事業再生・会社再建・M&A・事業譲渡・会社分割・経営改善・債務・連帯保証問題に立ち向かうセントラル総合研究所・八木宏之のブログ

コロナ・東日本大震災関連

最近はやりの幽霊レストラン

新型コロナウィルスにより外食業界は、個人・中小企業から大手チェーン企業まで、大きな影響を受けている中、飲食業界で「ゴーストレストラン」と呼ばれる宅配専門店が増えています。自転車やバイクでよく見かけるデリバリーです。

「幽霊レストラン」とは「無客席型レストラン」のことで、つまり、設備がキッチンのみという、デリバリー・テイクアウト専門の業態です。

デリバリーの場合、ウーバーイーツや出前館といったデリバリー事業者に手数料を支払う必要があるため、飲食店の利益率が下がります。

ですが、一般的な飲食店を新たにオープンするよりもデリバリー専門店は初期のコストが抑えられることに加え、店側は接客のコストも考えなくていいなど、利用客も「密」を避けてプロの料理が楽しめるのが特長です。

 

外食のデリバリーは不可逆的な現象

重要なのは、外食産業のデリバリー化は決してコロナによる一過性のものではないという現実があります。米国ではウーバーイーツをはじめとするデリバリー・サービスの台頭によって、数年前からレストランの廃業や業態の変更が相次いでいました。デリバリーは単に便利なので利用されているのではなく、IT化によるビジネス環境の変化が大きく関係しています。

ここ数年、ビジネスのITシフトが急ピッチで進んでおり、仕事は以前と比較してより個人完結型になりました。これによって、職場の同僚とランチやディナーに行く回数が減り、代わりにデリバリーを利用する人が増えています。近年の社会傾向で、百貨店やショッピングモールに買い物に行く人が減り、買い物をネットで済ます人が増加しました。

ショッピングと食事はセットになっているので、ネット通販の利用が増えれば、当然、飲食店の利用は減ります。

日本でも欧米から遅れる形で、このコロナ禍の「ステイホーム」の浸透、「緊急事態宣言による休業要請」などでデリバリー・サービスが一気に注目を集め、デリバリー専門店の新規展開や大手企業によるデリバリー専門店のMAが加速しています。

外食産業のデリバリー化は、IT化というイノベーションがもたらした構造的な営業形態であり、コロナ禍が収束して景気が回復しても不可逆的な現象と考えた方が良いでしょう。

 

デリバリー専門店

利用客は「専門店」と聞くとイメージが底上げされます。

また、店側も本来の名前で出店するよりも「専門店」を名乗った方が利用者によりアピールすることができます。

そのため、一つの店がインターネット上で多数の「専門店」を名乗っているケースもあり、

表示と実態が乖離していることに加えて、食品アレルギーをもつ利用者からの注文や店側のモラル、アプリ運営側の掲載基準など社会問題化しています。

とはいえ、利用客に「幽霊/ゴーストレストラン」というワードが浸透するかは別にして、「何となくデリバリーを注文した店舗が、実はゴーストレストランだった」ということは、今後ますます増加していくことでしょう。


4月までは一律給付を5月からは状況により支給
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厚生労働省は3月25日、従業員へ休業手当を支払う企業にへ支援するための雇用調整助成金の特例措置を3月末から再び延長し、5月以降は経営状態や新型コロナウィルスの感染状況で差をつけ、支給すると発表しました。
現行で特例措置を一律で支給するのは4月までとしており、必要以上に休業支援が長引けば経済の構造改革や人材移動に悪影響を与える指摘されていました。
雇用調整助成金は、これまでも新型コロナウィルスによる経済への影響で幾度か延長が繰り返されています。

5月より給付率100%から90%へ
特例措置は、昨年春以降幾度も延長し、1人当たりの上限額は1日1万5,000円で助成率は最大100%ですが、5月以降は基準を満たした企業以外は上限額1万3,500円、助成率は90%にする方針です。
給付される企業は、直近3ケ月の売上高が30%以上減少する企業で、5月以降も現行措置が維持され、緊急事態宣言に準じた措置をとるまん延防止等重点措置が適用される地域、営業時間が短縮された企業が適用されます。
雇用調整助成金を受け取れない非正規労働者に対しても、同様に5月から助成率80%、1万1,000縁を9,900円にして給付するとしています。

業態転換する中小企業へ支援
雇用調整助成金独自の積立金は既に枯渇しており、財政の厳しさも背景にあり、失業手当てに使用する雇用保険の積立金から2兆円規模の借り入れをして賄っている状況です。
今後は、労使が支払う保険料の引き上げや国費からの借入を増やさなければ失業手当ての支給もおぼつかなくなります。
コロナ後の社会に合わせて業態転換を促す事業再構築補助金を活用し、1企業当たり最大で1億円を用意し、インターネット通販や飲食業のテイクアウトなど新たな取り組みを始める中小企業を支援する方針です。

雇用調整給付金の予算額は6,000億円超え
令和2年度の雇用調整給付金予算額は、6,117億円のほか、終20時間未満働くパートを対象に緊急雇用安定助成金が124億円計上されています。
ただ、コロナ感染リスク回避や外出自粛で消費者心理の急回復はできたいため、コロナ前の業績回復が難しいBtoC(Business to Consumer:企業が一般消費者対象に行うビジネス)業種や労働集約型の企業を中心に最後まで雇用調整給付金の特例措置を活用する企業が増加する事が見込まれています。


[2021.3.30]

繁華街中心に住宅地でも下落傾向
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今年3月23日に国土交通省が公表した公示地価が、新型コロナウィルスの影響が大きく響く内容となり、都心の繁華街を中心に地価が急落し、住宅地などを含む全用途の全国平均が6年ぶりに下落に転じました。
昨年後半には一部で下げ止まりの兆しも見られたものの、コロナ感染の先行き見通し、収束がわからない状況で不透明なままです。
中でも大阪・道頓堀では前年から26.5%と大幅に下落し、名古屋・久屋大通でもマイナス15.2%、京都・祇園四条でマイナス13.9%と大幅に下落しました。

飲食店やリモートワークで地価の変動が大きく影響
新型コロナウィルスの感染拡大により、飲食店や物販の店舗が閉鎖し、オフィスの縮小も進んでおり、商業地を中心に地価は下落傾向になった一方、リモートワーク、在宅勤務の浸透、巣ごもりなどで消費の拡大など生活への変化が大きく、大都市近郊の地価を押し上げた地域もありました。
大阪・道頓堀では老舗のフグ料理店が閉鎖し100年の歴史に幕を閉じたのを始め、周辺地域のドラッグストアなども高い家賃を払えず撤退しています。
同地区の不動産業では、家賃を下げても跡地に後継のテナントが見つからないといいます。

