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東芝、不正会計・粉飾決算の罰!「サザエさん」「野球」「ラグビー」も犠牲に?

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東芝の収益9割を占める半導体子会社を売却
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10月24日、千葉市内で「世界の東芝」の臨時株主総会が行われました。冒頭から代表者、役員らが頭を深々く下げ、東芝グループの約9割の収益をを占める半導体子会社「東芝メモリ」の売却などが承認されました。総会は約3時間弱、出席した株主たちは憤るだけです。
これまでの東芝の株主総会は、東京・両国国技館で行われ、名物の焼き鳥弁当やお土産まで配っていましたが、現在は、事前に「お土産、お弁当はご用意致しておりません」と事前に通知が来るほど、窮地に追い込まれていました。
報道でも何度も取り上げられた、東芝の平成27年7月の内部告発で発覚した不正会計。過去7年、1,500億円もの利益を水増し、粉飾決算していた見帰りが今、帰ってきました。

米子会社でも巨額損失、あの「東芝」が上場廃止にも
東芝は、長期にわたり粉飾決算が行われていたことが判明し、経営危機に陥り1万4,000人もの人員削減や半導体チップ事業の売却、さらに今年2月には米子会社のウェスチングハウスの原子力事業が約7,125億円もの損失を計上することを発表。東芝は、東証2部に降格し、債務超過をこのまま放置すれば上場廃止にもなり得る状況です。
この状況に深刻なのは、関連会社含め19万人を超える従業員であり、若年層、有望な社員は退職金割増で早期退職、40代社員は賃金含め待遇悪化、50代は転職も難しい状況となっています。取引会社も含めれば数万単位の従業員に影響が出るのは予測でき、安倍政権が掲げる「賃金アップ」にはほど遠い実態です。

病院も売却、野球、ラグビーもリストラ対象に?
経営再建を最優先する東芝では、資産の売却や企業活動の見直しを推し進めています。半導体事業を見捨て、さらに10月31日には、昭和20年に創設された東芝病院を医療法人と合意し売却が決定しました。
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また、東芝は昭和33年創部の社会人野球部を持っており、これまで都市対抗大会で7度も優勝した名門チーム。ラグビー部も昭和23年に創部し、日本選手権では6回優勝するなど名門チームを所有していますが、両部とも今年度の後援会員の募集は休止。来年度も再開は未定となっています。
特にラグビーでは、平成27年のワールドカップで優勝候補の南アフリカを逆転勝ちした日本代表チームのキャプテンのリーチ・マイケル氏の所属は「東芝ブレイブルーパス」でした。経営危機はスポーツ活動にも大きく影響しています。

約半世紀支援してきた「サザエさん」
「エネルギーとエレクトロニクスの東芝がお送り致します」というフレーズは日本人なら誰でも聞き覚えがあるでしょう。昭和44年から放映されたアニメ「サザエさん」の番組冒頭と次回予告の後にサザエさんが言うフレーズです。
「サザエさん」放映当初から東芝1社で番組を支え、平成10年以降からは、東芝筆頭に数社提供となっていました。その「サザエさん」のメインスポンサーである東芝が降板することが検討されています。約半世紀を支援してきた東芝は、来年4月以降、新たなスポンサーが決まれば降板する見込みです。
平成27年7月の不正会計で経営悪化した東芝は、「サザエさん」や「野球」「ラグビー」などはリストラは免れたものの、今後、どのような対応に出るか注目されます。


[2017.11.4]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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