途上国の感染症パンデミック防止に効果!国内未承認薬提供の仕組みを整備
感染症パンデミックを阻止するために
政府は、アフリカ地域などの途上国での感染症の拡大防止に向けて、日本国内では未承認でも、治療効果が見込まれる医薬品を提供できる仕組みを整えます。途上国での感染症発生がパンデミック(世界的大流行)につながるのを避けるためです。製薬分野は、アベノミクスの柱であり、産業化の期待もかかるのですが、国内で使うまでには、長い承認手続きが必要です。今回は、いのちの危機が迫っている途上国への緊急措置ですが、大切なことです。
国内未承認は出せない
日本には、優秀な医療スタッフがおり、優れた薬がありますが、途上国の非常時には影が薄くなりがち。支援体制が現地ニーズに合っていないからです。平成26(2014)年、エボラ出血熱が大流行した時も、日本政府は医薬品提供の要請を受けながら、迅速に対応することができませんでした。専門家内では安全性が確認されていても、国内の患者用に承認していないもの出せないという理屈でした。こうした反省のもとに、内閣官房が中心となり、今回対応となりました。
インフル治療薬をエボラ出血熱に
現段階で想定されるのは、インフルエンザ治療薬「アビガン」です。エボラ出血熱の治療薬としての利用が期待されます。先に挙げた平成26(2014)年にギニアなどでエボラ出血熱が流行した際、フランスの研究所が臨床実験をしたところ死亡率の低下といった効果が報告されました。提供にあたっては、医薬品を投与する患者や期間を適切に判断して使用できる体制が現地で確保されていることが条件となります。未承認薬が適切に管理、使用できるよう助言する体制も整えます。
国際的知名度にもつながる
巨額を投じて開発する薬剤は、何も国内の患者のためだけにつくるのではありません。こうした事態に積極的に出ていくことで、国際的な知名度をさらにあげることも目指さなければなりません。
●関連記事:「富士フィルム、エボラ特効薬として「アビガン錠」を国際承認へ!欧米先進国で患者治るケースが続々」[2014.11.18配信]
[2017.8.16]
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