消費者動向:モノからコト/ホテル産業、訪日客を取りこぼさない知恵比べ
宿泊施設でもモノからコトへ
消費者の動向が、単純な「モノ消費」から、イベント性などを加味した「コト消費」に移行していると言われます。中長期滞在型の宿泊施設でも、それを踏まえた工夫が始まっています。三井不動産(三井不動産(株):東京都中央区 菰田正信社長)は、連泊客らに向けた体験型イベントなどで、ホテルの新しい上級ブランドを立ち上げます。大和ハウス工業系のコスモスイニシア((株)コスモイニシア:東京都港区 高木嘉幸社長)も、追随します。
訪日外国人に向け体験イベントを
三井不動産の新ブランドは、京都市と、東京・銀座にオープンする「ザ セレスティンホテルズ」。開設場所ならではのサービス提供にこだわることを宣言し、地元の老舗を誘致したり、土地ならではのアメニティーもそろえたり、伝統芸能の体験イベントを企画したりします。宿泊料金の目安は1室3万~3万5千円。メインターゲットは、訪日外国人のようです。
滞在日数の長い客を取りこぼさない知恵
コスモスイニシアも、中長期滞在型のホテル事業に乗り出します。平成30(2018)年にも、東京都や京都市で5棟を開業する計画です。1部屋に3~5人が滞在できる、40平方メートルほどの広さの部屋を用意し、ここに、キッチンやダイニングルームを併設。高所得層の訪日客の間では、滞在日数が長くなる傾向があり、こうした客のニーズを取りこぼさないよう知恵を絞りました。
東京五輪も当然の視野に
平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピック開催に向け、外国人観光客や富裕層をどう呼び込むのかは、ホテル産業の勝負所。高級化、差異化、最新需要への適応は必須の条件であり、今後、1泊5万~8万円程度の宿泊費を見込むホテルも出てきそうです。まさに知恵の出し比べです。
●関連記事:「問われる日本の「おもてなし」文化。急増する訪日客への「サービスの質」は追いついているか?」[2015.12.7配信]
[2017.3.1]
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