マインドを引き上げました。

景気動向の把握や経済対策の資料となる消費者心理同行指数
消費者同行調査は、内閣府が月に一度公表しており、消費者の動向や物価の見通しなどを捉え、景気動向の把握や経済政策の企画、立案の基礎資料となっています。
調査の結果は、消費者態度指数とし、メディアでは消費者マインドとも表現されています。
調査の対象には、外国人や学生、施設など世帯を除く約5,218世帯に行われ、5年に1度の調査対象の市区町村が改定されています。

39県で非常事態宣言を解除
消費者動向指数が上昇するのは5ケ月ぶりで、調査期間中の5月14日には39県で緊急事態宣言が解除されたことが影響したと考えられます。
ただ、指数の水準は、過去2番目に低く、依然として記録的な消費落ち込みが続いているのが現状です。
内閣府では、消費者心理について「依然、厳しい状況は続くものの、下げ止まりの動きが見られる」と記録的な落ち込みが続いている基調判断を示した上、「景気は悪くなる」という回答は減ったものの、指数は引き続き低い水準との意見を示しています。

総務省、家計調査では支出額6%減
消費者動向指数は上昇したものの、家計の消費者支出は減少傾向で、総務省の家計調査によると令和2年3月の二人以上世帯の支出額は6.0%減少しました。
ただ、内訳をみると外出自粛によりニーズが増加した領域もあり、明暗が分かれる結果となっています。
大企業を中心にインターネットを活用した購入で支出額が増加し、保存の効く冷凍食品やトイレトペーパーなど巣篭もりニーズやデジタルニーズが高まりを見せています。
働き方が変われば暮らし方も変わり、消費行動も変わり新型コロナウィルスの収束で経済行動は大きく変革すると考えられます。


[2020.6.5]

児童手当を引上げ、対象も拡大
安倍政権は5月29日の閣議において、令和7年までの子育て支援の指針となる第4次少子化社会対策大綱を決める方針を示し、子供1人に対して月に1〜1.5万円を給付する児童手当について支給額の引き上げや対象範囲の拡大を検討するとしています。
子育て世代が希望の通りに子供を持てる希望出生率1.8の実現へ環境を整備します。
大綱の見直しは5年ぶりであり、安倍首相は「新型コロナウィルスの収束後に見込める社会経済や国民生活の変容を見えつつ、思い切った取り組みを進める」と述べています。

出生数、初めて90万人割れ
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総務省によると、令和元年の人口統計では、日本人の国内の出生数は86万4,000人と前年から約6%減少し、統計開始以来初めて90万人を割り込みました。
出生数が死亡数を下回る人口の自然減も初めて50万人を超え、少子化、人口減に歯止めがかかっていない状況です。
約30年前のバブル崩壊後、日本は少子高齢化、人口減少に対して様々な施策を打ち出してきたものの、その効果が出ていないのが実情です。

日本の人口は平成20年にピークを迎へ、その後は減少
国税調査の補間補正人口にによると、日本の総人口のピークは平成20年12月であり、それ以降は人口減少の局面に入っています。
平成29年の将来推計人口統計では、合計特殊出生率の過程が1.4人で高齢化率は約30年後には38%ほどに推移する見通しとなっており、出生率低下が高齢化率上昇の要因であることであり、今後の出生率上昇は高齢化率上昇の抑制にも繋がると考えられます。
人口減少は日本経済に様々なマイナスの影響を与えることも大きな懸念となっています。

若年層夫婦、お金がかかるので子作りは躊躇
国ではこれまでも少子化政策に様々な施策を打ち出したものの、期待した効果が出ていない状況で、課題は深刻であり、インパクトのある政策で若年層に子供を生みたいような環境づくりを進める必要があります。
市区町村では、出産祝金として数万円を給付する地域もありますが、国にはその制度がなく、出産を躊躇う世代では子育てにお金がかかるという理由が多く聞かれます。
何十年も少子化効果のでない政策であれば、子供一人出産したら100万円支給など大胆な政策も考えるべきであると思われます。


