事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


増税後の景気落ち込みは徐々に回復
内閣府が発表した11月の街角景気(景気ウォッチャー)調査によると、現状判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から2.7%上まわり39.4となりました。
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10月の消費増税からの落ち込みは徐々に回復しましたが、戻りは弱く増税前の40台には届かず、項目別で家計同行関連の反発が全体を牽引しました。
キャッシュレス決済でのポイント還元や軽減税率の導入など安倍政権の経済政策が増税の影響を抑えたと考えられます。

景気に敏感な2,000名が対象に調査
内閣府によると街角景気調査は、景気に敏感な小売業や輸送業、タクシー運転手など地域での景気に敏感に観察出来る約2,000名を対象に調査しています。
調査では、消費税率の引き上げで百貨店や家電量販店など増税前の水準には戻っていないものの、駆け込みニーズの反動からは徐々に回復しつつあるとの声が多く聞かれました。
また、スーパーやコンビニエンスストアでは、キャッシュレス決済の利用が進み、売り上げを下支えしているとの意見も聞かれました。

先行きの景気判断は2ケ月連続で上昇
一方、先行き判断DIは前月から2.0%上昇し45.7と10月に続き2ケ月連続で前月を上回り、家計動向関連や雇用動向関連が上昇しています。
増税の反動減から回復が見込まれるなど判断理由として挙げられていますが、海外ニーズの低迷などから企業動向関連は低下しました。
先行き判断については、ポジティブな単語がネガティブな単語を5ケ月ぶりに上回り、「節約」や「不安」に係る単語が減少した一方、「貿易摩擦」に係る単語は高水準が続いています。

米中貿易摩擦が日本経済の課題
内閣府では、先行き判断について海外経済の情勢に対する懸念もある一方、持ち直しへの動きも見られると判断しており、DIは上昇したものの、回復力はまだ弱いとの見方を示しています。
米中の貿易摩擦は、ネガティブな意見が多くを占め、景況感の足を引っ張ることは間違いなく、特に製造業においてはマイナスの影響が顕著化しているのが多く見られます。
今後の米中間の貿易対立が受注量に更なる影響を及ぼす可能性も十分にあります。


[2019.12.13]

自動車メーカー各社はガソリンエンジンからEVへシフト
100年に1度と言われる自動車業界の変革期に、各メーカーともEV(Electric Vehicle:電気自動車)シフトへ大きく流れが移り変わっていますが、排出ガスによる公害、大気汚染など悪玉とされていたディーゼルエンジン搭載の自動車に注目が集まっています。
日本では、平成11年8月に当時の石原都知事が会見において、メディアや都民、事業者に向け「ディーゼルエンジン車NO作戦」を宣言し、ペットボトルに入ったディーゼルエンジン車から排出された有害物質を振り回し「これが毎日体の中に吸い込まれている」と強調しました。

悪玉エンジンがダイムラーやBMW、フォルクスワーゲンで展開
欧州では、かつて乗用車の半分がディーゼルエンジン車でしたが、排ガス問題から各国でディーゼルエンジン車撤廃を発表してきており、日本でも同様に撤廃が表明されてきました。
ただ、EVシフトが叫ばれる中、ディーゼルエンジン車に新たな動きが出てきており、独ダイムラーやBMW、フォルクスワーゲンなどドイツ三大メーカー他、日本ではマツダの新たなディーゼルエンジン車が注目を浴びています。
悪玉のイメージが定着したディーゼルエンジン車は、排ガスが浄化され、燃費性能も向上、EVと共に次世代自動車と位置付けられ、安倍政権においても地球温暖化対策として減税や補助金で支援しています。

ディーゼルエンジン車の販売台数は年々前年超え、過去最高を記録
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日本自動車販売協会連合会によると、今年1月から10月のディーゼルエンジン車の国内での販売台数は、14万8,318台と前年の17万7,272台を超え過去最高を更新する公算が大きくなっています。
平成27年には、独フォルクスワーゲンのディーゼルエンジン車で排ガス規制に不正があり落ち込んだものの、29年、30年と前年を上回る勢いです。
輸入車では、プジョーの「508」やBMWの「7シリーズ」などディーゼルエンジン車が用意され、日本自動車輸入組合によると、今年9月に販売された輸入車のディーゼルエンジン車の割合は30.1%と過去最高を記録しました。
日本の自動車メーカーでは、マツダがディーゼルエンジン車に積極的であり、今年発売された「マツダ3」やSUV(Sport Utility Vehicle:スポーツ用多目的車)の「CX-30」を用意しています。

力強い走りの「クリーンディーゼルエンジン」
ディーゼルエンジン車は、ガソリンエンジン車よりは車両価格が高くなるものの、燃費性能に優れ毎日の通勤や長距離利用者にメリットがあります。
さらに、低速時や坂道を登る際には力強いのも特徴で、マツダによると、マツダのディーゼルエンジン車に乗っていた顧客の約8割が再びマツダ車を選び、そのうち9割近くはディーゼルエンジン車と言います。
現在発売されているディーゼルエンジン車は、厳しい規制に対応した「クリーンディーゼルエンジン」と呼ばれ、環境性能が高まるだけに今後、自動車業界はEVとディーゼルエンジン車の販売台数が注視されます。


[2019.12.10]

安倍政権、財源確保し5〜10兆円を経済対策へ
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安倍政権は、12月上旬にまとめる経済対策で財政支出を10兆円超えとする調整に入り、今年度補正予算と令和2年度予算案に5〜10兆円計上する方針を示しました。
国内の景気の先行きが不透明な中、財政投融資や外国為替資金特別会計なども活用し財源を確保し、大規模な経済対策を通じて国内企業の生産性の向上や個人消費を下支えするとしています。