東京圏、全市区町村で下落
東京圏でも全用途平均で1.1%下落し、一部住宅では小幅に上昇した地域もありましたが商業地は全市区町村で下落となりました。
一方、底堅く推移したのが札幌や仙台、広島、福岡の地方4都市で、県庁所在地の商業地で6.6%上昇市全国最高の伸び率となった福岡市は、天神など中心部で再開発計画もあり地価は上昇傾向です。
また、仙台市でも再開活効果によって商業地が2.8%上昇し、福岡、仙台とも人口増を見込んで訪日外国人客が減少しても成長力を持続しています。

毎年トップの銀座も最大の下落
新型コロナウィルスは密度が高い3大都市圏に地価下落など大きな影響を与え、最高価格の東京・銀座の山野楽器銀座本店は7.1%下落になるなど異常事態となりました。
令和2年に商業地トップであった大阪圏でも1.8%の下落と3大都市圏の中で下落率が最大となっています。
令和3年に入っても先行きのわからない新型コロナウィルス拡大が今後、地価にどのような影響が出るのかが注視されます。


[2021.3.26]

訪日客、ベトナムが最多
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日本政府観光局は3月17日、2月の訪日外国人客数が前年同月から99.3%減の7,400人だったことを発表しました。
新型コロナウィルスや変異株の拡大の動きを受け、昨年12月から水際対策を強化している事が大きく影響しています。
今年1月には4万6,500人の訪日客が来ていましたが、2月はさらに減少し、回復は見通せない状況です。
1月から2月までの訪日客総数は5万3,900人で最多はベトナムからの2万200人、中国から1万1,900人、韓国から3,400人と続いており、1月に約2万人と最多国であったベトナムは200人減少しました。

検閲強化やビザ無効化が原因
日本政府観光局では、今年1月下旬以降の新型コロナウィルス感染症の拡大によって多くに国で海外渡航制限などの措置がとられ、国内においても検閲強化やビザ(査証)の無効化などの措置がとられました。
12月下旬以降には、新規入国の一時停止や検閲の強化などの措置がとられ、1月中旬には全ての対象国・地域との運用が停止された事で訪日客は前月に比べ大幅に減少しました。
依然として国際的な観光目的の移動が低迷している状況で、感染状況の変化とともに各国の出入国規制や市場動向を引き続き注視する必要があるとしています。

日本からの出国も98.1%減
一方、法務省の速報値では2月の出国日本人は前年同月から98.1%減の2万4,800人と1月には4万8,700人まで回復したものの、2月は半減しました。
1月14日からは、全ての国・地域とのビシネストラフィック・レジデンストラックの運用が停止され、日本人と在留資格保持者に対する帰国・再入国時の14日間待機の緩和を緩めないとする措置が大きく響きました。
外国人入国者も大きく落ち込み、出入国者が双方向で再び減少しています。

東京五輪後に地方へ訪日客を誘導
今後、国際旅行解禁直後には人混みを避け、自然の多い観光地へのニーズが高まる事が予想され、さらに東京オリンピック・パラリンピックの会場は東京、神奈川、千葉、埼玉、北海道、宮城、茨城、福島、静岡と一部を除き首都圏集中型となっています。
地方訪問を好む外国人リピーター層に向け、地方の魅力を各々投げかける取り組みが重要と考えられます。
菅政権が掲げた目標を達成する事が訪日客市場の成長とはなりませんが、東京オリンピック・パラリンピック後も見据えた訪日客市場の成長に貢献出来るよう日本政府観光局では尽力すると言います。


[2021.3.20]

税納付への公平性が・・
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毎日新聞やスカイマーク、JTBなど大企業が減資して中小企業になる動きが相次いでおり、今年度末にかけて順次、資本金を税法上の優遇策を受けられる中小企業の基準となる資本金1億円にまで減額しています。
上場企業などは株主から集まった資金を有効活用して規模を拡大するのが本来の姿であり、窮余の策が広がり根底には資本金の大きさで税の負担が変わる問題があります。
経営実態と納税額のズレが大きくなれば納税の公平性を欠くとの声も聴かれます。

出資額、従業員数で異なる基準
中小企業は、中小企業基本法によって定義されており、法律や支援制度により定義が異なる場合もありますが、基本的には資本金、または出資の総額、常時使用する従業員数のいずれかを満たすものが中小企業と呼ばれています。
中小企業の製造業では、資本金が1億円以下、サービス・小売業では5,000万円以下と定義されており、製造業では多額の投資が必要とされる傾向にあるのに対し、小売業では投資が少ない状態で起業できることから業種によって基準が異なってきます。
中小企業では、地域に密着して事業展開する事が多く、対面での営業や交渉しやすいのがメリットとなります。

減資により中小企業へ、納税負担軽減へ
中小企業は、大企業に比べ規模が小さく経営に余裕のない企業が多く、資本金が1億円未満の場合、税制上では中小企業扱いとなり法人税の税率も低くなります。
また、地方税や法人事業税を赤字でも支払う外径標準課税も対象外とな離ます。
昨年よりコロナ禍において事業収益が悪化する大企業も増え、減資により身の丈を縮める動きが目立ち始め、国税庁によると資本金1億円以上の企業は平成23年に約3万3,000社ありましたが、平成30年には約3万社に減少しました。

節税狙いの大企業、中小企業へ
企業は、収益力などに関わらず資本金の区分で税負担への違いが抜け穴となり、節税狙いの減資が可能になっています。
納税に必要な簡素な仕組みだけが欠けている問題があるものの、中小企業の増税につながる改正を打ち出すのは政治的な面でも難しい事があるのが実態でしょう。
大きな中小企業が増えれば経済や社会の歪みは増幅しかねない状況であり、コロナ禍において収益悪化する中小企業が打撃を受ける状況も考えられ、外形標準課税のように機械的な区分をどうすのか課題となります。


[2021.3.16]

