今日、想うこと
【小さな消防士】
26歳の母親は、病院のベッドに横たわるわが子をただじっと見つめていた。
子どもは白血病で助かる見込みはなく、死を目前にしていた。
母親の胸は悲しさで張り裂けそうだった。
親ならば、わが子が無事成人して、小さい時からの夢を果たして欲しいと願うものだが、もうそんな望みも消えていた。
でも何とかして、息子の夢を一つでも叶えてやりたかった。
母親は息子の手をとってやさしく話しかけた。
「ねぇ、大きくなったら何になりたいの?」
「ぼく、消防士になりたいんだ」
「じゃ、どうしたら消防士になれるか、ママと一緒に考えようね」と母親はほほ笑んだ。
その日彼女は、さっそく地元アリゾナ州フェニックスにある消防署に出かけ、消防士のボブに会った。
母親はボブに6歳のボプシーが病気で死にかけていること、最後の望みが消防士になることを話し、ボプシーを消防車に乗せて近所を走ってもらえないかと頼んだ。
消防士ボブはいった。
「もっといい考えがあります。水曜日の朝7時までに、ボプシー君のしたくをすませておいてください。
彼を一日名誉消防士にしましょう。
消防署に来てもらい、僕たちとごはんを食べて、もし火事の通報が入れば一緒に消防車で消火に駆けつけます。
消防士の一日をそっくりそのまま、ボプシー君に経験してもらうのです。
ボプシー君の洋服と靴のサイズはいくつですか?
消防士のユニフォームを作らせますから。
もちろん、防火用ヘルメットもね。
おもちゃなんかじゃなくて、フェニックッス消防署の記章が入った本物ですよ。
僕たちの着る黄色のレインコートと長靴も用意します。
すべて地元で作っているので、急いで仕立てさせますよ」
3日後、いよいよボプシーの夢が叶う日が来た。
ボブは病院にやってくるとボプシーをユニフォ-ムに着替えさせ、外に待機する消防車に案内した。
高層ビルにも届く長いはしごをそなえ、前後にハンドルがついた、車体の長い消防車だった。
ボプシーは後ろのハンドルを握らせてもらい、消防署まで車を走らせた。
天にも昇るような心地だった。
その日、火事の通報は3回入り、そのたびにボプシーは、いろいろな消防車や、救急車や、署長の車に乗り込んだ。
まさに消防士としての醍醐味をフルコースで味わった。
地元のテレビ局もニュースの取材に来ると、ボプシーの立派な消防士ぶりを撮影していった。
ボプシーが医師の予告より3ヶ月も長く生きることができたのは、この日の喜びとみんなからの愛情のおかげだったのだろう。
ある夜、ボプシーの容態が急変した。
この病院の看護婦長は、だれも一人ぼっちで死を迎えるものではないというホスピス精神にもとづき、すぐに家族に連絡をとった。
それから、消防署長にも電話を入れた。
消防士ボプシーの、あの晴れの日の活動を思い出したからだった。
「ユニフォームをつけた消防士の方に、ボプシーの最期を見とっていただけないでしょうか」
看護婦長の話を署長は黙って聞いていたが、やがて素晴らしい考えを話し出した。
「今から5分でそこに着きます。消防車のサイレンが聞こえたらすぐに、火事ではないことを病院の皆さんにアナウンスしてください。
消防署始まって以来の優秀な消防士ボプシーに、署をあげてもう一度会いに行くんです。
それから、ボプシー君の病室の窓を開けておいてください」
まもなく消防車がサイレンを鳴らして病院に到着した。
長いはしごがスルスルと伸びて3階にあるボプシーの病室に届いた。
署長と13人の男性消防士、そして2人の女性消防士が窓から入ってきた。
彼らは一人ずつボプシーを抱きしめ、「愛しているよ」と口々に耳元でささやいた。
署長を見上げたボプシーは、弱い息の下からやっと聞き取れる声で言った。
「署長さん、ぼく、ほんものの消防士になれたんだね?」
「ああ、本物の消防士だよ、ボプシー」
署長の言葉にボプシーはニッコリ笑みを浮かべたが、その小さなまぶたはやがて静かに閉じた。
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新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます
さて、今年の干支は丁酉(ひのと・とり)。今年はどのような一年になることでしょうか干支をひも解いてみましょう。
◆「丁」:の上の一は、陽気の代表的な干である去年の丙(ひのえ)の上の一 (一は陽気を表す) を承けて、さらに陽気が進んだ段階を示します。
春から延びてきた陽気の最終的段階、季節に例えるならば4~5月にあたり、その頃になると盛んであった陽気が、やや末期に入ってくる、沈んでくる。それが丁の字の本義です。ひとことで言えば 「発達の最終段階」 と解釈できます。
◆「酉」:は、元来酒を醸造する器の象形文字で、醗酵を表しています。
