事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


標準宅地は4年連続プラス
東京国税局が、東京都内の2017年分の路線価(1月1日時点)を発表しました。標準宅地は前年比で3.2%上昇し、前年の上昇率(2.9%)を上回って4年連続のプラスでした。上昇が激しいのは、都心を中心にした大規模再開発地域や、訪日外国人客たちでにぎわう地域。ある意味、特異な状況下で地価の高騰と高止まりが続いており、今後は警戒も必要かもしれません。

一等地が10%以上の上昇
170721_1.jpg
都内の最高路線価は、48地点のうち46地点で上昇、下落は4年連続でゼロでした。少し詳しく見ると、京橋や麻布などの11地点の一等地が10%以上の上昇。上野や武蔵野など26地点は、5%以上10%未満の上昇。横ばいだったのは、郊外の青梅と日野の2点だけでした。

半月で150万人来場のギンザシックスの影響
最高路線価は最も上昇した地域の1つが、中央区銀座5丁目の銀座中央通りで、26.0%上昇。近隣の銀座6丁目では大型商業施設「ギンザシックス」が4月に開業し、来店客数は開業から約半月で150万人を超えた影響とみられます。大規模再開発と訪日客増加の両方の恩恵でしょう。

12.1%上昇の東池袋
12.1%上昇した豊島区東池袋1丁目のグリーン大通りは、再開発効果によるもの。周辺の豊島区庁舎跡地の再開発地区「ハレザ池袋」では、東京建物(東京建物(株):東京都中央区 野村均社長)などが高さ約158メートルのオフィス棟など3棟を建設します。平成32(2020)年春までに順次開業します。

インバウンドが後押しした浅草
13.1%上昇した台東区浅草1丁目の雷門通りでは、訪日客効果に後押しされました。浅草周辺はホテルの建設が続き、平成30(2018)年秋にビジネスホテル(166室)を開業する三菱地所(三菱地所(株):東京都千代田区 吉田淳一社長)も、「安定した観光需要がある」としています。


[2017.7.21]

国際線旅客数、民営化前から4割増
170720_1.jpg
海外に比べ20年遅れと言われながら、ようやくスタートした空港の民営化。最初の案件となった仙台空港が今年7月、民営化1年を迎えました。国際線の旅客者数は民営化前と比べ4割増の22万人と、業績は順調です。神戸や高松、福岡などの空港でも民営化が検討されていますが、追随できるか。先行の海外の成功事例を参考に、最善の策を練りたいものです。

11億赤字、1億4000万にまで大幅改善
民営化1年を前に、東京急行電鉄(東京急行電鉄(株):東京都渋谷区 野本弘文社長)の実質子会社で空港運営会社「仙台国際空港」(仙台国際空港(株):宮城県名取市 岩井卓也社長)の岩井卓也社長が、記者会見に臨みました。「空港運営は国のバラバラな組織で手掛けるよりも、民間会社が一体的にやる方がうまくいくと感じた」。国際線が往復で週17便。格安航空会社(LCC)のタイガーエア台湾が7便増。民営化直前で11億円あった赤字が、前期は1億4000万円の赤字と大幅に改善。そうした自信の現れが言葉になりました。

着陸料変動、値下げや無料など様々な工夫
実際、さまざまな工夫を凝らしました。航空会社が空港側に払う着陸料を変動型に切り替える。搭乗率が低い場合は着陸料を値下げし、航空会社の運航リスクを軽減できるようにする。国際線を新規に就航させる航空会社には、初年度の着陸料を無料にするサービスを導入する。空港の民営化ですることで、収支を改善できることを実証した、お手本のような経営です。

神戸、熊本も名乗りを挙げる
オリックス(オリックス(株):東京都港区 井上亮社長)は、神戸空港の運営権売却に名乗りを上げ、平成30(2018)年4月の民営化を目指しています。民営化を目指す熊本空港も、事業者募集に乗り出す予定。海外の民営化空港では、空港の維持・管理に必要な費用を空港内の商業施設の利益でまかなうのが一般的で、搭乗ゲート前のフロアの大半をフードコートにして収益を高めたりします。各空港とも、こうした成功事例やノウハウを積極的に取り入れたいものです。


[2017.7.20]

渋谷公園通りに445店目開業
170719_1.jpg
業績が絶好調の企業、ニトリホールディングス((株)ニトリHD:東京都北区 白井俊之社長)が、都心部でさらに攻勢をかけます。今年6月、東京・渋谷に、国内445店目の「ニトリ渋谷公園通り店」を開業しました。地上9階建てのビルを借り、店舗面積は約5000平方メートルと都心最大。訪日客らに「ニトリブランド」をアピールする狙いもあります。

ビル1棟賃借で9600アイテム完備
同店は、JR渋谷駅から北に徒歩10分程度。元は、シダックスの旗艦カラオケ店「渋谷シダックスビレッジクラブ」でした。このビルを賃借し、1~5階をカーテンやバス・トイレ用品などのホームファッション、6~9階を家具売り場とし、約9600種の商品をそろえました。