世論調査、進まぬ復興3割、原発汚染も進まず6割
東日本大震災の発生から10年が経ち、NHKが全国に約3,600人を対象に行った世論調査によると、全体の3割近くが「被災地の復興が進んでない」と答えており、特に福島第一原子力発電所の除染が進んでいないと回答した人も6割を超えています。
大震災における国の復興対策の課題についても「原発事故への対応」が76%と最も高く、「住宅再建への支援」が62%、「被災地の産業への支援」が57%と続き、依然として復興を実感できない人がいる事が浮き彫りにしました。
福島第一原発は、約30年後に廃炉にする計画の先行きは遠く、住宅再建も全国に避難している避難者数は未だ約41,000人、復興地の産業支援も雇用者がいなければ進むこともできません。

復興への補助金2,000億円、活用は5割弱
一方、被災地の産業支援については、被災地で雇用を創出する国の補助金が十分に活用されず、平成25年度に2,090億円の基金を設置したものの、令和元年度末時点で5割弱しか活用されていないことが判明しました。
これは、雇用の条件や計画変更などのハードルが高く、申請した企業の辞退が相次いでいることが要因であり、制度運用が復興の進行を鈍らせていると考えられます。
国は、総額37兆円超えの復興事業に関する予算を計上しましたが、土地のかさ上げや防潮堤の新造、インフラ整備の復旧などの比率が大きく、ヒト・モノ・カネが優先されたことで、国は被災地の雇用創出も欠かせないとし、多額の補助金を被災地に投じました。

津波補助金、設備費75%を補助も条件のハードル高く
 
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この代表格に「津波・原子力災害被災地域雇用創出企業立地補助金(津波補助金)」があり、岩手、宮城、福島など5県で工場や倉庫、物流施設・商業施設を新設する企業に、設備費の費用を約75%を補助してきましたが、規模に応じて受給条件は事業主に雇用者に対し、正規雇用が定められています。
問題は、設備完成後に補助金が出るかどうかの仕組みで雇用計画に不備があれば補助金は出ず、計画を少なく見積もると補助金も減り、投資に踏み切れず悪循環が辞退をを招く結果となっています。
また、被災地では人手不足となり、人口減と復興へのニーズが増加したことが重なり、有効求人倍率が急上昇し、雇用を確保できない企業が相次ぎました。

緩和施策、効果と検証が必要と
このような要因から申請件数は減少傾向となり、採択件数も伸び悩むことが実態で、雇用計画を達成できなくても補助金の減額に留めるなどの緩和施策が必要と考えられます。
東日本大震災から10年が過ぎ、被災地の復興を促進するためにも補助金を投じた効果と課題を検証していくことが重要となり、被災者が新たな仕事や生活など日常を取り戻すためにも中長期的に支援していくことが必要となるでしょう。


[2021.3.12]

緊急事態宣言の再発令で感染者は減少傾向
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内閣府が今年3月4日発表した2月の消費動向調査によると、消費者心理を示す消費者態度指数(2人以上の世帯)が前月から4.2ポイント上昇し33.8と3ケ月ぶりに上昇に転じしました。
昨年12月の新型コロナウィスル感染の再拡大で悪化していたものの、今年1月には都心を中心に地域によって緊急事態宣言が再発令したことで感染者数の減少を反映し大きく持ち直しています。
新型コロナウィスル感染のこの先の見通しは立っておらず、3月には1都3県地域に2週間の再延長が再宣言され、懸念が残ります。

業種による売上格差が目立つ状況に
4.2ポイントの上げ幅は、平成25年4月以降で、令和2年6月の4.4ポイントに次ぐ大きさで、内閣府では基調判断を「弱含んでいる」から「依然とし厳しいものの、持ち直しの動きが見られる」と引き上げました。
新型コロナウィルスの影響による個人の消費行動は大きく変わり、外食や旅行などサービス消費を中心に落ち込みが継続していますが、高級ブランド品やインターネット上での動画配信のニーズが増加し、新たな消費動向が見えています。
三越伊勢丹では、バレンタインを控えた2月上旬には「特設フロアは大賑わいでコロナ禍で会えない人への贈り物や、自分で食べるニーズが増加した」とコメントしています。

調査の4項目で全てが増加傾向
消費者態度指数を構成する4項目は全て上昇しており、「暮らし向き」は4.1ポイント増の36.3、「耐久消費財の買い時判断」は4.5増の36.1、「収入の増え方」は1.9増の35.4、「雇用環境」が6.4増の27.5でした。
また、1年後の物価に関する見通しでは、前月から「上昇する」と回答した人が4.4ポイント増加した一方、「変わらない」が1.1、「低下する」が2.4とそれぞれ減少しました。
こうした減少傾向を踏まえ、物価の予想についても上昇すると見込む割合は高水準となっています。

内閣府、今後は感染者の増減で「大きく左右される傾向がある」
消費者態度指数は、全国の2人以上の8,400世帯を対象に自動車や家電製品など買い時であるかや、今後半年間の暮らし向きがどうなるかを聞き、消費者の心理を指数化して示しています。
内閣府の調査は、2月6日から22日にかけて行われ、今回の調査では指数は3ケ月ぶりに増加となり、基調判断も上方修正したものの、今後については「消費者心理は感染者の増減に大きく左右される傾向がある。今後の感染者の動向を注視したい」としています。
日本国内においても変異株のウィルスの拡大が目立ち始め、ワクチン接種も思うようなスケジュールには行かないこともこれからの消費者の動向については注視されます。


[2021.3.9]

テレワークの定着で都心よりも郊外一戸建てを選択?
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不動産経済研究所が2月14日発表した令和2年の全国新築マンション販売戸数は、前年から15.2%減少の5万9,907戸で、2年連続して前年実績を下回りました。
販売個数が6万戸を割ったのは、昭和51年以来44年ぶりで、新型コロナウィルスの感染拡大の影響で不動産会社が営業活動を一時停止したことが響いています。
一方、新築マンションの全国平均販売価格は、4年連続で上昇しており、テレワーク、在宅勤務の定着により、都心郊外を中心に広さや割安感に優れた新築の一戸建てを選択する人も増加しています。

緊急事態宣言でショールームを一時閉鎖が要因とも
新築マンション販売を地域別で見ると、全体の5割弱を占める近畿圏が前年から15.8%減、首都圏も同12.8%減と減少率が大きく、東海や中京圏、四国など一部地域では増加傾向にあったものの、北海道や九州、沖縄など多くの地域で前年販売実績を下回りました。
令和2年4月の緊急事態宣言を受け、不動産会社はモデルルームを一時閉鎖するなど相次ぎ、購入に慎重になる消費者が増えることを見込んで大手デベロッパーを中心に確実な売れ行きが見込める物件に販売を絞ったことも影響しています。

