事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

八木宏之の時事ウォッチ


掛け金は非課税、将来の老後資金に若年層の加入が増加
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国民年金基金連合は8月15日、、8月中にも積み立てた掛け金を投資信託などで私的に運用するiDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)の加入数が100万人を超える見込みを発表しました。
iDeCoは、掛け金の全額が課税対象外となるため、所得税などを節税できるメリットがあり、何より将来的年金への不信もあるとみられ、若年層の加入も増加しています。

加入対象者を拡大、月数千から3万人へ増大
iDeCo加入者は、これまで月に数千人規模でしたが、昨年1月の制度改正によって、加入できる対象者が拡大し、これまで自営業者や企業年金のない企業の社員、主婦ら含め20歳〜60歳まで加入できるようになり、現在は月3万人がiDeCoに加入しています。
安倍政権は「人生100年」を推奨し、企業の退職年齢は「60歳から65歳、70歳」へと模索しており、若年層にとっても将来の老後生活が予測もできないでしょう。

節税枠を有効に利用するには若いほど有利
iDeCoの積立金は、自営業であれば年間約80万円まで投資でき、会社員は年間30万円まで、公務員はさらに少なくなります。
節税枠を有効に利用するのであれば年齢が若いほど有利となりますが、40代〜50代からの加入では、老後の蓄えには不十分です。
来年10月には消費税が2%引き上げられますが、国の借金は1,000兆円を超え、消費税増税だけではカバーできないのも国民にも十分理解されているでしょう。

加入対象6,500万人に加入者はわずか100万人
日銀の異次元金融緩和で金利は住宅ローンなど変動型ではおおよそ0.5%が続く中、銀行など金融機関に預けても利子は数円から数十円が実態でしょう。
iDeCoは、60歳まで解約できないため、金融機関にとっては顧客との長期取引が魅力となり、金融機関では、独自のサービスや手数料無料など競合状態です。
iDeCoは、20歳〜60歳の現役世代、約6,500万人が対象となっておりますが、まだまだ未加入者は多く、来年夏からはiDeCo商品説明も解禁するため、金融機関同士の顧客獲得競争がさらに加速すると予測できます。


[2018.8.20]

中小経営者、5割が「自分の代で廃業」
日本に存在する企業は、約380万社で、このうちの99.7%が中小企業や小規模事業者、自営業者であり、超高齢化社会を迎え、中小企業などの経営者も高齢化、後継者が見つからないという深刻な問題を抱えています。
平成28年2月に日本政策金融公庫が発表した「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」によると、約5割の中小企業経営者が自分の代で事業を廃業すると答えました。
これは200万社近い中小企業が、なくなるわけであり、大企業にとっても大きな問題となってきます。「ものづくり日本」を支えてきたのは小さな企業のネジ1つの製造で大企業を支えた中小企業も多くあります。

2025年には650万人の雇用喪失
平成29年秋に経済産業省中小企業庁が出した試算によると、現状を放置すると中小企業などの廃業急増で2025年までに約650万人の雇用、約22兆円のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)が失なわれる可能性があると公表しました。
しかも、休廃業・解散企業の約5割が黒字経営であることにも触れ、地方経済の再生や発展には、事業承継問題の解消が必要であり、安倍政権の「地方創生」がこの深刻な問題を解消できるか、残された時間も少なく、中小企業支援に取り組んでいます。

後継者、外部からの受け入れが増加
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後継者不足を解消するには、後継者を外部から受け入れるか、自社で育成するかの2つに限られてきます。
事業承継といえば、長男に継がせることがこれまでの日本文化でしたが、急速なグローバル化により、海外企業からのM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)も増加傾向にあります。
中外製薬やエスエス製薬、シャープ、西友、日産自動車、三菱ふそうトラックなど大企業であっても生き残りのためM&Aを受け入れ、外資系企業となりました。
経済産業省によると平成29年時点で日本国内には5,662社の外資系企業が存在していると公表しています。

特例措置で、贈与税、相続税、実質ゼロへ
一方、長男や役員などに事業承継させようとすると、社内外での育成や全事業部での経験、取引先などとの交流など時間がかかります。
また、負債が残っていれば負債も承継することとなり、マイナスからのスタートとなり、円滑には進みません。
安倍政権は、平成30年からこれまでの事業承継税制に加え、10年間の特例措置も創設し、納税猶予の割合も撤廃されます。
特例措置は、対象株式数の上限もなく、猶予割合も100%に拡大、事業承継の贈与税、相続税の負担が実質ゼロとなるなど、事業承継にっては得策と言えるでしょう。


[2018.8.17]

国交相、平成29年度下半期の住宅瑕疵担保履行法実績を発表
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国土交通省は8月9日、住宅瑕疵担保履行法について、昨年10月1日〜今年3月31日までの実施状況を公表しました。
同期間に引渡しのあった新築住宅は、49万6,378戸で内訳を見ると建設会社からの引渡しが34万4,829戸、宅地建物と取引業者からは15万1,549戸ありました。
建設会社が引渡した新築住宅のうち、保証金を供託したのは16万7,662戸で全体の48.6%。このうち供託のみを選択した事業者は115事業はと全体の0.5%、保険加入のみが2万1,052戸と同99.2%に上り、供託と保険を併用した事業者は41業者で同0.2%でした。

住宅の欠陥を保証、法整備
住宅瑕疵担保履行法は、平成21年10月に施行され、新築マンションや建売住宅、注文住宅の販売事業者へ国土交通省は資力確保措置を義務付けました。
これは、施行日以降に売主となる建設業者や宅地建物取引業者は、供託や保険加入の加入措置を取らされることになります。
新築住宅は、構造耐力上、主要な部分や雨水の侵入を防止する部分に10年間の瑕疵担保責任が規定されており、事業者の倒産などでこの責任が履行されないこともあり、住宅瑕疵担保履行法で資力確保措置を義務づけ、消費者保護を図りました。

法整備から10年、変わる住宅環境に法見直しも
また、住宅瑕疵担保責任保険に加入した事業者は、瑕疵が生じ事業者が補修した場合には事業者に保険金が支払え、事業者が倒産した場合などは住宅所有者に保険金が払われます。
供託の場合でも、同様に、事業者が倒産し、補修できない場合には、住宅保有者が供託所に対し、補修費用を請求することができます。
日本は人口減少、超高齢化社会を迎え、空き家問題など課題を抱えており、住宅瑕疵担保履行法、施行10年を来年迎え、国土交通省では見直しも検討しています。

