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東日本大震災、二重ローン支援対策3年延長!震災復興へ金融支援

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被災企業の債権などの買取り、金融支援を延長
自民、公明両党は、平成23年に起きた東日本大震災で被災した企業など、二重ローン対策支援期限を今年2月21日から3年間延長する法案を1月22日予定の国会に提出、成立を目指す方針を示しました。震災前の設備投資融資など債権の買い取りなど被災企業へ支援決定期限を2021年3月末まで延ばします。
国が平成24年に設立した「東日本大震災事業者再生支援機構」の設置法改正案を提出し、支援期限切れの2月21日より前に改正法施行を目指します。震災からの復興、資金繰りを支援します。

これまでの支援件数729件、買い取り債権額1,306億円
同機構では、震災前の債権が残る中で、新たに事業所や工場、倉庫などの再建で資金が必要になった被災企業を金融支援し、事業再生計画を策定後に震災前の債権を銀行など金融機関から買い取る他、一部の債務免除やつなぎ融資などでも支援します。
これまで同機構の支援件数は昨年11月末時点で729件、買い取り債権の元本総額は1,306億円、債務免除額は647億円、出資額は43億円となっています。
支援の決定件数は平成25年をピークに減少傾向にあり、集団での高台移転などに時間がかかり、仮設の事業所、店舗、工場などから出て他県へ移転し本格的に再建を進める企業も出てきています。
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一方、東京電力福島第1原子力発電所事故の影響を受ける、懸念される企業から県や市町村などへ風評被害を訴える相談は現在も続いています。除染なども行われていますが、全地域をカバーすることは不可能であり、目に見えないだけに懸念は残ります。

原子力規制委員会・前委員長が飯館村に引っ越し、その覚悟とは
原子力規制委員会の更田委員長は今年1月11日、原発事故の避難指示が解除された福島県楢葉町を訪問し、松本町長と課題について意見交換。委員長は、昨年12月にも福島県の飯館村や南相馬市を訪問。全て前委員長の田中氏が案内役となりました。
田中氏は初代原子力規制委員会の委員長に就任、以前は原発を推進してきた日本原子力研究所に在籍していた経緯もあり批判も浴びましたが、昨年9月に5年の任期を終え、続投の誘いを断り、福島県飯館村に引っ越しました。その覚悟とは何か。飯館村にとっては強い味方となり大歓迎されました。
震災からの復興に関しては、政治家や経済評論家など「人ごと」のような意見や、地元民に「失礼な意見」も数多く出ましたが、新設された復興庁こそが福島へ引っ越すべきではなかったのでしょうか。

2020年度まで「復興・創生期間」とし被災地強化
安倍政権は、平成30年度予算案で、「東日本大震災事業者再生支援機構」の財務基盤を強化するため、100億円の予算を計上。2020年度までを「復興・創生期間」と位置づけ被災地での自立支援に全力を尽くす方針を示しました。
日本は社会保障費などで財政は切羽詰まった状態であるものの、年間100億円の予算でどれほどの企業を支援できるのかが見通しが立ちません。
同機構では、今後も債権管理や資金繰り管理にとどまらず、商品開発・販路開拓支援や営業戦略・経費削減案、補助金・助成金活用支援、専門家派遣支援など幅広く企業支援を継続するとしています。震災から7年近く経過、復興のスピードアップが期待されます。


[2018.1.19]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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