平均販売価格は上昇
令和2年の販売減の要因としては、新型コロナウィルスの感染拡大が大きく考えられますが、それ以外でも全国の平均販売価格が4,971万円と上昇したことも影響しています。
生活環境においても、これまでのオフィス一極集中からテレワーク、在宅勤務の定着により、働き方が変革し住居の選択肢が大きく広がりました。
その証として、新築一戸建ての販売が好調なことが示しており、北関東の不動産業者では令和2年4月〜12月の一戸建て販売戸数は3,520戸と前年同期から約2割増加しています。

今年は3年ぶりに販売増加を見込む専門家
不動産評論家やエコノミストによると、今年の新築マンション販売について、昨年と比べ今年は15%増の6万9,000戸となり、3年ぶりに増加へ転換するとの予測を出しています。
コロナ禍が長期化する中、都心郊外の人気は持続する可能性は高く、価格や立地条件、機能性に焦点が移り、都心部や最寄り駅から遠くとも郊外で広く住環境が整った一戸建てに住みたいと思う消費者が今後どう動くか、ウィズコロナ時代での販売競争が本格化する予測です。


[2021.3.5]

銀行109行の中小企業向け貸出残高は335兆円超え
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新型コロナウィルス感染拡大による菅政権の経済・金融支援策に伴い、国内の銀行109行の令和2年9月中間期の総貸出金残高は前年同期比6.4%増の498兆638億円と急増しました。
このうち、中小企業向けの貸出金残高は、同4.2%増の335兆2,102億円と平成24年同期から9年連続で増加し、金額・伸び率とも最高を更新しました。
また、地方公共団体(地方自治体)への貸出金残高も同11.4%増の36兆1,706億円と調査開始の平成22年同期以降、最高額を更新しています。

大企業でも長期リスクに備え借入金を内部保留へ
新型コロナウィルス感染症による苦境に陥った企業は、中小企業だけでなく、上場企業・大企業でも運転資金や長期のリスク回避のために借入金で内部保留を厚くする動きが見られます。
新型コロナウィルス感染症者は減少傾向にあるものの、この先不透明な状況は続くと考えられ、緊急避難的な破綻回避策としての借入で過剰債務を抱えた多くの中小企業はコロナ禍から1年が経過し、返済時期を迎えようとしています。
中小企業支援と与信費用の増大の間に立つのが金融機関ですが今後は中小企業への対応が注視されます。

中小企業向け貸出し、109行中105行が増加
中小企業向けの貸出金残高が増加したのは109行中105行で全体の96.3%を占め、前年同期の96行から9行増加しています。
地銀では、スルガ銀行を除く63行、第二地銀では東京スター銀行を除く37行で、それぞれ前年同期を上回りました。
中小企業向けの貸出金残高の伸び率では、愛知銀行の前年同期比20.2%増で中小企業向け貸出金は1兆9,143億円で総貸出金に占める構成比は81.08%に上りました。
次いで名古屋銀行が同17.0%増、福島銀行が同13.9%増、福岡中央銀行が同13.4%増、仙台銀行は同12.2%象と続き、伸び率上位10行のうち第二地銀が8行を占めました。

大企業は貸出金、コミットメントラインで資金確保、中小は無担保・無利子融資で事業再生へ
新型コロナウィルス感染症の影響で急激な業績悪化から規模を問わずに数多くに企業が厳しい状況に陥り、大手企業では運転資金や長期リスクに備えた資金確保や、一定の融資枠で融資要請に応じ融資する契約であるコミットメントラインの設定で資金繰りの維持を図りました。
一方、中小企業では、実質無担保・無利子融資など国の金融支援策の副作用により、過剰債務に陥っている中小企業が少なくありません。
今後は、金融機関では貸出だけでなく、中小企業へ寄り添ったアドバイスや事業計画を支援できるかが問われ、何より専門家への相談が問題解決につながります。


[2021.3.2]

コロナ禍における経営状態や損益は業種ごとにばらつき
大手自動車メーカーなど大企業の労働組合が2月17日より春闘の要求書を一斉に企業側に提出し、今年も労使交渉が本格化してきました。
今年は、昨年初頭からの新型コロナウィルス感染症患者の急増により経営状態や損益が業種ごとにばらつきが見られ、各労働組合の要求内容もにも明暗が分かれています。
労働組合の中央組織である連合は2月5日、春闘に向け総決起集会をオンラインで開催し、「コロナ感染に便乗した賃上げストップなどは絶対に許されない」と主張しています。

自動車業界だけでもベア見送りや例年通りと二極化
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自動車業界の今年のベア(ベースアップ)要求書を見ると、新型コロナ禍による業績への影響を背景にホンダや三菱自動車、マツダの各労働組合は、賃金体系を底上げするベアの要求を見送っています。
ただ、トヨタ自動車や日産自動車、スバル、スズキの各労働組合では、ベア要求の有無や額は、下請けとなる中小企業や小規模事業者との賃金格差を広げかねないと考え、いづれも非公開となっています。
これまで自動車業界は、春闘を牽引してきた経緯があるものの、コロナ禍においては全産業を牽引するリード役ではなくなりつつあり、業界の裾野は広く下請けや孫請けとなる中小企業や小規模事業者にも大きく影響がでます。

コロナ感染で大きな影響を受けた業界ではベアより雇用維持を要求
新型コロナウィルス感染症拡大により、自動車業界よりもより打撃が大きい航空・鉄道会社、飲食・宿泊業では、ベアよりも雇用維持を要求する労働組合が大きく見られます。
不要不急の外出自粛や県を跨ぐ移動禁止の要請、時短営業など先行きがなかなか見えてこないのが実態で、国では雇用調整助成金や家賃補助金、事業継続給付金などの対策を講じており、この雇用維持要求が企業側へ通るのか注視されています。
大手の労働組合の要求提出はピークを迎えており、企業側からの回答は3月17日に集中する見込みです。

コロナで売上減少の業種、様々な努力で雇用維持
一方、国や自治体が推奨するテレワーク、在宅勤務の定着により、業績が堅調なったNECなど白物家電などが好調な電機産業や、NTTなど情報通信、インターネット回線、接続危機などの労働組合では例年並みのベアを要求しています。
業種によって大きくベアが変動するコロナ禍の中、飲食業でもケータリングに業務転換したり、宿泊業や鉄道列車でもテレワークスペースとして貸し出すなど、コロナ化を乗り越えようと努力が見られます。
今年1月の11都府県での緊急事態宣言の再発令で、感染者数は減少傾向にあるものの、重症患者や医療機関の逼迫状態は横ばいの推移と、雇用維持やコロナ後の成長に向けた政策が例年以上に議論されそうです。