スマホ、プロジェクター駆使の情報化も
洗濯時に使う物干しなどの展示コーナー、高機能の敷布団を寝て試せる売り場など、同店ならではの試みもあります。スマートフォン経由で売り場全体のレイアウトが見られるようにしたり、プロジェクターを使ったデジタルカタログを用意したりも情報化も進めました。

アジアに積極出店のための巨大広告塔という発想
ニトリは、30~50代が顧客の中心でした。今回の大型店で、手薄だった30代以下の層を取り込むというなら普通です。しかし、中国や台湾など積極出店するうえでニトリブランドの広告塔の役割を担わせる、という発想には驚きました。店舗開発を担当する須藤文弘専務は、「中国で衣料品ならユニクロ、雑貨なら無印良品が広く浸透している。家具ならニトリと言われるぐらいの存在にならないといけない」と、稀有壮大な目標を語っています。

15年後には海外2000店を目指す戦略
ニトリはすでに、米国と中国、台湾に計45店を持ち、平成44(2032)年に海外で2000店を目指しています。さらなる進出には、ブランドの認知度を高め、海外のデベロッパーから有利な出店条件を引き出ることが不可欠。中国、台湾にも先行出店している家具販売世界最大手のイケア(オランダ 南ホラント州)との違いを際立たせるためにも、渋谷公園通り店が重要なのです。


[2017.7.19]

AIが高めてくれる「幸福感」
170718_1.jpg
人工知能(AI)の可能性は、どこまで広がるのでしょうか。日立製作所((株)日立製作所:東京都千代田区 東原敏昭社長)は、「H」と名付けたとAIと、名札型のウエアラブル端末を活用して、仕事の労働生産性を高める技術を開発しました。いわば、幸福感の高まる働き方をAIでつくりだしたのです。検証を重ね、組織活性化ツールとして実用化を目指します。
 
法人営業部では受注額が11%もアップ
日立は長年、人の「幸福感」について研究を続けてきました。今回、分析に用いるデータ取得には、社員が首からぶら下げたウエアラブル端末を活用。各種センサーが内蔵されており、社員の身体の動きなどから組織の活性度を数値化します。法人営業部門の約600人で実験したところ、AIによる分析に基づいて働き方を改善した部署では、製品・サービスの受注額が目標を平均11%上回る大きな成果をあげました。AIが皆をハッピーにしました。

組織の活性度を高めるアドバイスをスマホに配信
科学的な検証は続きます。身体のわずかな揺れなどを加速度センサーで捉え、赤外線送受信機で誰と対面しているか検知したり、ビーコン(無線発信機器)などで会議の参加人数や時間、出退勤や出張などの行動記録も計測したり。それらがAIのデータとなり、AIは、組織の活性度を高めるのに有効な従業員ごとのアドバイスを作成して、スマートフォン(スマホ)の専用アプリで毎日配信します。使い方次第で、働き方が大きく変わるでしょう。

心身の健康管理を制した企業が勝つ
「朝のうちに相談や質問をすると、仕事がはかどりやすいようです」「会議であなたの意見を提案してみましょう」「デスクワークに集中できる環境をつくりましょう」。社員の心身の健康管理を制した企業が勝つ時代です。夢のある、面白い試みを、人間主体で実践してほしいと思います。


[2017.7.18]

成長市場を攻略を抑えるアジアの新興国
日経新聞が実施する平成28(2016)年の世界シェア調査について、少し補足します。日本は、素材や部品分野に強みがありますが、成長市場の攻略では、海外、ことにアジアの新興国に抑えられていることが気がかりです。現状をしっかり認識し、日本独自の戦略を練りたいものです。

金メダルで欧州、日本が並ぶ
170717_1.jpg
この調査結果を毎年、楽しみにしてきましたが、目を引くのは、国・地域別の上位シェアランキング。オリンピックと同じように、1位を金メダル、2位を銀メダル、3位を銅メダルとし、各国・地域の獲得数を一覧表で示します。獲得メダル数の合計も分かる。同年は、 米国19、20、21(計60)。欧州11、13、8(計32)、日本11、7、16(計34)。韓国7、10、3(計20)。中国7、7、6(計20)の順でした。

スマホ市場では極めて存在感が薄い日本
アジアの新興国が活躍しているのが、スマートフォンなど成長市場です。韓国サムスン電子(水原市 権五鉉CEO)、米アップル(カリフォルニア州 ティム・クックCEO)の2強に加え、華為技術(ファーウェイ/中国深圳市 任正非CEO)やOPPO(オッポ/中国東莞市 陳明永CEO)、vivo(ビボ/中国東莞市 沈炜CEO)など中国勢が追い上げるなか、日本勢の存在感が極めて薄い印象です。