成る・熟する・飽くなどの意となり、時刻では午後5時~7時、季節では「仲秋」を表していて中に醸されている新しい勢力の爆発・蒸発、から転じて新しく「革新的な勢力」の創られることを表しています。
◆丁酉の「丁」が主な動きの形成の最終段階を示すならば、「酉」はこれまで伸びてきた陽気では末節だった部分も含めて機が熟して、新たな勢力が発することを示しています。
この新たな勢力は、主な動きが陽の気であった「丁」の字の頭の「一」の部分を突き上げていくさまで、熟した気勢の登場を示すのが「酉」であると言えます。
◆それぞれの意味を統合すると、平成29年の干支である「丁酉」は、これまでの主な動きが一応の形を成し、発展がピークを越える一方で、周辺勢力を含めたあらゆる機運が熟して発する、いわば「新しい勢力の岐路」になる年と解釈できます。
◇国内外の社会情勢に目を向けてみると、日本国内では小池百合子東京都知事就任により、東京オリンピック開催や築地市場移転など、様々な局面で改革が進められていることが強く印象付けられています。
また米国ではドナルド・トランプ氏が大統領に当選したことを受け、これからの経済指標は極めて高水準を示し、株や不動産も最高値を更新中です。
経団連の榊原定征会長は1月5日年頭記者会見で「米国経済が活気付けば世界経済全体がインフレ傾向を強め、日本経済もデフレからの脱却が実現できる」と今年の明るい展望を話していました。
◇転機の予兆となる今年は、何を選び、何を伸ばしていくかの采配がとても重要になる年です。
企業経営では、これまで以上に「選択と集中」を意識して「トリ」組む年にしていきたいものです。昨年の兆候が今年に入って成就して伸ばしていけるきっかけになる年にしたいものです。
山手線の明治神宮口仮改札などはみごとに閑古鳥!
誰ですか!大吉は無いのかい?なあんて言っている人は・・・(笑)
守護神からの啓示
これは明らかな啓示だなと気が付き、冷静になって耳を傾けると「天川に行け」「天河弁財天社にご縁を結べ」とありました。ちょうど身内の不幸もあったことだから、禊祓い(みそぎはらい)もしなければならないので、思い切って出向くことにしたのです。
小声で啓示、「役行者に教えをもらえ」
ところが出向く決意したら、今までとは何か違う啓示です。声が小さく理解不能な日々が続き、どうも誰かに逢いに行けといっているようなのです。「縁のある人」、「縁の○○○○」と思い浮かぶのです。出発日までわからなかったのでそのままにしておいたら、脳裏にとある「お姿」が浮かびました。まさしく「役の行者」です。しかも以前に弥山山頂で、祠の中のお姿を見たイメージにそっくりです。ああ、「役行者に教えをもらえ」・・・との啓示、そこで里宮参拝から弥山山頂への「登拝」を決断したのです。
「役の行者」となると、弥山山頂の奥宮の祠の中です。毎年5月に開催されている山頂での護摩焚き行、「弥山登拝」に参加しなければ教えはもらえません。そこで躊躇せず「参加したい」の連絡を入れた翌日から「反対、反対」「断念しろ」の嵐です。若宮司も反対、尊敬する友人で医師の西本先生からも当然のように止めた方がいいとの連絡が入りました。決意をした後だったので、気持ちはまったくぶれません。反対されて自分自身決意の固さを知ることになったのです。
ここまで反対されるのだから、何か悪い要因が他にもあるかな、慎重になったのです。そこで5月の吉方位を研鑽すると、何と天川は凶方位で、5月に行ってはいけない最悪の方位でした。一度は気持ちが揺らいだのも事実です。だけど周囲の反対と困難は、試されているかも知れないと考え、「方位替え」をすることにしたのです。
天川までの行程は、何もなければ東京から新幹線で京都、近鉄特急に乗り換えます。これでは凶方位を採ってしまいます。そこで、前日に千葉県に入って木更津から東京湾横断道路を経由して、羽田空港に行って伊丹空港からバス、天王寺から近鉄特急といった工程にすると、凶方位が少しずれて問題の無い方位から天川に入ることが出来て。今思うと、思いとどまれ、行くな反対と声を掛けてくださった方々に感謝しなければなりません。
コンディションは良くないなあ
恒例の「行者還り」から山中に入り一路、弥山山頂の山小屋へ向かいました。
登拝当日と下山の翌日
何と弥山山頂は霧に隠れていて、ここだけが天界の頂上に繋がっているような錯覚を受けます。宮司が神木の棒を高く上げて唱えると、幾分か炎の勢いが増します。横にすると炎の形が何かが現れます。何か人智をを超えた力を感じざるを得ません。
護摩の炎からいでた龍・寅・不動明王・菩薩
奥宮正面での記念撮影(拙者1列目左から二番目の白装束)信仰の深い方々が多い印象
祈願投げかけ:父親が同じ日に他界の意味は?
