住宅ローン金利引下げにメガ、地銀、ネット専業銀行間の過当競争が一層激化！金融機関の貸出し住宅向けは増、中小向けは減
長期金利は低水準維持、９月の住宅ローン、各行引下げ
長期金利の指標である新発１０年国債の利回りが先月より低水準となったことを受け大手金融機関では、９月の住宅ローン金利を引き下げました。三菱東京ＵＦＪは１０年固定型の最優遇金利を前月から0.2%引下げ年1.5%。りそなも0.15%引下げ年1.55%。三井住友信託は0.1%引下げ1.25%と、他行も追随する見込みで金融機関による住宅ローン低金利競争は一層激化します。
来年４月に予定されている消費税増税前の駆け込みニーズに、各行金利引下げで顧客獲得争います。中小企業向けの資金ニーズが伸び悩むなか、住宅ローンは金融機関にとって安定した収益となります。
安倍政権：増税前、増税後の反動減対策は準備万端
消費税増税をめぐり政府は各方面からの意見を聴衆していますが、増税の影響が大きい住宅産業からは増税を肯定する意見が出されました。政府は、増税前の駆け込みニーズと増税後の反動減の対策として、今年末で終了予定の住宅ローン減税を平成２９年末まで４年延長。来年４月以降に引き渡される住宅の減税額を現在の２倍、最大４０万円に増額。また中低所得者向け対策として、増税後の負担軽減措置を設け、年収510万円以下を対象に最大３０万円を給付するなど万全の準備です。
住宅生産団体連合会では、「過去のような反動減にはならない」との見解を示しました。
地銀・第二地銀８４行の貸出金残高2.9%増、住宅ローンが牽引
住宅ローンをめぐる顧客獲得競争は地銀でも広がりを見せ、多少の利回りを犠牲にしても貸出を増やし収益を確保する動きも見られます。地銀、第二地銀８４行・グループの今年３月末期の貸出金残高は、前期から2.9%増え、このうち住宅ローンは56兆2,120億円と同3.6%増加。一方、中小企業向けは2.2%減少と対照的です。
アベノミクス効果による景気回復期待は、地域企業の資金ニーズに未だつながらず、地銀の貸出金拡大は住宅ローンや自治体向けに頼らざるを得ない状況です。過当競争が長引けば利ザヤは縮小し収益悪化、再編による規模拡大に踏み切る金融機関も考えられます。
ネット専業の住信ＳＢＩ、住宅ローン取扱額は中堅地銀並の規模に拡大
ネット専業銀行では、住信ＳＢＩネット銀行が８月２０日、住宅ローン取扱額が累計1兆5,000億円を超えたことを発表。同行は、昨年３月に１兆円を超え、わずか１年５ケ月で1.5倍に急増しました。同行の平成２４年度の住宅ローン実行額は、約3,433億円と中堅の地銀並みの水準。金利の引下げに加え、ネットで手続きが完結でき、１円からでも繰上げ返済もできるなど利用者のニーズを捉えました。
首都圏では、７月のマンション供給数が６万戸を超え前年同月から約３割増加。６年ぶりの高い水準になるなど、供給側も住宅ローンの過当競争はしばらく賑わいを見せそうです。
●関連記事：「都銀・地銀、貸出残高が増加！実態は不動産投資や住宅ローンの恩恵、企業の設備投資は今一」[2013.8.24配信]
●関連記事：「住宅ローン金利上昇が一服、増税前の駆け込みに金利引下げ競争が激化！相次ぐ異例の月半ばの金利改定」[2013.8.21配信]
[2013.9.4]
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八木宏之プロフィール
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな！』（大和書房）をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』（日本実業出版）、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』（かんき出版）、平成14年、『借りたカネは返すな！』（アスコム）はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
著書の紹介はこちらから。
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな！』（大和書房）をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』（日本実業出版）、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』（かんき出版）、平成14年、『借りたカネは返すな！』（アスコム）はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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