従来市場を変える力を持つ分野に参入できるか
技術革新によって成長市場は目まぐるしく変化します。人工知能(AI)で音声に自動応答する「AIスピーカー」では、米アマゾン・ドット・コム(ワシントン州 ジェフ・ベソスCEO)が先行。ドローン(小型無人機)では中国DJI(大疆創新科技有限公司/深圳 汪滔代表)が頭角を現してきました。3Dプリンターなども、従来市場を変える力を秘めた分野です。日本企業は奮闘していますが、こうした成長市場で世界をけん引できなければ、21世紀半ばには順位が大きく変わっているかもしれません。


[2017.7.17]

57品目中11品目で日本企業首位
170715_1.jpg
日本経済新聞社が実施する平成28(2016)年の世界シェア調査の結果が出ました。対象57品目のうち、11品目で日本企業が首位でした。リチウムイオン電池や炭素繊維など先端分野での強みが光り、他国を圧倒しています。デジタルカメラなど首位をキープしつつも、市場が縮小している分野もあります。日本企業の底力はまだ健在ですが、その維持には種々の工夫が必要でしょう。
 
レーザープリンターからビール系飲料まで
57品目は多岐に渡ります。▽デジタルカメラ▽A3レーザー複写機・複合機▽半導体製造装置▽中小型液晶パネル▽リチウムイオン電池▽白色LED▽NAND型フラッシュメモリー▽タブレット▽自動車産業用ロボット▽衣料品▽化粧品▽ビール系飲料▽超音波診断装置▽医療用医薬品▽ネット広告▽音楽ソフト・配信▽検索サービス▽セキュリティー対策ソフト▽スマートフォン▽炭素繊維▽リチウムイオン......。まさに、日本の産業の縮図です。
 
サムスンを抜いたパナソニック
リチウムイオン電池では、パナソニック(パナソニック(株):大阪府門真市 津賀一宏社長)が、韓国のサムスンSDI(水原市 金淳澤社長)をかわして首位になりました。米テスラ(カリフォルニア州 イーロン・マスクCEO)の電気自動車(EV)向けが好調でした。炭素繊維でも、風力発電向けが好調だった東レ(東レ(株):東京都中央区 日覺昭廣社長)がトップを堅持しました。
 
首位ながら市場縮小品目も
一方、首位ながらも市場が縮小している品目も目立ちます。デジタルカメラが代表例ですね。キヤノン(キヤノン(株):東京都大田区 御手洗冨士夫CEO)、ニコン((株)ニコン:東京都港区 牛田一雄社長)、ソニー(ソニー(株):東京都港区 平井一夫社長)の上位3社で7割のシェアを握っていますが、急速に普及するスマホに取って代わられています。レンズ交換式カメラ、A3レーザー複写機・複合機なども同様で、見通しは甘くありません。リコー((株)リコー:東京都中央区 山下良則社長)やキヤノンが上位を占めますが、市場は縮小しています。


[2017.7.15]

鹿児島から北海道まで巡るバスツアー
東京や大阪、京都が中心だった訪日観光ルートが地方に広がるなか、全国の観光バス事業者が、画期的な試みに乗り出します。広い地域を一気に観光できるバスツアーです。複数のバスを乗り継ぐ形とし、途中下車も可能で、最長で鹿児島から北海道まで旅行できるプランを作ります。自由度の高さは、目の肥えた個人旅行者にも大きな付加価値と映るでしょう。

9社連合、参加企業募集中
170714_1.jpg
参加する事業者は、9社。南薩観光(南薩観光(株):鹿児島県南九州市 菊永正三社長)や琴平バス(琴平バス(株):香川県仲多度郡 楠木泰二朗社長)、神姫バスグループ(神姫バス(株):兵庫県姫路市 長尾真社長)、関東自動車(関東自動車(株):栃木県宇都宮市 手塚基文社長)、岩手県北自動車(岩手県北自動車(株):岩手県盛岡市 松本順社長)などです。9社は、事業連合「ジャパンコーストラインアライアンス」を立ち上げ、参加企業を募集中です。
 

7泊8日で九州一周
連携事業の第1弾は、鹿児島県を営業エリアとする南薩観光と、宮崎県を営業エリアとする宮崎交通(宮崎交通(株):宮崎県宮崎市 菊池克頼社長)が組み、九州一円や南九州を巡るツアーを英語圏の訪日客向けに発売するもの。九州一円を巡る商品は7泊8日で10万~15万円を想定。2泊3日で途中下車できるなど複数の商品を用意し、個人客のニーズに対応します。

バス業界の現行制度打破、国際基準へ?
複数の観光バスを乗り継げるこうしたツアーは、欧米では「シートインコーチ」として以前から普及しています。日本も、個別の事業者ごとに営業エリアが規定されていた現行制度を打破し、国際基準に合わせる試みが、やっと始まったということでしょうか。訪日外国人の地方の延べ宿泊者数は前年比13%増(2845万人泊)で、伸び率では三大都市圏の5%(4243万人泊)を上回りました。この勢いを加速させたいものです。


[2017.7.14]

農地を商業施設や物流拠点に
21世紀を生きるために、国土をどう利用していくか。政府は、農地を原則、企業向けの用地に転用できるようにする方針を示しました。高速道路のインターチェンジの周辺など事業環境に優れた立地で、商業施設や物流拠点の新設を促します。背景に農業、農家の衰退があることは悲しいですが、この転機を新たな地方創生につなげたいものです。

