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資金需要判断DI、個人・企業ともに上昇!アパートローン、カードローンは底入れ

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個人は住宅ローン、企業は設備投資で資金ニーズ拡大
日銀が10月23日に発表した「10月の主要銀行貸出動向アンケート調査」によると、今年7月〜9月期の個人向け資金需要判断DI(Diffusion Index:指数)はプラス8ポイントと前回調査から6ポイント改善しました。改善は5四半期ぶりで、住宅ローンなどのニーズが拡大したとみられます。
企業向け資金需要判断DIでは、大企業向けでマイナス4ポイントからプラス2ポイントと大きく改善。中小企業向けではプラス7ポイントから8ポイントと微増に終わりましたが2四半期連続で伸びています。企業では、設備投資の拡大や日銀の金融緩和による低金利で資金のニーズが高まりました。
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この先3ケ月は資金ニーズ減少?
今後3ケ月の資金需要見通しDIでは、個人向けがプラス2、企業向けがプラス3と減少傾向です。
資金需要判断DIは、貸出ニーズが「増えた」と答えた金融機関から「減った」と答えた割合を差し引いた値で、日銀が国内の主要銀行50機関を対象に四半期ごとに調査しています。
銀行など金融機関にとっては現在、アパートローンやカードローンなどが貴重な収入源となっていましたが、節税対策としても利用されているアパートローンは、人口減少や少子高齢化、首都圏集中で地方の過疎化が急速に進んでおり、過剰供給気味。銀行カードローンは、過剰な融資によって多重債務者再来の懸念から金融庁が金融機関を調査中。国債も利ざやが減少、日銀に買い取られ、企業は潤沢な内部保留を要因に融資に至っていません。

地銀収益2割減少、第二地銀も2割弱収益減少
この状況のなか、全国に64行ある地銀にとってはより深刻な問題となります。地銀の実質業務純益は前期比19.8%減と2割減り、第二地銀においても同16.0%減となっています。アパートローンやカードローンに頼るしか利益を出す手法がなくなったと言えます。
10月22日の衆院選では、想定外の結果となった「希望の党」の公約には、大企業の内部留保は約300兆円。この内部留保を課税対象にし、雇用の創出や設備投資を促すという強烈な発想でした。
設備投資や雇用拡大などに繋げるため、内部保留や余剰キャッシュに課税すると、目的とは全く逆の結果につながる可能性もあり、実証された研究がなければ必要ないと思われます。

地銀・第二地銀の最後の融資先?「農林業」
全国の地銀、第二地銀では、新たな融資先に農林業が増えてきています。農林業の担い手が高齢などで減少するなか、異業種からの参入や農林業拡大化など資金ニーズは着実に拡大しています。地銀による農林業への融資残高は今年3月末現在、約5,400億円に達しています。
第二地銀協会の集計では、農林業への融資は平成25年3月以降、毎年100億円超えのペーズで増加しており、昨年3月末時点で累計5,000億円を突破しました。
昨年9月に鹿児島銀行と農林業が共同で法人を設立。銀行から4人が出向し「どうすれば稼げるか意識が高まった」とし、営業力強化に人員を増員。西日本シティ銀行は、6次化産業を推進し今年3月までの融資残高が5年で16倍に拡大しました。他にも宮崎銀行や常陽銀行、七十七銀行、北陸銀行など農林業ローンが拡大しています。


[2017.10.24]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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