太陽光発電企業、電力買取価格は右肩下がりで採算確保が困難!中小参入企業、逆風で倒産過去最多
経産省、10年前に電力の買取制度導入、家庭や中小企業も参入
平成23年の東日本大震災による福島第1原子力発電の被災で、日本各地で停電が起きるなど電力のありがたさが身に染みましたが、この事故を契機に日本はじめ海外でも原子力発電と再生可能エネルギーの議論が盛んとなりました。
経済産業省では平成21年、電力のFIT(Feed-in Tariff:固定価格買取制度)を導入し、家庭の屋根や、空き地には数多いソーラーパネルが設置されました。
家庭では自宅の電気に利用し蓄電したり、中小企業などはFITの収入を期待し太陽光発電事業に参入し、設備投資してきました。
太陽光発電企業増加で電力買取価格、半分以下に
経済産業省によると、平成24年のFITは、10kW未満で42円でしたが、太陽光事業に参入する中小企業も増え、その分設備投資費も安くなるとさらに増加し、同時に参入企業の増加でFITも下落し、平成24年度は10kW未満の場合は42円でしたが24円に、10kW以上の場合は、同40円から同14円と半分以下に下落しました。
参入企業にとっては、採算の確保が困難となり逆風となって、事業転換を図る中小企業も目立っています。
太陽光発電企業の倒産、5年連続過去最高
帝国データバンクによると、平成30年度の太陽光発電企業の倒産件数は、前年度比17.1%増加し96件に達しています。
東日本大震災前の平成18年からの倒産件数は402件に上り、特に平成28年からはこれまでの倍近くに倒産が増加しており、5年連続過去最高を更新しており、FITが大きく影響してると考えられます。
国や産業界から独立した第三者機関の環境エネルギー政策研究所によると、日本国内の自然エネルギーの全発電量は15.6%となり、太陽光発電は5.7%と太陽光発電業の撤退で衰退していくのか懸念されます。
買取義務保証期間が終了する「2019年問題」
太陽光発電のFITから、平成31年は10年が経ち、10年間の買取義務保証期間が終了する設備が出始める「2019年問題」が懸念されています。
経済産業省では、電力会社との相対取引は可能であるとしていますが、電力会社に拒否される可能性も残っており、FITとは異なりさらに買取価格が下落する可能性もあります。
日本最大の鉄道事業であるリニア中央新幹線の消費電力は、東海道新幹線の約3倍で、山梨のリニア実験線の電力供給元は新潟県の柏崎刈羽原発であり、太陽光発電含む再生エネルギーと原子力発電政策の行方が注視されます。
●関連記事:「太陽光発電事業者の倒産過去最多!再生エネだけでは経済発展なし?」]2018.4.13配信]
[2019.4.12]
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