全体の約9割の農地が転用可能に
日本の農地は全国に約450万ヘクタール。立地や営農条件によって5区分に分離され、これまでも、駅周辺の再開発に適した農地などでは用地転用が認められてきました。今回の方針は、①10ヘクタール以上で良好な営農条件を備えた「第1種農地」、②自治体が優先的に農業振興を進める「農用地区域内農地」での転用を新たに認めるもので、転用可能になる農地は全体の約9割を占めます。

耕作放棄地か、企業進出の阻害か
170713_1.jpg
方針の背景には、農家の高齢化や、新規就農者の減少、優良な農地でも将来的に離農者や耕作放棄地が増加すると見込まれること――などがあります。一方、農地の転用規制が企業進出を阻んでいるとの指摘も、事業者や自治体から上がっていました。2つの問題をかけあわせ、現状を打開するため、大規模な規制緩和となりました。企業側は、地元の雇用創出にも十分配慮してほしいものです。

安易な転用には警鐘を
安易な転用や無用な乱開発が進めば、地域の景観や風土が損なわれ、農地保全もままなりません。土地は国の財産です。最もよい形で、子孫たちに引きついでいきたいものです。


[2017.7.13]

独自の仮想通貨を個人に販売、800億円調達
170712_1.jpg
「仮想通貨」を活用した資金調達が、世界中で拡大しています。現時点で海外を中心に70以上の企業が独自の仮想通貨を発行し、ネット上で個人などに販売して800億円強の資金調達を成功させました。「新規仮想通貨公開(ICO=Initial Coin Offering)」と呼ばれる新手法です。日本での実施例はありませんが、仮想通貨関連の規制の導入が検討され始めました。

 ICOはネット上での利用価値も
ICOは、従来の資本市場の枠組みにとらわれません。ベンチャー企業にとって資金調達の主流である「新規株式公開(IPO)」では、発行した株式を証券会社に仲介してもらって投資家に販売します。これに対し、ICOは独自に発行した仮想通貨をネットで個人も含む不特定多数に直接、販売できる。需給次第でICO通貨の値上がり益も期待できます。ICOを実施するのはネット企業が多いため、仮想通貨はネット上での利用価値もあります。

グノーシスは数分で10億円強を調達
米調査会社スミスクラウンによると、今年のICOによる資金調達額は7億6102万ドル(約850億円)にのぼり、すでに昨年の年間実績(1億252万ドル)の7倍に達しました。今年4月、米ベンチャー、グノーシスが数分で10億円強の調達に成功。5月末には、米ブレイブ・ソフトウエアがわずか1分足らずで40億円相当の資金を獲得。6月には、スイスのステータスがICOとしては過去最大規模の300億円超を集めるなど、話題にも事欠きません。

新たにルールが必要になる局面も
こうしたなか、金融庁は、4月に施行した改正資金決済法で仮想通貨への規制を敷きました。仮想通貨を投資家に売ったり交換したりする事業者に対し、登録制を導入。登録を受けるには「株式会社」「資本金1000万円以上」などの条件をクリアする必要があります。金融庁幹部はICOについて「(今後の展開は)正直、想定できない。新たに必要なルールも今後出てくる」とコメントしました。


[2017.7.12]

各国企業と連携でグローバルな事業体制へ
東レ(東レ(株):東京都中央区 日覺昭廣社長)が、香港の繊維製品大手、パシフィック・テキスタイルズ・ホールディングス(PTHD/香港 ワン・ウェイ・ロイCEO)に約30%出資し、筆頭株主になります。子会社化も検討します。各国の企業と組み、高機能繊維づくりから生地加工、縫製までを一貫して手掛けるグローバルな事業体制を構築する構想の一環です。
170711_1.jpg

PTHD売上高800億、純利益141億
PTHDは、平成9(1997)年設立の繊維メーカー。ニット(編み)加工や染色、プリント生地を得意とし、40カ国以上の衣料品関連各社と取引があります。生産拠点は中国とスリランカにあり、従業員数は約5000人。平成29(2017)年3月期の売上高は約800億円、純利益は141億円でした。東レは当面約600億円を出資し、来年にも追加出資する方針で、平成26(2014)年、580億円で買収した炭素繊維大手の米ゾルテック(ミズーリ州 ゾルト・ラミーCEO)に並ぶ最大級の出資となります。

「川下事業」を世界規模で拡大
東レはこれまで、PTHDに繊維(糸)を供給してきましたが、今後は、糸を編んで「テキスタイル」と呼ばれる生地に仕上げたり、染色・縫製したりする川下事業を世界規模で拡大します。東レが持つ吸水・速乾性や伸縮性、保温性などに優れたポリエステルやナイロン繊維製造の技術と、PTHDのテキスタイル技術が合わさり、付加価値の高い繊維製品づくりにつながっていくことしょう。PTHDの顧客である世界のアパレル各社との関係づくりが進むのも、東レには大きなメリットです。