財政支出は過去最大規模にも
安倍政権内では、10兆円を超える規模とする案が有力になっており、直接の財政支出で10兆円規模超えを要請する声も高まり、今後の協議次第ではさらに規模が膨らむ可能性も出てきました。
経済政策が10兆円となった場合、地方の金融機関や自治体、企業なども一部負担する事になれば事業規模は20兆円を超える見込みで、平成28年度の経済対策は、財政支出13兆5,000億円、事業規模は28兆1,000億円に上り、現段階でその規模に匹敵する経済政策となりそうです。

経済対策は自然災害や建設へ
ただ、一般会計や特別会計で国と地方で支出は約8割に上り、投融資は台風など自然災害の被災を踏まえ、堤防の補強やダムのかさ上げなど治水インフラ対策に重点投資される模様です。
また、超低金利を生かして訪日外国人客の増加ニーズに対応すべく高速道路・滑走路の整備などの建設計画の財源に充てるとしています。
さらに、5G(5th Generation:第5世代移動通信システム)の技術開発や、就職氷河期への支援など単年度では効果が出にくい対策を、あえて複数年に渡り確実に財政支援する方針を示しています。

中小企業、今の380万社から160万社へ淘汰?
大規模経済政策により中小企業への恩恵は受けられるのかどうかが問題であり、「令和40年までに国内中小企業は半分以下の160万社に減らすべき」との中小企業淘汰論を主張した元米ゴールドマン・サックス証券のアナリスト・アトキンソン氏の主張が経済界で「暴論」か「正論」かが問われています。
国内企業の99.7%は中小企業であり、雇用の7割を占め日本の宝とも言えますが、同氏によれば感情でなく倫理とデータを用いて、日本経済の成長率は1%台に留まり、人口減少や生産性の低迷など淘汰されると分析しました。
この主張に、インターネット上では「炎上」より「評価」が得られるなど安倍政権にとってもじっくり議論すべき議題と考えられます。


[2019.12.6]

韓国からの訪日客、前年同月比では過去最大の下落幅
沖縄県は11月26日、今年10月に沖縄を訪れた観光客数を発表し、日韓関係の悪化から韓国からの観光客は前年同月から80.9%減少し約7,900人と、前年同月比では過去最大の下落幅でした。
ただ、沖縄を訪れた観光客全体を見ると85万1,300人と過去最高を記録し、さらに、沖縄県では平成30年度の観光客数が目標としていた1,000万人を超えたと発表しています。
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観光客1,000万人超えはハワイと同水準
豊かな自然に恵まれた沖縄には観光客を惹きつけ、今年6月には大型商業施設を開業しパルコや地元大手スーパーなど約250店舗が出店し、コンビニエンスストアのセブン・イレブンも初めて沖縄県に進出しました。
沖縄への観光客1,000万人超えは、米ハワイ州と並ぶ水準であり、韓国からの訪日客は減少したものの、欧米やアジア富裕層の訪日がこれまでより大きく上回りました。
今年3月には、宮古島の下地島空港ターミナルが開業し、10月には沖縄都市モノレールも延伸、来年3月には那覇空港第2滑走路が併設されるなどインフラ整備も進んでいます。

宮古島、バブルの引き金は伊良部島大橋の開通
特に沖縄県の離島、青い海に白い砂浜、サンゴ礁に囲まれた宮古島では中国や香港、台湾などからのクルーズ船が毎日のように押し寄せ、高級ホテルが相次いでオープンし、不動産価格も年々上昇するなどバブル状態にあります。
宮古島は、沖縄本島から南西に約300Kmに位置し、人口は約5.5万人、年間平均気温が23度と、国内外からも観光客が増加しており、建設ラッシュ状態で、まさに「バブル」と言える好景気です。
「バブル」の引き金になったのは、平成27年1月に開通した伊良部島大橋で、宮古島と3,540mの大橋で、無料で渡れる橋では日本最長です。
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隣国に近い宮古島、防衛を強化
一方、訪日客の急増など隣国に近い宮古島の安全については、防衛省では今年3月に陸上自衛隊駐屯地を開設し、警備隊約380人に加え、来年以降は中国の軍備増強、海洋進出を懸念し、地対空・地対艦ミサイルも配備し、最終的に700〜800人規模に増強する方針です。
宮古島は、数十年前まではサトウキビなど農業中心の島でしたが、国内外からの資本が流入し、観光島と激変の時代を迎え、膨張するバブル経済に家賃高騰など地元民が懸念しているのも事実ですが、訪日外国人客や移住者など引き寄せる島の魅力はどこまで膨張するのか注視されています。


[2019.12.3]

倒産目立つ中小、小規模事業者
令和元年の全国の企業倒産件数が11年ぶりに前年を超える可能性が出てきています。
消費税増税への対応の遅れや、米中貿易戦争、中国経済の停滞、人手不足、自然災害などの影響で、中小企業や小規模事業者の倒産が目立っています。
さらに、少子高齢化や人口減少、過疎化によって地方経済が低迷しており、地銀の不良債権処理費用が急増していることも要因となっています。

第4のメガバンク目指すSBI、地銀数行と資本・業務提携
SBIホールディングスは11月11日、福島銀行と資本、業務提携することを発表し、すでに9月には島根銀行へも出資しており、第4のメガバンクを目指すといいます。
SBIホールディングスは、他にも共同店舗運営するとし、仙台銀行や三重銀行など8行の地銀と提携しており、全国の地銀とネットワーク構想を目指しています。

地銀へ資金支援しやすいよう金融庁、規制緩和の方針
金融庁では、日銀の金融緩和政策で低金利が継続する中、収益悪化が続く地銀に対し、他の地銀が出資など資金支援をしやすいよう規制を緩和する方針です。
関西の関西みらい銀行など地銀3行や、東北の地銀9行でも今年上半期(4月〜9月)が前年同期から収益が減少しており、現在は健全性があるものの、先行き経営リスクの高い地銀の早期支援を促す方針です。

