訪日観光客、日本での消費期待!国交相、免税店、地方へも増加推進
免税店、1年で4千店増加
国土交通省観光庁は、国内の消費税免税店が昨年10月1日現在で4万2,791店になったことを発表。4月1日時点から半年で2,259店が増えました。一昨年10月1日に比べると1年間で4,188店増え10.7%増加しました。
店舗の内訳を見ると、3大都市圏で2万6,347店、地方が1万6,444店と昨年4月1日から5%台で増加しています。同省観光庁では、「明日の日本を支える観光ビジョン」において、地方の免税店を今年中に2万店に増やす目標を掲げました。
都道府県別では、昨年4月1日から10月1日までの半年間で免税店が最も増加したのは東京都の633店増、次いで大阪府の166店増、愛知県が150点増と主要都市が占め、最も少なかったのは徳島県の11店増と、訪日外国人客が地方へ出かける頻度も多くなっているだけにさらなる増加が期待されます。
酒税も免税に!全国3,000軒の酒蔵、免税店化はまだ48軒
昨年11月15日、国土交通省観光庁の田村長官は、10月から訪日外国人客が酒蔵などでお酒を購入する際、酒税を免除することを公表。全国に3,000軒以上ある酒蔵に呼びかけました。現在は、まだ48軒だけしか対応していないとし、引き続き免税店化を呼びかけました。
同省観光庁によると、消費税免税販売を行う場合、許可が必要で納税地を所轄する税務署に申請が必要です。許可申請には、輸出物品販売場許可申請書(一般型用)に必要事項を記載し、販売店の見取図や、会社案内・ウェブサイトなどで事業内容がわかるもの、取扱商品がわかるものが必要となります。
訪日外国人客にとっては、8%の消費税がかからず、店舗の売り上げに貢献するには、免税店申請が効果的です。
▼国税庁:一般型輸出物品販売場許可申請手続
税制改正大綱で、免税品対象の消耗品と一般物品を一本化
安倍政権は、平成30年度税制改正大綱で、訪日外国人客が買い物をした際の消費税を免除する措置を拡充し、これまで一般物品と消耗品に分けていた区分を一本化する方針を示しました。また、免税手続きの電子化も進め、訪日外国人客向けの免税拡充と、利便性を高めることで消費拡大を目指します。
今年7月からは訪日外国人客の購入額が消耗品や家電など一般物品との合算で5,000円以上であれば、消費税は免除されます。これまで消耗品だけ、一般物品だけで5,000円以上購入しなければ免除の対象になりませんでしたが、合算することで消耗品1,000円、一般物品4,000円の計5,000円でも消費税が免除されます。
一方、免税手続きも電子化することで、これまでレシートをパスポートに貼り、出国時に税関で回収する手続きの煩雑さが指摘されていましたが、免税店で購入情報を電子化し送信、税関で確認するだけと簡素化されます。
国際観光旅客税新設で、国交相予算は2倍に、使い道は?
税制改正大綱では、日本から出国時に徴収する「国際観光旅客税」が盛り込まれました。国や地方の財政が厳しい中、観光振興を確保する狙いですが、特定の目的で新設された税金は、税収を使い切ろうと無駄に使用する懸念もあり、透明性の高い運用が求められます。
「国際観光旅客税」は、一人当たり1,000円とし平成31年1月に導入されます。国土交通省観光庁では、平成29年度予算の約2倍となる約400億円が財源となり、出入国手続きの円滑化や海外での日本の宣伝強化に活用することが検討されています。
新税によって財源が目的と異なることに使われ批判が上がることは毎回のこと。使途を厳しくチェックし、政策効果を検証する仕組みが欠かせなくなります。
●関連記事:「全国主要都市の地価、9割の地域で上昇!訪日外国人客の消費・宿泊ニーズの力?」[2017.11.28配信]
[2018.1.8]
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