東レ2018年3月期繊維事業営業利益は過去最高に
東レの平成30(2018)年3月期の「繊維事業」の売上高は、9250億円、営業利益は760億円と過去最高に達する見通し。繊維事業は全体の連結営業利益の45%程度を占める規模です。好調を維持するのは常に次の一手を打っておくことが必要で、PTHDの力の吸収が最善策と判断されました。


[2017.7.11]

投資信託にかかるコストを見える化
170710_1.jpg
運用・証券業界で、投資信託にかかるコストを「見える化」する動きが広がってきました。最近の動きでは、カブドットコム証券(カブドットコム証券(株):東京都千代田区 齋藤正勝社長)や三菱UFJ国際投信(三菱UFJ国際投信(株):東京都千代田区 松田通社長)が目立ちます。個人の資金を預金から投資へ振り向けてもらうためにも、必要不可欠な試みです。
 
先駆けは三井住友アセット
見える化の先駆けは、三井住友アセットマネジメント(三井住友アセットマネジメント(株):東京都港区 松下隆史社長)でした。平成27(2015)年、信託報酬を控除した実際の投資収益を明らかにするようにしたところ、顧客から支持され、投信のコストを透明化する流れが一気に加速しました。

複数のコストが分野別に示される初の試みも
最近では、今年8月、カブコムが、ベンチャーのロボット投信(ロボット投信(株):東京都中央区 野口哲社長)と組んで、投信の運用期間中に投資家が負担する手数料の「実額」を計算、開示するサービスを始めます。購入額と保有期間を入力すれば、「国内不動産投資信託(REIT)」「新興国株投信」など、複数のコストが分野別に示される、業界初の試みです。

1口あたりのコスト内訳を開示も
三菱UFJ国際投信は、複数の外国籍投信で運用するファンド・オブ・ファンズについて、1口あたりのコストの内訳を開示するサービスを開始しました。これは、コスト構造が特に分かりにくいとされる分野でした。

家計預金額が資産全体の52%を占める今
日本銀行の資金循環統計によると、家計の現預金は3月末で約930兆円と資産全体の52%で過半を占めます。政府は「貯蓄から資産形成へ」と繰り返し呼びかけてきましたが、それがなかなか進まない背景には、間違いなく、投信など金融商品のコストがわからないという不安感がありました。それに対して、金融機関側がやっと重い腰をあげたという感じです。


[2017.7.10]

取り組みの根底にあるのは「自然資本経営」
企業が生物の多様性に配慮する取り組みが、裾野を広げています。平成22(2010)年のCOP10(生物多様性条約第10回締約国会議)以降の動きが、大きな流れになってきました。根底にあるのは、「自然資本経営」という考え方。企業は自然資源を重要な経営基盤とみなし、保全しながら持続可能に利用するというもので、小売やメーカーからホテル業界まで、みな意欲的です。

セブンはお茶に森林認証の紙パック採用
170708_1.jpg
コンビニ大手セブンイレブン((株)セブン-イレブン・ジャパン:東京都千代田区 古屋一樹社長)は今年6月、全国2万店舗で販売するPB(プライベート・ブランド)の1000ミリリットルのお茶シリーズに、森林認証「PEFC」の紙パックを採用しました。PEFCは、生態系に配慮して計画的に管理されている森林から伐採したことを示す認証制度の1つ。それをパスした北米や北欧産の木材から作られた紙を使用し、紙パックにも明記しました。

一気に広がったPEFC
カゴメ(カゴメ(株):愛知県名古屋市 寺田直行社長)も、人気商品の「野菜生活100」で、別の森林認証「FSC」(森林管理協議会)の紙パックを採用。キリン(キリン(株):東京都中野区 磯崎功典社長)の「トロピカーナ」「午後の紅茶」も同様です。森林認証紙の採用は一気に広がった感があります。

レストランではASC認証のサーモンを
都内のホテル「パークハイアット東京」(ハイアットホテルアンドリゾーツ)のレストラン「ジランドール」は、海の生態系を守るASC(水産養殖管理協議会)認証のサーモンを食材に使っています。メニューに明記したところ、客からも好評だったそうです。消費者と企業側が共に地球のことを考えながら、消費を活性化させる。これは21世紀の消費の理想の形です。


[2017.7.8]

中国企業、ついに日本で本格的工場新設
170707_1.jpg
中国企業がついに、日本で本格的な工場の新設に乗り出します。通信機器大手の中国・華為技術(ファーウェイ/深圳市 任正非CEO)が、年内にも千葉県船橋市に型工場を新設し、通信設備や関連機器の量産体制を確立することを決めました。事業買収や研究開発拠点の設置が中心だったこれまでの対日投資の形がガラリと変わり、日中の新時代が到来します。
 
50億円投資、年内稼働目指す
華為は、スマートフォン販売で世界3位、平成28(2016)年12月期売上高は8兆円超の優良企業です。ルーターなどのネットワーク機器が主力で、ソフトバンク(ソフトバンク(株):東京都港区 宮内謙社長)など大手通信会社向けの販売が伸びています。日本で初の工場は、千葉県船橋市のDMG森精機の工場跡地となる見込み。生産設備の導入はこれからですが、当面、50億円を投資し、早ければ年内の稼働させる計画です。