成功率70%程度の移植手術は受けるべきか?
法難の禊ぎは済んでいるか?
役の行者から:お前の命をつなぐ為、命を二つ召し上げた。
現代医学では移植が限界、着手せよ
周囲を恨むな常に一人だと心得よ
これから天命の2組の出合いを用意する。生かすも殺すもお前次第
近視眼的にならず、遠くからの応援に耳を傾けろ
本当にそうなるのだろうか。今日現在、天の声の方向にガラガラと動いているの明らか!今も自然と一体になることで啓示が聴こえる。今は毎日と問いかけに応えが聴こえる。苦しいいばらの道ばかりを選ばせようとするから、少し恨めしくもある。
最後までお読みいただいてありがとうございます。
筆者敬白
神楽「大和舞」は
毎年舞を観ていますが今年は観え方が違いました。
舞からは
平成25年今年はどんな年になるのやら!
暖かい日差しの中で参拝できました。
人出が少ないように感じました。
遠距離帰省の数名は7日「神田明神」で参拝!
※OECDとは、民主主義や市場経済を支持する国が、「雇用増大」や「生活水準向上」、「世界貿易成長への貢献」を目的に活動する国際機関。50年以上にわたり、世界で最も信頼できる統計や経済、社会データを収集し分析、予測などを調査しています。
日本はもうダメだという報道にこそ問題がある。
ギリシャ発の欧州金融危機で、各国の混乱に比べれば「日本はまだ幸せ」と楽観的になれる方もいるでしょう。国内では、失われた20年の景気低迷で、中国に自慢の経済で抜かれ、国内では原発事故による安全神話崩壊など「日本はもうダメだ」とマスコミ、社会、若者が口をそろえます。このような報道を鵜のみにして、悲観的になるのは自由ですが、ここは考え方を切り替えてみましょう。
今こそ評論家ではなく「乱世の奸雄」が現れる時!
これからは、あくまでも偏見に満ちた私見ですが、日本は何度も苦難や苦境を乗り越えてきました。その都度「乱世の奸雄」のようなリーダーや人物が現れ、ひどい国難を回避しています。そのような資質を持った人物が、社会から放逐をさる社会システムこそが問題なのではないでしょうか。役人天国で、きれいな身の丈の人ばかりがリーダーにはなれないのです。思い出してください、原発事故発生時の首相を見れば一目瞭然です。増税ばかりではなく、将来を示すリーダーが現れる時です。
生かされている自分を感じると幸せはすぐ隣に!
人には、誇りこそ幸せの源です。日本に誇りを!仕事にプライドを!家族に愛を!世界も為に働く生きがいを!健康に感謝を!明日が迎えられる喜びを!生きてる自分から、大自然に生かされていると感じることができるのです。本当の幸せは苦しさの中にあるものです。
立春大吉「辰春」のご挨拶
旧暦では立春の日(新暦2月4日)が正月で元旦でした。あらためまして、新年明けましておめでとうございます。謹んで新春のお慶びを申し上げます。激動の平成23年が終わり、希望をもって迎えたい平成24年が幕を開けました。皆様におかれましては、どんな信念をもって臨む年になりますでしょうか。
今年の干支は辰(竜・龍)です
「辰」の原字は「蜃(しん)」。「振」「震」などの意味をもつこの字は、『漢書』律暦志によると「ふるう(震う・奮う)」「整う」「動いて伸びる」の意で、草木が成長し、形が整った状態を表します。
覚え易くするために龍が割り当てられたとされていますが、龍は十二支のうち、実在しない唯一の生き物。選定された理由は定かではありませんが、龍は「天に昇る」とされることから、転じて「上昇の年」になるとも信じられます。
辰年には新幹線開業・東京オリンピック・瀬戸大橋開通
実際にこれまでの辰年を振り返ると、戦後日本国内では、昭和39年には海外観光渡航自由化、新幹線が開通し、東京オリンピックが開催されました。また、昭和63年は青函トンネルや瀬戸大橋が開通するなど、日本経済を大きく盛り上げる大規模プロジェクトが目立つのが特長とも言えます。
今年5月は東京スカイツリー開業
今年は5月に東京スカイツリーの開業が控えています。建設途中から既に新名所として話題を呼んでいますが、周辺地域の再開発なども進めば更に観光客を呼び込むことができるでしょう。
投資したい金融商品:日本株54%、東日本震災復興需要見込む
金融の業界では現在でも縁起を担ぐ企業が非常に多くあります。過去の記録によると、十二支別で最も株価(日経平均)が上がったのは辰年とのこと。1月4日には今年最初の取引「大発会」を迎えましたが、東京株式市場では、8,500円台のスタート。東証株価指数(TOPIX)も続伸と、好調な滑り出しを見せています。
日本経済新聞が実施した「2012年に投資したい金融商品」アンケートによると、回答者の54%が日本株を選択し、最多となっています。その理由としては、東日本大震災の復興需要などが見込めることがありますが、日本の経済復興にも期待したいところです。
[2012.02.07]
(38)景気の悪い時こそ「相手のため」に働く!
