東証・大証統合に東京工業商品取引所合流!新成長戦略「証券・金融・商品」魅力ある取引所構想
「現物株」「デリバティブ」両社の強みを伸ばす正式統合
東京証券取引所(東証)と大阪証券取引所(大証)は11月22日、正式に統合契約を締結しました。平成25年1月1日を効力発生日とし、来秋に持ち株会社「日本取引所グループ」を設立し、両社が傘下に入ります。
東証は国内で上場株の取引で9割を占め、大証は株価指数先物・オプション取引などのデリバティブ(金融派生商品)を得意としています。経営統合によって互いの強みを伸ばし、規模拡大で国際競争力を向上させ国際金融センターを目指します。
統合で世界3位の市場も、株価は年初来安値更新
平成25年1月、「日本取引所グループ」は、上場する企業の時価総額で3.6兆億ドルとロンドン証券取引所を抜いて世界3位の市場となる見通しです。しかしながら東京株式市場は11月24日、日経平均株価8,199.69円と年初来安値を更新しました。欧州での金融不安の拡大が市場を閑散とさせる状況が続きます。
東証と大証は11月12日、金や原油などの取引を扱う東京工業商品取引所(東工取)の合流を求める検討に入ったと報道がありました。現物株やデリバティブに加え、金や原油など工業製品を扱うことで市場の魅力を向上させる狙いです。
東京工業商品取引所(東工取)合流メリット:システムも統合でコスト削減
東工取は、金や原油のほか、銀やゴム、アルニウムなど16種類の上場商品の先物取引市場を運営しています。東工取は今年3月期まで3基連続赤字を計上しており経営環境は厳しい状況。東証、大証の経営統合で、システム統合などコスト削減が図られれば東工取にもメリットがあります。再編の第2弾として東工取は「日本取引所グループ」に合流する可能性が高まりました。
昨年6月に閣議決定した政府の新成長戦略のなかでも、東工取のほか東京穀物商品取引所や東京金融取引所など総合取引所として一つにまとめ魅力、規模拡大で海外競争力を高めるとしています。構想の現実化に一歩前進です。
●東京工業商品取引所:上場商品
統合で規模拡大、さらに取引に関わる規制緩和が必要
東証、大証のシステムや重複する部署などが一元化しされれば、収益構造の改善や投資家など利用者への利便性が向上し、国際競争力向上につながります。さらに豊富な品揃えを充実させれば世界の企業や投資家を呼び戻すチャンスです。それには市場の統合だけはなく、より魅力を高めるために上場や売買に関わる規制の緩和や優遇措置など政府の役割が欠かせません。
地盤沈下した国内株式市場の起爆剤となって賑わいを取り戻したいところです。
[2011.11.26]
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