日本市場の供給力を高め人材も取り込む
日本進出のメリットは何でしょうか。1つは、新工場による現地生産で、日本市場への供給力を高めること。また、日本の技術と人材を取り込み、日本や他の先進国で受注を増やすことです。日本は人件費の高さが課題でしたが、中国本国で人件費が上昇し、差が縮小しました。日本の割高感が薄まったため、低コストの大量生産と、高品質の実現を両立させる方針に転換したのです。

業績悪化での買収とは違う新たな挑戦
中国企業による日本進出は、平成12(2000)年代後半から目立ち始めました。平成21(2009)年には中国の家電専門店大手がラオックス(ラオックス(株):東京都港区 羅怡文社長)を買収、本間ゴルフ((株)本間ゴルフ:東京都港区 伊藤康樹社長)やレナウン((株)レナウン:東京都江東区 北畑稔社長)なども相次いで中国企業の傘下に入っています。これらは、業績が悪化した日本企業の買収という形でしたが、華為は新たな挑戦を始めました。


[2017.7.7]

製造拠点の集約化を進め、投資をせず、増産に
170706_1.jpg
製造拠点の集約化を進め、投資をせず、増産に導く。誰もが望みながら、実現が難しい理想です。建設機械世界最大手、米キャタピラー(イリノイ州 ダグラス・オーバーヘルマンCEO)が目下、それに挑んでいます。平成30(2018)年に日本の拠点を明石事業所(兵庫県明石市)に集約する計画が進行中で、明石事業所では、最新技術も活用した製造体制の改革も始まりました。

日本ショベル誕生の地に事業所移転
明石事業所は、油圧ショベルの製造・開発のマザープラント。国産初の油圧ショベルを生産した「日本のショベル生誕の地」です。ここに、平成30(2018)年に閉鎖予定の相模事業所(相模原市)の機能を移転させます。明石事業所は、敷地面積が約24万平方メートル。一方、相模事業所は33万平方メートル。相模事業所が担ってきた業務の大幅な縮小が必要かと思いきや、米キャタピラーで油圧ショベル部門のトップ、ザック・コーク副社長は、「相模事業所で生産する部品は100%、今後も日本で作り続ける」と言い切ります。

約90企業が協力に意欲的に
そうなると、新たな生産体制の構築が必要です。自社だけでできるものではなく、多くの部品メーカーと一緒に取り組まなければならない。喜ばしいことに、約90社の協力企業も意欲的でした。米キャタピラー向けの油圧のポンプ部分の配管加工などを手掛ける水登社((株)水登社:兵庫県神戸市 平井良治社長)らが、さっそく部品を供給する企業間で、生産のスリム化などについての勉強会を始めました。

VRルームでデザイン、設計の検証を迅速化
本体の明石事業所では、仮想現実(VR)技術を用いた開発機能の改革も進みます。その象徴が、組み立て工場の横に設けた「VRルーム」。3次元CAD(コンピューターによる設計)で描かれた架空の建機で、デザインや設計の検証を迅速化する最先端の試み。事業所と協力企業が協力しながら、最善に向けて動いています。


[2017.7.6]

個人が運ぶアマゾンの荷物
人手不足による業務のひっ迫で揺れる運輸業界。発注側の最前線にいるアマゾンジャパン(アマゾンジャパン(合):東京都目黒区 ジャスパー・チャン社長)が、日本国内で独自に配送網の築く構築を本格化させます。個人事業者を活用し、配送業務の最大の委託先だったヤマト運輸(ヤマト運輸(株):東京都中央区 長尾裕社長)を事実上中抜きする、斬新なものです。

中心は丸和運輸機関とファイズ
170705_1.jpg
構想で中心となるのは、東京都の都心部で組んでいる丸和運輸機関((株)丸和運輸機関:埼玉県吉川市 和佐見勝社長)。アマゾンの当日配送を受託し、平成32(2020)年度までに軽貨物車1万台、運転手1万人の体制を築きます。株式市場はこのニュースを"衝撃"として受け止め、同社の株価は、前日比17%高まで急騰しました。第二の委託先とみられる東証マザーズ上場の物流中堅、ファイズ((株)ファイズ:大阪府大阪市 榎屋幸生社長)も、一時9%高になりました。一方、ヤマト側は、アマゾンとの取引の撤退も視野に、取り扱いを縮小する方針です。

米では時給18~25ドルで個人に委託
実は、親会社の米アマゾン・ドット・コム(ワシントン州 ジェフ・ベソスCEO)は、もっと先を目指しています。米国では、平成27(2015)年から、「アマゾンフレックス」と呼ぶ個人に宅配を委託する事業が始まりました。時給18~25ドル(約2000~2800円)で個人に荷物を配ってもらいます。時間のある学生らが専用のスマートフォンアプリを使って仕事を請け負い、空いた時間に好きなだけ働く仕組みです。配送にロボットを使う仕組みも計画中です。