11月23日は「勤労感謝の日」です先月まではハロウィン、いまはもうクリスマスのムードが漂い始めている日常ではすっかり影が薄れていますが、ハッピーマンデーに組み込まれないこの祝日は、戦前は「新嘗祭:にいなめさい」と称し、明治4年まで、旧暦11月の2回目の「卯の日」に、農作物の恵みに感謝する儀式が行なわれていました。
※「新嘗」とはその年に収穫された新しい穀物のこと。
勤労をたっとび、生産を祝う
戦後、昭和23年に公布、施行された祝日法では「勤労をたっとび、生産を祝い、国民が互いに感謝しあう」ことを趣旨とし、農業に限定してはいません。しかし、この日を中心に農林水産物展示会・資材展・技術研究発表会などが催され、優秀参加出品には天皇杯や農林水産大臣賞が授与される「農業祭」が開催されるなど、名残は大きく残っています。
戦前、戦後呼び方は変わっても収穫に感謝、収穫をもたらした1年の勤労を尊ぶことに変わりはありません。近年では失業率が下がらず、また、若年層の就労機会も失われつつあります。健康で働けること、収入、収穫を得られることに感謝しなければならないと深く感じます。
キャッシュ・オン・デリバリーはお互いの信頼の証
「100年に一度」と言われる不況の中でも仕事を持てる私たちがすべきことは「相手のために仕事をする」「取引先や業界人のために少しでも何かできないかを考える」ことです。
仕入れた品物の代金を、30日、45日などのサイトで支払う、あるいは半年先の手形で支払うことが認められるなど、日本の商道徳の根本には、取引相手に対する深い信頼が前提となっています。これは「キャッシュ・オン・デリバリー」が一般的な欧米から見たら信じられない習慣でしょう。
この仕組みの合理性は別として、私たち日本人が「信頼」を基に商売をしていることは揺るぎない事実。ならば、この日本で企業が生き残るため、商売を続けるためには「取引先に喜んでもらえる会社にする」のが、大きな柱であることは間違いありません。
相手に喜んでもらうのが仕事
駄洒落が好きな日本人は、昔から「商売」を「笑売」「商い」を「飽きない」(「春夏冬中(秋ない:商い)」という看板を目にすることも)と書き換えるなどしてきましたが、この根底にあるのは「お客さまに喜んでもらわなければ商売は長続きしない」という考え方。
つまり、仕事とは相手に喜んでもらうことこそが原則であり、お金を頂戴するのはその結果という姿勢が基本であるということを、今一度考えてみる必要があります。
相手がいるお陰で仕事が出来る
現在のように景気の悪さが長引くと、どうしても目先の損得ばかりに目が行きがちです。ところが、売上だけを追ってしまうと、逆に目標に届かないということも多くある話。低コストで売上を立てようとすることで潜在的な顧客を逃してしまうなど、弊害も多くありますし、何よりも、会社の中が殺伐としてしまいます。
私どもに相談にいらっしゃる皆さんに「助かった」「ありがとう」と感謝してもらえることを第一に掲げています。相手の知らない事を教えてあげたり、出来ないことを代わりにやってさしあげたりすることで、信頼を得て、一つの仕事がまた別の仕事につながることも少なくはありません。
「お客様は神様」という言葉はもうナンセンスかも知れませんが、今年の勤労感謝の日には「相手のために仕事をする」「相手がいるお陰で仕事ができる」ということを、改めて考えていただきたいと思います。
[2011.11.22配信]
(37)死ぬ気で生きる!リサイクル時代の『武士道』の読み方
「武士道と云ふは、死ぬ事と見附けたり」
これは『葉隠』(山本常朝・田代陣基)の冒頭の一文です。大東亜戦争中の特攻や自決の際にこの一節を残して命を落とした方も多く、特に有名な一節なのでご存知の方は多いかと思います。座右の銘にこれを挙げる経営者もいらっしゃいます。
「武士道の根本は、死ぬことにつきると会得した。死ぬか生きるか、二つに一つという場合に、死をえらぶというだけのことである」という文章も続き、潔く死を迎え入れることこそが「武士道」であるという解釈も根強くあります。 しかし、これは単純に死を推奨するものではありません。「決死の覚悟」と言うように、死ぬほどの覚悟を決めて物事を選択するというのが本来の意味と考えられます。屁理屈のようにも見えますが、「生き延びる」と決めたのならば 死ぬ気で生きるのが真の道と言えましょう。