大都市圏の大企業は潤うものの地方企業へは恩恵回らず
東京商工リサーチによると、今年1月〜10月までの倒産件数は前年同期から0.8%増加し6,952件となり、このうち負債額100億円以上の大型倒産はなく、中小企業や小規模事業者の倒産が約8割を占めています。
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業種別では、小売業やサービス業が目立っており、消費増税などにより個人消費に左右される企業の業績悪化が懸念されます。
アベノミクスにより株高や円安など大都市圏の大企業では潤ったものの、特に地方企業への恩恵が未だ回ってきていないのが実態で経済支援策が急がれます。


[2019.11.29]

ノーベル平和賞受賞のユヌス氏が来日
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貧困層を対象に無担保で小口融資するバングラデシュのグラミン銀行の創始者で、平成18年にはノーベル平和賞を受賞したムハマド・ユヌス氏が来日し、東京・千代田区の上智大学や京都などで講演しました。
ユヌス氏は、学生や市民らにグラミン銀行創設の経緯や融資のあり方などについて語り、自らの出発点が金儲けに貪欲な高い金利で貧困層が犠牲になることに心が痛んだと説明しました。

世界で900万人以上に融資、97%は女性
グラミン銀行は、バングラデシュで昭和58年に設立し、これまで世界で900万人以上に融資を行っており、借り手の97%が女性であることを紹介し、借り手の99%は返済することを語りました。
グラミン銀行の融資は無担保ですが、効率良く返済してもらえるように借り手を数人ずつの班に分けて、連帯責任を持ってもらうことで効率的な返済が行われています。

ユヌス氏、京都では高校生と対談
一方、京都府・京都市では、11月16日に「ユヌス氏と語り合う私たちの高校生の未来」と題し、高校生らがユヌス氏に対し、貧困に関する質問を投げかけました。
ユヌス氏は、日本を含め、国はどこかで貧しいタイミングがあり、豊かな国でも貧しい人はいると「貧困は貧しい人が作ったものでない」と指摘し、高校生らも熱の入ったプレゼンを行い、同氏から「いい指摘です」と自身の活動や問題の捉え方をアドバイスしました。

吉本興業の芸人にもアドバイス
また、11月23日には吉本興業の東京本部で「ユヌス・よしもとソーシャルビジネスフェア」が開催され、ユヌス氏は吉本興業の芸人たちが全国で取り組む社会事業にアドバイスなどを送りました。
グラミン銀行というソーシャル・ビジネスを提唱するユヌス氏は、芸人たちに「コメディアンは姿を見るだけで笑うことができる。笑いを生み出すことで社会的な力になる」と激励の言葉を送りました。
吉本興業は、昨春にユヌス氏と提携し、合弁会社を設立し、社会が抱える問題を解決する持続可能な社会事業を推し進めるとしています。


[2019.11.26]

空き家対策、放置すれば2,000万戸まで拡大
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日本は少子高齢化、人口減少傾向が止まらず、全国的に空き家が問題となっていますが、内閣府が進める次世代社会方針である「Society5.0」でも指摘されており、現在国内には846万戸の空き家が存在しています。
今後、この問題を放置すれば15年後には倍以上となる2,000万戸まで拡大する予測で、平成28年現在の国内世帯数5,340世帯を考えると異常とも言える空き家数になることとなります。
空き家が増えることにより、シャッター商店街のように人通り、活気もなく犯罪などの懸念もあり負の連鎖が発生する可能性があります。

知識や情報を共有できる「Society5.0」で空き家解消へ
内閣府が推奨する「Society5.0」とは、これまでの情報社会「Society4.0」において知識や情報が共有されず、異業種などとの連携が不十分であり、溢れる情報から必要な情報を見つけ分析するには負担がありましたが、これを解決するのが「Society5.0」です。
「Society5.0」が実現する社会は、IoT(Internet of Things:モノのインターンネット)で全てのものがインターネットで繋がり、知識や情報も共有され、新たな価値を生み出すことのできる社会を創出します。
AI(Artificial Intelligence:人工知能)により、必要な時に情報が提供され、ロボットや自動走行車などの技術により、少子高齢化や地方の過疎化、貧富格差など課題が克服されます。

国内住宅の7戸に1戸は空き家
総務省の「平成30年住宅・土地統計調査」によると、全国の空き家は846万戸と全国の住宅の7戸に1戸は空き家となる計算になり、増加傾向にあるのが現状です。
空き家による問題点は、住人がいないために急速に老朽化し、庭に草木や害虫も発生、街の景観が損なわれるだけでなくゴミの不法投棄や犯罪の温床にもなります。
この問題から平成27年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法」が施行され、市町村が立ち入り調査を行ったり、勧告や命令、行政代執行措置を取れるように定められましたが実態は追いついていないのが現実です。

中古住宅市場は8兆円規模に
内閣府の「Society5.0」では、中古住宅の流通市場を令和7年までに8兆円に押し上げる目標を立ており、この商機にチャンスと捉える企業も数多くあります。
すでに、中古住宅のマッチングサービスを行う企業では、500社を超える不動産買取企業が集結し、これまでに買取予算額は2,000億円を突破しています。
「空き家=売りづらい」が一般的ですが、「Society5.0」の推進により差別化、付加価値を付加し流通することで空き家問題解消が実現できるか注視されます。


[2019.11.22]

金融危機から10年過ぎ企業業績は回復傾向に
平成20年のリーマン・ショックにより、企業の倒産件数や負債総額は急増し、国内経済でも金融危機が懸念されましたが、近年は、アベノミクス効果か消費刺激策や訪日外国人客数の増加による消費などを追い風に企業成績は徐々に回復してきました。
リーマン・ショックから11年が経過し、安倍政権が生まれ円高や株高などにより大手企業を中心に内部留保が多くなるなど業績は好調に推移しました。
ただ、中小企業にとっては人手不足や後継者難に加え、米中貿易戦争や中国や欧州の経済低迷と課題は依然解消されておらず、楽観視できない状況が続いています。

