10年に1度の大寒波で電力逼迫の異常事態!コロナ外出自粛で電力会社は節電要請

大雪で高速道路に1,000台以上の自動車が2日以上身動き取れず

菅政権は1月7日、新型コロナウィルス感染者の急増に11都府県へ緊急事態宣言を発令しました。
この発令により飲食店などは20時以降の時短営業、不要不急の外出自粛、さらに昼間においても会食を控えるよう要請、ビジネス訪日者の一時入国停止など外食産業を中心に経済は死活問題となっております。
この状況の中、日本海側では10年に1度と言われる大寒波が襲い、北陸自動車道では1,000台以上の自動車、トラックが2日以上も身動きが取れなくなり、半数以上を占める大型トラックについては物流に大きな影響を与えました。
九州電力、過去最大の電力ニーズを記録
今年1月8日の沖縄を除く平均気温は、前年同日と比べ約8度も低く、九州では1月7日に冬季としては過去最大の電力ニーズを記録しました。
1月の成人式を含む3連休明けの1月12日には、電力ニーズの逼迫は続いており、関西電力内では午前8時台に電力供給に対する総ニーズの割合を示す電力使用率が99%に達しました。
各電力会社で提携する電気事業連合会や各電力会社は、企業や家庭に節電を呼びかけているものの、電力不足は以前、綱渡り状態です。
余剰電力の売買価格、これまでの40倍の高値を更新
電力ニーズは昨年12月下旬から急増しており、余剰電力を売買する日本卸電力市場では取引価格が急騰し、今年に入っても電力ニーズは逼迫し、1月12日の取引価格は1キロワット当たり200円と市場最高値を記録し、これまでの40倍近い水準であり、価格はその後も高値更新を続けています。
電力ニーズの急増は、新型コロナウィルスの影響による外出自粛やリモートワーク、在宅勤務が増えたほか、火力発電所の燃料であるLNG(Liquefied Natural Gas:液化天然ガス)の調達難が指摘されています。
LNG火力発電は日本全体の発電力の約4割を占めており、電力ニーズにスピーディに対応できますが、長期にわたり保存できないほか調達そのものが難しくなっているのが現状です。
LNG調達困難の要因は中国、韓国のニーズ増大、豪州のLNG設備トラブル
LNGの調達困難な要因として、中国や韓国の電力ニーズ急増や、オーストラリアのLNG設備のトラブル、パナマ運河の渋滞などが挙げられます。
また、電力ニーズを逼迫させたのはLNG同様に主力電源の石炭火力発電で、ここでも長崎の石炭火力発電所にトラブルがあリました。
平成23年の東日本大震災の際には、火力発電所の被害に加え、福島第一原発の重大事故により、東北から関東にかけ、計画停電が初めて行われました。
これに対し、今回の大寒波はコロナ患者をケアする医療機関や介護施設など綱渡り状態が長続きする可能性があるとの専門家の指摘もあり、電力会社だけでなく国がコロナ外出自粛だけでなく、節電の必要性を周知することが重要となっています。
●関連記事:「太陽光発電企業、電力買取価格は右肩下がりで採算確保が困難!中小参入企業、逆風で倒産過去最多」[2019.4.12配信]
[2021.1.19]
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