中小景況調査、緩やかに改善!?深刻な人手不足で政策転換
一部業種で一服案も、ゆるたかに改善
経済産業省中小企業庁は6月27日、今年4月〜6月の「中小企業景況調査」の結果を公表。中小企業の業況は、一部業種で一服感がみられるものの、基調として緩やかに改善していると分析しました。
今年4月〜6月の全産業の業況判断DI(Diffusion Index:各種判断を指数化)は、マイナス14.0と3期ぶりに低下しましたが、製造業ではマイナス8.5と前期から1.6ポイント増加し、2期ぶりに上昇しました。
業種別にみると、鉄鋼・非鉄金属やパルプ・紙・紙加工品、窯業・土石製品、家具・装備品、機械器具、輸送用機械器具、印刷、木材・木製品の8業種で上昇。
一方、化学、電気・情報通信機 械器具・電子部品、金属製品、その他の製造業、食料品、繊維工業の6業種が低下しました。
非清掃業、サービス?建設業は上昇、小売業は低下
非製造業の業況判断DIは、マイナス15.9と2期ぶりに低下し、産業別では卸売業やサービス業、建設業で上昇しており、小売業は低下しました。
小売業では、仕入れ価格の上昇を販売価格に反映させるには時間がかかるとしており、利益が取りづらい状況でもあり、価格の高騰が販売数量に影響が出ているとしています。
また、製造業では、業績的には好転しているものの、原材料価格の上昇や不足に、運搬車両の運転手不足で運送費が高騰しているとしています。
原材料の上昇、人手不足が課題
6月の日銀の短観(企業短期経済観測調査)では、大企業製造業で2四半期連続で景況感悪化が予測されており、原材料価格の上昇などによる悪影響が、円高是正の好影響を上回り、景況感が押し下げられるとみています。
一方、大企業非製造業では、個人消費心理の改善や訪日外国人客ニーズを追い風に、景況感の改善が期待されますが、やはり原材料の上昇や、影響が大きい人手不足による人件費の上昇で改善幅は限られそうです。
大企業、中小企業ともに基本的な強弱材料は、ほぼ同様ですが、非製造業での人手不足感は強いだけに景況感は弱まるとみられます。
外国人労働者128万人、うち4割は低賃金の単純労働
安倍政権は、これまで専門知識のある外国人労働者を受け入れてきましたが、現状は外国人労働者128万人の4割を留学生のアルバイトなど低賃金の単純労働に就いているのが実情です。
安倍政権は、深刻な人手不足解消に外国人労働者の拡大のため在留資格を設ける政策に転換しました。
新資格を盛り込んだ入管難民法改正案を臨時国会に提出し、2025年頃までに約50万人の外国人労働者の受け入れを見込んでいます。
人口が減少する日本は、移民を含め、外国人労働者をどう受け入れ共生していくか中長期的な議論が必要になっています。
●関連記事:「人手不足が超深刻、倒産も増加!最後は外国人頼みか」[2017.11.22配信]
[2018.7.2]
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