2期連続で増収増益を果たした企業は全体の3%
帝国データバンクが11月6日発表した「連続増収増益企業」調査によると、約107万3,000社を対象に、2期連続で増収増益を果たした企業は約3万3,000社と全体の3.07%に留まりました。
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過去10年の2期連続増収増益企業の推移を見ると、平成26年度をピークに円安や訪日外国人客数の増加などで約3万7,462社に上りましたが、以降は現資材やエネルギーなど各種コスト負担や、地球温暖化によると考えられる異常気象による自然災害などにより増収増益企業は減少傾向にあります。

増収増益企業、10業種中6業種が建設関連
増収増益企業数を業種別で見ると、建設業がトップで9,946社となり業種細分類別のランキングにおいても、上位10業種中6業種が建設業にランクインしています。
業種細分類別でのトップは土木工事で1,506社と圧倒し、次いでソフト受託開発が980社、貨物輸送が903社、土木建築が715社、管工事が665社、建築工事が654社と、以下、木造工事や内装工事、とび工事など建設業が圧倒しています。
業種別では、製造業や卸売業、小売業、運輸・通信業が上位を占めています。

地域別では大都市圏ほか滋賀県、熊本県、沖縄県も
地域別では、大阪府が3,744社と東京都の3,728社を抜き、愛知県や福岡県など大都市圏も上位を占めましたが、滋賀県や熊本県、沖縄県など地方圏のランクインも目立ちました。
ただ、増収増益企業の出現率が全国平均を上回ったのは11都府県のみに留まりました。
令和2年には、東京オリンピック・パラリンピックが開催され、省力化投資も進む中、国内の経済にプラス材料も多くある中で企業の業績にどのように影響するのか動向が注視されます。


[2019.11.19]

中小企業、後継者不在率は55.6%に
東京商工リサーチは令和元年11月7日、令和元年の「後継者不在率」調査を発表し、中小企業において後継者が決まっていない「後継者不在率」は55.6%と半数以上に上ることが判明しました。
中小企業では、経営者の高齢化や深刻な後継者・人手不足と課題に直面しており、中小企業数の減少が止まらないのが実態です。
総務省の統計によると、中小企業数は、平成11年から平成26年の間に100万社以上が減少しており、令和2年には高齢化の進展から中小企業経営者が数十万人が引退すると予測しています。

情報通信業の後継者不在率は7割超え
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「後継者不在率」を産業別で見ると、情報通信業が74.1%と最も多く、システム開発などIT(Information Technology:情報技術)関連業種がほぼ占めているため、業歴が浅い企業も多く、代表者の年齢も若いことが影響しています。
一方、人手不足が深刻な業種では、小売業が59.3%、建設業が54.9%、運輸業でも52.2%と半数を超えており、全産業10業種全体では平均55.6%と、50%を割った業種は、全10産業中、製造業と農・林・魚・鉱業の2産業だけとなりました。

10年前より国も事業承継支援の政策打ち出すものの・・・
この現状に中小企業の危機的状況を支援すべく安倍政権は様々な施策を打ち出しており、平成20年5月に中小企業の事業承継を支援する「経営承継円滑化法」を制定し、金融支援や事業承継時の税負担の軽減など導入してきました。
この政策に合わせ、事業引き継ぎセンターを全国各所に設置し、中小企業の事業をマッチングさせる民間事業者も支援してきましたが、現状では、予測通りの結果が得られていないとの声も聞かれます。

事業承継できなければ従業員や取引先、外注先にも大きな影響
中小企業において、後継者が決まっていない場合、経営者など急病などで事業承継が困難となるケースも増加しており、従業員や取引先、外注先にも大きな影響を与え、何より日本の技術などが消滅してしまう懸念もあります。
経済産業省中小企業庁では、事業承継税制の拡充や、事業承継診断など承継支援を優先して実施しているものの、生産年齢人口も年々減少し、先行きが不透明な「後継者不在」の企業へ安易な支援は競争力を阻害する可能性も出てきます。
事業承継のための支援、政策も10年以上たち、未だ課題が残っているのが実態で、中小企業の技術力などを引き継ぐ事業承継のあり方が問われます。


[2019.11.15]

国内経済、縮小地域はなし
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日銀が発表した10月分の地域経済報告(さくらレポート)によると、全国9地域の景気の総括判断は、すべてが拡大または回復となり、縮小の地域はありませんでした。
さくらレポートは3ケ月毎に、日銀より発表されますが、前回7月分との比較では北海道が判断を引き下げ、他の8地域は変更ありませんでした。
日銀によると、海外経済の減速の影響が見られるものの、所得から支出への前向きな消費が続いているとしています。

百貨店、スーパーは増税幅が小さく前回増税より影響は縮小
10月は消費税が8%から10%に引き上げられ、消費者購買心理が落ち込むとの懸念もありましたが、百貨店やスーパーでは、駆け込みニーズと反動減は、税率の引き上げが小幅であり、軽減税率やキャッシュレス決済でのポイント還元、プレミアム商品券の発行など前回の増税時より小さく収まったとの声が聞かれました。
北海道でも前回の「緩やかな回復」から「緩やかな拡大」に判断が引き上げられ、公共工事が増加し、訪日外国人客数も伸びたことが下支えとなりました。

帝国データの調査では景気DIは3ケ月ぶりに悪化
一方、株式会社帝国データバンクが全国2万3,731社を対象に10月の景気動向を調査したところ、景気DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)が前月から1.1ポイント減の43.9となり3ケ月ぶりに悪化したことが判明しました。
同社によると、国内景気は設備投資の低調や消費税率の引き上げなど後退する懸念がある中、台風など自然災害が悪影響を及ぼしたとしています。
消費の動向が懸念される中、貿易摩擦や世界経済の減速という懸念も多く不透明感が一層強まっているとしています。

人件費や輸送費高騰が企業には重荷に
景気の先行きは、消費増税の影響とその後の反動などの動向が重要になっていますが、人手不足による人件費や輸送費など企業経営には重荷となります。
製造業を中心に米中貿易摩擦や、戦後最悪の日韓関係と輸出も減少傾向にあり、世界的な金融緩和政策の動向にも注視が必要となっています。
今後の国内景気は、消費動向がカギとなり、貿易摩擦や世界経済の減速と不透明感が一層強まっています。