住宅瑕疵担保責任保険の加入が増加
国土交通省では、住宅瑕疵担保履行法の完全施行から来年10年に当たるため、検討会を設置。同検討会では、住宅瑕疵担保責任保険の申し込みが増加していることが示され、要因として住宅ローン減税の措置が要件の1つになっていることがわかりました。
同検討会では、既存の住宅の流通やリフォーム市場の拡大に、各種の政策を横断的に検討し見直すべき点を把握し、現代にニーズに合った住宅瑕疵担保履行法の改正に向けた検討をしていくとしています。
日本は所有者不明の空き家問題、耕作農地など狭い国ながら十分利用価値のある土地は残っており、有効活用によって地域の活性化が期待されます。


[2018.8/15]

安倍政権の目標、自給率45%へ
農林水産省は8月8日、平成29年度の食料自給率(カロリーベース)が前年度同様38%に留まったことを発表、過去2番目に低い水準が2年続きました。
世界的な異常気象で、小麦などの生産は落ち込み、コメの消費も減少、米国や豪州からの牛肉輸入が増加しました。
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安倍政権は、2025年度までには食料自給率を45%にする目標を立てていますが、平成20年7月に北海道洞爺湖で行われたG8サミット(先進国首脳会合)でも食料価格が高騰し問題となり、食料安全保障について声明を発表したものの、実態は変わらず目標達成にはハードルが高くなっています。

食糧危機の国も多国に
米国では、シェールガスの開発が急速に進む代わりに農地が転用されトウモロコシなどの穀物の生産が急減し、穀物不足状態になっています。
このような傾向が世界中に波及し、インドやバングラデシュ、アフリカなど食物がない状況に近い状態となっています。
グローバル化が急速に進み、日々、エネルギー源は確保することが日本にとって重要であり、食料自給率の問題は予てからの課題でした。
日本は、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)加盟や米国とのFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)など、言われる通りにされれば食料自給率にも大きく影響が出ます。

農水省、農業支援も先祖代々の農業者の協力なしでは・・
日本は、今後人口減少に向かってニーズは減るものの、農業が生き残るためには利益を出し儲かる事業に変革しなければなりません。
現在、農林水産省の支援もあり、農林水産業の集約、法人化、生産物の差別化、IT(Information Technology:情報技術)化など支援していますが、元になるノウハウは先祖代々引き継いできたのは農林水産業者です。
人口減少とともに、人口は都心に集約され安倍政権が目指す「地方創生」に効果的な施策がなければ潜在的な農業の生産は減少するだけになります。

日本の食料自給率、先進国の中で最低レベル
日本の食料自給率は、先進国の中でも最低レベルであり、内閣府の平成28年「食料供給に関する特別世論調査」によると、国民の約8割が「不安がある」と回答。国内での生産低下が懸念された結果です。
米中貿易戦争を見ても、両国の輸出入に関して関税を引き上げ続け、日本にも影響がないわけではありません。
スーパーの輸入野菜、食肉、魚が2倍の価格になってもおかしくない時代、農林水産省でも必要性をPRし意識改革を促してきましたが、自由貿易を進めるべきとの声も多くあります。
「農なき国は食なき民」と極端な政策を選択すれば飢餓にも陥ることになることも考えておかなければなりません。


[2018.8.13]

中国、産業都市の煙台と福岡便を認可
国土交通省航空局は8月6日、中国聯合航空有限公司が申請していた中国聯合航空の外国人国際航空運送事業の日本乗り入れを認可しました。
中国聯合航空は、8月15日から福岡・(中国)煙台(えんたい)間を週2便就航し、機種はボーイング727の180席を使用します。
中国の煙台市は、山東省にある最大の漁港がある街で、対外的に経済が解放された沿岸都市です。また、産業都市としても急発展しており、環境や景観、投資環境の良さが中国でもトップクラスと言います。

訪日客、中国がトップ、6月は76万人、前年同月比3割アップ
福岡・煙台間の飛行時間は2時間10分から30分と近く、中国聯合航空は平成29年12月27日にチャーター便を就航した実績もあり、さらなる中国からの訪日が期待されています。
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日本政府観光局によると、今年6月の訪日外国人客数を見ると、最も多いのは中国で76万900人と前年同月から29.6%も増加しています。
次いで韓国の60万6,100人と同6.5%増、台湾の45万6,900人の同5.4%増。香港が20万5,5000人と同1.8%増と、中国の伸びが一際目立っています。
ただ、訪日数では10万人には届かないものの、インドネシアは前年同月から46.4%増、タイが同42.2%増、ベトナムが同34.9%増と大きく伸びています。

タイやベトナムのLCCにも日本乗り入れ認可
国土交通省航空局では、すでに今年4月20日にはタイを拠点にするLCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)のノックスクートから申請を受けていた外国人国際航空運送事業の経営許可について認可し、6月1日から成田・バンコク間を毎日就航しています。
さらに同局は5月7日には、ベトナムのLCCベトジェットが申請していた外国人国際航空運送事業についても経営許可を認可。6月24日より関西・ハノイ間を毎日就航しています。
まさしく最後の平成開国事業とも言え、観光産業には明るい話題となっています。

平成30年、訪日外国人客数3,000万人も現実的に
日本政府観光局によると、今年上半期(1月〜6月)の訪日外国人客数は、前年同月比15.6%増の1,589万9,000人と20の主要国・地域で過去最高を記録。今年は昨年の2,869万人を超え、年間3,000万人訪日が現実的となりました。
安倍政権が目指す「観光立国・日本」、2020年に訪日外国人客数4,000万人、消費額8兆円という高い目標も不可能ではなくなってきました。
これまで、ビザ(査証)の大幅緩和や消費税免税制度拡大など、これまでにない縦割りを破り改革した成果ともいえ、より日本の「文化」や「食」、「自然」、「季節」の魅力PRが期待されます。


[2018.8.10]

西日本豪雨で被災企業活動停滞も、異常な猛暑で消費者心理改善
帝国データバンクは8月3日、「TDB景気動向調査(全国」」7月調査を発表。国内景気は4ケ月ぶりに改善、猛暑が消費を刺激したと発表しました。
今年7月の景気DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、前月から0.5ポイント増の49.5と改善し、西日本を中心に台風や集中豪雨で被災地の企業活動を停滞させたものの、異常な猛暑や上昇した賞与で消費者心理も改善されました。
今後は、輸出や企業の設備投資が堅調に国内景気を下支えし、災害からの復興ニーズが現れてくるとみられますが、米中の貿易摩擦や原油高による影響が懸念されます。