[2021.2.26]

コロナ禍で売上減少、ネット通販や早朝営業・デリバリー事業へ転換の努力
新型コロナウィルス感染症が日本で発症して1年が過ぎ、不要不急の外出自粛や飲食店などの時短営業、2回の緊急事態宣言の発令により、製品やサービスなどを売りにする中小企業、小規模事業者、個人事業主にとっては試練の1年となりました。
売上の急減が関連企業にも及び、インターネット通販などで直接消費者に販売する事業者や、飲食店ではデリバリーへ転換したり、早朝からの営業を行うなど試行錯誤で売上復活に努力を惜しまない姿が見られます。
コロナ禍において、過剰債務状態に陥った事業者は少なくなく、事業者を事業再生し、経済復興には新たに事業再生ファンドの活用が必要と考えられます。

国の地域経済活性化支援機構も事業再生ファンド
事業再生ファンドは、投資家から集めた資金を活用して経営不振に陥った企業の立て直しを行うファンドであり、民間のみならず、国が運営する地域経済活性化支援機構も事業再生ファンドの一つです。
事業再生ファンドは、経営不振企業が対象となっており、本来であれば投資対象から外れる企業へ投資することとなり、投資リスクが通常の企業への投資よりリスクが高くなり、適切な投資判断力が求められ、専門的な知識も必要となります。
事業再生ファンドの対象となるのは、優れた技術やノウハウを持っており、本業の収益力が高い企業が理想といえます。

コロナ収束後も「新しい生活様式」に対応が必要
コロナ経済不況は、これまでの周期的な経済変動によるものではなく、将来的にウィルスが収束しても、その間に失われた売上が戻るものでなく、コロナ禍で定着した「新しい生活様式」に対応しなければなりません。
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ただ、このようなコロナ化の状況でも企業の倒産件数は極端には増えておらず、東京商工リサーチによると、昨年11月の倒産件数は前年同月比21%減、12月は同20.7%減と、いずれも過去45年間で2番目の少なさで済んでいます。

これは、国や自治体などからの補助金や給付金の支給に加え、政府系・民間金融機関の無担保・無利子融資、信用保証付緊急融資の支援といってもいいでしょう。

劣後ローンで資本化するより事業再生ファンドで短期間解決へ
事業再生ファンドは、国にとっても政府系金融機関や官民ファンドから資本とみなされる劣後ローンを注入し、過剰債務を悪化させ問題を長引かせるより、事業再生ファンドの活用で民間で処理を促進させることで国が資金を投入する先が金融機関だけに収まります。
官民が協調し、事業再生ファンドを準備し、官民とも貸付債権の譲渡を行うことで企業の過剰債務問題を短期間に解消することが、ポストコロナの経済再生に必要になると考えられます。


[2021.2.23]

10都府県へ緊急事態制限を1ヶ月延長
令和3年1月に入り、新型コロナウィルス感染者は増加傾向にあったものの、菅首相による2回目となる10都府県地域への緊急事態宣言の発令により、減少傾向に落ち着きを見せています。
ただ、医療機関では依然、逼迫状態が続いていることから緊急事態宣言は1ケ月延長され、再び国民の生活や経済活動に制限がかかり、様々な影響を及ぼすことが予測されます。
菅政権は、緊急事態宣言に伴う飲食店などの時短営業や外出自粛などにより影響を受ける事業者に対し、さらなる支援策を進めている状況です。

旅館・ホテル事業者、100%回復はないとの返答
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帝国データバンクが令和3年2月9日発表した「新型コロナウイルス感染症に対する企業の意識調査」によると、新型コロナウィルス感染症による影響を受けた事業者は、自社の業績への影響を「マイナスの影響がある」と答えた事業者は、78.8%に上り、4ケ月連続で8割を下回ったものの、「今後、マイナスの影響がある」とも見込む事業者が13.0%と増え、先行きに対する警戒感が強まった姿が見えてきています。
「マイナスの影響がある」と答えた事業者のうち、「旅館・ホテル」が100%と全ての事業者が回復の見込みはないとの見解で、「飲食店」が95.4%、「家具類小売」が93.8%、「娯楽サービス」が92.2%と9割を超える傾向となりました。

スーパーや家電製品小売業は最小限のダメージ
一方、「プラスの影響がある」と答えた事業者では、スーパーマーケットなどの「各種商品小売」が38.0%、「飲食料品小売」が23.9%、「飲食料品、飼料製造」が12.7%、「家電・情報機器小売」が12.1%と4割を下回る結果となっています。
2度目の緊急事態宣言を受け、何らかの「対応を講じている」と答えた事業者は、89.9%と9割近くに達し、さらにその対応内容では「都道府県をまたぐ出張や打合せの削減」が55.6%と最も高く、「対面営業や打合せの削減」が51.8%、「従業員に不要不急の外出自粛の呼びかけ」が51.7%と5割台で続いています。

コロナ感染症、先行きへの警戒感が高まる傾向
帝国データバンクの調査により、新型コロナウィルス感染症による業績にマイナスの影響があると見込む事業者は8割を下回ったものの、先行きに対する警戒感が高まっていることが判明しました。
2度目の緊急事態線が発令され、9割近くの事業者が何らかの対応を講じており、とりわけ「人と人との接触を削減する取り組み」に注力しており、緊急事態宣言地域では、菅政権の呼びかけに呼応し、対面での接触削減に加え、テレワーク、在宅勤務の拡大を始め、勤務体系の変更などを積極的に取り組む姿が伺えました。
事業者や国民は、求められる感染拡大防止策を実行し、菅政権は社会経済の安定に資する支援策を継続することが望まれています。


[2021.2.16]

重要性を増しているネットショップで新規顧客獲得
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新型コロナウィルス感染の影響により、感染者数は減少傾向にあるものの医療機関では未だ逼迫状態が続いていることから緊急事態宣言は1ケ月延長され、中小企業や小規模事業者、個人事業主を悩ませています。
特にサービス・飲食業では、時短営業など店頭でのサービスが制限されるなか、重要性を増しているのはインターネットの活用でデジタル化が必須となってきています。
経営者や従業員にとってインターネットは不慣れな人も少なくなく、容易にネットショップを開設できるようデザインを選択し数分で開設できるサービスも多く見られるようになってきました。