[2019.11.12]

閉店セール全品50円、従業員700名に解雇通告
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米国発の人気ファストファッションの「フォーエバー21」が10月31日、日本国内の全14店舗を閉店しました。
同社は、事前にtwitter(ツイッター:140文字のコミュニケーション・ツール)で店内の全品を50円と告知するセールを行い、9月末には正社員ら従業員約700名に解雇が予告されました。
「フォーエバー21」は、最新のファッッションを低価格で提供し、平成21年の国内開店時には1,000人以上の行列を作るほどの人気ショップでした。

ファッションは盗用?
「フォーエバー21」は、ファストファッションの典型でしたが、そのファッッションデザインは、考案よりもコピーすることが多くなっていることが消費者からも指摘され、盗用されたブランドからは訴えられ和解に持ち込むことがビジネスモデルになっていました。
米国では、9月29日に米連邦破産法11条の適用を申請し、欧米でも大部分の店舗を閉鎖すると報じられました。
「フォーエバー21」は、国外への進出が過剰とも指摘されながら継続したことにより経営破綻に繋がったとみられます。

米製造工場の賃金は時給540円?
また、「フォーエバー21」は、労働問題にも課題を残しており、米国労働省によると平成28年、米ロサンゼルスにある複数の製造工場を調査したところ賃金は低く設定され、時給はわずか5ドル(約540円)とアジア圏と比較しても低賃金でした。
使い捨てファッションは終焉したとの意見も多く聞かれますが、現在はアマゾンなどEC(Electronic Commerce:インターネット上の電子商取引)サイトで数秒で購入することができ、消費そのものが自宅で自動に手に入れる時代となっています。

ユニクロは日本式ビジネスで海外でも成功に
一方、日本発のファストファッション「ユニクロ」は、今年8月現在の店舗数は、国内817店、海外1,379店と日本のビジネスモデルを成功させた企業とも言えます。
これは、日本式の経営方式を貫き、現地の代理店は通さず、自ら小売りを手がけ、従業員の募集や広告・宣伝など日本式をそのまま海外に持ち込んだと言います。
ファストファッションにおいては、自社の確固たるブランドとノウハウを貫くことが成功の秘訣のようです。

●関連記事:「丸紅:ファストファッション欧州製造小売りとタッグ。トルコに100億円投資」[2017.6.29配信]http://www.h-yagi.jp/00/100_19.html

[2019.11.8]

インフルエンサーの商品、サービス紹介の影響は過大
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動画投稿サイトの「You Tube」などで大きな影響を持つインフルエンサーは、企業や飲食店などの広告塔として商品やサービスを紹介する動画が急増しています。
インフルエンサー自体が、その商品やサービスを使用して気に入り、他にも紹介したいと思い動画で紹介することには問題ないものの、企業や飲食店から報酬を受け取り、広告主を明示せずに商品、サービスを紹介することが中立性を保持できないとして課題となっています。
いわゆる報酬を受け取り「やらせ」の商品、サービスを紹介することに問題がある傾向です。

芸能人、スポーツ選手から一般人の声も影響大
インフルエンサー(Influencer)は、SNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)を活用し、企業や飲食店の商品、サービスを紹介し消費者目線で投稿されるため共感が得られると考えられます。
現在、インターネット上では、SNSを中心としてCGM(Consumer Generated Media:消費者発信メディア)が情報を発信しており、これまで芸能人やモデル、スポーツ選手などがインフルエンサーと捉えられていましたが、SNSの急普及で一般の消費者の影響が大きくなっています。
インフルエンサーは、SNSなどで情報発信し、商品、サービスなど購買など世間に対し大きな影響を与えています。

神田の理容店がSNSで一躍有名に
具体的にインフルエンサーは、ブログなど情報を発信しページビューを獲得する「ブロガー」や、動画配信で人気を得る「ユーチューバー」、写真共有サービスのインスタグラムでのフォロワーを集める「インスタグラマー」が挙げられます。
最近では、ラグビーワールドカップでベスト8になった日本代表選手が、あるSNSを見て東京・神田の理容店を訪れ、口コミにより他の代表選手も来店するようになり、メディアでも大々的に理容店が報じられ、一般客も訪れるという大きな影響力を持ちます。

新たなPR、ステルスマーケティング
企業や飲食店から報酬を得て、発信者の独自の意見のように発信することはステルスマーケティングと呼ばれ、本来はPR・宣伝であることを投稿に記載するよう要請するものの、現状は3〜4割は守られていないのが現状です。
ステルスマーケティングに関しての法律はなく、あくまで社会的、倫理的な問題となっており、インフルエンサーが活発に活動する飲食店や化粧品など、現実に商品、サービスを利用した消費者から「投稿内容と違う」とのクレームの声も多くなっています。
今後、インフルエンサーマーケティングを考えている企業や飲食店など、導入に関しては十分な予備知識が重要となります。


2019.11.5]

売上高は2ケ月連続プラス
日本百貨店協会が10月23日、9月の全国百貨店売上高が5,153億円と、既存店ベースで前年同月から23.1%増加したことがわかり、2ケ月連続のプラスとなりました。
10月からの消費増税を前に、キャシュレス決済の際のポイント還元の対象外である百貨店の駈込みニーズが後押しし、平成24年3月の消費税率5%〜8%に引き上げられた25.4%以来、5年半ぶりに高い伸率を示しました。

商品別売上、高額品の販売が好調
商品別の売上高で見ると、高額な時計やアクセサリーなど「美術・宝飾・貴金属品」が倍増し、家電も82%増、化粧品34%増、衣料品19%増と百貨店ならではの商品の販売が好調でした。
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キャシュレス決済の際のポイント還元は、百貨店ほか、大手スーパーでも対象外となっており、消費者は10%、8%を負担することになり、百貨店でも9月の食料品販売額は1%増に留まりました。

