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【平成25年】日本経済はどうなるVol.1/大胆な金融緩和、企業の活力引き出す経済政策は参議院選挙対策?

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安倍政権、2%のインフレ目標設定を日銀に要請
昨年12月26日、特別国会が召集され安倍政権が発足しました。公約である大胆な金融緩和の期待を背景に為替は、昨年11月半ばからドルに対して約5%下落。円安へ向かい、輸出産業や金融、不動産関連株もやや上昇しました。
安倍首相は日銀に対し日銀法の改正を持ち出し、繰り返し金融緩和を求め、2%のインフレ目標の設定を要請しています。日銀では、昨年11月の金融政策決定会合で、1%をめどとした目標に達成まで無期限の金融緩和を促すとの意見も上がりました。新政権となりさらに1%上昇を政府、日銀の実行力、維持力などが焦点となります。

日銀金融緩和、金融市場への供給規模を10兆円増額
日銀は、物価安定に向け、景気低迷中の日本経済に資金の供給や、金融機関の金利引下げなど金融緩和を行います。現在は実質ゼロ金利政策が維持され、企業の設備投資や住宅ローンも史上最低金利となるなど投資や消費を促進。企業の設備投資や住宅や自動車の消費が増えることでデフレにも歯止めがかかります。
日銀は、昨年12月の金融政策会合で景気の現状について、企業の生産や輸出が減少し、短観の景気判断も大きく悪化していることから、一段と弱含んだ表現に下方修正。金融市場に資金を供給する基金の規模を、これまでより10兆円増の101兆円とすることを決定。今月の決定会合で実施されます。

金融緩和だけでは景気回復ならず、規制緩和や優遇措置など施策が必要
平成20年、リーマン・ショックの金融危機時に欧米では、その対応に金利を引下げるなど金融緩和策を実施。翌21年には、ギリシャの財政問題発覚でさらに金融緩和に動き、日銀の対応の遅さが指摘されました。安倍首相の大胆な金融緩和の発言による期待感から株高傾向となっていますが、金融緩和だけでは景気は上向きません。
景気回復には、企業の活力を取り戻すために規制緩和や、法人税の優遇措置や減税といった、施策が合わせて必要です。政府、日銀による経済・金融政策が揃って実行されることで、資金が回り始め景気回復へ向かうのです。

日銀の独立性、崩れれば日本の信認にも影響
デフレと円高の克服に政府、日銀の金融緩和への強い姿勢は、経済だけでなく市場心理の改善にも繋がります。一方で、中央銀行として日銀の独立性は尊重される必要もあり、施策による国債の増発などは日本の財政への信認にもかかわります。


公共工事の次の成長戦略青写真
長引く景気低迷により金融機関では企業への貸出しが進まず、大企業では内部保留が増加し設備投資などには回らない現状です。一方で資金ニーズの高い中小企業へ運転資金が届いていないのが現状。金融緩和とともに、国土強靭化計画による公共工事増加の次に企業の活力を引き出す成長戦略や規制緩和など施策のタイミングが今後の安倍政権に求められています。2年後には消費税増税が控えているのです。

八木宏之の一言
衆議院議員選挙の自民党大勝の影響で、10年で200兆円のインフラ整備や地震対策など国土強靭化計画に公共投資するとしています。政権発足後、為替、株価など市場は早速反応しました。建設工事業関係者には即効性の高い公共工事にあやかること出来、早期着手するチャンスに恵まれるでしょう。もしかしたら、それも参議院選挙までかもしれません。サービス業や飲食店など川下の産業が、恩恵を被るのはそう簡単ではないのです。報道では、サラリーマンの給与水準が上がるのは、更に先だと予見しています。
個人的な見解として、給与上昇より前に金融機関の信用情報が上がってくることでしょう。住宅ローンや学資保険など、生活密着型の融資に効果が表れるので、川下の方々が辛抱するのは参議院選挙までと認識しましょう。


[2013.1.1]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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