大企業、中小企業、小規模事業者、揃って4ケ月ぶりに改善
企業の規模別で見ると、大企業や中小企業、小規模事業者全てが前月からポイントが上がり、4ケ月ぶりに揃って改善しました。
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大企業は、訪日外国人客ニーズで免税店などが好調で「小売業」が改善。東京オリンピック・パラリンピックや災害復旧ニーズ、活発な宿泊施設など「建設業」が牽引しました。
中小企業では、夏物商材の物流が活発化したことで「運輸・倉庫業」が大きく改善し、貸金業や損害保険など「金融業」が3ケ月ぶりに景気DI50台を回復しました。
小規模事業者は、好調な「建設業」や「産業機械業」を得意先とする鉄鋼や非鉄、興業製品、化学品など「卸業」が牽引しました。

夏物商材の活発な動きで輸送業が大幅に改善
業種別では、「運輸・倉庫業」の景気DIは50.3と3ケ月ぶりに50台を回復しました。
西日本を中心に台風や集中豪雨の停滞で被災地での物流網が寸断され、さらに燃料価格の上昇でマイナス要因があったものの、異常な猛暑となり夏物商材などの動きが活発化し貨物自動車運送が大きく改善しました。
夏の行楽シーズンや訪日外国人客ニーズも追い風となって乗用旅客自動車運送などの景況感も改善しました。
猛暑のため、夏物商材が前年から大幅に上回り、主要コンテナ貨物の輸出入の取り使い量も増え、インターネット通販、お中元の荷物など配送業も牽引しています。

猛暑による農水産物の価格が懸念
先行きに関しては、継続的、安定的に「運輸・倉庫業」や「梱包業」、「建設業」はじめ、ニーズはあると見込んでおり、港湾運送も堅調に伸びると予測する一方、猛暑による農水産物の出荷額が安定せずに先行きは不透明な部分もあります。
原油価格の上昇で、燃料費も上昇、さらに人手不足による人件費の高騰と不安要素も残っています。
ただ、全10業種中、8業種が改善、悪化したのは2業種にとどまり、地域別でも10地域中9地域が改善するなど連日の猛暑の影響が左右した結果となりました。
この先の原油価格や貿易戦争に、いつ起きてもおかしくない異常気象による災害が懸念されます。


[2018.8.8]

8月1日から無担保CLO募集
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政府系の金融機関・日本政策金融公庫、中小企業事業は、地域の活性化を牽引する中小企業へ無担保資金を円滑に供給するため、8月1日より地域の金融機関を通じてCLO(Collateralized Loan Obligation:貸付債権担保証券)ローンの募集を開始しました。
日本政策金融公庫は、当時の中小企業金融公庫が平成16年より中小企業向けに無担保資金の円滑な供給を目的に証券化支援業務を開始して以来、CLOの組成を行なってきました。
今回のCLOローンの募集は、ここ数年の市場環境を見据え、4年連続での実施となります。

CLO、SPCを利用し証券化
CLOは、金融機関などが保有するローンや社債などを、資産流動化法に基づいて設立されるSPC(Special Purpose Company:特別目的会社)などを利用し、流動化・証券化する仕組みで、その際に発行される証券を指します。
まず、今回のCLOに参加する山形銀行など4行の地銀と西武信用金庫など12の信金、長野県信用組合など17の金融機関が信託銀行へ債権を譲渡し、譲渡代金を得ます。
信託銀行は、信託受益権をSPCに渡し、SPCは証券化して市場に売り出します。投資家は金融機関債権に対して投資するため、金融機関が得る金利が投資家に配当される仕組みです。
参加金融機関によってローンの募集条件が異なりますので確認が必要です。

日本政策金融公庫、積極的な融資活動
日本政策金融公庫では、平成29年度より積極的な融資を実施しており、安倍政権が掲げる女性活躍の推進などで「社会的課題の解決を目的とする事業者向け」融資では、前年度から552%増の142億円を融資、融資件数も48%増加しました。
また、今年5月から7月にかけ西日本を中心とした豪雨により被災した中小企業、小規模事業者に対し、7月4日付で「災害復旧貸付」を開始し、金利は通常より0.9%引き下げ、特別措置の取り扱いを開始しています。
安倍首相は、7月16日には中小企業や小規模事業者に対し「債務返済を猶予」、農林漁業者に対しては融資を「5年間無利子」と断言しました。

CLO市場、昨年の2倍の規模に
日本政策金融公庫は、国の施策に基づく政府系の金融機関として今後も証券化手法を活用し、地域の金融機関によって中小企業、小規模事業者へ無担保資金の供給を円滑化するとともに、中小企業CLO市場の整備を行っていくとしています。
世界の金融市場・動向・情報を提供する米ブルームバーグ社は、CLOの発行は商業用不動産も含めれば今年は昨年の約2倍の約200億ドル(約2兆2,400億円)規模になると予測しており、リーマン・ショック前年の平成19年以来の高水準となります。
今回のCLOローン募集締め切りは、今年12月28日までですが、現在地域の17の金融機関が参加していますが、新たな地域での参加で地域の中小企業を安定させることが地域の活性化にも繋がるため新たな金融機関の参加が期待されます。


[2018.8.6]

人手確保に正社員での募集が増加
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厚生労働省は7月31日、6月の有効求人倍率が1.62倍で前月から0.02ポイント上昇したことを発表。44年ぶりの高水準が続いており、深刻な人手不足から正社員での求人が増加しています。
有効求人倍率は、全国のハローワークで仕事を求める一人につき、企業から何件の求人があるかを示す数値で、6月は求職者が減少した一方で企業からの求人数は増加したものです。
有効求人倍率が1.6倍となったのは2ケ月連続で昭和49年1月以来です。

景気回復?5年で労働力人口245万人増加
安倍政権に代わった平成25年1月の労働力人口は6,576万人でしたが、今年5月では6,821万人と約5年で245万も労働力人口は増えました。
景気が改善傾向に向かうと、これまで労働する気力のない非労働力人口から働こうとする労働力人口へシフトされ、労働力人口が増加します。
経済が活性化すると、労働力人口が必要となり就業者数も増加し、同時期で見ると就業者数は376万人増加しています。

有効求人倍率上昇で、完全失業率も上昇?
一方、総務省によると6月の完全失業率は2.4&%と0.2%上昇しましたが、同省では、より良い条件の職場を求め転職する人が増加したためで、雇用情勢は改善基調を維持していると分析しています。
失業率の上昇は4ケ月ぶりで、同省では、自己都合による離職者が7万人増加した影響が大きいと見ています。
ただ、6月の就業者は、前月から41万人減少し6,632万人で、完全失業者は同15万人増加し166万人。非労働力人口も同30万人増加し4,300万人となり結果、完全失業率が上昇したとも考えられます。