増税後の落ち込みに化粧品で勝負
百貨店各社では10月以降、増税後の落ち込みに対応し、各々のイベントを開催していますが、業績を下支えするのが化粧品の充実となっています。
大丸や松坂屋を傘下に持つJ・フロントリテイリングでは増税以降、伸び悩む婦人服売り場を減らし、成長が見込める化粧品を増やす改革方針を示し、岡山天満屋でも化粧品が2桁成長していることから売り場を3割増床し、訪日外国人客や新ブランドの取扱で集客を狙うとしています。

増税後は15%の反動減
一方、日本百貨店協会によると、10月中旬までの売上高は、台風など自然災害、臨時閉店の影響を除いても約15%ほど減少が見込まれるとしています。
同協会では、駈込みニーズも反動減も前回、前々回の増税同様のレベルと分析しており、増税前の売上高水準に戻るまでには2〜3ケ月かかると分析しています。
消費増税による消費者購買心理の影響あ避けられないものの、様々なイベント・催事など集客に繋げるため、今後、百貨店の活発な動きが継続しそうです。


[2019.11.1]

年金支給額、10年で21兆円増加
メディアによる全国のスーパー約460店の店舗あたりの来店客数と販売金額の調査によると、平成30年に全国10地域のすべてで偶数月の15日の年金支給日がサラリーマンなど給与支払日を上回ったことが判明しました。
平成29年度には、年金支給額は約55兆円と、この20年で約21兆円も増加しており、個人消費の現場では年金を取り込もうと企業も動き出しています。
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年金支給日の偶数月15日、ATMには1.5倍の引き出し
年金支給日の10月15日、東京都江東区のスーパーでは朝早くよりシニア世代が集まり、セブン銀行のATM(Automated Teller Machine:現金自動預け払い機)では、引き出し件数が約300万件と通常日の1.5倍に増加するといいます。
日本の民間企業の多くの給与日は25日で、偶数月の25日から3日間の来店客数を100.0とした場合、15日の年金支給日から3日間を指数化すると平成30年は101.7と10年で1.0ポイント上昇し、全地域で年金支給日が優位となりました。
年金支給日と給与日の差が最も大きかったのは中国地方で105.5と65歳以上の人口比率が3割を超え、年金受給者が多いことが裏付けられます。

スーパーでは年金支給日にシニア層に特典、集客へ
この変化を商機として小売業も様々な施策を打っており、「イオン」では15日に55歳以上が指定クレジットカードで決済すると5%を割引き、「いなげや」も毎月17日にどら焼きを配りシニア層の集客を狙っています。
総務省の家計調査によると、平成20年に世帯主が65歳未満の消費支出額は全体の73%、65歳以上の世帯が27%でしたが、平成30年には差が縮まり65歳未満が63%、65歳以上が37%とシニア層の消費の存在感が高まっています。

サラリーマンの社会保険料率、数年で給与の3割超えに?
サラリーマンなどが加入する健康保険組合では、令和4年度にも医療・介護・年金を合わせた社会保険料率が給与の約3割を超えるとの試算が示されており、勤労世帯において消費に回す余裕が縮小傾向にあり、シニア層の消費が牽引役に変わる可能性も出てきています。
厚生労働省でも10月18日、年金受給年齢をずらすことに伴う年金額の増減額の見直し案も示しており、60歳から受給する場合、65歳より約30%減少する仕組みを24%に引き下げる方針を検討しています。
この案件により、今後、60歳から年金を受給する人が増加する可能性もあり、消費はよりシニア層へ移行する傾向となりそうです。


[2019.10.29]

安倍政権の成長戦略、中小企業の海外進出
安倍政権は、成長戦略において中小企業の海外進出を重要な課題として政策に位置づけており、国や自治体の積極的な支援を追い風に大企業だけでなく、中小企業が一層の海外進出を目指すことが期待されています。
ただ、中小企業にとっては海外現地の情報収集や市場調査、日本との関係などが海外に進出する際のリスクとなっているのも実態です。
帝国データバンクの今年9月の調査によると、調査対象企業2万3,696社中、海外進出について24.7%が直接・間接いづれか海外へ進出していることが判明しました。
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海外進出していない企業、7割超え
海外進出企業を業種別で見ると、「製造業」が39.8%ともっとも多く、「卸売業」が29.5%、「金融業」が27.6%と次ぎ、平均値を上回った一方、海外進出していない企業は72.6%と7割超えとなりました。
また、海外進出する際に相談する相手となったのは、「取引先企業」が38.0%、「公的支援機関」が29.0%、「メインバンク」が26.0%と、現状の事業維持を継続するためにも取引先は重要となっていることがわかります。
現在、海外進出先として生産拠点や販売先とも中国が最も重視している国となっていますが、上位10ケ国中、米国以外はすべてアジア諸国が上位を占めました。

海外進出には邦人確保が必須
国内で事業を営む中小企業や小規模事業者にとって海外進出は、資金面や手続き、時間・手間、言葉の壁などハードルが高くありますが、調査では、「社内人材(邦人)の確保」が45.2%と最も高くなりました。
国内では人材不足が深刻化する中、海外進出において自社の事業内容や現地語・文化・商流などを把握した人材の確保が最も必要とされており、大企業でも50.3%が人材確保を課題としています。
中小企業に比べ、相対的に人材が豊富な大企業においても海外進出に関する際の障害や課題に頭を悩まされている実態が判明しました。

法制度の支援も必要に
中小企業の海外進出には、人材の確保が最大の課題となり、資金面や経営資源の不足などにより海外進出へ一歩が踏み出せない実態も浮き彫りとなり、課題解決に向けて商習慣や法制度などに関する支援も必要となっています。
国内経済の持続的成長を維持するためには、海外市場にも目を向け世界のニーズを取り込むことが重要であり、中小企業が抱える海外進出への課題を解決することが急がれます。
大企業のみならず中小企業へのさらなる海外進出を促す政策が期待されます。


