平均株価:震災前の水準へ/日本取引所が始動!目指すはアジア№1市場
日本取引所:東証、大証統合で時価総額、世界11番目の市場規模
東京証券取引所と大阪証券取引所は、1月1日に経営統合。発足した持ち株会社の日本取引所グループが4日に東証1部に上場しました。上場する世界取引所の時価総額合計では、香港取引所やシカゴ・マーカンタイル取引所の1兆円超えには届かないものの、日本取引所は11番目の市場規模。日本取引所グループ斉藤CEOは「世界の投資家から選択されるアジアナンバーワンの市場を目指す」と統合の抱負を示しました。
日本取引所は、今年7月16日に大証の現物株市場を東証に統合。来年1月には、大証が東証のデリバティブ(金融派生商品)市場を吸収します。経営規模を拡大し海外取引所との競争に対抗します。
米財政の崖回避にアベノミクス期待で進む円安株高
年明け最初の取引となった1月4日の日経平均株価は大幅に上昇し、上げ幅は一時300円を超えました。取引時間中としては、東日本大震災発生直前の平成23年3月4日以来、1年10ケ月ぶりの高値水準となりました。
米国の減税打切りと歳出削減が重なる「財政の崖」が回避され、昨年からの安倍新政権による大胆な金融緩和発言などアベノミクスが追い風となり円安・株高の流れが進んでいます。ご祝儀ムードが強いものの、経済危機突破への期待の高まりが伺えます。
海外で成長見込まれるデリバティブ市場、M&Aで買収
日本取引所グループの経営戦略では、海外の取引所とのM&A(企業の合併・買収)も視野に国際化を目指します。東証は現物株で圧倒的なシェアを持ち、大証はデリバティブに強みを持ち、M&Aについてはデリバティブを扱う取引所などへ軸足を移します。
海外では、ニューヨーク取引所を傘下に持つNYSEユーロネクストが、昨年12月に有力なデリバティブを扱う米インターコンチネンタル取引所に買収と発表。デリバティブは今後、成長が見込まれ、取引所間での競争が激化。この分野での競争力強化が課題となります。
大証デリバティブ取引高、初の2億単位超え
デリバティブに強い大証の昨年の取引高は、12月21日時点で2億3万単位と国内証券取引所で初めて2億単位を超えました。欧州債務危機問題でデリバティブを使い、損失の回避を狙う投資家が増加したことが取引高拡大の追い風となりました。新しい金融商品やサービスなどの拡充で、海外取引所を含め投資家ニーズを汲み取りさらなる拡大も現実的です。
東証、大証の統合により、国内の現物株や商品先物など一手に担う取引所の再編で、総合取引所へ移行する構想への一歩となることでしょう。現物株、デリバティブ商品のグローバル化はさらに進みます。
●関連記事:「東証・大証統合に東京工業商品取引所合流!新成長戦略「証券・金融・商品」魅力ある取引所構想」[2011.11.26配信]
●関連記事:「東証・大証TOBで統合:加速なるか「総合取引所」グローバル化で国際競争力強化」[2011.8.18配信]
[2013.1.7]
トラックバック(0)
このブログ記事を参照しているブログ一覧: 平均株価:震災前の水準へ/日本取引所が始動!目指すはアジア№1市場
このブログ記事に対するトラックバックURL: http://www.h-yagi.jp/mt5/mt-tb.cgi/1145
コメントする