建設業、10社募集しても1人しか見つからない
「人手不足」は企業にとって深刻な問題ですが、逆に「人余り」企業もあり、業種によって大きく異なってきます。
厚生労働省では毎月、「一般職業紹介状況」を発表しており、平成29年平均の全58業種の求人倍率のランキングでは、最も高いのは建設・解体業の9.62倍で、特に型枠大工やとび工、鉄筋工などが不足しており、10社が募集しても1人しか応募者が見つからないという状況です。
次いで保安業で建設ラッシュの影響で警備員などが不足し6.89倍と高く、慢性的な人手不足の医療・福祉業も6.73倍と深刻です。
安倍政権は、従来の方針を転換し、単純労働に従事する外国人労働者を受け入れる政策を公表。上限5年で受け入れ、一定の試験にパスすれば永住と家族の帯同を認めると、人手不足には望まれる政策ですが、文化の異なる日本で外国人増加によるトラブルも懸念されます。


[2018.8.3]

莫大なデータを融資に繋げる「データエコノミー」
インターネット上の膨大なデータを経済活動に繋げる「データエコノミー」が融資のあり方を変えようとしています。
これまで中小企業などへの運転資金や設備投資資金などの融資は、メガバンクや地銀、第二地銀、信金などがその役目を果たしてきましたが、インターネットの急普及によりジャパンネット銀行やソニー銀行、セブン銀行、イオン銀行などが金融事業に参入してきています。
すでに米国では、FinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)を活用したサービスが提供されており、日本が後を追っている構図になっています。

ネット通販の莫大なデータを分析、融資実行
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日本では、インターネット通販大手の楽天などIT(Information Technology:情報技術)企業が、銀行を経由せずに直接融資をするサービスが始まっており、日々の売上や決済状況、口コミなどの莫大なデータから信用力を判断し、楽手市場へ出店する企業などに融資を始め、初回を除けば手続きは数分で完了し融資されます。
このような既存の金融機関を中抜きし、直接融資する動きは現実的になってきており、楽天グループの営業利益の5割近くが金融事業が稼ぎ出しています。

先行する米アマゾンは、6年前から融資開始
同様にヤフーでも、「Yahoo!ジャパン」出店事業者向けに、出資先であるジャパンネット銀行から限度額1,000万円の融資を開始しています。
IT企業からの融資は、米アマゾンが平成24年に出店事業者向けに融資を始め、26年からは日本でも同様のサービスを始めたことによるものです。
いづれも既存の金融機関に比べ決算書や事業計画書などは必要なく、、顧客の売上や客単価、購入頻度など莫大なデータがAI(Artificial Intelligence:人工知能)利用でリアルタイムで処理するため、融資の審査期間も短く、既存銀行で断られた企業が融資された例も多くあります。

これまでの実績は世界で約41兆円、4年後には約107兆円に拡大予測
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莫大なデータを活用し金融機関を経由せず融資することを世界的には「オルタナティブ・レンディング(代替融資)」と呼ばれ、平成29年の世界での取引規模は3,800億ドル(約41兆8,000億円)に達し、ドイツの調査会社・スタティスタ社によると、2022年には現在の2.6倍の9,780億ドル(約107兆5,800億円)に拡大すると予測しています。
「オルタナティブ・レンディング」は、歴史も浅く信用力の見極めがどこまで正確かは未知数な部分も残りますが、既存の銀行が大企業の融資に偏る日本特有の解消へ向かうのであれば、中小企業や小規模事業者などの成長を支援し起業を活発化させる可能性も大きくあります。


[2018.8.1]

賃貸アパート・マンション建築急増
住宅ローンを取り扱う住宅金融支援機構(旧日本公庫)は、今年度よりアパートやマンションなど賃貸住宅向けの融資基準を厳しくする方針を示しました。
これは、相続税対策や老後の生活資金、不動産投資として賃貸住宅などを不動産業者などが一括で借り上げ、家賃も業者が一括でオーナーに支払うサブリース契約による賃貸物件が異常に増加しています。
少子化や超高齢化社会、人口減少にある日本で将来的に空室の増加によって、家賃が引き下げられたり回収できず、オーナーの建築費用など融資が返済できなくなる可能性が高くなった対応とみられます。
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現実に、ある賃貸住宅メーカーに薦められ、親から譲り受けた土地に、民間金融機関から融資を受け、賃貸アパートを建てたものの、当初の5年間は契約通りの賃貸収入があったものの、6年目以降は空室が目立ち、家賃引き下げかサブリース契約解約を告げられ、結果、現在は生活保護を受けているとう相談者もいます。

日本公庫、現在は一般賃貸向け賃貸物件融資の取り扱いは無し
住宅金融支援機構は、平成19年4月に発足された国土交通省と財務省所管の金融機関で、民間金融機関と提携して全期間固定金利型の住宅ローン「フラット35」を提供しています。
現在は、賃貸住宅向け融資として「子育て世帯向け省エネ賃貸住宅建設融資」と「サービス付き高齢者向け賃貸住宅建設融資」を取り扱います。
今年3月には、賃貸アパート・マンション向けの融資申請件数は、前年同月から8割も増加しており、これは民間の金融機関からの融資げ減り、4月からは日本公庫の審査基準が厳しくなることを見越して、駆け込み申請が増加したとみられます。
日本公庫によると、4月から融資審査が厳しくなることを業者がセールストークに、早めの建築をオーナーに煽る材料に使われた可能性が大きいと指摘しています。

賃貸物件オーナーには負担ない投資?
サブリース契約は、オーナーが建築した賃貸アパートやマンションを不動産・管理業者が一括で借り上げ、入居者に対して「また貸し」する契約。
契約期間は30年から35年間が多く、空室があってもオーナーには家賃が支払われ、入居者の募集や運営管理も業者が行うため、オーナーにとっては負担はほぼないと言われています。
契約期間中は家賃もオーナーに入り、契約満了後には業者より家賃の減額を要請されるなどトラブルも少なくありません。
また、契約期間中であっても空室が増えると、業者から家賃減額を迫られるなど、契約しながらも「脅し」ともとらわれる事例も報じられます。

人口は8年連続減少も都心は増加、地方は減少
総務省によると、日本の人口は、平成22年から8年連続で減少しており、昨年の減少幅は昭和43年調査以来最大で、新たに生まれた子も初めて100万人を割りました。
この状況から、よほどの少子化政策が行わなければ移民を受け入れる以外、人口減少に歯止めはききません。
賃貸アパート・マンションの増加で、この先10年、20年と空室が埋まるのか懸念されますが、地域によっても人口増減は異なり、「地方創生」を掲げる安倍政権ですが実態は都心集中で、利便性の良い賃貸物件は住居ニーズもありますが、地方においてはそのニーズがどこまであるかはおおよそ予測できます。
相続税の非課税額の引き下げや、生活資金、不動産投資などセールス側のトークに頼らず自身で調査、分析することが重要となります。