[2020.6.2]

失業率、リーマンの5.5%超える戦後最大
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厚生労働省によると、新型コロナウィルスの影響で失業者は265万人増加し、失業率は6.1%と平成20年9月のリーマン・ショック後の翌年の失業率5.1%を超え、戦後最大となりました。
安倍政権は5月25日、新型コロナウィルスの感染拡大で業績が悪化し、労働者を休業させた企業に対し、支給される雇用調整助成金について、6月30日までとしていた特例期間を9月30日まで延長する方針を示しました。
また、日額上限も8,330円としていましたが4月1日まで遡り、1万5,000円に引き上げ、月額上限は33万円となります。

添付資料、記載方が面倒な雇用調整助成金
雇用調整助成金は、添付資料や申請書の記載など専門性の説明が多く、給付を諦めてしまう中小企業経営者も多く、国は休業手当がもらえない労働者支援に、賃金の8割を労働者に直接給付する支援も増やしました。
インターネット上で検索すれば申請への記載法や必要書類など丁寧なアドバイスを公開するサイトもあるため、積極的にこの制度を活用すべきです。
労働者には週20時間未満勤務の短時間労働者でも同じ条件で支給されます。

緊急事態宣言で失業者が増加
厚生労働省では、国が緊急事態宣言を発令した4月より、企業の休業により職を失う人が急増し、5月にはコロナ感染による失業者は1万人を超えました。
経営基盤が弱い中小企業を中心に解雇や雇い止めが相次ぎ、同省では「さらに拡大する恐れがある」との見通しを示しましました。
非正規労働者を支援する派遣ユニオンでも、4月の緊急事態宣言発令後に解雇や雇い止めの相談件数が急増しており、「大量の雇い止めが発生しかねない」と懸念しています。

第2次補正予算案、事業規模は117兆円
安倍政権は5月27日、新型コロナウィルスを受けた令和2年度の第2次補正予算案の総額を31兆9,114億円とする方針を明らかにし、民間投資などを合わせた事業規模は117兆1,000億円程度となる見通しです。
第2次補正予算案では、資金繰り支援に11兆6,000億円や家賃支援給付金2兆円、持続化給付金の強化に1兆9,000億円などのほか、第2波への対応として予備費を10兆円を積みました。
予算を確保し、5月末、6月末へ向け、スピーディな対応できるかが注視されます。


[2020.5.29]

電気・ガス代の下落幅は縮小もガソリンなどがマイナスに
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総務省が5月22日発表した4月の生鮮食品を除く全国消費者物価指数は、101.6と前年同月から0.2%下落し、平成28年12月以来、3年4ケ月ぶりのマイナスに転じました。
電気代や都市ガスなどの下落幅は縮小したものの、ガソリンや灯油などマイナスに転じ影響を受け、高等教育の無償化や新型コロナウィルスの感染拡大に伴い世界的な行動自粛により、旅行費や宿泊料が値下がりしたことも響きました。

生鮮食品を除く指数がマイナス
全国消費者物価指数は、総務省が毎月公表しており、消費者が購入するモノやサービスなどの物価動向を把握するための統計指標であり、全てのモノを総合した総合指数や、価格変動の大きい生鮮食品を除く500品目以上の価格を集計し、算出される総合指数の2種があります。
物価は国民の消費によりモノやサービスに消費する人が多くなれば上昇し、逆に消費する人が少なくなれば下降する傾向にあります。
消費者物価指数は、経済の体温計とも呼ばれており、様々な国内経済の政策を決定する上で、非常に重要な指数となっています。
総合指数は、平成27年を100として算出されています。

物価指数、コロナウィルスが大きく影響
マイナスに転じた要因としては、新型コロナウィルスの感染拡大で物価を下げる圧力がかかっており、消費低迷や原油安により消費者物価がマイナスとなったと考えられます。
高市総務相は、5月22日の会見で新型コロナウィルスの物価への影響を問われ「一部品目で影響した可能性はある」と述べており、訪日外国人客数が10分の1に急減し、人気の国産牛肉や、卒業式、歓迎・送別会などのニーズも極端に減り、切り花なども上昇率が縮小しました。
一方、感染対策用のマスクは4.1%上がるなど品薄の一部の品目が上昇したものの、全体への影響はわずかに留まっています。