かつて語られた「企業30年説」では、どんなに時代を席巻した企業も、30年経てば技術の進歩や環境の変化によって事業に翳りが見えるものとされてい ました。平成の現代では、その周期はさらに早まっています。
日本の中小企業は「創業→成長→競争→淘汰→廃業」という「優勝劣敗」の流れのなかにありました。競争に負けたら淘汰され、それで終わりだったのです。 私どもに相談にみえる企業のなかには「収益を見込んで起業したものの、頓挫した」という例も。
何がヒットするかわからないいま、企業にとってもチャンスはあると思われますが、反対に失敗した時のリスクは旧態然として大きいのが現状。リスクばかりでは起業したい人も減ってしまいます。
この「優勝劣敗」のサイクルのなか、廃業に追い込まれる企業がある一方で、「淘汰」から「再編→整理→再生→成長」と組成する企業が増えなければ、日本経済の復活もあり得ません。東日本大震災などで仮に、自分の会社が淘汰の波のなかにある と感じているとしても、決して諦めないでいただきたいのです。
不用品を再生、再利用することがリサイクル。現在では関連法案も施行され、社会にも定着しました。これからは、会社そのものもリサイクルの時代です。放置したら倒れるだけの会社なら、勇気を出してイノベーションなど「リサイクル」に取り組み、旧態勢からの時代にマッチした会社へと進化「再生」を果たし、「生きること」を死ぬ覚悟で果たしましょう。経営者よ野武士たれ。
[2011.11.10]メルマガ加筆訂正
(36)商売を顧みる:デューデリジェンスでしょうか。それは「誓文払い」です。
「誓文払い」(せいもんばらい)という言葉をご存知でしょうか。商売上やむを得ず嘘をついたり、人を騙したりした罪を祓い、神罰を免れるように祈る古くからの風習のことです。「誓文」とは、神に誓う誓詞・起請文のこと。また、男女が変わらぬ愛を誓って取り交わす言葉や文書のことも指します。
遊女が客を繋ぎとめるため、常套手段として使ったのが「年季が明けたら夫婦になろう」という誓文結び(誓文固め)。結局、多くの場合、その約束が反故にされることとなるという顛末は、今も昔もあまり変わりませんが、当時の遊女は夫婦になるという神に誓った約束を破った罰が当たらぬように、と参詣してその罪を払ってもらった今日に伝わります。
それに倣い、商家や水商売の人たちは、旧暦10月20日にお参りし、日頃の商売上やむを得ず人を騙したり、嘘をついたりした罪を祓い、神罰が当たらな いように祈願したそうです。 ※起源については諸説あり
今では、主に関西地方で、10月20日の恵比寿祭(蛭子様=商売の神様)の時期に大安売りをするという習慣として残っています。元々は、普段の儲けの罪滅ぼしとして「掛け値なしの大放出」であったものを、祭事に結び付けて大売り出しを行い、さらに商売繁盛につなげる関西の商人魂はさすがと言えましょう。
「罪滅ぼし」するほどの嘘などつかないに超したことはありませんが、企業として当初掲げた目標も達成に至らず...とはしばしば起き得ること。また、消費者の心理を煽るために過剰なセールストークを繰り広げている企業も少なくはありません。誓文払いは利益追求に走り、顧客や取引先を蔑にしてはいないか、など、日頃の姿勢を顧みて、反省する良い機会と捕らえてください。もちろん、目標達成に向けての最大の努力が求められることは言うまでもありませんが。
現政権は「マニフェスト崩壊」が糾弾されています。昔の政治家は制度改革に私財を注ぎ込み、近代国家を作り上げました。財源確保が出来ないからと増税に走る前に、もっと削減すべきところがあるでしょう。
福島第一原発の事故に伴い追求が続いている東京電力についてもまた然り。「東電:清水社長の退職金5億円」との報道を受け、海外から「どうして日本人は暴動を起こさないのか」憤りの声も寄せられるほど。相手があってこそ、商売も政治も(恋愛も)成り立つのだから、当たり前のことを改めて胸に刻み、何事にも誠実に取り組んで参りたいものです。
※参考※「えびす講」「誓文払い」http://www.kisetsunootayori.com/03/23-11-15-2.html
[2011.10.20]メルマガ加筆訂正
蓮舫節電啓発担当相は4月1日の記者会見で、東京都の石原慎太郎知事が桜の花見について「一杯飲んで歓談する状況じゃない」と自粛を促していることに対し、「権力で自由な行動や社会活動を制限するのは最低限にとどめるべきだ」と反論した。