[2018.7.30]

米国では昭和40年代からテレワーク実施
官公庁や民間企業が7月23日から在宅勤務に取り組む「テレワーク・デイズ」が始まりました。
テレワークとは、「tele:離れた場所で」「work:働く」という造語で、在宅勤務やサテライト・オフィスで業務をこなすことを言い、造語ではあるものの、この労働形態は米国では昭和40年代に始まりテレワーク先進国とも言えます。
7月23日〜27日までの期間、全国約1,500団体、約29万人が参加し、在宅勤務やサテライトオフィスで業務を行い、「働き方改革」の定着と移動時間の短縮などで生産性や効率の向上を目指します。

異業種2社でサテライト・オフィスを利用
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損保保険ジャパン日本興亜は、都内本社内にサテライト・オフィスを設け、東京急行電鉄社員が利用しており、逆に東京急行電鉄が運営するサテライト・オフィスには損保保険ジャパン日本興亜が利用。
「テレワーク・デイズ」に合わせ、両社内でテレワーク推進の機運を高めていくとしています。
一方、日清食品ホールディングスは、役員クラスが支給されているパソコンで在宅勤務や出張先で業務に取り組みます。
7月24日からは、工場や研究所勤務を除く社員850人を対象にテレワークを推奨しました。対象者は全社員の4割に当たります。

ロンドン五輪、市内企業の8割がテレワーク導入で交通混雑を回避
「テレワーク・デイズ」は昨年から始まり、昨年は7月24日の1日間で、約950団体、約6万3,000人が参加。今年は平日5日間に拡大し、約5倍の社員が参加しています。
「テレワーク・デイズ」の一斉実施は、2020年の東京五輪に向けた国民運動と位置付けられており、6年前のロンドン五輪では、ロンドン市内の企業の8割がテレワークを導入し、交通混雑を回避した実績もあります。
安倍政権は、官公庁や地方自治体、民間企業などが業種を超え協力し、東京五輪の開催を「働き方改革」の定着に繋げたい方針です。

ICTの利用、活用が鍵!通信速度は現在の100倍に
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総務省によるとテレワークは、ICT(Information and Communication Technology :情報通信技術) を利用し、場所や時間にとらわれない柔軟な働き方と定義しています。
企業雇用型では、自宅勤務の「在宅勤務」や、いつでもどこでも業務可能な「モバイルワーク」、サテライト・オフィスなどを利用した「施設利用型勤務」と様々な形態で導入されています。
打ち合わせや会議、プレゼンテーションなどは4K、8K並みの高画質配信可能な5G(第5世代移動通信システム)が、東京五輪までには整備され、通信速度は現在の4Gの約100倍と、ストレスなく業務が進むことと考えられます。


[2018.7.27]

地銀7行でフィンテック、システム会社設立
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つくば銀行は6月25日、群馬銀行や池田泉州銀行など地銀6行と共同でFinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)の新会社「フィンクロス・デジタル」を設立。
新会社は、7行でシステム開発を行うことでビッグデータが得られ精度が高まるうえ、システムへの投資費用も軽減できるとしています。
「フィンクロス・デジタル」は、銀行業へのAI(Artificial Intelligence:人工知能)導入や、インターネットバンキング研究開発を視野に入れており、スピード融資とAI審査型融資の導入を目指す方針とみられます。
AI審査で各行が融資のスピードや利息を競えば、借手にとってもメリットになります。

これまで融資されない企業へも融資の可能性
一方、茨城県最大手の常陽銀行は、融資部門でFinTechの導入を目指しAI審査型を鍵としています。
これまでの融資の場合、企業の経営状態や借入金の使徒、返済能力、担保などの企業情報を担当の目利きによって融資の可否や限度額、利息などを決めていました。
このため、担当や銀行によって借手となれる企業でも融資されないケースもありました。
常陽銀行は、平成29年秋に、IT(Information Technology:情報技術)企業と共同で実在する大企業をモデルにしてAIが約500件の審査の実証実験をしたところ、AIによる融資の可否は9割人間による審査と一致し、AI審査の高い信頼性を証明しました。

金融機関、少子化、人口減少も懸念
銀行など金融機関では、これまで「人が資産」と言われ、大量の事務作業を行ってきましたが、すでにIT化の波が押し寄せています。
超低金利の長期化や少子高齢化、人口減少で地銀の経営は安泰ではなくなってきています。
FinTechに生き残りをかける銀行も今後も増加する予測です。
ただ、FinTechの導入は行員の雇用を危うくする可能性も大きくあります。AI審査型融資やRPA(Robotic Process Automation:業務の自動化)が広がれば、大量の人削除にもなり得ます。

3メガバンク、3.2万人削減
平成29年末には、3メガバンクは相次いで人員削減計画を発表し、みずほフィナンシャルグループは1万9,000人、三菱UFJフィナンシャル・グループは9,500人、三井住友フィナンシャルグループは4,000人と3社合計で3万2,500人削減とメディアは大きく報じました。
IT化による業務効率化や、日銀のマイナス金利政策で利ざやの縮小、さらには、高度経済成長が終わった一部の大企業は資金ニーズがなくなったためです。
みずほ銀行は、ソフトバンクと共同で「J.Score(ジェイスコア)」を設立、すでに個人の信用力を質問に答えるとAIが算出するサービスもあり、今後はAIが個人の信用力やスキルなど様々な分野で利用されていくと考えられます。
▼J.Score:「AIスコア」


[2018.7.25]

航空路線の新規就航、チャーター便就航が影響
日本政府観光局は7月18日、今年6月の訪日外国人客数を発表。6月は前年同月から15.3%増加し270万2,000人と6月としては過去最高でした。
今年上半期(1月〜6月)の累計でも前年同期から15.6%増えており、1,589万9,000人と20市場全てで過去最高を記録しました。
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LCC(Low Cost Carrier:格安航空会社)など航空路線の新規就航や増便、チャーター便の就航で航空座席の供給数増加に加え、訪日旅行プロモーションの相乗効果もあり昨年以上に堅調に推移しています。

