金融機関の生き残り策、フィンテック!効率化で行員リストラ?
地銀7行でフィンテック、システム会社設立
つくば銀行は6月25日、群馬銀行や池田泉州銀行など地銀6行と共同でFinTech(フィンテック:Finance「金融」とTechnology「技術」を合わせた造語)の新会社「フィンクロス・デジタル」を設立。
新会社は、7行でシステム開発を行うことでビッグデータが得られ精度が高まるうえ、システムへの投資費用も軽減できるとしています。
「フィンクロス・デジタル」は、銀行業へのAI(Artificial Intelligence:人工知能)導入や、インターネットバンキング研究開発を視野に入れており、スピード融資とAI審査型融資の導入を目指す方針とみられます。
AI審査で各行が融資のスピードや利息を競えば、借手にとってもメリットになります。
これまで融資されない企業へも融資の可能性
一方、茨城県最大手の常陽銀行は、融資部門でFinTechの導入を目指しAI審査型を鍵としています。
これまでの融資の場合、企業の経営状態や借入金の使徒、返済能力、担保などの企業情報を担当の目利きによって融資の可否や限度額、利息などを決めていました。
このため、担当や銀行によって借手となれる企業でも融資されないケースもありました。
常陽銀行は、平成29年秋に、IT(Information Technology:情報技術)企業と共同で実在する大企業をモデルにしてAIが約500件の審査の実証実験をしたところ、AIによる融資の可否は9割人間による審査と一致し、AI審査の高い信頼性を証明しました。
金融機関、少子化、人口減少も懸念
銀行など金融機関では、これまで「人が資産」と言われ、大量の事務作業を行ってきましたが、すでにIT化の波が押し寄せています。
超低金利の長期化や少子高齢化、人口減少で地銀の経営は安泰ではなくなってきています。
FinTechに生き残りをかける銀行も今後も増加する予測です。
ただ、FinTechの導入は行員の雇用を危うくする可能性も大きくあります。AI審査型融資やRPA(Robotic Process Automation:業務の自動化)が広がれば、大量の人削除にもなり得ます。
3メガバンク、3.2万人削減
平成29年末には、3メガバンクは相次いで人員削減計画を発表し、みずほフィナンシャルグループは1万9,000人、三菱UFJフィナンシャル・グループは9,500人、三井住友フィナンシャルグループは4,000人と3社合計で3万2,500人削減とメディアは大きく報じました。
IT化による業務効率化や、日銀のマイナス金利政策で利ざやの縮小、さらには、高度経済成長が終わった一部の大企業は資金ニーズがなくなったためです。
みずほ銀行は、ソフトバンクと共同で「J.Score(ジェイスコア)」を設立、すでに個人の信用力を質問に答えるとAIが算出するサービスもあり、今後はAIが個人の信用力やスキルなど様々な分野で利用されていくと考えられます。
▼J.Score:「AIスコア」
●関連記事:「みずほ銀行とソフトバンクが協業で消費者ローン事業開始!フィンテック、AI活用でスマホが無人契約機に」[2016.10.18配信]
[2018.7.25]
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