また、一部にコンビニエンスストアの深夜営業を自粛すべきだとの意見があることにも「夜間の電力は、現段階では相当余っている。コンビニや自動販売機の夜間の照明は、治安的にも意味がある」と述べ、不必要だと強調した。
その上で「電力があるにもかかわらず経済活動を公の力で制限していくということが、わが国の経済にとってどのよう影響があるのかも冷静に考えるべきだ」と訴えた。
花見自粛反論記事に以下のコメントが載っていました。
「言っていることは蓮舫大臣は正しいと思いますが、何をくだらないこと言っているのかとしか思えません。被災地へ警察や消防が大量に出て行っているのに、警備とか救急のリソースはどうするのでしょうか、自粛って言葉の意味を考えていますか、どこが権力なのでしょうか。そんなことより、被災地の支援物資の流通止めてないで末端の避難所まで早く行きわたらせるべきで、政権与党の仕事をするべき、国民の生命の安全を第一にすべきで、与えられた権力を使わないのも、無責任ではないですか。非被災地の一般市民の消費行動に責任転嫁しているのではないと思います。」このコメントです。私も同じような意見を持ちます。
被災地で頑張っている自衛官、警察、消防、自治体関係者に遠くから協力を
知人の元自衛官のご子息が、被災現場にいち早く出向いていきました。交代で一時帰京しましたが、自衛官予備役の投入が決まって志願して被災地に出向いたと聞いていましいた。父親の元自衛官は同年輩でカラオケ仲間です。半分隠居の様な身の上で陽気な方ですが、3月11日以後めっきり出歩くことがなくなりました。精神的にも体力的にもきつい場所に行っているご子息を案じているようです。日本人の精神文化の中に、境遇を共有するといったものがあるように思います。お百度、同じ釜の飯などなど、避難所生活を余儀なくされている今は、経済の影響を基礎に置く前に被災地にいかに協力出来るか考え、背景を理解して一言一言を大切に発言してもらいたいものです。
[2011.4.2]
東日本大震災、災害お見舞い
昨日3月11日東日本大震災発生から一晩経った現在まで、東北・太平洋沿岸地震の悲惨な状況が報道で放映されています。岩手県、宮城県、仙台市、福島県ほか太平洋側各地でお住まいの方、甚大な被害にあわれた方も数多くいらっしゃるでしょう。また、震源地から遠い日本海側でも停電などの被害が出ていると報じられています。震源地付近、沿岸部の津波被害に終わらず、更に火災や停電など被害が広範囲に及びました。
東京ほか関東でも電話回線のパンクや交通混乱、ライフラインの損傷で甚大な被害が生じております。帰宅できず、職場に泊まられた方も数多くいらっしゃたでしょう。暗くなってから都内のコンビニエンスでは食料品を購入する人で混雑していました。
皆様、ご自身とご家族、お住まい、職場が被災されていないことを祈念申し上げます。また、何かお困りの方、被災された方には出来る限りの支援・協力をしたい所存です。
私どもに何なりとお申し付けください。
関係者のご無事をお祈り申し上げますと共に、心よりお見舞い申し上げます。
筆者、八木宏之 拝
[2010.03.12]
タイガーマスクの意外な功徳
子供達の為に使って下さい」昨年のクリスマス、群馬県の児童相談所に漫画『タイガーマスク』の主人公「伊達直人」名義でランドセルが届いたことをきっかけに始まった「タイガーマスク現象」は、瞬く間に全国に広まりました。その寄贈先は保育所や幼稚園、更には老人福祉施設や警察、大手スーパーにまで及んでいます。
寄贈された物品は、ランドセルの他にも文具やおもちゃ、現金、商品券、食品、紙おむつ、中には金塊なども届けられているとのニュースには驚きです。
最初の「伊達直人」氏からの寄贈品がランドセルだったことや入学準備シーズン真っ只中であることもあり、文具やランドセルが多く届けられているとの報道ですが、ニュースを見て、児童養護施設に住む子どもたちにはランドセルが支給されていなかったのかが気になりました。
入学に必要なのはランドセルだけではない
日本国内の児童養護施設に住む子どもたちには、国と自治体から生活費が割り当てられており、進学にあたっては入学支度金(小学校入学で約4万円)も支給されるそうです。ブランドにこだわらなければ、もちろんランドセルの購入は可能でしょう。考えてみると、入学するのに必要なのはランドセルだけではなく、学用品や上履き、体操着、通学にふさわしい普段着などなど、数え挙げればキリがありません。値の張るランドセルを寄付してもらえることで出費が抑えられ、他の学用品に充当することができるのです。