デジタル化で新たなビジネスチャンス
コロナウィルス禍の中、実店舗では外出自粛や時短営業などで、このようなネットショップを開設する経営者も徐々に増え始め、年代別では30〜40代がいずれも3割代で最も多く、60代以上の経営者も1割ほど存在しています。
業種別では、ファションが最も多く半数近くを占めていますが、最近では飲食業の進出が目立ており、「Uber Eats」や「出前館」などデリバリーサービスを始める企業も多く見かけます。
ネットショップは、全国の企業が横並びで争っている状況ですが、新たな市場を開拓できるビジネスチャンスも多くあります。

経産省、「新たな日常」へ向け「グリーン社会」への転換に加え「デジタル化」導入
経済産業省では2月5日、「産業競争力強化法等の一部を改正する等の法律案」を閣議決定し、新型コロナウィルス感染症の影響や急激な人口減少など短中期の経済社会情勢を適切に対応し、「新たな日常」に向け成長の源泉となる「グリーン社会」への転換に加え「デジタル化」を促進する為の措置を公表しました。
同省では、「デジタル化」への対応としてデジタル技術を全社レベルへのビジネスモデル変革の計画を経済産業相が認定し、DX(Digital Transformation:デジタルを利用した変革)投資促進税制や財政投融資を原資とした低利融資を措置するとしています。

DX化により新たな坂路へ
製品やサービスの付加価値や差別化が多様になる中、小さなニーズで小さな生産で満たす重要性は日に日に増加傾向にあります。
中小企業や小規模事業経営者、個人事業主は、ゼロベースでDX化の必用性を考える時代であり、令和2年がDXの認知元年とすれば、今年は事業者もDX実行元年になるべきと認識をけえなければならないでしょう。
消費者ニーズを満たしていない事業主に、消費者にーズに気付かない事業主と潜在的なニーズはまだまだあり、DX化を取り入れ、企業が発展する1年であることが期待されます。


[2021.2.12]

外出自粛、家庭で食事は海外でも同様、その材料に日本の農産物・食品
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農林水産省によると、昨年1年間の日本産地・加工の農産物や食品の輸出額が前年から1.1%増加し、9,223億円に上ったことが2月2日判明しました。
国内では、新型コロナウィルス感染症の影響で、不要不急の自粛要請により飲食店では時短営業を強いられ、原材料となる和牛や野菜など農産物・食品が行き場お失った中、新型コロナウィルス感染症は世界的にも流行を受け、家庭で食事をする巣ごもりニーズが海外でも広がり、和牛他、鶏卵、コメの輸出が延び、世界的なコロナ禍でありながらも輸出額は前年を上回り、8年連続で過去最高を更新しました。

香港、卵かけ御願が大人気に!鶏卵が好調に輸出
輸出物の内訳を見ると、農産物が前年から11.7%増の6,565億円と順調に輸出されており、特に香港では、日本の卵かけご飯が人気となり、一般家庭向けに鶏卵が好調であった他、コメやドレッシングなどの調味料や日本酒も輸出を牽引しました。
昨年上半期に輸出が落ち込んだ和牛は、家庭向けにスライスした商品に切り替え、下半期に盛り上げを見せましたが、わずかに前年に及びませんでした。
一方、水産物は、同20.7%減の2,277億円と外食ニーズの自粛で主力であるホタテが振るわず苦戦しました。

菅政権、農業へ資金供給を強化
菅政権は、昨年の農産物・食品の輸出額がコロナ禍にも関わらず過去最高となったことについて、今後のさらなる輸出拡大に向けた自信を見せ、実行戦略の推進に加え、農業に対する資金供給の仕組みを変革すると強調しています。
菅総理は、現在行われている通常国会で農産物・食品の輸出への投資が進むよう、農業法人投資円滑化特別措置法を改正し、現行の農業法人以外にも広げる方針です。
菅政権は、今年度中に海外向けに特化した産品を地域ぐるみで安定的に大量生産する輸出産地を選定し、和牛やブリ、イチゴなど生産体制を強化する計画です。

輸出拡大、RCEP、EPAの成果
外交を巡り、通常国会に承認案を提出する地域的なRCEP(Regional Comprehensive Economic Partnership:東アジア地域包括的経済連携)や、今年1月に発効した日英のEPA(Economic Partnership Agreement:経済連携協定)を成果としており、今年は日本がTPP(Trans-Pacific Partnership:環太平洋戦略的経済連携協定)議長国を踏まえ、着実な実施と輸出拡大に向け議論を主導していく考えです。
海外からも信頼あるMade in JAPANの農産物・食品の輸出額を令和7年に2兆円、12年に5腸炎へ引上げる方針です。


[2021.2.9]

すまい給付金、最大50万円支給、面積も50から40平米に緩和
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菅政権は1月26日、年収が一定額以下の新規住宅購入者を対象にした住宅資金を最大50万円支給する「すまい給付金」を1年延長することを閣議決定しました。
延長期間は、住宅の引き渡し期限を令和4年12月末までとし、給付金の対象となる面積要件も50平方メートル以上から40平方メートル以上に緩和し、小規模な物件でも活用できるようにします。
延長や緩和は、今国会で成立を目指す税制改革の関連法案が前提となり、住宅販売の冷え込みを回避する狙いです。

消費税8%から10%に引き上げを機に給付金も30万円から50万円へ
「すまい給付金」は、令和元年10月の消費税増税後の住宅購入者を対象として、税率引き上げによる購入者への負担を軽減する目的で国土交通省が設けた給付金です。
「すまい給付金」は、年収が低いほど多くの給付金を支給する仕組みで、最大で50万円まで支給されるのが特徴になっています。
当初は、最大でも30万円が上限でしたが、消費税が8%から10%に引き上げられてからは限度額も50万円に増額されました。
年収の規制が満たされない場合には、どのようなケースであっても給付金の対象外となりますので注意が必要です。

すまい給付金に期間延びた住宅ローン控除も併用可
また、住宅購入の際には「すまい給付金」のほかに「住宅ローン減税」があり、2つの大きな違いは、「すまい給付金」が現金で給付されるのに対し、「住宅ローン減税」は税制優遇である点です。
「住宅ローン減税」は、年末時点の住宅ローン残高に対して、一定の割合の額を所得税や住民税から控除され、年収が低い人にとっては受けにくいという側面があるものの、控除期間は10年から13年間に伸びています。
一方、「すまい給付金」は逆に年収が低い人ほど現金が多く給付され恩恵を受けやすいという特徴があります。
この2つの制度は、併用が認められていますので、両方の条件を満たす場合には、住宅購入時の負担を大きく減らすことが可能です。

