コロナ禍で在宅勤務が定着も主要国では最低水準!国のデジタル化推進は進むのか
コロナ、緊急事態宣言解除で従業員はオフィスへ復帰
新型コロナウィルスの感染拡大で、業務に対応するため在宅勤務が日本で普及し始めましたが、緊急事態宣言が解除されてからは従業員はオフィスへの復帰が目立ってきています。
在宅勤務を継続する欧米とは異なり、日本はオンライン業務が容易な専門職の比率が低く、職務の定義が曖昧な日本的な雇用環境などが要因としても考えられ、欧米とは対象的になっています。
欧米に比べ、生産性を向上させるにもこのような壁は取り除くことが重要となります。
コロナ禍で出勤者は2割減へ
米グーグルのスマートフォンによる位置情報の分析では、日本の4月の出勤者はコロナ汚染前に比べ21,9%減少したものの、緊急事態宣言の解除後には12,9%まで減少し出勤者がオフィスへ戻りました。
一方、欧州では6月の出勤者は4月以降小幅に増加傾向にありますが、平均で44%減少しており、日本に比べ感染者が多いこともあるものの、欧米では在宅勤務が浸透、定着していることが伺えます。
安倍政権は、デジタル推進を掲げていますが、日本はまだまだ雇用環境の変革は十分でないのが現状ですが、大企業では終身雇用や年功序列制度など雇用変革の声も多く聞かれています。
在宅勤務の鍵は職種
欧米並みに在宅勤務が定着しにくい要因としては職種が挙げられ、労働政策研究・研修機構によると、平成30年の調査では就業者に占める専門職の比率は日本が17%に対し、米国は36%、英国が37%と専門職はIT(Information Technology:情報技術)技術者や法務、財務など知識集約型の職業が多く、在宅勤務に適していると言えます。
逆に日本は、サービス業や販売従事者の比率が27%と米国の18%、英国の17%より高くなっており、顧客や同僚との直接対面する必要性が高く、在宅勤務の壁が高くなっています。
国際競争力を高める在宅勤務
ベルギーのレンタルオフィス大手のインターナショナル・ワークプレース・グループが令和元年に約1万5,000人を対象に行った調査によると、85%が在宅勤務など柔軟な働き方が生産性向上に繋がると回答しています。
また、OECD(Organisation for Economic Co-operation and Development:経済協力開発機構)の平成30年の調査では、生産性が米国に比べ4割低い日本で、在宅勤務を整備することが国際競争力を高めるため不可欠と報告しています。
少子高齢化が急速に進む日本において、仕事の担い手を増やすためにも在宅勤務がしやすい職種へのシフトが必要となりそうです。
●関連記事:「在宅業務で喫茶店・カフェが人気!消費額は4〜5%増、関連機器売上も2割弱増」[2020.4.24配信]
[2020.7.10]
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