毎年続いていたランドセル寄贈
施設によっては地元のランドセルメーカーやボランティア団体から毎年人数分のランドセルの寄贈を受けていることもあるようです。とはいえ、近年の少子化や業界大手の攻勢にあおられ、縮小に追い込まれている手作りメーカーが多いことは想像に難くありません。件のタイガーマスク現象にも「恵まれない子どもたちの一助になれば」とランドセルを製造するメーカーに現金が届けられたこともわかりました。
一連の寄付活動を「騒動に便乗した偽善」と切り捨てる冷ややかな意見も聞かれます。そのほとんどが人から感謝される行為であることは紛れも無い事実。あえて匿名である必要はないとの意見ももっともです。一部のこころ無い方々は「名前を出せない金だ」とか「悪事の償いだ」などと名を伏せることが罪滅ぼしだとの声もあります。
タイガーマスク現象でマスクが人気!
余談になるかもしれませんが、「タイガーマスク現象」で改めて注目を集めた原作漫画や、タイガーマスクのキャラクターのゴム製マスクのメーカーにも注文が殺到しているそうです。特に、ゴム製マスクを製造しているメーカーでは思いがけぬ特需に大わらわです。こちらのブームは一過性のものかもしれません。
日本人の誇りを忘れない
政治、経済、外交関係、暗いニュースばかりの社会に、TVの再放送にも流れなくなった『タイガーマスク』は間違いなく日本人の心を目覚めさせてくれたのではないでしょうか。この心温まる現象が一時的なもので終わってしまわないよう続いて欲しいものです。私は正しく善い行いをできる日本人であることが最も幸せで、今回の現象を我が事のように誇りを感じています。読者の皆さまも同じ考えでしょう。
[2011.2.1]
進化の行方
戦前からの再販制度を21世紀まで引きずっていた著作物を扱う産業に、まったく新しい流通革命が起きている。「出版社には紙の本のプロはいるが、電子書籍のプロは少ない」作家の村上龍氏はそう語り、電子書籍の制作・販売会社を設立した。
紙の手触りやインクの香り、陳列された棚から本を探す楽しみなどを奪われては味気ないという意見も、もはや古いタイプの本読みのノスタルジーに過ぎないのだろう。確かに、流通コストがかからず、欠品の心配もない。消費者にとっては良い作品を安く読めるうえに、紙を使わないことでエコにも貢献できるなど、いいことずくめの電子書籍の普及に期待が膨らんでいることは言い逃れできない。
しかし、事業再生の現場にいる人間としては新たな心配も生じる。書籍が電磁的媒体で配信されることにより、年々激しさを増している書店業の淘汰に、一層の拍車をかけることは間違いない。既に音楽産業ではレコードからCD、データダウンロードへと変わり、「レコード店」の看板が一部のレトロ嗜好のマニアのためのものとなってしまっているように、出版業界でも同じ様な動きが考えられる。
電子書籍以前から、Amazonや楽天ブックスをはじめ、取次直営のBoople、本やタウン、国内最大手の運輸会社と提携したブックサービスといったオンライン書店の台頭や、書籍以外の商品も扱う複合書店、都市型有力書店の広域展開に伴い、地方の中小規模の書店は確実に打撃を受けている。加えて電子書籍の普及を受け、多くの消費者の流出は避けられない。出版不況の深刻化に伴い、「大手」「老舗」と呼ばれて地元のシンボルとなっているような書店の閉店という報道も散見される。便利さと引き換えに失われるものは、温もりや情緒ばかりではなく、雇用や地方の税収など、もっと生々しいものかもしれない。
加速する電子書籍市場の拡大を受けて、大手書店では電子書籍を紙に印刷・製本して販売するサービスを開始するという。出版形態の多様化に合わせて、購入方法も幅広く変化しているのだ。元々は紙媒体であったものと考えると本末転倒とも受け取れるが、絶版本の復刊や希覯書の販売などにも活用されれば、新たな経済効果も期待できる。
一方で、データの違法コピーによる「デジタル万引き」なる問題も深刻化している。経済の好転のためには消費者の経済参加意識も向上させなくてはならない。
2011年2月号に寄稿
[2011.01.06]
これでいいのか事業再生業界 弱者救済は善か悪か