[2019.10.25]

ポイント還元、1日約8億円超え
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経済産業省は10月11日、1日より始まった消費増税によるキャッシュレス決済でのポイント還元が、7日までの1週間で約60億円に上ったことを発表しました。
1日あたりの平均では約8億2,000万円分、還元対象となったキャッシュレス決済額は同約202億円となり、消費増税の消費者への購買心理の低下はある程度防いだ政策とも言えます。
同省では、10月末までには加盟店が10万店増え、61万店になると予測しています。

ポイント還元、中小店で5%、コンビニチェーン加盟店で2%還元
消費増税による景気対策として始まったポイント還元は、一般の中小店ではキャッシュレス決済の場合、支払額の5%、コンビニエンスストアなどチェーン加盟店では2%分を消費者に還元するものです。
安倍政権では、平成31年度予算で確保したポイント分の原資は約1,800億円で、1日8億円ペースで還元されても年度末までに予算を使い切れず予算が余る計算となります。
経済産業省では、加盟店手続きが遅れており今後、増加する事で還元額も増加すると見込んでおり、予算が不足の事態には財務省と検討するとしています。

大手スーパー「ポイント還元がないのは不公平!」
一方、流通大手の「イオン」は10月9日、消費増税に伴うポイント還元について大手スーパーが対象とならないことに、「実質な値引き」と不公平感を述べました。
ポイント還元は、中小の店舗を対象にしており、コンビニエンスストア・チェーン加盟店も2%値引きと強調し、チェーン加盟店は大手チェーンの傘下であり中小ではないとの見解を示しています。
さらに、店舗で購入した食品など店内で飲食するイートイン利用の際には外食同様消費税10%となりますが、現実には会計時の客の申告で税率が適用されることについて、「モラルの崩壊」との批判を述べました。

イートインは10%、持ち帰り8%で駐車場で飲食も
多くのコンビニエンスストアやスーパーでは、イートインの場合は税率10%となり購入時に申告するようポスターを張り出していますが、消費者にとっては消費増税により1円でも安く購入したいのが本音でしょう。
結果、都内のコンビニエンスストアでは、持ち帰りで8%の消費税を払い店の前のスペースや駐車場の車の中で飲食する客が増加しているようです。
店内、イートインコーナーは、これまで1日50〜60人利用されていましたが、現在は5〜6人ほどに減少したといいます。
ポイント還元も期間限定の政策であり、消費増税の先送りと有識者も発言しますが、今後の消費者購入心理の高低が注視されます。


[2019.10.22]

認定10機関から指針取りまとめ
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経済産業省及び総務省は10月8日、「情報信託機能の認定スキームの在り方に関する検討会:取りまとめ(案)」について7月4日までの意見10件を取りまとめ、「情報信託機能の認定に係る指針ver2.0」を公表しました。
同指針は、情報信託機能を提供する「情報銀行」について、消費者個人を起点としたデータの流通や、消費者からの信頼性の確保を重点に作成されています。
指針は、平成30年12月より認定団体において、認定基準や約定の記載事項などから構成されています。

東大発信の情報銀行とは・・
「情報銀行」は、平成30年6月に経済産業省と総務省が「指針V1.0」」を公開し、その後、日本IT(Information Technology:情報技術)団体連盟による「情報銀行」の認定事業が始まり、メディアでも大きく取り上げられ、産業界でも関心が高まってきています。
「情報銀行」というワードは、平成22年頃に東京大学の教授が研究会で提唱した概念で、個人とのデータ活用に基づく契約を締結し、保有データの集約を含め、個人が自らの意思でデータを蓄積・管理するための仕組みであるPDS(Personal Data Store)を活用し、あらかじめ個人の条件に基づいたデータを第三者へ提供することです。

GAFA・リクナビ、個人同意なく情報販売
日本での「情報銀行」は、消費者が同意した情報しか企業などに提供されない指針であり、GAFA(Google:グーグル、Apple:アップル、Facebook:フェースブック、Amazon:アマゾン)や、就職情報サイトのリクナビによる内定辞退率の無断販売問題などは、情報提供への不信感を募らせるだけで消費者としても納得できないことも多く報告されています。
個人データの流通や利活用はの整備は、課題でもあり、安倍政権の第4次産業革命ビジョン「Society 5.0」の中核と位置付けられています。

投資信託のように信頼できるマネージャーへ情報管理を
日本は今後もIT化、デジタル化が急速に進むなか、個人が自らのデータを管理するのは処理的に不可能となってきており、個人にとって信頼できるエージェントが必要となってきます。
投資信託などでは、ファンドマネージャーが市場を精査しながら銘柄を切り替えていくように、「情報銀行」もそのようなエージェント機能を持つ仕事が求められるようになっています。
ビジネスとして「情報銀行」がどの程度の利益になるかは、GAFAのような巨大ネット企業を見れば理解できるはずです。


[2019.10.18]

輸出低迷で4ケ月ぶりに「悪化」
内閣府が10月7日発表した8月の景気動向指数によると、国内景気の基調判断が海外ニーズの低迷で製造業など減速したことから4ケ月ぶりに「悪化」となりました。
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米中貿易戦争が日本にも大きく影響しており、日本の製造業の半導体部品などの生産や出荷が、組み立て作業を行う中国輸出が減少し下押し要因となっています。
農林中金総合研究所では、国内景気は平成30年秋にピークを迎えた後、輸出減少で後退局面入りしていると予測していました。

景気の先行き、経団連も「先が読みにくい」
日本の景気の数ケ月先を映すとされる先行指数では、前月から2.0ポイント低下し、91.7と約10年ぶりの低水準となり、経団連でも10月7日の会見で「先が読みにくい難しい局面だ」と述べてます。
海外ニーズの不振による生産の停滞は、これまで堅調だった雇用にも大きく影響してきており、8月の新規求人数は前年同月から6%近く減少、特に製造業では15.9%減少と落ち込みが大きく、減少も7ケ月連続と減少傾向が目立ちます。