令和2年度には住宅着工戸数、現在の半分に
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国土交通省によると、令和2年度から22年度の新設住宅着工戸数は令和元年度の88万戸から12年度に63万戸、22年度には41万戸に減少すると見込んでいます。
日本の人口減少を裏付けるデータではあるものの、菅政権は「すまい給付金」や「住宅ローン減税」に「グリーン住宅ポイント制度」を設け、住宅取得を促す政策をとっているのが実態です。
今年度から来年度にかけて、住宅市場の販売動向がどう出るのかが注目されています。


[2021.2.5]

コロナ禍を機に地方移転
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総務省が1月29日公表した令和2年の「住民基本台帳の人口移動報告」によると、東京から出ていく人を示す転出者数は、40万1,805人と、前年から4.7%増え、記録が残る平成26年以降、最大数となりました。
ここ数年は、東京への一極集中が継続していましたが、コロナ禍において地方でのテレワーク、在宅勤務を志向する人が増加するなど、人の流れが大きく変わって来ました。
一方、東京への転入者数は、43万2,930人と7.3%減少し、転入から転出数を差し引いた転入超過数は3万1,125人と、平成29年と比べ62%減と大幅に減少しました。

子供を自然の中で育てたい・・・ドキュメンタリー番組も好評
東京から転出する人々を受け入れるのは近隣の県で、移住などの情報を提供する東京・ふるさと回帰支援センターによると、昨年6月〜12月にメールや電話での相談件数は、前年同期から4割近く増えています。
特に北関東や神奈川県、山梨県などへの移住相談が増えたといい、最近では、テレワーク、在宅勤務だけでなく、家族で子供らに自然の中で育てたいという相談も増えています。
テレビや動画サイトでも、移住者の生活環境や仕事、家賃、住宅購入費などがドキュメンタリー番組で放映されるなど、その地域の魅力が紹介されています。

菅政権も地方移住を推奨、支援金も用意
群馬県では、テレワーク、在宅勤務が広がりを見せ、同県の移住促進担当者は、東京の仕事は変えず、環境の良い場所に移転したいとの相談が増加したとし、同県の移住サイトのアクセス数は前年から5割上昇したまま持続しています。
菅政権は、コロナ禍を機に東京への一極集中の是正を進めようとしており、令和3年度(令和3年4月〜4年3月)は、東京で仕事を続けながら地方へ移住した人に最大100万円の支援金を支給し、地方自治体が住民のテレワーク、在宅勤務環境を整備するための交付金も新設します。

地方に仕事なければ東京へ
東京への転入超過数が続いて来たのは、20年以上、正規の仕事が東京に多いことであり、地方の仕事が増えない限り、東京一極集中は簡単には変われません。
また、東京への転入超過数には男女で違いもあり、男性9,632人に対して女性は2万1,493人と2倍以上の差があり、女性の方が地方で選べる仕事の幅が狭く、東京に集まる傾向にあります。
コロナ禍を機に、テレワーク、在宅勤務や新たな人生をおくれるか、さらに、女性の移住により未婚や少子化を抑え、地方創生に繋がるか注視されます。


[2021.2.2]

無観客か50%までお観客か100%での開催か・・・
今年7月に開催されるされる東京オリンピック、パラリンピックでは、無観客や会場の50%までの観客、さらに観客を100%入れて開催するか、IOC( International Olympic Committee:国際オリンピック委員会)や大会組織など菅政権などでどのように開催するかを話あい、1月22日に関西大学の宮本名誉教授が試算した2兆4,133億円に経済損失があるものが明らかになりました。
令和2年7月に開催予定であった東京オリンピック、パラリンピックは平成3年に再び延期されました。

五輪開催か延期、中止か既に分析済
開催国である日本は、感染者数が急拡大し、医療崩壊が始まり、欧米をはじめとする、諸外国でも感染者数や死亡者が急増している事で、今年の開催は不透明な状況です、
宮本名誉教授は、1月12日、「どうなる東京五輪~無観客開催か中止か、その経済的損失~」と題した分析結果を発表し、東京オリンピック・パラリンピックが延期、簡素化、無観客、中止となった場合の経済的損失について、すでに発表済の試算結果も含め、それぞれまとめている。

試算結果とは
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その試算結果では、開催が1年延期されたことによる感染者が約半数に簡素化されたときの経済的経済損失は約1兆3,969円と試算され、ワクチンなどの開発で開催された場合には経済的損失は、約2兆4,333億円、開催中止の際の経済損失は約4兆5,151億円と試算されました。
なお、経済波及効果は、消費者や企業など直接的・間接的に消費や投資多額の総額のことで、宮本名誉教授の試算では、一次波及効果とニ次波及効果の合計をだしました。

五輪の前にはプロ野球やJリーグも開幕
東京オリンピック・パラリンピックが7月に開催される前には、プロ野球やプロサッカーのJリーグも開幕します。
はにプロ野では、開幕前の2月1日からからキャンプ合同練習が沖縄県などであこなわれ、今年は新型コロナウィスの増加で、沖県でも閑散期となる冬場の観光需要を一大一イベントだが、今年は県内ホテルでは宿泊予約のキャンセルが相次いでいます。
一方、周泊する選手やコーチ、スタッフなどに万が一感染した場合、ホテルの信用に繋がる危機感もあり、東京五輪も同様に貴重感を確認し対応をするこが重要と思われます。

●関連基準:「東京五輪、延期開催を望む企業は3割弱!開催により経済波及効果は9兆円超え」[2020.9.22配信http://www.h-yagi.jp/07/post_232220.html]

[2021.1.29]

東日本大震災時より少ない訪日客
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日本政府観光局が1月20発表した令和2年の訪日外国人客数は、前年から87.1減の411万5,900人に留まりました。
新型コロナウィルスの感染拡大を受け、世界各国で出入国規制が響き、各国の国際空港では旅客機が止まったっまで、訪日外国人客数は平成10年以来の低水準となりました。
これは、東日本大震災のあった平成23年の621万人を大幅に下回りました。