今後は家庭用耐久材もマイナス圏へ?
安倍首相の緊急事態宣言を受け、外出や移動の自粛で飲食や旅行などのサービスニーズは急減し、家具や家電製品の売上も伸びておらず、家庭用耐久材の価格上昇率はマイナス圏に陥る予測も考えられます。
物価が下落に転じれば実質金利を引き上げ、日銀の金融緩和政策の効果も薄まる可能性もあるものの、日銀では名目金利の引き下げにより物価上昇率を押上げ、実質金利を引下げることで経済の刺激を狙っていると見られます。
全世界に拡大する新型コロナウィルスは、今後も先行きの見通しが立たず、大きな経済改革が起こる予測もされています。


[2020.5.26]

上場企業、約1兆2,200億円損失
新型コロナウィルスの感染拡大により、国内経済に大きなダメージを与え、その影響から業績予想の下方修正を発表する上場企業が急増しています。
帝国データバンクによると、下方修正を発表した上場企業は、5月13日時点で520社と前回調査から145社増加し、減少した売上高の合計は前回調査から約1兆2,203億円減少し約4兆3,202億円となりました。
新型コロナウィルスの影響で収束の目処が立たない現在、全国で関連倒産は147件と増え、影響の拡大が懸念されます。

リーマン・ショック上回る倒産
一方、東京商工リサーチが5月13日発表した全国企業倒産件数は4月に前年同月から15%増加し、2桁増は5ケ月連続となり、平成20年のリーマン・ショック時の4ケ月連続を上回りました。
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同社によると、倒産扱いとならない廃業を選択する経営者も多く、事業継続を諦める「隠れ倒産」はより多いと予測しています。
業種別で見ると、外出自粛により宿泊・飲食業などサービス業が最も多く、昨年10月の消費税増税や暖冬の影響で販売不振だったアパレルなどの小売業の倒産が目立ちます。

金融庁、リスケジュールを復活
日本経済復活のため、金融庁はリーマン・ショック時に時限法案である中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)を4月1日より復活させ、返済猶予の依頼に応じるよう銀行など金融機関に要請しました。
この対応の報告を義務付けた結果、リスケジュールの申請があった企業は2万6,592社のうち、審査を終えた約1万社の99.7%でリスケジュールを承認されました。
この間に新たな市場の獲得や異業種参入などにより売上高を維持することが必要となってきます。

休業・廃業する企業は倒産の5倍
昨年の倒産件数は、8,383社と消費税増税や台風、後継者不足などの影響で11年ぶりに前年を上回りましたが、休業・廃業を選択する企業は約5倍の4万3,000件と増加しました。
新型コロナウィルスの影響により、緊急事態宣言の解除後も、行動様式が元通りとならないとの懸念も多く聞かれ、新たな借入より、事業継続を諦め、廃業する経営者が増加するとの相談も多くあります。
安倍政権では、企業の金融支援として無担保・無利子融資や各種の個人、企業向け、大学生向けの給付金、雇用調整助成金、納税の猶予など進めるものの、人手が足らず給付金受給に時間がかかるのが懸念されます。
申請したものの、間に合わないと倒産が5月、6月に増加する懸念が残ります。


[2020.5.22]
家計は5年ぶりの大きさで減少
総務省が5月8に発表した3月の家計調査によると、1世帯(2人以上)の消費支出は29万2,214と物価変動の影響を除いた実質で前年同期に比べ6.0%減少しました。
新型コロナウィルスの感染拡大で外出自粛が求められたことが大きく影響し、下落幅は平成27年3月の10.6%減以来、5年ぶりの大きさとなりました。
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娯楽施設や旅行関連は大幅にマイナス
家計の減少は6ケ月連続となり、教養娯楽関係の支出が落ち込み、遊園地の入場料や乗り物代が86.8%減少し、パック旅行も83.2%減少となりました。
これに伴い、航空運賃は8割を超え、鉄道運賃も65.2%縮小しました。
一方、マスクなど保健用消耗品は17.8%増加し、自宅で過ごすことが多くなり、巣ごもりニーズからゲーム機が約2.7倍に増加したほか、即席麺やパスタなども大幅に伸びました。