消費増税対策、軽減税率、ポイント還元、商品券発行で消費者心理改善なるか
10月1日より消費税が引上げられ、安倍政権では軽減税率の導入やキャッシュレス決済でのポイント還元、プレミアム付商品券の発行など増税後の消費低迷を下支えする施策を打ち出しましたが、消費者心理は悪化が続いているのが実態です。
一方、財務省が10月8日発表した8月の国際収支によると、海外とのモノやサービス、投資などの取引状況を示す経常収支は2兆1,577億円の2ケ月ぶりに黒字となりました。
この中でも旅行収支は、1,518億円の黒字で8月としては過去最高となりました。

韓国からの訪日客が減少したものの、1人当たりの消費額増加で黒字に
戦後最悪となった日韓関係により韓国からの訪日客は、前年同月から48%減少したものの、1人当たりの国内で消費する消費額が上がり黒字となりました。
また、米中貿易戦争により、製造業では輸出が減少していますが、原油安などの影響が大きく輸入がそれ以上に減少したことも黒字に繋がっています。
今後、国内景気の回復軌道を取り戻すには、米中貿易戦争による輸出停滞の持ち直しや、消費増税後の国内消費の早期回復が期待されます。


[2019.10.15]

地銀103行中、69行が不動産融資増加
地銀による、アパートやマンションなど投資用不動産向けの融資残高が拡大しており、メディアでは地銀103行のうち不動産向け融資残高が増加した地銀は59行と6割近くに上っています。
投資用不動産向け融資は、スルガ銀行が組織的な不正融資を行い社会的問題となり、地銀の多くでも不動産向け融資には慎重姿勢を強めていましたが、経営環境が厳しい中、収益が上がりやすい不動産向け融資に頼る地銀の戦略が浮き彫りとなっています。

不動産融資、大手行は減少、地銀は増加
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全国銀行協会によると、国内銀行からの不動産向け融資残高は、今年7月末時点で22兆7,797億円と前年同月から0.6%減少したものの、大手銀行が3%減だったのに対し、全体の7割を占める地銀は1%増と対照的な結果となりました。
地銀にとっては、不動産向け融資の拡大は、日本が人口減少になり、日銀のマイナス金利政策も持続されている中で数少ない収益の確保となり、融資額もおおよそ1億円規模と高額になりやすいことが要因となっています。
老後の生活費や節税対策として、副収入を得たい土地所有者やサラリーマンなど借り入れニーズは高くなっています。

スルガ銀の二の舞?融資審査の見直しが課題
地銀にとっては投資用の不動産向け融資は、融資自体に問題はなく、担保も手堅く融資を伸ばせるメリットがあるものの、不動産会社などから持ち込まれる案件にはずさんなものも少なくなく、融資審査の見直しなどの構築が課題となっています。
金融庁では、地銀の事業モデルについて、融資やコンサルティングにより地元の中小企業の成長を支援する地域密着型金融を地銀に要請しているものの、収益化には時間や手間がかかるため、不動産向け融資が依然として魅力的な商品となっています。

人口減少、マイナス金利が大きな痛手
日本は人口減少、マイナス金利政策などにより地銀は、地域において不動産や中小企業向け融資の貸し出しや手数料のニーズの減少が見込まれており、将来的な見通しも厳しくなる可能性があります。
金融庁では令和元年度の金融行政方針で、銀行法改正や監督指針の改正により地銀の経営改革を促すとしましたが、日本総人口は平成20年をピークに減少に転じ、地域経済の規模も縮小傾向、労働力不足も顕著の中、法改正により、改善が望めるか注視されます。


[2019.10.11]

IT・通信業界の求人倍率10倍に
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人材サービスを手掛ける パーソルキャリア株式会社が発表した8月の中途採用の求人倍率は、2.79倍となり、前月から0.31ポイント上昇しました。
職種別では、IT(Information Technology:情報技術)や通信関連が10.83倍、建築・土木が6.04倍と平成26年4月以来最高を更新しました。
求人が旺盛である一方で、転職希望者が横ばいのため、求人倍率は高止まりをしている状況です。

年功序列、終身雇用が崩れ自動車業界で中途採用拡大へ
全体の求人数は前年同月から9.6%上昇し前月からも0.5%減少しており、求職者数は前年同月から上昇するものの、前月から11.5%落ち込んだため、求人倍率が上昇しています。
年功序列や終身雇用などが日本企業から崩れていく中、自動車業界でも中途採用を拡大する動きが拡大してきています。
トヨタ自動車は、令和元年度に総合職の採用に占める中途採用の割合を前年度の1割から3割に引き上げ、中長期的には5割にする計画で、ホンダも採用全体の約4割にあたる約660人を中途採用に当てる方針です。

即戦力が必要、IT・AI専門知識のある人材が必要
就職活動において日本の自動車業界は、花形とも呼ばれてきましたが、これまでのように若手技術者を育成する時間の余裕がないほか、外資系のIT企業に比べ待遇面でも見劣りするため優秀な人材が集まりにくくなっているのが現状です。
自動車業界においては、自動運転や電動化などこれまでにない次世代技術の開発競争に勝ち残るために、即戦力となるITやAI(Artificial Intelligence:人工知能)など専門知識のある人材を中心に確保する必要があるようです。

中途採用、今後はプロフェッショナルな人材が必要
安倍政権の「働き方改革」によって「実績に応じ評価する」ことが浸透し始め、成果主義を強め、柔軟に給与面で処遇する方針が崩れています。
トヨタ自動車のトヨタ社長は「終身雇用は難しい」と訴え、経団連加盟企業でも同様の意見が聞こえる中、今後は企業の魅力をアピールするだけでなく、プロフェッショナルな人材を確保することが重要視されています。


[2019.10.8]
事業再生

セントラル総合研究所
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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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