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思う以上に深刻な人手不足倒産、景気良い都市圏で倒産増!外国人活用の必要性は?

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今年上半期、9年ぶりに倒産が微増
東京商工リサーチが10月10日発表した平成29年度上半期(4月〜9月)の企業倒産件数は、前年同期から0.1%増え、リーマン・ショック以来、9年ぶりに前年を上回りました。数字上では、わずか0.1%増ですが、詳細を見ると深刻な傾向が分かってきます。
地域別で見ると九州・沖縄が前年同期比12.0%減、静岡県は同12.0%減と2桁ペースで倒産は減少しています。一方、東京都は同11.0%増、近畿は13.0%増、中部3県は14.0%増と、都市圏で倒産件数が増加ています。
企業全体では、0.1%増と倒産件数が増えましたが、あくまで平均値であり実際には都市圏で2桁増と倒産が増えましたが、地方圏では2桁減とこれまで通り企業倒産は減少傾向のままです。

都市圏の小規模事業者の倒産が増加
倒産の要因としては、飲食業や運輸業、建設業などの倒産が増加しており、件数では従業員5人未満の小規模事業者が多く、要因は人手不足がトップでした。少子高齢化が加速する日本で、人手不足は深刻な問題となっており、景気が良いはずの都市圏で人材確保に人件費が膨らみ、倒産に至る小規模事業者が増えていることになります。
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この深刻な問題を打開する政策を掲げる政党もなく、明日、衆院選が行われようとしています。
東京都内の飲食大手チェーンなどは、求人広告や伝手をたどり人材を確保しやすい環境にありますが、小規模事業者ではそのような体力はなく、人材確保に人件費を上げるしかないのが実情。よって、正社員などは人件費を浮かすため休みなく働き、肉体的・精神的な病となる悪循環ケースが後を絶ちません。

リスケ法案終了後も継続措置、異次元金融緩和で倒産回避
安倍政権は、これまでの危機的状況を打破するように中小企業金融円滑化法のリスケジュール(条件変更)終了後も同様の措置を続ける主旨を金融機関などに申請。日銀は、これまでにない異次元金融緩和で市中に資金が流通するよう施策し、これまで企業倒産を回避してきました。
ただ、「カネ」は政策で増減させるコントロールは効きますが、「ヒト」は政策ではコントロールできません。これまで「カネ」が要因となる倒産がほとんどでしたが、今後は「ヒト」が新たな要因、課題となってきています。
東京商工リサーチでは、このことから倒産件数は今後、徐々に増える可能性があると指摘しています。

若さ溢れるフィリピン人口、5千万人強が14歳以下
日本の人口分布を見ると、アジア近隣諸国に比べ労働人口(15〜65歳)、年少人口(0〜14歳)が圧倒的に少なく、高齢者層(66歳以上)が多い数値となっており、今後もこの比率改善の余地がありません。
一方、フィリピンなどは、日本同様に人口1億強となりましたが、年少人口は全体の過半を占めるなど若さ溢れる国となっています。
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労働人口も日本より多く、移民政策をとらない日本においてフィリピン人などアジア圏の人々が留学生ビザや労働ビザ(期限あり)で日本で働いているのが実情です。ともに労働に関し厳しい条件があるものの、全て守っていれば商売が成り立たないのは暗黙の了解としか思えません。
近未来の日本の人口激減は間近に迫っており、移民受入など積極的な政党間での議論が必要となります。


[2017.10.21]

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八木宏之プロフィール
セントラル総研・八木宏之
株式会社セントラル総合研究所 代表取締役社長。連帯保証人制度見直し協議会発起人。NPO法人自殺対策支援センターLIFE LINK賛同者。
昭和34年、東京都生まれ。大学卒業後、銀行系リース会社で全国屈指の債権回収担当者として活躍。平成8年、経営者への財務アドバイスなどの経験を活かし、事業再生専門コンサルティング会社、株式会社セントラル総合研究所を設立。以来14年間、中小企業の「事業再生と敗者復活」を掲げ、9000件近い相談に応えてきた。
事業再生に関わる著書も多く出版。平成22年5月新刊『たかが赤字でくよくよするな!』(大和書房)をはじめ、『7000社を救ったプロの事業再生術』(日本実業出版)、『債務者が主導権を握る事業再生 経営者なら諦めるな』(かんき出版)、平成14年、『借りたカネは返すな!』(アスコム)はシリーズ55万部を記録。その他実用書など数冊を出版している。
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