課題先進国のビジネスチャンス
配送サービスに関しては、日本の改革の歩みは遅いと思います。人手不足、少子高齢化などの「課題先進国」であることを、逆にビジネスチャンスにしたいものです。


[2017.7.5]

経済最優先の軸は「人づくり」
キャッチフレーズを駆使する政治手法の安倍晋三首相が、新たに示した看板は「人づくり革命」。今年6月19日の記者会見で明らかにしました。「経済最優先」という方針に再び回帰する考えを強調し、人づくりをその軸としました。人づくりという方針には新味があるものでもなく、時間もかかる。しかし、打てる手を打ち続けなければならないわけで、期待したいです。

リカレント教育拡充の実現目指す
170704_1.jpg
人づくり革命は、経済財政運営の基本方針(骨太の方針)にも盛り込まれました。幼児教育の早期無償化や、高等教育の負担軽減、社会人が再び学校に通って技能を高める「リカレント教育」の拡充の実現を目指します。具体策は夏に有識者会議を立ち上げて検討しますが、記者会見で、安倍首相は、「これまでの発想にとらわれない人づくり革命を断行する」「家庭の経済事情にかかわらず高等教育をすべての子どもに真に開かれたものにする」と、決意を語りました。

政策としては中長期的なものゆえ...
人材投資は、成長力を高め、格差の是正にもつながりますが、中長期の政策であり、足元の経済を押し上げる即効性は乏しい面もあります。幼児教育の無償化には年1.2兆円が必要ですが、肝心の財源確保も議論はこれからです。小泉進次郎衆院議員が提案する「こども保険」はよい提案だと思いますが、保険料の一部を負担することに経済界は慎重姿勢です。

キャッチフレーズは奏功するか
アベノミクス、成長戦略、一億総活躍社会......。これまでは、キャッチフレーズが支持率の回復に効果をあげてきました。今回はどうなるか。この国の行く末を考えたいと思います。


[2017.7.4]

一時代を築いた老舗ブランド復活
170703_1.jpg
音響・映像機器で一時代を築いた「aiwa(アイワ)」ブランドが復活します。ブランド使用権はソニー(ソニー(株):東京都港区 平井一夫社長)が持っていましたが、それを国内EMS(電子機器の受託製造サービス)企業の十和田オーディオ(十和田オーディオ㈱:秋田県小坂町 蒲生雅一社長)が取得したためです。今秋以降、中国で製造した音楽プレーヤーや4Kテレビなどを売り出します。老舗ブランドを復活させる興味深い試みです。

契約に基づいてロット生産するEMS
EMSは、electronics manufacturing service の略。電子機器の受託生産を行うサービスで、製造業務に特化したいわゆる「下請け」とは異なり、契約に基づき、ロット生産の業務を担います。昨今、生産工程をEMSに託し、自社は製品の設計・開発・宣伝・販売など得意分野に特化する業務形態が世界的に流行しており、今回の動きもその1つです。

日本初のラジカセはアイワから
アイワは、昭和26(1951)年創業で、日本初のラジオ付きカセットテープレコーダーなど新しいオーディオ機器を次々と市場に出したメーカー。平成14(2002)年にソニーが吸収合併。平成20(2008)年にはアイワブランドの生産が終わりました。今回、十和田オーディオは、新会社のアイワでブランド使用権を受け継ぎ、老舗ブランドの復活を目指します。

付加価値次第で大きな価値を生む可能性
販売面では、角田無線電機(角田無線電機㈱:東京都千代田区 益子寿夫社長)グループなどが国内の販売代理店になります。国内の家電量販店などを振り出しに、かつて高いシェアを持っていたアジアや中東でも展開する方針。平成33(2021)年3月期で、国内売上高100億円を目指します。

一時代を築いたブランドには、付加価値の加え方次第で大きな価値を生む可能性があり、アイワは眠らせたままにしておくには惜しい。成功を期待します。


[2017.7.3]

エンジニア、アジアの人材大量採用へ
170701_1.jpg
人材派遣サービスのなかでも、人が集まりにくい職種の1つが「エンジニア」。この分野で、アジアなどの人材の大量採用に踏み切る動きが出ています。国が専門性の高い外国人の呼び込みに積極的なこと。人材会社が外国人技術者を正社員として雇用し、企業に派遣する環境が整ってきたこと。アジアの理系学部出身の大卒技術者で希望者が多いことなどの条件が重なりました。

機械、電機からIT分野にも拡大
国内在住の外国人エンジニアは約5万人。人材派遣会社は、エンジニア派遣の外国人を年間1000人規模で増やす方針です。大手のテンプホールディングス(テンプHD(株):東京都渋谷区 水田正道社長)は、従来の機械や電機などの分野だけでなく、IT(情報技術)分野にも対象を拡大。ベトナムや中国などアジア7か国・地域を対象に、平成29(2017)年度に50人を採用し、6割増の130人規模とします。

