ブロックチェーン:仮想通貨技術を駆使。全国銀行協会が進める新たな金融サービス
金融とIT(情報技術)を融合した「フィンテック」の開発が加速するなか、全国銀行協会が、「仮想通貨技術」を使った新たな金融サービスを生み出す環境整備を進めていることがわかりました。複数の銀行が連携し、送金などの分野で安く利便性の高いサービスの実現を目指します。平成29(2017)年度中に、大手銀行や地銀を問わず共同実証実験の場を設ける方針です。
サーバー不要のブロックチェーン
具体的には、ブロックチェーンと呼ばれる、仮想通貨の中核技術の実用が柱です。ブロックチェーンとは、インターネット上の複数のコンピューターが相互に監視しあい、取引記録を共有する仕組み。巨大なサーバーなどが不要になるため、コストが削減でき、処理スピードも速くなります。全銀協が「ブロックチェーン連携プラットフォーム(仮称)」を立ち上げ、業界全体で知見を蓄積します。システムの開発費用は、全銀協が負担する方向です。
送金コストが1/10に!
ブロックチェーンを使えば、銀行が国内外へ送金する際のコストは、10分の1~20分の1に下がるとの推計もある。手形や書類をベースにしてきた貿易金融の分野も、数日かかっていた手続きが数分で済む可能性があります。そうなれば、当然、利用者のコストも削減されるでしょう。
地銀にも活用の道
全銀協が昨年実施したアンケート調査では、7割弱の銀行がブロックチェーンの実用化を「検討している」と回答しました。3メガバンクはすでに、国内送金での共同実験を実施していますが、資金やノウハウの蓄積が乏しい地銀は、追いつくすべがありませんでした。全銀協は、従来のシステムを補完する形でブロックチェーンを活用する道を、全国に普及させようとしているのです。
●関連記事:「フィンテック2017②:ブロックチェーン技術/日本流フィンテックの正念場」[2017.1.14配信]
[2017.4.6]
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