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銀行の貸出残高、中小企業向け融資が最高に!地方公共団体へも手厚い貸出し

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銀行109行の中小企業向け貸出残高は335兆円超え
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新型コロナウィルス感染拡大による菅政権の経済・金融支援策に伴い、国内の銀行109行の令和2年9月中間期の総貸出金残高は前年同期比6.4%増の498兆638億円と急増しました。
このうち、中小企業向けの貸出金残高は、同4.2%増の335兆2,102億円と平成24年同期から9年連続で増加し、金額・伸び率とも最高を更新しました。
また、地方公共団体(地方自治体)への貸出金残高も同11.4%増の36兆1,706億円と調査開始の平成22年同期以降、最高額を更新しています。

大企業でも長期リスクに備え借入金を内部保留へ
新型コロナウィルス感染症による苦境に陥った企業は、中小企業だけでなく、上場企業・大企業でも運転資金や長期のリスク回避のために借入金で内部保留を厚くする動きが見られます。
新型コロナウィルス感染症者は減少傾向にあるものの、この先不透明な状況は続くと考えられ、緊急避難的な破綻回避策としての借入で過剰債務を抱えた多くの中小企業はコロナ禍から1年が経過し、返済時期を迎えようとしています。
中小企業支援と与信費用の増大の間に立つのが金融機関ですが今後は中小企業への対応が注視されます。

中小企業向け貸出し、109行中105行が増加
中小企業向けの貸出金残高が増加したのは109行中105行で全体の96.3%を占め、前年同期の96行から9行増加しています。
地銀では、スルガ銀行を除く63行、第二地銀では東京スター銀行を除く37行で、それぞれ前年同期を上回りました。
中小企業向けの貸出金残高の伸び率では、愛知銀行の前年同期比20.2%増で中小企業向け貸出金は1兆9,143億円で総貸出金に占める構成比は81.08%に上りました。
次いで名古屋銀行が同17.0%増、福島銀行が同13.9%増、福岡中央銀行が同13.4%増、仙台銀行は同12.2%象と続き、伸び率上位10行のうち第二地銀が8行を占めました。

大企業は貸出金、コミットメントラインで資金確保、中小は無担保・無利子融資で事業再生へ
新型コロナウィルス感染症の影響で急激な業績悪化から規模を問わずに数多くに企業が厳しい状況に陥り、大手企業では運転資金や長期リスクに備えた資金確保や、一定の融資枠で融資要請に応じ融資する契約であるコミットメントラインの設定で資金繰りの維持を図りました。
一方、中小企業では、実質無担保・無利子融資など国の金融支援策の副作用により、過剰債務に陥っている中小企業が少なくありません。
今後は、金融機関では貸出だけでなく、中小企業へ寄り添ったアドバイスや事業計画を支援できるかが問われ、何より専門家への相談が問題解決につながります。


[2021.3.2]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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