年末に向け資金繰りを支援!経営者保証に依存しない融資も実態は4割弱が担保要求?
経産省、政府系金融機関、中小・小規模事業者支援を断言
経済産業省中小企業庁では12月7日、年末に向けて資金繰りで困窮する中小企業や小規模事業者に「経営者保証に関するガイドライン」を活用し、経営者保証に頼らない融資や、保証債務の整理を希望する中小企業、小規模事業者を支援することを言動しました。
同庁では、年末にかけ、資金ニーズが増加する中、資金繰りに万全を期するため中小企業、小規模事業者からの相談に対する対応や、実情に応じた対応などについて政府系金融機関に対し配慮、要請を行うとしています。
新規の融資の申し込みや、既存の借入金についてのリスケジュール(条件変更)など積極的に対応するとしています。
平成26年からは経営者保証に頼らない融資や新規融資も
日本商工会議所と全国銀行協会を事務局とする「経営者保証に関するガイドライン研究会」は、平成25年12月5日に「経営者保証に関するガイドライン」を公表し、翌26年に2月1日から実施されています。
経営者保証を提供せずに資金調達を希望する経営者や、事業承継などで既存の保証契約の見直しを希望する経営者、また事業再生や清算によって個人保証債務の整理を希望する経営者は、中小企業基盤整備機構の地域本部などで相談を受け付けるとしています。
同ガイドラインによって、経営者保証なしでの新規融資や、経営者保証の解除ができる可能性があるとしています。
▼中小企業基盤整備機構:「問合せ地域本部」
事業承継、旧経営者の保証解除せず新経営者の保証もとる融資4割弱
ただ、金融庁が平成29年下半期(平成29年10月〜30年3月)に全国548の金融機関に実施した経営者保証に関する調査によると、事業承継のあった取引先2万5,732件のうち、旧経営者から取得した経営者保証を解除せずに、新経営者からも2重経営者保証をとるケースが全体の36,3%、9,349件あったことが判明しました。
一方、旧経営者保証を解除し、新経営者からも経営者保証をとらなかった融資は同9.5%、わずか2,438件に留まりました。
経営者の高齢化は急速に進んでおり、後継者不足に悩む中小企業が多い中、金融機関は企業の破綻に備える慣行で未だ個人保証を求める実態が浮き彫りとなりました。
「ガイドライン」知らないが半数超え
中小企業基盤整備機構が今年1月に経営者保証に依存しない融資慣行に関して中小企業、小規模事業者10,095件にアンケート調査を行ったところ、「経営者保証に関するガイドライン」を知っているかの問いに全体の52.4%が「知らない」と返答しました。
「知っている」と答えた中小企業、小規模事業者は「何によって知ったか」の問いに「金融機関」が全体の36.6%、「機構からのダイレクトメール」が23.1%と、一部の金融機関の積極性も見られました。
年末、また年度末を見据え、資金繰りに懸念がある場合には早めの相談が重要となります。
▼中小企業基盤整備機構:「経営者保証に関するガイドライン」
●関連記事:「中小の経営者保証を改善!再起目指し460万円の経営者資産を保護、私的整理のガイドライン改定へ」[2013.12.5配信]
[2018.12.18]
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