保育士不足で自治体で確保争奪戦!幼児教育・保育無償化は恩恵なし?
0〜2歳は住民税非課税世帯、3〜5歳は原則全世帯無償
安倍政権の目玉政策でもある少子化対策は、今年10月より「幼児教育・保育無償化」がスタートし、0〜2歳の住民税非課税世帯と3〜5歳の原則全世帯が無償化の対象となります。
10月には、消費税が引き上げられ、この「幼児教育・保育無償化」に伴う必要負担は、国と自治体で7,000億円とされ、消費増税分が充てられます。
「幼児教育・保育無償化」は、「全世代型社会保障」の中でも少子対策として安倍政権の看板政策でもあり、今年2月に閣議決定されました。
恩恵は300万人に及ぶ?
ただ、ここ数年、保育士の大量退職や待機児童問題、保育所内での虐待などメディアでも報じられるなか、300万人が恩恵を受けられるとされていますが、この政策に批判の声もあるのも実態です。
これは、0〜2歳の場合、認可外保育所での利用料は月額4万2,000円を上限に、3〜5歳の場合も認可外では月額3万7,000円を上限としています。
いづれのケースでも、延長保育費や送迎費、食材費は対象外となっています。
認可外保育所では負担額が大きくなる可能性も
認可保育所に入れなかった待機児童の約9割は、3歳未満で、その多くは仕方なく認可外保育所を選択しており、無償化が実施された場合、認可外の方が補助に制限があり負担額が大きくなる可能性もあります。
「幼児教育・保育無償化」は、保育施設の類型により、補助金額の線引きをしており、認可保育所は完全無料で、認可外保育所は補助金の上限を設定され、本来であれば質の高い保育を提供する保育所かどうかで無償、上限設定されるべきですが、日本では、諸外国のように「保育の質」を評価する機関がないため質の面でも同様に捕らえられています。
人気保育所は駅から近い便利な場所
厚生労働省によると、今年4月時点で希望する保育所に入れない待機児童は1万6,772人と前年から3,000人強減少しています。
保育所などの受け入れ可能人数は、約306万人で入園希望の約278万人を上回るものの、解消しないのは都市圏の駅から近い保育所に希望が集中し、保育士も大幅に不足しているためです。
大阪市では、保育士確保に九州、四国の保育士養成学校へ出向き保育士採用を要請しましたが、職員は行く先々で「もう東京都が来ましたよ」と、保育士争奪が一番の課題となっています。
●関連記事:「厚労省:許可外保育所の子どもを公的損害保険制度対象に。災害共済給付制度を適応拡大」[2017.1.28配信]
[2019.9.20]
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