㈱セントラル総合研究所が平成22年1月以来、業務を縮小して積極的な啓蒙活動を休止してから早6ヶ月が経つ。この間に国民新党の亀井大臣が半ば独断でゴリ押しに押し切った「中小企業金融円滑化法」は首尾よく1年間の延期となった。
債務者主導のモラトリアム法に反対勢力は廃止願望
現行法は平成23年3月末で期限を迎え、更新か廃止かの判断が問われている。結果は1年間の延長となった。金融機関や、債権者側に立った事業再生関係者は金融円滑化法の廃止を巧みに訴えている。主なところではTNR、銀行協会といったところだろう。逆に金融円滑化法存続を支持している団体は債務者寄りの事業再生コンサルタント、苦しむ姿を見ている税理士や、経営コンサルタントを擁している商工会議所だろう。この人たちは倒産の減少をデータで主張する。確かに昨年、一昨年よりは倒産件数の減少している。また、別な観点からこの人たちは変化を求めた人たちでもある。昨年の衆議院議員選挙で政権交代に積極的な行動や発言を繰り返した。どちらが善で逆が悪かというとそうでもない。政権交代と変化を求めたのである。
しかし、一方で単に倒産を先送りしただけだとのコメントも聞かれる。この件の報道は主張が左右に振れているところを見ると、今こそ活発な議論の余地や工夫のしどころだろう。金融機関関係者、監督官庁は、のコメントは問題の先送りだとしている。
社会を見てみるとたとえ倒産が1年遅れただけだとしてもその間の雇用は守られたことになる。また、営業努力や市場開拓、転業でチャンスをつかむにはどうしても時間が必要になる。経営の現場サイドでこのような瞬時の判断を迫られた時に経営の原則には「ゴーイング、コンサーン」といった原則がある。要は継続することが正義だといった考え方で、明日や未来はどうなるかわからないということで、前向きに言うと考え方一つで変えられるといった経営者の根底思想だ。
これに比べて金融機関は時間×金利=期間利益としか捕らえていないようで企業は単なる金利製造のための装置だとの考え方に支配されがちだ。モラトリアム法案はその趣旨に債権者努力と債務者責務が両論併記されている。単に債務者企業が可愛そうだといったことではない。
中小企業デフレ対策:緊急保証、モラトリアム法
ここで、モラトリアム法案から離れ、そのほかの中小企業支援策を見てみよう。即座に思いつくのは信用保証協会の緊急保証制度である。80%保証がセーフティーネットで100%保証になるといった金融機関保護と市場に通貨流通を促す作用があった。これも都市部では一定の成果を挙げているが、地方や産業基盤が第1次産業に傾倒している地域では、モラトリアム法のニーズはあるもののセーフティーネットそのものが要求さていない。このように経済産業省管轄の信用保証制度のセーフティーネットと金融庁の企画した中小企業金融円滑化法との併用が終了するタイミングを迎えている。
そこで、債務者団体や経済界、フリーのコンサルタントも一致して声をあげるべきときに来ている。信用保証協会の緊急保証、金融円滑化法時限立法の段階的な正常化が必要で、延長するとすれば問題点を洗い出し単なる倒産延期だとは言わせないようなモラルハザードネットが必要であろう。
その点、緊急保証から新しく借換え保証に段階的な正常化にすることも一定の理解ができる。中小企業庁では差額の捻出資金を「真水」と呼んでいる点はとても業界的である。このように今こそ、債務者、中小企業側ターンアラウンドを標榜する団体や関係者は結束してモラルハザードネットを付け加えることでモラトリアム法案の延長を声高に主張しよう。
風見鶏事業再生コンサルタントのコメント
以前には債務者救済を標榜していた事業再生コンサルタント団体の理事は、1、東京地裁の違法な手数料取得とされた営業譲渡騒ぎ、2「借りたカネ返すな」関係者の脱税容疑が報道されると、サッと体をかわして債権者寄りのコメントを出している。社会の動きが債務者側事業再生コンサルタントの声を小さくしてしまっているのには残念だとしか言えない。彼ら債権者主導の事業再生コンサルタントたちはこの機に乗じて規制を強化して事業再生利権を確固たるものにしようとしている。いささか変わり身の早さに金融機関も戸惑うことだろう。
一貫して中小企業再生を手がけ、債務者再生を標榜してきた私たちは、如何なる困難があろうとも、右顧左眄するエセ・ターンアラウンドマネージャーとは一線を画したいものだ。
[2010.12.21]