労働時間も減少し家計は厳しく
厚生労働省が5月8日発表した毎月勤労統計調査では、名目賃金から物価変動の影響を差し引いた実質賃金は前年同期から0.3%減少し、3ケ月ぶりのマイナスとなりました。
新型コロナウィルスの感染拡大で景気が悪化し、企業でも残業を減らす動きが見られ、労働者の所得面でも影響を及ぼしています。
総労働時間では、1.5%減の136.8時間で残業を中心とする所定外労働時間は全体で7.4%減となり、特にパートタイム労働者は、19.3%減と現象が目立っています。

企業や家計の支出にも変化
安倍政権が4月に緊急事態宣言を発出したことにより、在宅勤務や学校の休校により自宅で過ごすことが増え、家計の支出も変化が出てきています。
企業も個人も新型コロナウィルス流行によるお金に関する意識や出費の内訳の変化が明らかになっており、出費に関しては食費や日用品、医療用品の出費が増加している状況です。
緊急事態宣言を5月末日まで延長したことにより、企業も個人も資金繰りや家計において厳しい状況が続くものの、国、自治体の助成や補助などの制度を十分活用する必要があります。


[2020.5.19]

コロナウィルスの影響で2年間固定資産税を猶予
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経済産業省中小企業庁は5月1日、固定資産税が適用される事業用家屋と広告塔など建築物を追加するとともに、令和3年月末日までとなっている適用期間を2年間延長する方針を示しました。
これまで、税法には納税猶予御制度がありましたが、利息に相当する延滞税の全額免除には、台風や地震など自然災害で建物が破壊されるなど財産の損失が対象でした。
ただ今回は、法人税や所得税など国税について、国税庁は特例措置を設け、担保も延滞税なしで1年間の納税猶予を認めていました。

自治体により、売上によって固定資産税を免除または2分の1の減税
さらに、固定資産税については、自治体が作成する「導入促進基本計画」に基づいて、「先端設備等導入計画」の認定を受けた中小企業や小規模事業者に対して自治体の判断で固定資産税の特例である免除または2分の1の減税を受けることが可能となります。
企業の決算時には、法人税の申告や個人事業主の所得税など地域の税務署に納税額を申告し、納税する全てが対象であり、延長により令和3年の納付時に2年分の税負担が生じることとなります。
固定資産税は、赤字であっても納税する義務がありますが、この特例措置により令和3年度の課税で収入が前年同期比で3割以上減った場合には半額とし、5割以上減ったら全額免除するとしています。

固定資産税は通常、固定資産税標準額の1.4%を納税
固定資産税は、毎年1月1日現在に土地や家屋を所有する者に対して市町村が課税する地方税であり、納税通知書が送付され、年度内に4回に分散して納付することになっています。
固定資産税の税額は、原則的に固定資産税課税標準額の1.4%とされていますが、一定の新築住宅については固定資産税額の軽減措置が適用されます。
また、住宅用地についても固定資産税課税標準額が6分の1または3分の1に圧縮されます。


賃料、人件費の負担、テナントオーナーへ売上半減には固定資産税全額免除
菅官房長官は、新型コロナウィルス感染拡大の影響で打撃が大きい業種を飲食店と捉え、事実上の固定費である賃料や人件費の負担を考えを打ち出しています。
飲食店などは休業しても固定費は発生するため、テナントを貸す側が賃料の割引や猶予することで、前年と比べ売上が半減した場合には、来年度の固定資産税を全額免除する方針を示しました。
これは、間接的に休業する事業者を支援する狙いがあり、早急な審議・成立が望まれています。


