中小企業の深刻な後継者問題!独自の技術・文化を次世代へ税制特例措置も
中小経営者、5割が「自分の代で廃業」
日本に存在する企業は、約380万社で、このうちの99.7%が中小企業や小規模事業者、自営業者であり、超高齢化社会を迎え、中小企業などの経営者も高齢化、後継者が見つからないという深刻な問題を抱えています。
平成28年2月に日本政策金融公庫が発表した「中小企業の事業承継に関するインターネット調査」によると、約5割の中小企業経営者が自分の代で事業を廃業すると答えました。
これは200万社近い中小企業が、なくなるわけであり、大企業にとっても大きな問題となってきます。「ものづくり日本」を支えてきたのは小さな企業のネジ1つの製造で大企業を支えた中小企業も多くあります。
2025年には650万人の雇用喪失
平成29年秋に経済産業省中小企業庁が出した試算によると、現状を放置すると中小企業などの廃業急増で2025年までに約650万人の雇用、約22兆円のGDP(Gross Domestic Product:国内総生産)が失なわれる可能性があると公表しました。
しかも、休廃業・解散企業の約5割が黒字経営であることにも触れ、地方経済の再生や発展には、事業承継問題の解消が必要であり、安倍政権の「地方創生」がこの深刻な問題を解消できるか、残された時間も少なく、中小企業支援に取り組んでいます。
後継者、外部からの受け入れが増加
後継者不足を解消するには、後継者を外部から受け入れるか、自社で育成するかの2つに限られてきます。
事業承継といえば、長男に継がせることがこれまでの日本文化でしたが、急速なグローバル化により、海外企業からのM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)も増加傾向にあります。
中外製薬やエスエス製薬、シャープ、西友、日産自動車、三菱ふそうトラックなど大企業であっても生き残りのためM&Aを受け入れ、外資系企業となりました。
経済産業省によると平成29年時点で日本国内には5,662社の外資系企業が存在していると公表しています。
特例措置で、贈与税、相続税、実質ゼロへ
一方、長男や役員などに事業承継させようとすると、社内外での育成や全事業部での経験、取引先などとの交流など時間がかかります。
また、負債が残っていれば負債も承継することとなり、マイナスからのスタートとなり、円滑には進みません。
安倍政権は、平成30年からこれまでの事業承継税制に加え、10年間の特例措置も創設し、納税猶予の割合も撤廃されます。
特例措置は、対象株式数の上限もなく、猶予割合も100%に拡大、事業承継の贈与税、相続税の負担が実質ゼロとなるなど、事業承継にっては得策と言えるでしょう。
●関連記事:「「中小企業白書」公表、自由貿易迎え「鍵」は生産性向上、事業承継、M&A、IT利活用!」[2018.4.25配信]
[2018.8.17]
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