コロナ前は7年連続で訪日客が急増
国土交通省観光庁が1月20日発表した日本国内への昨年3月の訪日外国人客すは前年から93%減少し、それ以降は97〜99%減少しています。
国は当初、昨年の東京オリンピック・パラリンピックを見越し、令和元年の訪日外国人客数の目標を4,000万人としましたが、実際には約10分の一に留まりました。
コロナ発生前の令和元年は、ビザ(査証)の要件緩和などの効果もあり訪日外国人客数は急増し、平成29年は3,188万人と7年連続で過去最高を記録していました。

欧米、イスラエルではワクチン接種開始
現在は新型コロナウィルスの新種株の国内感染も確認され、新規入国は全面的に止めている状況です。
国はコロナ前の令和12年には訪日外国人客数を6,000万人に伸ばすと目標を示しましたが、先行きの見えないコロナ禍で目標達成はいつになるのかは専門家でもわからない状況です。
新型コロナウィルスのワクチンも欧米やイスラエルでは接種が始まっていますが、不安定要素もあり、日本は2月以降の接種としており、往来制限が撤廃されてz回復への見通しは遠いと考えられます。

日本の観光資源は失われていない
国土交通省観光庁では、日本の自然や気候、文化、食という観光4要素について他国と比較して優位性を強調しており、観光資源は失われていないと指摘しています。
さらに、来年度予算でも欧米富裕層に人気があり大自然を体験できる「アドベンチャー・ツーリズム」や「W iーFi(公共無線網)」スポットの整備など訪日客受け入れの整備を進めます。
同庁では、業界の努力と政策を集中させれば10年で回復できる期待もあるとしますが、経済とウィルス収束、さらに休みのない医療従事者のバランスをいかにとるかが注視されます。


[2021.1.26]

夜だけでなく昼食も自粛?
菅政権は、新型コロナウィルスの感染拡大を受け、1都2府8県に緊急事態宣言を発令し、午後20時以降の不要普及の外出、外食、昼間の会食も控えるよう要請しました。
緊急事態宣言は2月7日までとしていますが、感染者数の影響をみて延長、他県にも要請することもありそうです。
前回の昨年4月7日〜5月13日に安倍前政権時代に緊急事態宣言が発令しましたが、4月〜5月の経済打撃が大きく4月〜6月の実質的GDP(Gross Domestic Product:国内総生産)は、前期比でマイナス29.2%と大幅な下落に陥りました。

昨年の緊急時短宣言よりは経済損失は低減
今回の緊急事態宣言は、酒類を提供する飲食店の時短営業が主であり、学校や幼稚園、保育園などの休校は行わず、イベントも緩やかになているものとなっています。
この違いを考慮し、計算すると首都圏1都3軒だけで経済損失は前回の約半分の43%んあり、関西2府1県を加えると、59%にまで広がる計算です。
さらに福岡、愛知、岐阜、茨城県を加えれば損失はさらに上昇すると考えられます。

東京五輪、第二次大戦以来の中止か
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新型コロナウィルスの感染拡大歯止めががかからない中、7月には1年延期された東京大学オリンピック、8月には東京パラリンピッンピックが開幕予定ですが、東京は2度目の緊急事態宣言が発令され、各種の世論調査では約8割が中止、延期をと否定的な意見が多くみられます。
今年1月15日には、米通信大手のブルームバーグ通信が東京2020五厘がまだ確実でない理由と題し、第二次世界大戦以来、最初の中止となる可能性がると報じました。

世論は東京五輪か延期
米国ニューヨークタイムズ誌も同日、見通しは暗くなってきたと報じ、日本と欧米全土で症例が増加するにつれ、東京都とIOC( International Olympic Committee:国際オリンピック委員会)は双方の当局者は安全な大会を開催するする事は不可能と認め始めています。
緊急事態宣言が発令された1月7日にはAP通信が、ウイルスの急速な拡大に五輪計画を危うくしていると報じ、中止や延期を否定するIOCや菅聖剣、組織委員会と、世論との温度差を指摘する報道が目立ち始まっっています。


[2012.1.22]

緊急事態宣言を機にデジタル化を促進?
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新型コロナウィルスの感染拡大を受け菅総理は1月7日、首都圏1都3県に緊急事態宣言を発令し、午後8次以降の不要普及の外出自粛を要請しました。
緊急事態宣言は、昨年4月から2度目となり、菅政権や各自治体では企業に対し再びテレワーク、在宅勤務の徹底が呼びかけられ、コロナ禍を機にデジタル化が加速しやすいよう促しています。
社内の貴重なデータも、インターネットのクラウド上にデータを保存して運用するクラウド化の急進展により、社内や外出先からでもインターネットが繋がる環境であればデータを利用、共有することが可能になります。

DXを進める大きな起爆剤に
テレワーク、在宅勤務のほか、医療ではリモート診療やリモート学習など比較的早急に本番を迎えることになり、最新のデジタル技術を使用し、我々の暮らしを便利にするDX(デジタルトランスフォーメーション)を大きく進める大きな起爆剤となりました。
特にテレワーク、在宅勤務では、国は企業の従業員の7割をテレワークへ移行するよう要請しており、その準備にパソコンやインターネット接続機器、机や椅子、加湿器などが好調に販売され、効果はある程度浸透しはじめているようです。

デジタル化によりデータを解析し消費者にーズに商品、サービスを提供
DXは、20数年前にインターネットが急普及し、紙からデータへの保存や印刷物の中間工程の排除、携帯電話からスマートフォンへ移行しパソコン並みの機能となり、カメラもフィルムからデータ化され経済、企業を大きく変革しました。
企業においてもデータの蓄積によって、GAFA(Google:グーグル、Apple:アップル、Facebook:フェースブック、Amazon:アマゾン)を含め、データをいかに活用して解析し、消費者ニーズに合った商品やサービスを提供できるかが鍵となっています。

テレワークに必要な設備販売は好調
「withコロナ時代」に2度目の緊急事態宣言が発令され、国は企業にテレワーク、在宅勤務を薦め、出勤者を7割減らすよう要請しており、コロナ禍において働き方が変革しようとしています。
進化するオンラインにおいてオンライン会議で利用される米Zoomの外部アプリ連携や、家庭内無線LANの整備。
さらに3密を避ける通勤では、満員電車を避け、勤務地100km以内での自転車通勤や時差出勤のほか、成果型のジョブ型雇用の導入など新たな働き方改革が始まろうとしています。
緊急事態宣言を受け、これからのコロナ感染者数の動向が注目されています。


[2021.1.15]
事業再生

セントラル総合研究所
セントラル総研オフィシャル
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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。

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