[2020.5.15]

人手不足企業へ人員超過の企業から従業員を出向
新型コロナウィルスの感染拡大に伴う雇用維持の不安に、業績を延ばすインターネット通販など人手不足に悩む企業が、休業が強いられる他業種からの人員を期間限定で受け入れる雇用シェアが広がりを見せています。
安倍政権の失業対策にも限界がある中、民間企業同士が業種を越えて連携することで雇用維持を下支えしています。
新型コロナウィルスは、世界各国で失業者を増加させており、新たな民間企業同士の連携で雇用の流動化が進めば、経済が受けるダメージを最小限に抑えられる可能性があります。

失業者はリーマン・ショック時以上に増加?
安倍政権が緊急事態宣言を発出した4月以降、さらに企業業績が悪化することは避けられない見通しで、新規求人はほぼ全業種で絞られ、失業者の増加は、平成20年のリーマン・ショック後の100万人を上回るとの予測もあります。
各都道府県では、不要不急の外出や店舗営業の自粛を要請し、消費者購入心理は低下したことで西村経済財政相は、4月28日の会見で雇用情勢について「4月以降は大変な状況になっている」と述べています。

リーマン・ショックで失業懸念もサービス業が受けいれ、今回は・・・
総務省によると、新型コロナウィルスによる失業者数の増加は、製造業を中心に影響を受けたリーマン・ショック時とは異なり、サービス・宿泊業などにまでも影響が広がっているとしています。
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リーマン・ショック後は、海外でのニーズが激減した製造業から溢れた従業員をサービス業などが吸収できましたが、今回はその受け入れ先さえ大きな影響を受けています。
西村経済財政相は、製造業やサービス業の雇用が減少する一方、食品などの宅配や医療・福祉など採用を大幅に増やす業種もあるなど、雇用のマッチングが重要となっています。

人手不足の食品デリバリー業で受け入れ開始
現在は、イオン系食品スーパーの「まいばすけっと」や、食品デリバリーの「出前館」が外食産業の人材を受け入れ始めています。
ただ、本業である業種の休業が長期化すれば、補償が財政を圧迫し、最後は国民負担となることが予測され、出向の形でしか正社員を異業種に出せない日本型雇用の再考も必要となりそうです。
日本は、リーマン・ショクや東日本大震災の大災害においても立ち直った実績があり、新型コロナウィルスに対してもこの状況を受け入れ、今後のためにできることをすることが再起の近道と考えられます。


[2020.5.12]

ウィルス感染拡大で収入が不安定に
新型コロナウィルスの感染拡大により、企業や個人事業主など売上げが急減し資金繰りが悪化する傾向が急増していますが、個人の住宅ローンにおいても、収入の減少などで住宅ローンが返済できないとの相談が急増しています。
安倍政権では、この状況にライフラインである電気・ガス・水道料や固定資産税などの納税を一定期間、猶予する方針を打ち出しましたが、住宅ローンに関しても今年4月より猶予する方針を打ち出しました。
ウィルス感染拡大の影響で、企業が従業員を解雇したり、勤務時間の縮小するなど収入が不安定になる人が多いことが要因となっています。

リーマン・ショック後のリスジェジュールが復活
金融庁は、平成20年の100年に一度の金融危機であるリーマン・ショックにより企業への影響が大きく、21年12月に時限法案である中小企業金融円滑化法を施行し、企業の融資に対するリスケジュール(条件変更)を実施し、金融支援を実施しました。
ただ「中小企業」と名がついたため、企業のみが対象と思われがちな企業経営者も多くいますが、実際には住宅ローンやリース料なども同法は適用され、リスケジュールにより一定期間は返済が猶予されます。
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これまで、担保となる自宅やリース機器など差し押さえられるケースも多く見られましたので、金融庁が薦めるリスケジュールの活用が再建への一歩となります。

