日本初のジェット旅客機MSJ、1兆円かけ5度の納品延期で開発凍結!従業員は9割超えは配置転換

MSJ開発の技術者、2,000人から200人以下に削減

日本初の国産ジェット旅客機MSJ(三菱スペースジェット)の開発を手がける三菱航空機が、令和3年度より従業員を9割以上削減し、これまでの2,000人規模から200人以下に減らすことを発表しました。
余剰となる人員は、親会社である三菱重工業グループ内に配置転換するとしています。
北米にある開発拠点も、米ワシントン州モーゼスレイク以外の2ケ所を閉鎖し、モーゼスレイクも飛行試験は行わず、試験機4機の保守に必要な最小限の人員に留める方針です。
100機の受注もいつ納品できるか不明
三菱航空機は、就航に必要となる国土交通省の型式証明の取得に必要な手続きは継続するものの、量産化に至っては早くても令和6年以降となりそうです。
MSJは、国内外の航空会社から約100機の受注を受けましたが、5度の納品延期で現在も納品の見通しが立っていないのが現状で受注先との納品日時の交渉を続けていると言います。
令和2年の新型コロナウィルス感染症の拡大で国内外の旅行・出張自粛で、旅客機が余っている現状に、見通しのつかないウィルス感染が今後、航空会社にどう影響していくのか動向が注目されます。
技術者たちには大きな落胆が
MSJ開発の凍結を宣言した三菱航空機の泉澤社長は淡々としたものでしたが、開発を担っている三菱航空機には大きな落胆が広がっていると言います。
特に事業環境の悪化は大きく、日本より一桁多い米国の新型コロナウィルス感染の拡大により、航空機市場は成長産業と誰もが疑いませんでしたが、市場は一転し、どん底と化しました。
MSJ開発の失敗、誰も責任とらず
国の税金まで注ぎ込んで開発してきたMSJ事業を大幅にリストラし、量産についてもウヤミヤにする親会社の三菱重工業。
その経営責任を問われると詫びる言葉しか出てきておらず、大幅リストラに関して誰か特定の個人に責を課すものでないとしています。
MSJ事業の失敗は、三菱航空機の泉澤社長も言及した誰も責任を問わない緩い経営体制、マネジメントにこそあると言えそうです。
●関連記事:「三菱ジェット旅客機の事業凍結、ホンダジェットとの明暗は?」[2020.11.3配信]
[2020.12.22]
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