大都市から地方へ波及?28年ぶりに地価公示が上昇
地方の全用途で地価価格上昇
国土交通省が3月18日発表した令和2年1月1日時点の全国の地価公示によると、地方圏の地方4市以外のその他の地域においても全用途の平均・商業地が平成4年以来28年ぶりに上昇に転じました。
地価公示を全国的に見ると、全用途平均は5年連続で上昇しており、用途別では住宅地が3年連続、商業地は5年連続で上昇しています。
三大都市圏においては、全用途平均で住宅地や商業地いづれも各地域で上昇傾向が続いています。
さらに、地方四市(札幌、仙台、広島、福岡)でも上昇傾向が強まっており、地方四市以外でも全用途平均は平成4年以来、28年ぶりに上昇に転じました。
地価公示、国交相の土地鑑定委員会が判定し公示
国土交通省が発表する地価公示は、地価公示法に基づいて都市計画区域などに行ける標準地の毎年1月1日時点の正常価格を同省の土地鑑定委員会が判定し公示するものです。
公示価格は、一般の土地の取引価格に対し、指標を与えるとともに公共事業用地の取得価格の算定の規準とされています。
地方圏は、三大都市圏である東京圏や大阪圏、名古屋圏以外の市区町村の区域で、三大都市圏は首都圏整備法に基づき政策地域に応じて全国の市区町村の区域を区分したものになります。
全国2万6,000地点で評価される地価公示
地価公示が上昇した背景には、雇用や所得環境の改善や低金利環境のもとで交通利便性に優れた地域を中心に住宅ニーズが堅調であること、オフィス市場の活況、観光客増加による店舗や宿泊施設ニーズの高まりや再開発などの進展を背景にニーズが堅調であることが挙げられます。
地価公示は、1平方メートル当たりの土地の価格で全国2万6,000地点で評価を踏まえ、価格が判定されています。
都道府県が調査する毎年7月1日の基準地価と並んで土地取引の指標となっており、国税庁が公表する1月1日時点の路線価は、主要道路に面した宅地価格であり、相続税や贈与税の計算の基準となっています。
上昇率トップは北海道ニセコ、新型コロナウィルスで来年の影響は・・
住宅地や商業地で上昇率トップとなったのは北海道のスキーリゾートで海外でもニセコで有名な倶知安町をはじめ、観光ニーズが地価を押し上げています。
昨年後半以降は、訪日韓国人客が減少したものの、国土交通省では特に影響は見られないと判断しています。
ただ、今年に入り新型コロナウィルスが騒がれてきた時点でも、ニセコにも訪日中国人が殺到しリゾートマンションなどの販売も好調でした。
同ウィルスの終息が長引けば宿泊施設やリゾートマンション、店舗などへの進出も鈍る恐れもあり、先行きが見通せない状況に来年の地価公示にどのように影響するか注視されます。
●関連記事:「地価公示、地方圏で26年ぶりに上昇!全国的に地価は回復基調」[2018.4.2配信]
[2020.3.24]
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