返済に関する相談件数、2月200件が4月には1,200件に
住宅ローンを取り扱う住宅金融支援機構によると、返済に関する相談件数は今年2月には20件ほどでしたが、ウィルス感染拡大により3月は約200件、4月は1,200件を超えました。
相談内容としては、「返済を1ケ月待って欲しい」や「ボーナス払いをやめたい」など、返済計画通りに住宅ローンを返済できないことを訴える内容がほとんどでした。
相談の中には、返済の見通しが立たず、「自宅を売却することを検討している」など、まずはリスケジュールを活用することが重要です。

アンケート調査、住宅ローン「苦しい」が7割
オンライン住宅ローンサービスを運営する株式会社MFSが今年4月に住宅ローンを利用する男女483名にアンケートを実施したところ、住宅ローン返済に関して「とても苦しい」や「やや苦しい」、「今後苦しくなる」が約7割を占めました。
国土交通省によると、住宅ローン貸出残高は約950万件と6世帯に1世帯は住宅ローンを利用している計算になっており、「夢のマイホーム」伝説も失われつつある状況です。
まずは、自宅の売却や、他から新たに住宅ローン分を借り入れ返済するなどは考えず、専門家へのお早めのご相談が課題解決に結びつきます。


[2020.5.8]

ウイルス感染拡大で雇用への影響が鮮明に
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厚生労働省が4月28日に発表した3月の有効求人倍率は、1.39倍と前月から0.06%低下し、3年半ぶりに低水準となりました。
新型コロナウィルスの感染拡大による雇用への影響が鮮明になってきており、総務省が同日発表した3月の完全失業率も2.5%と前月から0.1%悪化しました。
有効求人倍率は、仕事を求める一人に対し、企業から何件求人があるかを示すもので、加藤厚生労働相は同日の記者会見で「十分注意する必要がある」とのコメントに留まりました。

求人倍率、沖縄・神奈川が低下
都道府県別で見ると、最も高い有効求人倍率は岡山県が1.9倍、次いで東京都が1.87倍で、最も低かったのは沖縄県の1.06倍、神奈川県の1.07倍と続きました。
厚生労働省によると、新型コロナウィルスの感染拡大の影響に加え、1月からの求人票の記載項目が増え、募集を控える企業があることも有効求人倍率が低下した要因と考えられます。

解雇・雇い止め、1ケ月で2,000人
厚生労働省は、新型コロナウィルスに関連した解雇や雇い止めにあった人数は、3月30日時点では1,021人でしたが、4月27日には3,391人と約1ケ月で約2,000人増加しました。
また、総務省が4月28日発表した3月の完全失業者数は、172万人で6万人増加し、就業者数も6,732万人と11万人減少しました。
非正規従業員は2,150万人で、前年同月に比べ26万人減少し、比較可能な平成26年1月以降で最大の下落幅となりました。

リーマンショックと異なり、製造業他サービス業にも影響
総務省によると、新型コロナウィルスの影響は、製造業を中心に影響が出たリーマン・ショック時とは異なり、サービス・宿泊業にも急速に影響が広がっている状況です。
リーマン・ショック時は、海外ニーズが急減した製造業から溢れた人員はサービス業が吸収できましたが、今回初めて、製造業だけでなく、サービス・宿泊業も売上高が急減する危機に直面しています。
日本は、「人の健康・命」か「日本経済再生」か難しい環境に追い込まれています。


[2020.5.5]

雇用調整助成金、4月1日の最大9割から10割へ
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厚生労働省は4月25日、企業が従業員に支払う休業手当を国が補助する雇用調整助成金について、新型コロナウィルスの感染拡大の影響を受けた中小企業への助成率を、令和2年4月1日より最大9割年に引き上げましたが、助成率を10割に引き上げることを発表しました。
労働基準法上の支払い義務は6割ですが、新型コロナウィルスの多大なる影響により9割に引き上げ、さらに10割を中小企業へ給付することとしました。

