春闘2017②:関西企業もベアはほぼ維だが"顔"のパナソニック、JR西日本は前年割れに
東京と同様ベアは維持
平成29(2017)年春の労使交渉について、関西企業にもふれておきます。業績不振に苦しむ主要企業が少なくなく、厳しい回答も目立ちますが、東京に本社を置く企業と同様、ベースアップ(ベア)はほぼ維持されました。働き方改革がテーマとし浮上している点も共通しています。
パナソニックは例年以上に難航
関西企業の顔でありつつ、業績が厳しいパナソニック(パナソニック(株):大阪府門真市 津賀一宏社長)。ベアは月額1千円と、組合要求の3分の1で、2年連続で前年割れでした。平成29(2017)年3月期の連結純利益(国際会計基準)が前期比19%減る見通しのため、交渉は例年以上に難航しました。西日本旅客鉄道(JR西日本/西日本旅客鉄道(株):大阪府大阪市来島達夫社長)もベア797円で、昨年(1062円)を下回りました。熊本地震の影響で新幹線利用が落ち込んだこともあり、夏季手当と年末手当の合計も前年より0.04カ月少ない5.44カ月分でした。
給与と等級制度の見直しで実質アップ
「餃子の王将」を運営する王将フードサービス((株)王将フードサービス:京都府京都市 渡邊直人社長)は、労組がベアを要求しませんでした。しかし、定期昇給と人事等級制度の見直しで月額9500円(平均3.3%)引き上げるため、実質的にはアップです。シャープ(シャープ(株):大阪府堺市 戴正呉社長)もベア要求を見送りましたが、平成29(2017)年度に年間賞与を平成28(2016)年度の2倍の平均4カ月分支給します。
積水ハウスは在宅勤務を制度化
働き方改革がテーマとなったのは、たとえば、島津製作所((株)島津製作所:京都府京都市 上田輝久社長)。有給休暇を1時間単位で取得できる制度の早期導入について、継続協議します。積水ハウス(積水ハウス(株):大阪府大阪市 阿部俊則社長)は、会社側と社員の代表が協議し、2月に在宅勤務を制度化しました。育児や介護で通勤が困難な従業員が対象となります。
●関連記事:「春季労使交渉スタート。ベア要求は月額6000円「以上」で昨年超え」[2017.3.10配信]
[2017.3.24]
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