太陽光発電関連企業の倒産件数、過去2番目の高水準!省エネ対策にピークアウト感も
太陽光発電企業、昨年と同水準レベル
帝国データバンクは7月4日、今年上半期(1月〜6月)に太陽光発電関連企業の倒産件数が44件と、過去最高となった平成29年の88件とほぼ同水準のペースとなっていることを発表しました。
太陽光発電関連企業の倒産件数は、平成18年以降、332件のうち「破産」が94.3%に上っています。
倒産企業を地域別にみると、「関東」が37.3%と最も多く、「中部」が18.1%と次ぎ、特に「中部」は今年に入り倒産件数が増加しています。
平成23年3月11日、東日本大震災による福島第1原発事故により、太陽光や風力エネルギーは注目されて来ましたが、ここに来てピークアウト感も出て来ています。
3事業からなる太陽光発電事業者、倒産理由は各々
太陽光発電事業は、余剰電力を売却する「売電事業者」や、発電設備を施工する「施工事業者」、管理やメンテナンスを行う「O&M(Operation & Maintenance)事業者」の3事業に大別されていますが、平成24年以降、倒産する事業者は増加しており、平成29年は過去最高の倒産件数を記録しました。
倒産理由としては、この3事業において各々異なる理由があります。
「特別一括償却制度」の廃止が倒産の要因
「売電事業者」の倒産は、平成27年3月31日に廃止された特別一括償却制度の影響が大きく、設備取得額の全額が即時償却することで税金が繰延できますが、あくまで税金免除でなく繰り延べする仕組みです。
この繰り延べ分の税金が近年、顕在化することで資金繰りが悪化し倒産する事業者が増加しました。
一方、「施工事業者」や「O&M事業者」の倒産は、異業種から多くの企業が「売電事業者」に参入し、その恩恵を受けようと「施工事業者」や「O&M事業者」も同時に増加。競争が激化し、予定通りの収益があられなくなり次々に倒産に追い込まれていきました。
現在は好調!この先、固定価格買取制度がなくなれば・・
ただ、固定価格買取制度が開始直後に「売電事業者」として参入した事業者は、現在でも独占するように収益を上げていますが、先行きは見通しがつかない状況です。
現在は、固定価格買取制度によって売電事業が活況となり、太陽光発電の設備投資も多く見られますが、この制度が終了してしまうと設備工事なども一気に減少するリスクも潜んでいます。
平成29年より、将来的なリスクを見越しM&A(Mergers and Acquisitions:企業の合併・買収)に踏み切る事業者も目立ち始めています。
今後の太陽光発電関連事業者のM&Aなどの動向が注目されます。
●関連記事:「太陽光発電の倒産65件、平成28年:価格引下げ、入札制度影響/調査開始以来最多!」[2017.2.2配信]
[2018.7.9]
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