ハードルの高い申請書類
ただ、雇用調整助成金の申請には、雇用に関した法廷の書類を作成出来ない中小企業も数多く聞かれますが、都内の社労士によると、毎日10軒以上相談があるものの、法廷書類が揃わないと申請できず、ハードルが高い状況です。
国の調査では、全国の中小企業、小規模事業者は約380社で従業員は3,000万人を超え、厚生労働省には令和2年2月中旬から4月17日までの約2ケ月間で、雇用調整助成金の相談は12万社以上寄せられていますが、実際に届け出たのは9.512社で、最終的には約1割の985社のみが最終的に申請に至りました。

厚労省、申請書類を簡素化、受給まで2ケげつから1ケ月に短縮
加藤厚労相は4月10日には、申請への手続きを簡素化する特例措置を打ち出し、必要な書類提出や記載を減らし、受給までの時間もこれまでの2ケ月から1ケ月に縮めることを発表。
従業員の出勤簿や給与台帳がなくてもシフト表などで代変えできるようにする方針ですが、現実には相談者が12万人、申請者が9,512社、実際に申請に至ったのは985社に留まっています。

給付金や無利子・無担保融資、スピード感が重要
中小企業への金融支援はスピードが重要であり、給付が遅れている事業者への現金給付や、銀行など金融機関に殺到していることで無利子・無担保融資が2ケ月待ちなどスピード感があまり感じられないようです。
雇用調整助成金は異常なほど使いにくく、「休業補償なき外出自粛」との声も多いものの、厚生労働省のtwitter(ツイッター:140文字のコミュニケーション・ツール)では、「保証なき休業要請は正確でない」と反論しています。
資金繰りに頻拍する中小企業への早急な給付が待たれます。


[2020.5.1]

現状判断DI・家計動向関連DI・雇用関連DI・先行き判断DIいづれも低下
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内閣府は4月8日、「景気ウォッチャー調査」を発表し、3月の現状判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から13.2ポイント低下し14.2となりました。
一方、家計動向関連DIや企業動向DI、雇用関連DIも同様に低下しており、サービス関連企業や非製造業などが低下したことが低下につながりました。
3月の先行き判断DIも、前月から5.8ポイント低下し、18.8となりました。

安倍政権の緊急経済対策、早急に詳細決定を要望
新型コロナウィルスの感染拡大で、調査結果に見られた「景気ウォッチャー調査」は、極めて厳しい状況にあり、先行きについても一段と厳しさがますと見られます。
安倍政権では、金融支援として住民基本台帳に記載の国民へ一律10万円を現金給付を決め、雇用調整助成金も大きく緩和、企業の事業規模総額は約108兆円の経済対策を決めましたが、いわゆる「真水」と言われる財政支出は約39兆円となっています。
この支出は、GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)の押上げには弱く、緊急経済対策約108兆円は、金額のインパクトほどの効果は期待できない可能性もあります。

給付金や助成金、スムーズに支給されるか
現在、生活に困惑している人が、メディアを確認し、給付対象が自分に対象となっているのか、スムーズに申請をできのかが課題となっており、昨年の源泉徴収のほか、今年の一時期の収入減を証明するには、ハードルが高くなります。
このことから、各自治体では郵送やオンライン申請を予定していますが、数多くの申請書類の文字だけで理解する余裕もなく、結果、各自治体の窓口対応が混雑し、感染拡大のリスクも高まってきます。

飲食業への給付金「2ケ月も持たない」
厚生労働省では、飲食店などに50万〜200万円を給付する方針ですが、店の売上や賃金、賃料などは各々の店で異なり、その額を給付されても2ケ月も持たないとの声も上がっています。
東京商工リサーチは4月24日、「新型コロナウイルス」関連倒産状況を発表し、4月24日現在、関連する経営破綻が全国で93件と急増しており、4月末には100件を超えるとの予測を示しました。
安倍政権は、V時回復のシナリオとしてコロナ問題収束後の計画を検討していますが、破綻した事業者が立ち直る可能性は著しく厳しいため、早急な給付、助成などの期間や、支払日などを公表する必要がありそうです。


[2020.4.28]
事業再生

セントラル総合研究所
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www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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