2市場で単月、18市場で6月単月として過去最高
訪日外国人客を市場別で見ると、米国とインドネシア2市場で単月として過去最高路を記録。18市場の韓国や中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、フィリピン、ベトナム、インド、豪州、カナダ、英国、ドイツ、フランス、イタリア、ロシア、スペインでは6月として過去最高を記録しました。
毎月、前年同月を超える中国に加え、米国や欧州、豪州など9市場で前年同月から2桁増を記録しています。
一方、韓国は、これまで前年から2桁伸びで増加してきましたが、6月18日に発生した大阪北部の地震の影響が大きく、6.5%増に留まりました。
地震発生後は、地震やインフラなどの情報を現地事務所から発信し対応しています。

昨年以上のペースも、大阪北地震、西日本豪雨の影響はどこまで抑えられるか
平成29年の訪日外国人客数は2,869万1,073人で、このペースで推移すれば3,000万人も超えるペースです。
ただ、6月18日に起きた大阪北部の地震や、6月28日から7月8日にかけて豪雨が停滞し西日本を中心に、中部地方、北海道など全国的に広い範囲で台風7号と梅雨前線などで、河川堤防の決壊などで床上・床下浸水、土砂災害によるインフラや住宅などの被害が起きました。
観光庁は7月18日の会見で、西日本での豪雨の被害は比較的軽微であった岐阜の下呂温泉でも訪日外国人客のキャンセルは出ていると指摘しています。

局地的豪雨、同市内でも被害状況は大きな格差、懸念される風評
ただ、今回の豪雨は局地的であり、岡山県倉敷市の「真備地区」は、河川の氾濫で家屋が屋根まで水に浸るほどの大きな被害を受けましたが、同市の「美観地区」はほとんど被害がてていません。
ただ、「倉敷」と聞いただけで全体に風評被害が広がっており、被害のなかった地区でのキャンセルも目立っています。
「美観地区」の築100年の古民家を生かしたゲストハウス「有鄰庵」でもキャンセルは相次いでおり、同地区ではSNS(Social Networking Service:趣味、嗜好や友人とのコミュニケーションサービスのサイト)などで現状を発信しています。
これらの影響が、下半期にどのように出るか動向が注目されます。


[2018.7.23]

他民族国家の象徴?フランス20年ぶりに優勝
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サッカー・ワールドカップ(W杯)・ロシア大会は7月15日、決勝でフランスが勝利し20年ぶりの優勝となりました。
移民の多いフランスは20年前の優勝時のメンバーは、アルジェリア移民のジダンを擁し、他民族国家の象徴ともてはやらせ、現代表もカメルーン、アルジェリア系のエース・エムバペや、ポグバやカンテなど身体能力に優れるアフリカ系の選手が半数を超えています。
フランスのリベラシオン紙は、「20年前は移住先にフランス選び、移民らの素朴な喜びがあった」とした一方、「今回は苦難を耐え抜いた感動を国民が分かち合っている」と論評しました。

全試合放映で、大型テレビ15%出荷増加
日本国内ではW杯期間中、経済効果に明暗が分かれることとなりました。
内閣府がまとめた6月の「景気ウィッチャー調査(街角景気)」によると、6月半ばに開幕したW杯による日本での事業者にもたらした経済効果は、まずは北関東の輸送業関係者からは、大型テレビの動きが前年の15%を上回ったと言います。
また、W杯の全試合の放映で、若年層にスター選手の髪型を真似るニーズが喚起され、美容室からは先行きも期待できると聞かれました。
他にも、自宅で観戦用にビールや惣菜、宅配ピザ、さらに書店ではW杯を特集したコーナーも用意され、売れ行きは好調でした。

コロンビアにまさかの勝利で株価大幅反発
日本代表の躍進は、経営者や投資家など心理的に意欲を向上させるという景気にとってはプラス効果です。
株式市場では、米中貿易戦争が激化し続け懸念が広がっていた中、 日本が下馬評を覆したコロンビア戦の翌日7月20日には、日経平均株価が大幅に反発したのもW杯効果しか考えられません。
昭和61年以降のW杯優勝国のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、前年実績から平均3.2ポイントも上昇しています。

前回のベスト16では、経済効果はわずか215億円
日本が前回ベスト16まで進出した平成22年のW杯南アフリカ大会では、国内の経済効果は約215億円と試算されました。
ただ、今回もベスト16ながら、ベストゲームが多かっただけに、ユニフォームや、選手仕様のスパイクなどサッカー関連グッズは8年前の10倍以上とも聞かれ、サッカー教室入会者や、Jリーグ観客数の増加、消費拡大に伴う新規投資や、選手の報奨金など考慮し、3,000〜5,000億円の経済効果をもたらすと予測する市場関係者の声も多く聞かれます。
来年には、日本でラグビーW杯、その翌年には東京オリンピック・パラリンピックと国内活性化が期待されます。


[2018.7.20]

米国、中国からの輸入品に関税22兆円追加
米国トランプ大統領は7月10日、中国からの輸入品に対し2,000億ドル(約22兆2,000億円)という新たに追加の関税リストを発表しました。
対する中国商務省は翌11日に「米国の動きは受け入れ難い」とし関税の対する報復を示しました。
両国は世界経済規模で世界の1位と2位にあり、相互に大規模な関税引き上げ戦争を繰り返し、この貿易戦争により日本経済にお影響が出てくる恐れもあります。
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米国、輸入赤字の半分は中国
そもそも発端は米国トランプ大統領の「アメリカ・ファースト」の政策指針で、米国経済が復調する中、輸入が増加し、平成29年の貿易赤字が前年から8%増え、7,956億ドル(約88兆円)に上ったことです。
このうちの約半分が中国からの輸入と大統領は気に入らない様子です。
貿易赤字を減少させるため大統領は、中国ほか同盟国でありながら日本を含め、EU(European Union:欧州連合)にも鉄鋼やアルミの関税を引き上げることを宣言。
日本は、すぐには反発できないものの、中国は米国の大統領支持の多い農業関連者が生産する大豆やトウモロコシなどの関税を引き上げで報復しました。

中国から米国へ輸出、関税引き上げで日本企業にも影響
米中は、今後も追加関税を引き上げ貿易戦争を加速させれば、両国の個人消費心理にも影響が出るのは予測でき、両国の商品・サービスニーズが低迷すると世界経済へも影響をもたらすと考えられます。
当然日本も、関係がないわけであり、スマートフォンを米国へ輸出する中国に、スマートフォンの半導体や部品を中国に輸出しているのは日本であり、輸出主導の日本経済にとっては大きな影響が出ると考えられます。
米中貿易戦争は、米実業界やエコノミストからも打撃になると警告していますが、気まぐれトランプ大統領は今のところ自己主張を貫く方針です。

