鈍化するビジネスジェット機市場に「ホンダジェット」米セスナ社抜き首位へ!
「超小型機部門」部門で首位
GAMA(General Aviation Manufacturers. Association:全米航空機製造者協会)は、2月21日にまとめた平成29年のビジネスジェット機販売数が、676機と前年から1.3%増加したと発表。この中でも「超小型機部門」では、ホンダのビジネスジェット機「ホンダジェット」が前年から 20機増え43機と、米セスナ社を抜き初めて首位となりました。
ビジネスジェット機市場は、平成20年に比べ半減する中「ホンダジェット」のニーズが高まっています。
ホンダにとっては、自動車最高峰レース「F1」で苦戦しているだけに、「ホンダジェット」を自動車に続くブランド戦略の柱とし収入源に育てる考えです。
小回りがきく都市間移動に北米、欧州からのニーズ拡大
「超小型機部門」は、パイロットを含め乗員は10人未満で、北米や欧州で都市間の移動に利用されており、小回りがきく移動手段として富裕層や航空機運航企業向けにニーズが拡大しています。
「ホンダジェット」は、平成27年末にFAA(Federal Aviation Administration:米連邦航空局)の認証を取得し、100機以上を受注していましたが、実質販売初年度となる平成28年は、生産ノウハウの不足で23機に留まっていました。
その影響もあり、平成29年には、米セスナ社の「サイテーションM2」の39機を抜き、「超小型機部門」で「ホンダジェット」が首位となりました。
世界の航空機メーカーで唯一、自社開発ジェットエンジン
「ホンダジェット」は7人乗りで最大の特徴はエンジンが主翼の上に置く独特な設計で、室内空間を広くとり、騒音も抑えました。エンジンは、世界の航空機メーカーでは唯一、自社ジェットエンジンで燃費性能は競合機に比べ最大2割抑えられています。
日本の航空機製造は戦後、GHQ(General Headquarters:連合国軍総司令部)により禁止され、米国から7年遅れをとり、昭和37年に政府主導の「YS―11」が就航しましたが頓挫しました。
ホンダ創業者の本田宗一郎氏の幼少時力の夢であった航空機参入を果たし、さらに、米国を抜くことが実現できました。
三菱、小型ジェット旅客機「MRJ」は相次ぎ開発延期?
一方、国産では三菱重工業の小型ジェット旅客機「MRJ」は、相次ぐ開発の延期で苦戦している状況。427機も受注しており、本来であれば完成しているはずでしたが7年後ろ倒しとなっています。
今年1月には、米イースタン航空の40機が初めてのキャンセルとなり、ブラジルの競合であるエンブラエルも同エンジンを積んだ新型機を開発しており、残る受注をいかに維持するかが焦点となっています。
ただ、アジア最大の航空ショー、2月6日から開催したシンガポール航空ショーでは、エンブラエルが次世代機「E190-E2」の飛行試験機を展示。目の前の三菱重工業ブースは構えるだけで、実機やモックアップの展示、模型もないなど、この先の動向が懸念されます。
●関連記事:「「ホンダジェット」自動車最高峰F1レースに続き小型ビジネスジェット機分野で世界一」[2017.9.9配信]
[2018.2.26]
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