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コロナ感染状況で差をつけ雇用調助成金を再び延長!幾度の延長で財政は?

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4月までは一律給付を5月からは状況により支給
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厚生労働省は3月25日、従業員へ休業手当を支払う企業にへ支援するための雇用調整助成金の特例措置を3月末から再び延長し、5月以降は経営状態や新型コロナウィルスの感染状況で差をつけ、支給すると発表しました。
現行で特例措置を一律で支給するのは4月までとしており、必要以上に休業支援が長引けば経済の構造改革や人材移動に悪影響を与える指摘されていました。
雇用調整助成金は、これまでも新型コロナウィルスによる経済への影響で幾度か延長が繰り返されています。

5月より給付率100%から90%へ
特例措置は、昨年春以降幾度も延長し、1人当たりの上限額は1日1万5,000円で助成率は最大100%ですが、5月以降は基準を満たした企業以外は上限額1万3,500円、助成率は90%にする方針です。
給付される企業は、直近3ケ月の売上高が30%以上減少する企業で、5月以降も現行措置が維持され、緊急事態宣言に準じた措置をとるまん延防止等重点措置が適用される地域、営業時間が短縮された企業が適用されます。
雇用調整助成金を受け取れない非正規労働者に対しても、同様に5月から助成率80%、1万1,000縁を9,900円にして給付するとしています。

業態転換する中小企業へ支援
雇用調整助成金独自の積立金は既に枯渇しており、財政の厳しさも背景にあり、失業手当てに使用する雇用保険の積立金から2兆円規模の借り入れをして賄っている状況です。
今後は、労使が支払う保険料の引き上げや国費からの借入を増やさなければ失業手当ての支給もおぼつかなくなります。
コロナ後の社会に合わせて業態転換を促す事業再構築補助金を活用し、1企業当たり最大で1億円を用意し、インターネット通販や飲食業のテイクアウトなど新たな取り組みを始める中小企業を支援する方針です。

雇用調整給付金の予算額は6,000億円超え
令和2年度の雇用調整給付金予算額は、6,117億円のほか、終20時間未満働くパートを対象に緊急雇用安定助成金が124億円計上されています。
ただ、コロナ感染リスク回避や外出自粛で消費者心理の急回復はできたいため、コロナ前の業績回復が難しいBtoC(Business to Consumer:企業が一般消費者対象に行うビジネス)業種や労働集約型の企業を中心に最後まで雇用調整給付金の特例措置を活用する企業が増加する事が見込まれています。


[2021.3.30]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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