日本企業、半数以上が「自由貿易」承認
帝国データバンクが7月12日に発表した「保護貿易に対する企業の意識調査」によると、日本の企業の56.9%が自由貿易が日本経済のとって望ましいと応えました。
一方、保護貿易が好ましいとする企業は9,9%に留まるなど、海外とのEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)やFTA(Free Trade Agreement:自由貿易協定)などが浸透し、TPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)に反論していた企業が認めるなど、日本企業にとって「グローバル化」が、言葉だけでなく実感してきた表れでもあると考えらレルように考えられます。


[2018.7.18]

資金の運用状況を示す予証率、過去最低に
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日銀によるマイナス金利政策によって銀行など金融機関は資金運用難に直面しています。
国内の銀行114行の資金運用状況を示す「予証率」は、今年3月期に25.9%に低下し、平成25年3月期から6年連続して前年を下回っている状況です。
「予証率」は、預金残高に対する有価証券残高の比率であり、銀行など金融機関の資金運用状況を表す指標の1つとなっています。
「予証率」は、調査が開始した平成18年3月期以来、過去最低を記録しました。

リーマン・ショック後に上昇も、円高是正放置で低下
これまで3月期の「予証率」は、リーマン・ショック前の平成20年に30.9%となり、その後上昇は続き、特に平成24年は歴史的な円高を記録し、大企業では設備投資意欲も抑えられ、急速な市場の悪化などを原因に株式や社債の比率が低下しました。
その結果、運用資金は大量に国債購入に流れ、「予証率」は、42.4%まで上昇しました。
その後は、平成25年に日銀が異次元金融緩和を導入し、銀行などから大量の「国債」を買い取り、その代金が金融機関の日銀当座預金に振り込まれました。
さらに翌26年10月に日銀は、「長期国債」の買い取りなど金融政策決定会合で決め、主要銀行を中心に「国債」の売却は進行し、「有価証券残高」は減少傾向です。

銀行の国債保有、5年で半減
銀行114行の今年3月期の「有価証券残高」は、209兆9,423億3,400万円で3年連続で前年を下回っており、「有価証券残高」のうち、「国債」は75兆2,905億4,300万円と平成25年3月期の160兆3,800億300万円から半減しました。
一方、114行の今年3月期の「現金預け金」の総額は、219兆2,804億800万円と前年同期から12.2%増加し、「有価証券残高」を上回りました。
その他の「有価証券」は、外国双剣や社債、株式、地方債などで、「国債」の残高が減少する中、リスクの低い地方債の増加が目立っています。

企業への貸出が増加?・・実態は国債の売却
「預証率」は6年連続で前年を下回り、一見、安倍政権が目指す企業への貸出増加のようにも見えますが、実態は銀行の「国債」の売却、「有価証券残高」が減少したことが鮮明になりました。
東京商工リサーチによると今年3月期の銀行114行の「預貸率」は、調査開始以来過去最低の65.5%と、預金、貸出金の差額は278兆円に拡大しました。
銀行からの貸出金の増加より、預金残高が伸びて資金を運用できずに「現金預け金」が積み上がっている状況に、今後、どう対応していくかが注目されます。


[2018.7.16]

金融庁、29の銀行取扱の投資信託商品を調査
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金融庁によると、国内の29の銀行など金融機関で投資信託を購入した個人客の46%が運用損益がマイナスで損をしていたことが判明しました。
同庁の調査では、主要行9行と地銀20行の窓口にて投資信託を購入した顧客全員の今年3月末と購入時の投資信託の評価額を比較し、顧客が払う手数料も差し引いた実質的な手取り額を試算したものです。
金融庁では、投資信託の運用実績は各行ごとに大きな差異が見られ、各行の販売・運用姿勢や金融商品の品揃えが、顧客の資産形成に影響を及ぼしたと分析しています。

「損」か「得」はファンドマネージャー次第
投資信託は、投資家など顧客から資金を集め、運用のプロであるファンドマネージャーが株や債券など複数の商品に投資・運用する金融商品です。
投資信託とは、言葉通り「投資を信じ託す」ことで、ファンドマネージャーを信じて資金を預け、投資・運用が成功すればその利益分が顧客に戻ります。
ただ、銀行の預貯金と異なり、元本は保証されず、投資・運用に失敗すれば預けた資金は減ることになります。

老後の生活資金はNISA、iDeCo?
日本は人口減少、少子、超高齢化を迎え、社会保障費が破綻寸前にもかかわらず「人生100年」と安倍政権は掲げますが、老後の生活は庶民自ら自立させたい方針とも思えるNISA(日本版Individual Savings Account:少額投資非課税制度)やiDeCo(Individual-type Defined Contribution pension plan:個人型確定拠出年金)を懸命に推し進めています。
投資信託においても、ワンコインから始められたり、投資の知識がなくてもファンドマネージャーが付き、分散投資されているので、銀行で薦められれば購入する顧客も多くいるのが実態です。

銀行の預貯金利子も当面は期待薄
投資信託に資金を投入した人の46%が損をしたことは、得をした人もいることであり、超低金利はしばらく継続される見通しであり、銀行に預けても利子は期待できません。
景気は改善傾向にあっても、家計の消費心理はなかなか解消されず企業は内部留保、個人のタンス預金は保留された状況です。
ただ、今年6月の投資信託は、「日興FW・日本債券ファンド」やFinTech(Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)関連など資金が大量に流入していることも現状です。


[2018.7.13]

変動型の選択、過去最高に
住宅金融支援機構が6月5日発表した「2017年度第2回民間住宅ローン利用者の実態調査」によると、住宅ローンを変動型金利で借り入れた割合が、平成29年度下半期(平成29年10月〜30年3月)の利用者で56.5%に拡大、過去最高になりました。
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日銀による異次元金融緩和政策によって、変動型金利は超低金利と固定型との差が拡大しているのが背景にあります。
日銀の金融緩和政策は、維持するとの見解を示していますが、変動型金利は半年毎に見直されるため、金利が上昇すれば将来、住宅ローンの支払いが増えるリスクもあります。

銀行各行で競合、変動型金利は0.6〜0.8%
変動型金利は、短期プライムレートを基準に住宅ローン金利に適用しており、短期プライムレートは銀行など金融機関が財務状況などにおいて優良で信用ある企業に融資する最優遇貸出金利で、1年以内の短期貸出金利を示しています。
変動金利は、各行の店頭表示では2.4%〜2.5%となっていますが、他行との競合、顧客獲得のために金利を引き下げる金利優遇を行なっており、実際には0.6%〜0.8%まで下がります。
一方、固定金利の代表とも言える「フラット35」では、10年前から低下傾向おにあり、現在は1.37%〜2.01%と10年前のほぼ半分にまで下がっています。

