ドローンを農業に。上空から稲の生育状況を把握。品質向上させTPPへの対抗も
上空から稲の生育状況を把握
小型無人機のドローンの活用が各分野で広がっています。そのなかで、「世界一おいしい米をつくる」ため、田んぼの上空から稲の生育状況を把握しようというアイデアが出てきました。発案者は、「たいせつ農業協同組合」(北海道旭川市 柿林孝志代表理事組合長)の柿林孝志代表理事組合長。農家が、あぜ道を歩き、汗を流してきた作業をドローンに任せます。
ドローンの特性にぴったりのミッション
柿林組合長は、先進性に富む経営者です。1980年代、パソコン黎明期には、いち早くそろばんを計算機に置き換え、組合の仕事を刷新しました。ドローンの農業分野での利用では、農薬散布などがあげられていましたが、量をこなせない問題があった。状況把握ならピッタリです。
深刻な人手不足のなか着目したのは
導入の背景には、農家の高齢化など、全国に共通する問題があります。たいせつ農協管は、約5000ヘクタールの大規模な田んぼを持ちますが、稲作農家の数はここ10年で320戸と、ほぼ半減。人手不足が深刻になるなか、ドローンが撮影する映像画質の鮮明さに着目したのです。安全を保ちつつドローン活用を促す「セキュアドローン協議会」((社)セキュアドローン協議会:東京都港区 春原久徳会長)とともに、実証実験を繰り返してきました。
TPP発効にも対抗できるような米を
柿林組合長は、さらに先も見つめます。生育状況をきめ細かく管理することで、これまで以上に米のおいしさに磨きをかける。それにより、将来、環太平洋経済連携協定(TPP)に準じるような貿易協定が発効しても、世界的な競争力を保てるブランドを育てたいと考えているのです。今年末には、セキュアドローン協議会会長がトップに就くドローン・ジャパン(ドローン・ジャパン(株):東京都千代田区 勝俣喜一朗社長)が、具体的なサービスを始めます。期待しましょう。
●関連記事:「「ドローン宅配」が3年以内に実現へ! 来夏の規制緩和でIoT社会が一層進む」[2015.11.21]
[2017.4.22]
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