生存競争激化!太陽光発電事業者の倒産件数最多更新!法改正で復活なるか
「太陽光関連事業者」の倒産件数、前年から35.4%増加
東京商工リサーチが1月12日に発表した平成29年の「太陽光関連事業者」の倒産件数によると、平成12年以来、過去最多を更新しました。
倒産件数は、平成29年上半期(1月〜6月)までで前年から56.6%増加しており41件発生、通年で88件に上り前年から35.4%増加し、倒産件数は3年連続となりました。
平成24年7月には、FIT(Feed-in Tariff:再生可能エネルギーの固定価格買取制度)が導入され、異業種からの参入も目立ち、太陽光関連市場は急速に拡大しました。
電力会社へ太陽光発電分の買取を義務化
FITは、太陽光発電など再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた価格で買取るよう電力会社に義務付けた仕組みですが、買取にかかる費用の一部は国民の電気代に上乗せさせられています。
FITは、平成23年3月11日の東日本大震災により原発が稼働停止となり、国は再生可能エネルギーで発電した電気を他の電力より高く買取ることで再生可能エネルギーの拡大を狙いました。
この影響もあり、再生エネルギーを事業とする企業は増え、平成28年には、24年に比べ約2.5倍に拡大しました。
FIT認定事業者拡大も、発電始めない事業者30万件超え
ただ、再生可能エネルギーの中でも太陽光発電の導入に偏ったことや、FITの認定を受けながら発電を始めない事業者は30万件を超え、課題となりました。
発電を始めない事業者が拡大すると、FITの買取価格は認定時の太陽光パネル価格をもとに設定されているため、太陽光パネル価格が安くなっても買取価格は維持され、結果的に国民の負担を減らすことができなくなります。
平成29年4月には改正FIT法が施行され、一定期間が過ぎても発電しない事業者は、買取期間が短縮されるなど、責任持って発電するよう促すことが設けられました。
買取価格の引き下げが影響大
経済産業省資源エネルギー庁では、エネルギー資源の少ない日本で再生エネルギーなどを増やすことは温室効果ガス排出を減らし、自給率を向上させるとして再生エネルギー発電を推奨しています。
同庁では、改正FIT法によって国民の負担を減少させつつ、再生可能エネルギーの導入を拡大させたい考えですが、再度、買取価格の引き下げが行われれば関連事業者を再び巻き込み太陽光関連事業者は淘汰、再編の道を歩むことは確かです。
改正FIT法や設置工事の値下げ圧力は高まっており、市場ニーズ価格でサービスを供給できなければ、さらに破綻に陥る企業が増えることが懸念されます。
●関連記事:「太陽光発電の倒産65件、平成28年:価格引下げ、入札制度影響/調査開始以来最多!」[2017.2.2配信]
[2018.1.16]
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