今が買い?超低金利に住宅ローン減税
家計において住宅ローン残高は増加しており、超低金利に加え住宅ローン減税の導入により、融資されやすい環境が整っているためです。
日銀の統計では、平成29年度末時点の住宅ローン残高は、202兆3,407億円と6年連続で過去最高を更新しています。
住宅金融支援機構によると、平成29年度下期に変動型でローンを組んだ人の割合は前年同期から9%増えており、銀行各行でも優遇金利引き下げ競争で金利は下落傾向にあります。

リーマンショックで住宅ローンのリスケジュールも可能に
平成20年、100年に1度と言われる世界的な金融危機「リーマン・ショック」が起き、翌年の12月に中小企業金融円滑化法が時限法として可決、成立され、銀行など金融機関へのリスケジュール(条件変更)が認められました。
これは、中小企業などの借入額の返済やリース料に適用され営ますが、住宅ローンも同様に対象となっています。
金融庁によると、住宅ローンのリスケジュール申請数は、平成22年度(平成22年4月〜23年3月)の11万793件をピークに年々減少傾向にありますが、平成29年度8平成29年4月〜30年3月)は2万9,416件と減少しているものの、申請があるのは現実です。
同法は3回の延長後も、金融庁の要請で金融機関が積極的に対応しているのが実情であり、「金利が安い」というだけで住宅ローンを組むにはリスクがあることも忘れてはならないでしょう。


[2018.7.11]

太陽光発電企業、昨年と同水準レベル
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帝国データバンクは7月4日、今年上半期(1月〜6月)に太陽光発電関連企業の倒産件数が44件と、過去最高となった平成29年の88件とほぼ同水準のペースとなっていることを発表しました。
太陽光発電関連企業の倒産件数は、平成18年以降、332件のうち「破産」が94.3%に上っています。
倒産企業を地域別にみると、「関東」が37.3%と最も多く、「中部」が18.1%と次ぎ、特に「中部」は今年に入り倒産件数が増加しています。
平成23年3月11日、東日本大震災による福島第1原発事故により、太陽光や風力エネルギーは注目されて来ましたが、ここに来てピークアウト感も出て来ています。

3事業からなる太陽光発電事業者、倒産理由は各々
太陽光発電事業は、余剰電力を売却する「売電事業者」や、発電設備を施工する「施工事業者」、管理やメンテナンスを行う「O&M(Operation & Maintenance)事業者」の3事業に大別されていますが、平成24年以降、倒産する事業者は増加しており、平成29年は過去最高の倒産件数を記録しました。
倒産理由としては、この3事業において各々異なる理由があります。

「特別一括償却制度」の廃止が倒産の要因
「売電事業者」の倒産は、平成27年3月31日に廃止された特別一括償却制度の影響が大きく、設備取得額の全額が即時償却することで税金が繰延できますが、あくまで税金免除でなく繰り延べする仕組みです。
この繰り延べ分の税金が近年、顕在化することで資金繰りが悪化し倒産する事業者が増加しました。
一方、「施工事業者」や「O&M事業者」の倒産は、異業種から多くの企業が「売電事業者」に参入し、その恩恵を受けようと「施工事業者」や「O&M事業者」も同時に増加。競争が激化し、予定通りの収益があられなくなり次々に倒産に追い込まれていきました。

現在は好調!この先、固定価格買取制度がなくなれば・・
ただ、固定価格買取制度が開始直後に「売電事業者」として参入した事業者は、現在でも独占するように収益を上げていますが、先行きは見通しがつかない状況です。
現在は、固定価格買取制度によって売電事業が活況となり、太陽光発電の設備投資も多く見られますが、この制度が終了してしまうと設備工事なども一気に減少するリスクも潜んでいます。
平成29年より、将来的なリスクを見越しM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)に踏み切る事業者も目立ち始めています。
今後の太陽光発電関連事業者のM&Aなどの動向が注目されます。


[2018.7.9]

銀座5丁目、中央通り過去最高額
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国税庁は7月2日、平成30年分の路線価を発表し、標準宅地の評価基準額の前年変動率は全国平均0.7%と3年連続上昇し、上昇幅も前年の0.4%から拡大しました。
都道府県庁所在都市の最高路線価のトップは、33年連続で東京・銀座5丁目の銀座中央通りで、1平方メートル当たり4,432万円と前年から9.9%上昇、過去最高額となりました。
都心近郊で100平方メートル超えの新築戸建てが購入できる額となりました。
路線価上位10都市ののうち7都市が2桁の上昇となりました。

路線価、土地取引の指標となる公示価格の約8割に設定
路線価は、道路に面する宅地1平方メートル当たりの評価額で、相続税や贈与税、地価税を算出する際の評価基準となります。
路線価は国税庁や国税局、税務署のウェブサイトに毎年公表されており、路線価は土地取引の指標となる国土交通省が公表する公示価格の約8割になっています。
一般に立地条件が良いとされる角地は、側方路線影響加算率を乗ずることで評価額は高くなり、間口が狭ければ間口狭小補正率を乗じて評価を低くするなどの調整が行われています。

神戸、三宮センター街、22.5%上昇
平成30年、最も上昇率が高かったのは、神戸市の三宮センター街で上昇率は前年の14.3%から22.5%に拡大。熊本市中央区の下通りでも前年の3.4%から22.0%に上昇しました。
都道府県庁所在都市の路線価では、上昇が33ケ所と前年の27ケ所から増え、下落は前年の3ケ所から1ケ所に減少しました。
横浜や名古屋、札幌、福岡など大都市を中心に上昇率は10%を超えた一方、下落率が5%を超えた都市はありませんでした。
これも東京オリンピック・パラリンピックや訪日外国人客急増のお陰かもしれません。

東京五輪後には地価下落?
地価上昇は、東京オリンピック・パラリンピック終了で下がるとの声も聞かれますが、あくまで東京周辺でのイベントであり、都心部は山手線の新駅新設や渋谷、虎ノ門の再開発もあり、上昇幅は縮小するかは予測できません。
しかも、日銀の異次元金融緩和策は維持したままであり、日銀の大量国債買いで超低金利が維持され、土地も購入しやすくなっています。
また、訪日外国人が都心の1億円超えのマンションや、北海道のスキーリゾート地、ニセコ地区では上昇率が88%と外国人による戸建て、マンション、コンドミアム買いが目立っています。
このことからも、地価の上昇はしばらく続くとの声も聞かれています。


[2018.7.6]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
返済猶予・リスケジュール
www.re-schedule.jp
八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

2018年8月

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