一気に増える外国人採用
リクルートホールディングス((株)リクルートHD:東京都千代田区 峰岸真澄社長)は、韓国の2年制の専門大学に独自のカリキュラムの教室を設置しました。今秋の最終試験を経て30人前後を採用し、来春から日本の自動車メーカーの設計部門などに派遣します。中堅のヒューマンホールディングス(ヒューマンHD(株):東京都新宿区 佐藤朋也社長)も、平成28(2016)年度に始めた外国人エンジニア派遣を平成31(2019)年度までに現在の15倍の750人体制とし、タイ、ベトナム、ミャンマーでも採用説明会を開きます。

就労の魅力を増す制度をさらに充実
あらゆるモノがネットにつながる「IoT」は、今後、さらに普及します。需要も増える一方でしょう。しかし、スキルのある人材の獲得競争は世界中に広がっており、日本が提示できる条件が、彼らに常に評価されるとは限りません。永住権の取得のしやすさ、ビザの取りやすさ、給料や休暇制度など、就労の魅力を増す制度をさらに充実させなければなりません。


[2017.7.1]

実質無借金、初めて2000社超える
上場企業の財務体質の改善が進んでいることが、日本経済新聞社の独自集計で分かりました。手元資金が有利子負債より多い「実質無借金」の企業は、平成28(2016)年度末時点で2016社と前年度に比べて60社増え、初めて2000社を超えました。背景にあるのは、企業業績の改善です。今年度も財務体質が改善する企業が広がりそうで、景気浮上のきっかけになるかもしれません。

2016年新たに無借金は142社
日経新聞が、金融などを除く全決算期の上場企業を対象に調べました。各年度の現預金や短期保有の有価証券などの手元資金から、借入金や社債などの有利子負債を引いた「ネットキャッシュ」を算出しました。その結果、平成28(2016)年度に新たに実質無借金に転じたのは142社でした。

上位は建設会社が目立つ
170630_1.jpg
「ネットキャッシュ」を前年度と比較した「改善額」をみると、上位は建設会社が目立ちます。改善額の首位は鹿島(鹿島建設(株):東京都港区 押味至一社長)、2位が長谷工コーポレーション((株)長谷工コーポレーション:東京都港区 辻範明社長)。市況が好調だった化学会社のクラレ((株)クラレ:東京都千代田区 伊藤正明社長)やダイセル((株)ダイセル:大阪府大阪市 札場操社長)なども改善しました。

清水建設は1987年以来初
平成29(2017)年度も、清水建設(清水建設(株):東京都中央区 井上和幸社長)や東ソー(東ソー(株):東京都港区 山本寿宣社長)が実質無借金に転じる見通しです。清水建設は、昭和62(1987)年3月期の連結決算への移行後、初めてのことです。バブル期の不動産開発投資による有利子負債は1兆円超にまで膨らみましたが、今期は約3400億円にまで減りました。ただ、手元資金を必要以上にため込めば、資本効率が悪化して企業体力を弱めます。これだけで楽観はできません。


[2017.6.30]

トルコの製造小売りに70億円以上の投資
170629_1.jpg
総合商社の丸紅(丸紅(株):東京都中央区 國分文也社長)が、欧州向けの衣料品の企画・生産事業に参入します。今年7月、トルコのサイデテキスタイル社(イスタンブール)に45%を出資。投資額は70億~100億円とみられ、丸紅のファッション事業としては過去最大の規模。ファストファッションを手掛ける欧州の製造小売り(SPA)と組むのは初めてです。
 
世界の消費を席けんするSPA
SPAは今や世界の消費を席けんしています。中心はファストファッションです。「ZARA(ザラ)」を主力とするインディテックス(スペイン ガリシア州 パブロ・イスラ・アルバレス・デ・テヘーラCEO)、ヘネス・アンド・マウリッツ(H&M/スウェーデン ストックホルム市 カール・ヨハン・パーソンCEO)、日本では、ユニクロを運営するファーストリテイリング((株)ファーストリテイリング:山口県山口市 柳井正社長)など軒並み好調です。
 
ロンドンを拠点に年間売上高200億円
サイデ社は、欧州大手SPAからシャツやセーターなどの企画・生産を請け負い、年間売上高を約200億円と4年前の2倍に増やした成長株。企画から納入までを約2カ月で終えるノウハウが強みで、ロンドンの拠点で最新の流行をもとに企画を立て、トルコ国内の工場で生産しています。いわば、SPAの"下請け"ですが、丸紅はサイデ社に出資することで、日本の衣料品メーカーへの商品提案力を強化し、製品の国内販売にもつなげたい考えです。

トルコに馴染みのある丸紅
治安や政情が不安ですが、丸紅はトルコで、コマツ((株)小松製作所:東京都港区 大橋徹二社長)の建設機械を販売したり、日清製粉グループ((株)日清製粉グループ本社:東京都千代田区 見目信樹社長)とパスタの製造工場を運営したりしています。テロなどの影響はないという判断なのでしょう。


[2017.6.29]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

2017年7月

            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31