銀座松坂屋、88年の歴史に幕:銀座最古の百貨店/長期開催、高額商品バカ売れ!異例づくしの「閉店セール」
銀座最古の百貨店、88年の歴史に幕/最終日だけで7万人来店
東京・銀座で最も古い歴史を持つ百貨店、松坂屋銀座店が、老朽化に伴う建て替えのため6月30日に営業を終了し、閉店しました。
最終日には開店前から1,000人を超える行列ができ、閉店時刻の午後8時までに約7万人が来店。営業終了時には、店員らが手元のクラッカーを鳴らし、88年余の歴史を持つ銀座最古の百貨店の終幕を惜しみました。
競争激化、「百貨店離れ」で売上は最盛期の1/4以下に
関東大震災の翌年の大正13年に開業した同店は、バブル最盛期であった平成2年度に売上高540億円を達成。ところがその後は、百貨店としての独自性を打ち出せないまま三越、松屋、プランタン銀座に対して劣勢に立たされていました。銀座の一等地にありますが、売り場面積が2.3万平方メートルと手狭なことも苦戦を招いたと見られています。
若者の百貨店離れが進み、主力商品の衣料品の売り上げも伸び悩むなかで、家電量販店やファストファッション「フォーエバー21」などを誘致。客層の新規開拓を試みたものの、平成25年2月期の売上高はピーク時の1/4以下の102億円に落ち込んでいました。
閉店間際の景気回復で高額商品バカ売れ!
今年4月3日からは、百貨店の企画としては異例と言える約3ヶ月間の長期にわたって「閉店セール」を実施。折しも安倍政権の経済政策「アベノミクス」への期待感から景気が上向き、絵画などの高額品が予想以上の売れ行きとなったとのこと。取り扱い点数は期間中に述べ5,000点を超え、閉店セールにもかかわらず、商品の追加確保に追われる事態に至りました。
売上高は4月が前年同月の2.7倍、5月が2.4倍、6月は15日までで3.4倍に増。セール期間中だけで、前年度の年間売上高の2/3以上に当たる約75億円を稼いだことになります。
3年後には銀座最大級の商業施設にリニューアル!/百貨店継続は未定
88年の歴史に幕を下ろした銀座松坂屋は取り壊され、平成28年8月には、銀座地区で最大級の地上13階、地下6階の複合ビルに生まれ変わる計画です。新しい複合ビルは、オフィスや多目的ホールが入居するほか、屋上には庭園も整備。商業施設もテナントとして入りますが、松坂屋を経営するJ・フロントリテイリングによると、松坂屋が入居するかどうかは決まっていないとのこと。
銀座では三越、松屋、プランタン銀座も増床や改装を進めており、この先数年で街並みが大きく様変わりすることが予想されますが、全国有数の買い物激戦区では、顧客層に合わせた戦略が欠かせなくなっています。
●関連記事:「再開発で売上2桁伸び、三越銀座店の次は松坂屋銀座店!銀座最大規模の複合施設プロジェクト」[2012.12.19配信]
●関連記事:「J.フロント(大丸松坂屋)はパルコを傘下に!再編後の百貨店業界は異業種とコラボ」[2012.7.9配信]
[2013.7.9]
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